(2024年02月08日[木])
《1票の格差が最大3・03倍…最高裁大法廷は「合憲」とした…議会制民主主義の根底をなすのは「公正な選挙」である》(東京新聞)。「1票の不平等」のその結果が、(桐山桂一さん)《いびつな選挙で多数派を占める政府・与党》のやりたい放題。
(東京新聞)《「1票の不平等」を巡る訴訟で昨年の参院選を「合憲」と判断した18日の最高裁大法廷判決》。アノ《宇賀克也判事は「違憲・無効」の反対意見を書き、「参議院の民主的正統性が疑問視されざるを得ない」とも述べた》…たった一人だ。
『●当該選挙民が責任を持って原発推進議員に落とし前を』
《駅前で、何人かの市民に話を聞いてみたが「ピンとこない」
「難しい」と、関心は薄い。しかし全国で一票の格差訴訟を
起こしている升永英俊弁護士は「住んでいる場所で
一票の価値が違うのは、一票の住所差別だ」と強調する》
『●《民主主義の根幹を成す選挙にはそれだけ価値がある…1票は重い。責任
ある行動が求められる》…選挙に行く以外に《悪政は拒否できない》』
『●アベ様よりはヅボヅボではない、票の差配などしていない…《ならば、
なぜ議院運営委員会や記者会見など公の場で堂々と説明しないのか》?』
『●《1票の格差が最大3・03倍…最高裁大法廷は「合憲」とした…議会制
民主主義の根底をなすのは「公正な選挙」である》(東京新聞)』
東京新聞のコラム【<視点>投票価値の考え方 平等こそが未来を開く 論説委員・桐山桂一】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/307592?rct=shiten)によると、《2022年の参院選では3倍超の格差がある選挙区の有権者数は全体の20%を超えていた。当然、議席数にも反映する。自民党は選挙区での得票率は約38%に過ぎないのに、60%もの議席を得ていた。これが公正な選挙だろうか。でも、昨年10月の最高裁判決は「合憲」だった》。
さらに、桐山桂一さん《いびつな選挙で多数派を占める政府・与党が、専守防衛の枠を超えた軍事部門に莫大な税金を投じる。「新しい戦前」の時代だ。五輪や万博の「昭和の夢」にすがり、大枚をはたく国でもある。国民の生活は苦しくなるはずだ。1人1票の平等があれば、国民の多数意見に沿った政治に転換できるかもしれない。それが未来を開く鍵となると思っている》。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/307592?rct=shiten】
<視点>投票価値の考え方 平等こそが未来を開く 論説委員・桐山桂一
2024年2月6日 06時00分
日本の地盤沈下が激しい。
GDP(国内総生産)は世界4位に転落しそうだし、競争力ある産業も育ちそうにない。賃金の伸びは先進国最低レベルだ。
元最高裁判事の泉徳治氏が著した「私の最高裁判所論」にこんな記述があった。
〈日本全体の地盤沈下について、いびつな選挙システムが一因をなしていることは明らか(中略)。主権者たる国民の意思が正確には国会に届いていないのである〉
1票の格差は衆院選で最大2倍超、参院選で3倍超もある。等しい投票価値=1人1票=が実現すれば、問題が解決するわけではないが、「日本が危機的状況にあるとき、その針路の決定について国民一人ひとりに平等な発言の機会を与えるべきである」と泉氏は説いている。
たとえ国会が誤った政策判断をしても、1人1票であれば、次の選挙で国民の多数意見に沿った政策変更を実現できる、と。同感である。
1票の格差は投票権の地域差別である。このため国会での過半数は真の民意と乖離し、政策変更も容易でない。
2022年の参院選では3倍超の格差がある選挙区の有権者数は全体の20%を超えていた。当然、議席数にも反映する。自民党は選挙区での得票率は約38%に過ぎないのに、60%もの議席を得ていた。
これが公正な選挙だろうか。でも、昨年10月の最高裁判決は「合憲」だった。
15人の判事のうち、「違憲状態」の意見は、検察官出身の三浦守氏と裁判官出身の尾島明氏の2人のみ。「違憲・無効」としたのは、学者出身の宇賀克也氏だけだ。
尾島氏の意見は明快である。こんな趣旨である。
「選挙権は最も基本的な憲法上の権利の一つであるにもかかわらず、投票価値が他の選挙区と比較すると3分の1程度しかないのは、平等原則からすれば、議院の構成員が正当に選挙された者であるといえるのかに疑問が付く」
「選挙権という重要な憲法上の権利が毀損されているときに、裁判所が国会の不作為に過度に寛容な姿勢を見せることは相当とはいえない」
宇賀氏の趣旨もこうだ。
「憲法は有権者に形式的に同数の投票権を付与するのみならず、等価値の投票権を付与していると考えられる。投票価値が等しい選挙制度を設計する必要がある」
「国民に等価値の選挙権が保障されなければならず、そうでなければ、参議院の民主的正統性が疑問視される」
いびつな選挙で多数派を占める政府・与党が、専守防衛の枠を超えた軍事部門に莫大な税金を投じる。「新しい戦前」の時代だ。五輪や万博の「昭和の夢」にすがり、大枚をはたく国でもある。国民の生活は苦しくなるはずだ。
1人1票の平等があれば、国民の多数意見に沿った政治に転換できるかもしれない。それが未来を開く鍵となると思っている。
【関連記事】1票の格差、最大3.03倍でも「合憲」 2022年夏の参院選で最高裁「拡大傾向にあると言えない」
【関連記事】平等な1票はいつ実現する? 国会での議論はほとんど進まず 合区解消に改憲持ち出す自民、「法改正」と立民
【関連記事】衆参の役割を見直す時期が来た? 政治とカネ、地方の人口減、低投票率…国民が望む選挙制度とは
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(2023年10月24日[火])
えっ、《合憲》?? 小選挙区制というデタラメで死票ワンサカ (獲得した票数と議員数がアンバランス)、カルト協会とヅボヅボなアベ様や細田博之元衆院議長らは票の差配で選挙制度を歪め、この度、1票の格差裁判で最低裁は《合憲》だと言います…。
『●当該選挙民が責任を持って原発推進議員に落とし前を』
《駅前で、何人かの市民に話を聞いてみたが「ピンとこない」
「難しい」と、関心は薄い。しかし全国で一票の格差訴訟を
起こしている升永英俊弁護士は「住んでいる場所で
一票の価値が違うのは、一票の住所差別だ」と強調する》
『●《民主主義の根幹を成す選挙にはそれだけ価値がある…1票は重い。責任
ある行動が求められる》…選挙に行く以外に《悪政は拒否できない》』
『●アベ様よりはヅボヅボではない、票の差配などしていない…《ならば、
なぜ議院運営委員会や記者会見など公の場で堂々と説明しないのか》?』
東京新聞の【<社説>1票の格差判決 いびつな選挙正さねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/284641?rct=editorial)。《1票の格差が最大3・03倍だった昨年の参院選を最高裁大法廷は「合憲」とした。国会が是正策を怠り、著しい不平等が残るのに納得し難い判断だ。等しい投票価値は憲法上の要請である。平等な選挙の実現を急ぐべきだ。議会制民主主義の根底をなすのは「公正な選挙」である。だが、昨年夏の参院選は1人1票のはずが、選挙区により1人約0・3票の価値しかなかった。いびつな選挙制度は国会の議席数にも反映する。自民党は選挙区での得票率は約38%に過ぎなかったのに60%もの議席を得ていた。これで「公正な選挙」といえるだろうか。国民主権では本来、有権者の投票数に正比例する議席数が与えられるべきで、それが「真の民意」の在りかである。いびつな選挙制度で当選すれば議席の正統性に疑問符が付くはずだ》。
アノ《宇賀克也判事は「違憲・無効」の反対意見を書き、「参議院の民主的正統性が疑問視されざるを得ない」とも述べた》…たった一人だ。
加藤益丈・太田理英子両記者による。東京新聞の記事【1票の格差 裁判官15人の意見一覧表…「是正は喫緊の課題」でも「合憲」と最高裁 2022年参院選】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/284565)。《「1票の不平等」を巡る訴訟で昨年の参院選を「合憲」と判断した18日の最高裁大法廷判決。国会は前回選挙から新たな格差是正措置を取らず、格差は拡大したものの、隣接県を一つの選挙区にする「合区」で投票率が低下するなど弊害に言及し、「国民の理解を得る是正」には時間がかかるとして結論を導いた。これ以上の是正の遅れを許さない姿勢も示したが、国会で取り組みが進むかは不透明だ。(加藤益丈、太田理英子)》。
大野暢子記者による、同紙の記事【平等な1票はいつ実現する? 国会での議論はほとんど進まず 合区解消に改憲持ち出す自民、「法改正」と立民】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/284577)。《参院選での「1票の格差」を合憲とした最高裁判決を受け、自民党の世耕弘成参院幹事長は18日、国会内で記者団に「次期参院選に向けて(選挙制度の)議論を進めていく」と述べた。だが「合区」に頼らず、投票価値の平等をどう担保するかなど議論はほとんど進んでいないのが実情で、解消の道筋は見えていない》。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/284641?rct=editorial】
<社説>1票の格差判決 いびつな選挙正さねば
2023年10月19日 08時03分
1票の格差が最大3・03倍だった昨年の参院選を最高裁大法廷は「合憲」とした。国会が是正策を怠り、著しい不平等が残るのに納得し難い判断だ。等しい投票価値は憲法上の要請である。平等な選挙の実現を急ぐべきだ。
議会制民主主義の根底をなすのは「公正な選挙」である。だが、昨年夏の参院選は1人1票のはずが、選挙区により1人約0・3票の価値しかなかった。
いびつな選挙制度は国会の議席数にも反映する。自民党は選挙区での得票率は約38%に過ぎなかったのに60%もの議席を得ていた。
これで「公正な選挙」といえるだろうか。国民主権では本来、有権者の投票数に正比例する議席数が与えられるべきで、それが「真の民意」の在りかである。いびつな選挙制度で当選すれば議席の正統性に疑問符が付くはずだ
かつ昨年の参院選では、格差3倍超の選挙区の有権者数は全体の20%を超えていた。国民に等価値の選挙権を与えている憲法に反するのは明白だ。
宇賀克也判事は「違憲・無効」の反対意見を書き、「参議院の民主的正統性が疑問視されざるを得ない」とも述べた。全面的に同意する。
「違憲状態」とした他の2人の判事の意見も、昨年の参院選は平等原則に反し、正当化できないとの考えからだ。
ところが多数意見は、国会での格差是正の見通しが立っていないことは認めつつ、「かつての5倍前後で推移した格差が合区によってひとまず解消した」ことを合憲の理由の一つとしている。
確かに「鳥取・島根」「徳島・高知」を一つの選挙区にする合区で格差は3倍程度に縮まったが、多数意見の論理によれば、参院では3倍を超える不平等を許容することにならないか。不平等な選挙にお墨付きを与えるような司法判断には強い違和感を持つ。
全国を9~11程度の地区に分けるブロック制を導入すれば、不平等は大きく解消することが知られている。与党の公明党や多くの野党も賛成している。
逆に、自民党が主張する「合区解消」の改憲案では格差は容認され、「法の下の平等」に反した状態が残り続けることになる。
議会制民主主義は平等で公正な選挙でないと実現しない。当然だが、改めて主張しておきたい。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/284565】
1票の格差 裁判官15人の意見一覧表…「是正は喫緊の課題」でも「合憲」と最高裁 2022年参院選
2023年10月19日 06時00分
「1票の不平等」を巡る訴訟で昨年の参院選を「合憲」と判断した18日の最高裁大法廷判決。国会は前回選挙から新たな格差是正措置を取らず、格差は拡大したものの、隣接県を一つの選挙区にする「合区」で投票率が低下するなど弊害に言及し、「国民の理解を得る是正」には時間がかかるとして結論を導いた。これ以上の是正の遅れを許さない姿勢も示したが、国会で取り組みが進むかは不透明だ。(加藤益丈、太田理英子)
◆「国会議員はメッセージをしっかり受け止めて」
「前回の判決より後退している。がっかり」。訴訟を起こした二つの弁護士グループのうち、山口邦明弁護士グループのメンバーは判決後の記者会見で落胆の表情を浮かべた。三竿径彦みちひこ弁護士は「3倍の格差に裁判所がお墨付きを与えたように読める」と危機感を強めた。
(「1票の格差」訴訟の最高裁判決を受け、
「格差是正要求付合憲」などと書かれた紙を掲げる
升永英俊弁護士(中)ら=18日、東京都千代田区で)
もう一方の升永英俊弁護士グループも会見し、判決が「合憲」の結論を述べた後の付言で「格差のさらなる是正を図ることは喫緊の課題。選挙制度の抜本的見直しも含め、広く国民の理解を得られる立法措置を講じることが求められている」と指摘した点を評価。伊藤真弁護士は「国会議員は最高裁に突きつけられた『喫緊の課題』だというメッセージをしっかり受け止めてほしい」と訴えた。
◆「合区の弊害」に大法廷判決で初めて言及
訴訟の焦点は、最大格差3.00倍だった2019年選挙から昨年の参院選までの国会の「格差是正への姿勢」をどう評価するか。いずれも最大格差3倍前後だったが、是正策を講じて迎えた過去2回の参院選と異なり、新たな格差是正策を全くとらずに格差が拡大していたためだ。
国会も何もしなかったわけではない。参院全体の定数増や合区の拡大などを議論したが、16年選挙で導入された「合区」への反対などから実現に至らなかった。公選法の規定で一審となる高裁・高裁支部判決16件のうち、違憲が1件、違憲状態が8件を占めていただけに、大法廷判決も「具体的な検討が進展していると言い難い」と厳しく指摘した。
一方、合区した4県で「投票率の低下や無効投票率の上昇が続けて見られる」と指摘。「有権者は都道府県ごとに国会議員を選出する考えが強く、選挙への関心や投票行動に影響を与えたことがうかがえる」と合区の弊害に初めて触れた。
◆「投票率の低下は都市部でも起きている」
参院憲法審査会で合区の問題を指摘してきた広島大法科大学院の新井誠教授(憲法)は「合区が有権者の政治への無関心を誘ったことを憂慮した判決だ。あるべき方向で評価できる」とした上で、「合区の問題はまったなし。今後、国会では、参議院の役割を踏まえ、合区を解消した選挙制度の議論が始まるのではないか」と期待する。
(2022年の参院選における「1票の不平等」訴訟の判決を
言い渡した最高裁大法廷=18日、東京都千代田区で)
「投票率の低下などは合区対象県だけでなく都市部でも起きている。合区への反発を制度改革が進まない言い訳に使っている」と批判するのは、一橋大大学院の只野雅人教授(憲法)。「国会の格差是正を指向する姿勢が維持されていると評価するのは困難」との個別意見を書いた三浦守裁判官と同様に、これまでの最高裁の判断に沿えば「違憲状態」と判断すべきだったと指摘。「国会に格差是正を求めるメッセージが弱まっている」と危惧する。
「国会は最大格差が3倍前後なら、議論していれば是正策を実現しなくても大丈夫だろうと受けとめるだろう。抜本的な見直しどころか、選挙区の定数の増減など弥縫策びほうさくにさえ取り組まなくなるのではないか」
【関連記事】平等な1票はいつ実現する? 国会での議論はほとんど進まず 合区解消に改憲持ち出す自民、「法改正」と立民
【関連記事】1票の格差、最大3.03倍でも「合憲」 2022年夏の参院選で最高裁「拡大傾向にあると言えない」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/284577】
平等な1票はいつ実現する? 国会での議論はほとんど進まず 合区解消に改憲持ち出す自民、「法改正」と立民
2023年10月19日 06時00分
(国会議事堂の北側半分を占める参議院)
参院選での「1票の格差」を合憲とした最高裁判決を受け、自民党の世耕弘成参院幹事長は18日、国会内で記者団に「次期参院選に向けて(選挙制度の)議論を進めていく」と述べた。だが「合区」に頼らず、投票価値の平等をどう担保するかなど議論はほとんど進んでいないのが実情で、解消の道筋は見えていない。
◆後退した付帯決議
参院選の1票の不平等を巡っては、最高裁が2010年と13年の選挙を「違憲状態」とした。15年には鳥取・島根両県と徳島・高知両県の選挙区をそれぞれ統合することを決めた改正公選法が成立。同法の付則には19年参院選に向けて制度を抜本的に見直し、必ず結論を得ることが明記された。
隣接する都道府県の選挙区を統合した合区に対し、与野党から解消や是正を求める声が上がり続けてきた。だが、各党の思惑が交錯して議論は進まず、18年の同法改正時にこの付則は消され、「憲法の趣旨にのっとり引き続き検討を行う」との付帯決議に後退した。
合区を解消する手段として、自民が改憲を提案しているのに対し、立憲民主党は法改正で対応できると主張。今年5月の参院憲法審査会では、自民が当面は法改正での対応もあり得る、との見解を示した。
立民の泉健太代表は18日の記者会見で、「立法府として合憲判決に甘えることなく、与野党が協議し、結論を出す努力をしなければならない」と訴えた。(大野暢子)
【関連記事】1票の格差 裁判官15人の意見一覧表…「是正は喫緊の課題」でも「合憲」と最高裁 2022年参院選
【関連記事】1票の格差、最大3.03倍でも「合憲」 2022年夏の参院選で最高裁「拡大傾向にあると言えない」
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[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]
(2023年07月23日[日])
差別禁止法どころか…《それでなくても酷かった与党案よりも法案内容がさらに後退。…“理解増進法案”ではなく“差別増進法案”》(リテラ)。
差別禁止が骨抜きにされて理解増進に、さらには、差別禁止どころか差別増進法が成立。さらには、あの荒井勝喜氏が通商政策局担当の官房審議官にカムバックとはねぇ? 《官房付になっていた》というのも驚きだね。
『●〈こちら特報部〉《であれば、今はLGBT法整備に政策転換を。荒井
氏の発言が内閣の考えでなく、「多様性」があることを証明できる》』
『●適菜収さん《誤解と言うなら、この短い発言の正しい解釈は何なのか?》
…ことごとくヅボヅボ自民党議員の「誤解を招いたなら謝罪する」』
『●カルトとヅボヅボな自民党には《差別解消》など無理というもの…。
馘首で幕引き? 《問われているのは首相自身の人権意識だ》(東京新聞)』
『●《理解増進》ではなく、差別禁止を…《今の日本に必要なのは曖昧な
LGBT理解増進法ではなく、明確な差別禁止法です》(小島慶子さん)』
『●《…という都合のいい思惑がある。時代に逆らい差別し続けたい自民党
と政府とは…。地方自治体選挙はまさに「差別との闘い」の選挙になる》』
『●差別禁止法どころか…《それでなくても酷かった与党案よりも法案内容が
さらに後退。…“理解増進法案”ではなく“差別増進法案”》(リテラ)』
『●あとの祭り、《「差別との闘い」の選挙になる》はずだったのに…「不当
な差別は許されない」って、《不当》でない《差別》とは一体何?』
『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》』
『●幕は引かれていなかった。やりたい放題…公お維コミや #自民党に投票
するからこうなる。この間、差別禁止どころか差別増進法が成立』
《女子トイレ議論》、どうも腑に落ちない。差別禁止法とは別の議論なのではないか。意図的に混乱させよいとしているように思う。
日刊ゲンダイのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー 松岡宗嗣(一般社団法人「fair」代表理事)/当事者の立場で語る“骨抜きLGBT法”の大問題 「反対するための道具に利用されかねない」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325631)によると、《自公与党に日本維新の会と国民民主党がスリ寄り、LGBTへの差別をなくす法制度は理解増進法という形で骨抜きにされ、理念が後退してしまった。全国5地裁で同性婚を認めない現行制度が違憲か合憲かが争われた訴訟では、4地裁が「違憲」「違憲状態」とし、法整備を国に迫った。世論調査でも7割超が同性婚に賛成しているのに、政治の動きは遅い。ゲイの当事者の立場から、問題を語ってもらった》。
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325631】
注目の人 直撃インタビュー
当事者の立場で語る“骨抜きLGBT法”の大問題 「反対するための道具に利用されかねない」
公開日:2023/07/10 06:00 更新日:2023/07/10 06:00
■松岡宗嗣(一般社団法人「fair」代表理事)
(松岡宗嗣氏(C)日刊ゲンダイ)
自公与党に日本維新の会と国民民主党がスリ寄り、LGBTへの差別をなくす法制度は理解増進法という形で骨抜きにされ、理念が後退してしまった。全国5地裁で同性婚を認めない現行制度が違憲か合憲かが争われた訴訟では、4地裁が「違憲」「違憲状態」とし、法整備を国に迫った。世論調査でも7割超が同性婚に賛成しているのに、政治の動きは遅い。ゲイの当事者の立場から、問題を語ってもらった。
◇ ◇ ◇
──理解増進法は成立優先で審議に時間をかけず、維新と国民民主の修正案を与党が丸のみ。内容が後退したという批判が上がっています。どう見ていますか。
大前提として、私たちは差別を禁止する法律を求めてきました。性的少数者に対する深刻な差別が社会に根強く残っているからです。例えば、トランスジェンダーであることを理由に就職で差別を受けたりとか、同性カップルが賃貸物件を借りられないといったことです。差別的取り扱いを禁止する法律を求めていたのですが、出発点から「理解増進」に骨抜きにされてしまったと言わざるを得ません。
──スタート時からつまずいていたわけですね。
とはいえ、保守派の声が大きい今の政治状況では、差別禁止法の実現は難しい。理解増進でも、ないよりはあった方がいいのかもしれない。そういう思いで国会の議論を見守っていたのですが、最終的に通ってしまった法律は、立て付け上は理解を広げるための法律になっていますが、理解を抑制するための条文が入ってしまった。そこに大きな懸念を持っています。
──「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」という文言ですね。少数派の権利を守る法律なのに、多数派の尊重になってしまっていると。
この文言が入ったことで、多数派の人が「不安だ」「安心できない」と言った場合に、自治体や企業、学校の現場が理解増進のために行っている取り組みがストップしてしまう恐れがある。理解を進めたくない人に、反対するための口実を与えてしまったのです。実際、自民党の古屋圭司衆院議員はブログに〈この法案はむしろ自治体による行き過ぎた条例を制限する抑止力が働くこと等強調したい〉と投稿し、西田昌司参院議員は動画で「国が指針を示すことで、地方や民間団体が過激な方向に走らないよう歯止めをかける。そのための道具としてLGBT法案が必要」と発言しています。自民党議員全員がこうした考えを持っているとは思いませんが、反対の口実に使われてしまう可能性は拭えません。
■女子トイレ議論がトランス女性への偏見を助長
(反対の声が続々と上がった(C)日刊ゲンダイ)
──反対派は「女性だと自称する男性が女子トイレや女湯に入ってくる」と繰り返し主張しました。
理解増進法はあくまでも「理解を広げましょう」という趣旨の理念法です。法律が、「女性だ」と自称する男性が女子トイレや女湯に入るための根拠になることはありません。こうした意見はトランスジェンダーの実態に沿っておらず、排除ありきの言説であることは明らかです。あたかも、トランス女性が加害者であったり、多数派を脅かすような存在として語られたことで、差別や偏見を助長する方向に向かってしまっていると思います。
──トランス女性への誤解を広げてしまった。
男女別施設利用に関するトランスジェンダー女性の実態は、自分が女性として周囲に認識されるかどうか慎重に考え抜き、結果的に自分の望むトイレを利用できないケースが多いのです。公衆浴場は身体的な特徴に基づいて男女分けがされており、性別適合手術を受けていない場合、女湯には入れません。それは当事者が一番よく分かっている。本来必要なのは性暴力をなくすことや防犯対策など安全な環境整備のはずが、法律に反対する人がトランスジェンダーを排除するために「男が女湯に入ってくる」と不安をあおることで、当事者の実態に沿わないデマを広げてしまったことは非常に残念です。当事者が「お風呂、トイレはどうしよう」と悩み苦しんでいる実態を考えてもらいたいと思います。
■性の多様性を教えるべき教育現場への圧力
──法律には、学校などに教育や啓発活動の努力義務を課す条文として「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ教育」という文言も加わりました。
もちろん、周囲の協力はあった方がいいでしょう。しかし、家庭や地域、その他の関係者の反対があれば、学校現場での理解増進を阻害できてしまう。やはり、反対するための口実になりかねず、問題だと思います。
──LGBTに関する教育については、反対派から「過激な教育をするな」「子どもたちが混乱する」といった声が上がりました。しかし、教育しなければ性的少数派の子どもたちは悩みを抱えたままになってしまうのではないでしょうか。
トランスジェンダーの多くは中学生までに性別への違和感を自覚し、同性愛者や両性愛者に関しては思春期に自覚するケースが多いといわれています。子どもの頃に周囲との違いに気づき、「自分は気持ち悪い存在なんじゃないか」と苦しみ、それがイジメや自殺につながっていくことも考えられる。ですから、子どもの頃から「同性を好きになってもいい」「出生時に割り当てられた性別と異なる性別で生きたっていい」と性の多様性について、大人が教えるべき。それが生きやすさにつながると思います。
──松岡さんがゲイだと自覚したのは幼少期だったのでしょうか。
私が自覚したのは小学校高学年の頃です。でも、受け止めるまでには時間がかかった。「これは誰にも言ってはいけない」と感じ、周囲には面白おかしく“ゲイキャラ”のように振る舞い、笑いにしていました。「ホモは気持ち悪い」みたいなオチで笑いを取っていたので、チクチク心を痛めながら生きていました。大学進学で上京する際に友達に、進学後に母親にカミングアウトすると、皆、フラットに受け入れてくれた。ただ、当事者の中には、周囲にカミングアウトしたら「病気だ」「いつか治るよ」と言われたり、家から追い出されてしまった人もいる。やはり、理解を広げるためにも、教育は大事だと思います。
──反対派の言説は教育現場の萎縮にもつながりかねませんね。
自民党保守派の反対による教育現場の萎縮は以前もありました。1999年に男女共同参画社会基本法が施行された後の2000年代、「ジェンダーフリー」や「性教育」へのバックラッシュ(反動)が起きたのです。象徴的なのは、03年の東京都立「七生養護学校」を巡る騒動です。障害のある子どもたちへの性教育が行われていたのですが、それに対して複数の地方議員が「過激すぎる」と猛批判。騒動の余波は国政に及び、自民党が「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」を発足。その座長が安倍元首相であり、事務局長は理解増進法に反対した山谷えり子参院議員でした。結果、教育現場が萎縮し、この20年で進むはずだった性教育が停滞したと言えます。
■社会が変化しても当事者に目を向けない岸田政権
──自民党保守派は昔から強硬に反対しているのですね。
世論調査では、同性婚への賛成が多数にのぼっています。その上、司法の場でも同性婚を認めない現行制度について、違憲判決が続いている。政府はいつまで差別をし続けるのか、いかに日本の政治が世論と乖離しているか、如実に表れているように感じています。
──法制化に向けた議論が本格化したのも、今年2月に首相秘書官からLGBTへの差別発言が飛び出し、批判を招いたことが原因でした。同性婚の法制化について、岸田首相は「社会が変わってしまう」と言っていましたが、いかに消極的なのかがよく分かります。
結局、当事者のことを見ていないということでしょう。当事者の困難や生きづらさに全く向き合っていない。内容はなんでもいいから建前のための法律をつくれ、ということだったのかもしれません。「社会が変わってしまう」は岸田首相の本音なのかもしれませんが、既に社会は変わっている。そこに全く目が向いていないのもおかしいですし、そもそも政治は社会の変化に応えるために存在しているのではないか。結局、LGBTの権利保障に反対する支援組織である右派団体の方にしか目が向いていないと思わざるを得ません。
(聞き手=小幡元太/日刊ゲンダイ)
▽松岡宗嗣(まつおか・そうし)1994年、名古屋市生まれ。2018年、性的マイノリティー関連情報を発信する一般社団法人「fair」を立ち上げた。HuffPostや現代ビジネス、Yahoo!ニュースなどでLGBTに関する記事を執筆。「LGBTとハラスメント」「あいつゲイだって アウティングはなぜ問題なのか?」などの著書がある。
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[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]
『マガジン9』のコラム【鈴木耕 言葉の海へ/第12回:憲法の言葉こそ】(http://maga9.jp/kotobano171122/)。
《小選挙区制という制度の不備…それに対しては、批判や罵倒が山のように飛んできた…ここで多いのが「民主主義」という言葉だ。批判者はまるで勝ち誇ったように「民主主義」を連発する。ふだんはあまり「民主主義」を好んでいないような人たちが、ここぞとばかりにこの言葉を投げつけてくる。だから内田さんは、彼らが連呼するのは「特異な民主主義」だという。つまり、いまの日本の小選挙区制という政権与党が常に圧勝する仕組みによる、本来の意味での「民主主義」とは異なるものではないかというのだ》。
『●争点は「壊憲」: 若者の皆さん、「もしあなたが
投票に行かないと日本はどうなってしまうのか?」』
「WP『100% Go Vote!(全員、選挙に行こう!)』は、
コチラです ⇒ 【http://www.japanteam.net/100vote/index.html】…
少しでも投票率が100%に近づくことを願っています。
大袈裟なことではなく、「20XX年、再び戦争が始まった…」
とならないために」
『●争点は「壊憲」:
「若者よ、戦争に行かず、選挙に行こう」…1票でしか変わらない』
「asahi.comの斎藤健一郎記者による記事『投票率85%の村で聞いてみた
「選挙行きますか?」』…。羨ましい。《投票率85%》、《95%》!
「尊敬」するスウェーデンでは、常に80%を超えるそうです」
『●争点は「壊憲」:「若者は、選挙に行かず、戦争に行った」…
本当にいいの? 「しらけ」ている場合なの?』
『●石川真澄さんを思い出す: 小選挙区制、そして、低投票率』
『●小選挙区制という幻想: 「死票が7割も出る制度」』
「神保哲生さんのvideonews.comの記事
(http://www.videonews.com/on-demand/601610/002622.php)。
…「死票が7割も出る制度」なんてお話にならんでしょ。当初、
二大政党制になり、死票が最高5割と言っていたはずなのに、
大いなる幻想だった訳。いまや、一大政党制の体たらく。
怖い世の中だ。これも選挙民が選んだものとはいえ、
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
の愚痴の一つも言いたくなる。
小選挙区制が導入される直前、石川真澄記者は「守旧派」として
批判されたが、小選挙区制を支持した当時の政治家やマスコミ記者連の
目は節穴か、確信犯だったようだ」
《マル激トーク・オン・ディマンド 第610回(2012年12月22日)
われわれが選んだもの、選ばなかったもの
ゲスト:小林良彰氏(慶応大学法学部客員教授)》
『●自民党の長期「党勢の低迷」…それでも絶対得票率1/4で
3/4の議席を占める小選挙区制という欠陥制度』
『●全く民意を正しく反映していない「勝者総取り」…
絶対得票率1/4で3/4の議席を占める欠陥制度』
《勝者総取り》という《特異な民主主義》。「2/4は選挙にも行かず、絶対得票率1/4で3/4の議席を占める」というスゴイ「民主主義」的選挙制度。
『●「自民党の補完勢力」「自民党の2軍」癒党が野党を破壊し、
与党自公の壊憲・緊急事態条項を推進…』
「2/4は選挙にも行かず、絶対得票率1/4で3/4の議席を占める
という欠陥選挙制度。選挙制度を変えないと、民意が全く反映されない。
《民意を正しく反映する選挙制度は、比例代表制なのではないか。
なぜなら民意は多様である。それぞれの民意を代表する政党に
投じられた票を正しく議席数に反映できる唯一の方法だからだ。
死票も出ない》、《現行制度が導入されてからもう二十一年たった。
問題点も明らかだ。選挙制度の議論を始めるべきだと考える》…
桐山桂一さんの意見に大賛成」
本コラムの末尾、ブログ主も《大好きな文芸評論家の斎藤美奈子さん》の言葉が引用、《となると、立民が野党第一党にすべりこんだ今回の結果はけっして悪くなかったのではないか。災い転じて福となす。転んでもタダでは起きなきゃいいのだよ》。
いま、「裸の王様」の政権が倒れないようならば、2017年10月衆院選がラストチャンスだった…ということになるのかも…。《議会制民主主義はもう機能していない》独裁政治下で、壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、そして、緊急事態条項の創設…。
『●20XX年、再び戦争が始まった…:
立憲主義を否定し、クーデターで壊憲しといて、そりゃぁないでしょ』
「唯一引き返す最後のチャンスは2016年の参院選だった。救世主など
必要なく、50%の「眠り猫」が目覚め、ネジレを取り返すことさえ
できていれば…」
『●「草の根でリベラルな価値そのものを広めていく…
正面からリベラルな価値を訴え、裾野を広げる戦いを」!』
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【http://maga9.jp/kotobano171122/】
言葉の海へ
第12回:憲法の言葉こそ (鈴木耕)
By鈴木耕 2017年11月22日
特異な「民主主義」
「サンデー毎日」(11月26日号)の内田樹さんの「知の巨人・内田樹氏 至極真っ当な提言! 安倍独裁制 ほんとうの正体」と題された論考が、ぼくにはとても腑に落ちた。
いまの日本を覆う「特異な民主主義」の内実を解き明かし、それに対抗するにはどうすればいいのかを、ご本人の言葉によれば「歯に衣着せず全部書いてみたい」というのだ。
まず論旨の前提として、内田さんは次のように述べる。
--- --- ---
総選挙結果を見て、まず感じたのは小選挙区制という制度の不備である。比例区得票率は自民党が33.3%。議席獲得数は284で、465議席中の61.1%だった。立憲民主・共産・社民の三野党の比例得票率は29.2%だが、獲得議席は69で14.8%にとどまった。得票率と獲得議席配分の間には明らかな不均衡が存在する。
--- --- ---
ほとんど同じことを、ぼくはこのコラムの第9回で書いたし、ほかにも多くの人が指摘している。
それに対しては、批判や罵倒が山のように飛んできた。
「負け惜しみ」
「負けは負け」
「そんなことばかり言っているから勝てないんだ」
「民意を無視するのか」
「選挙こそ民主主義」
「民主的手続きで決めた選挙制度ではないか」
「民主主義を破壊するのか」
「いつも民主主義と言いながら、負けると反対のことを言い始める護憲派」
「自民党が他の野党よりたくさん票を得たのが分からないのか」
「棄権者が多いのは野党に信頼がないから」
「やっぱり安倍さん以外にいない」
ここで多いのが「民主主義」という言葉だ。批判者はまるで勝ち誇ったように「民主主義」を連発する。ふだんはあまり「民主主義」を好んでいないような人たちが、ここぞとばかりにこの言葉を投げつけてくる。だから内田さんは、彼らが連呼するのは「特異な民主主義」だという。つまり、いまの日本の小選挙区制という政権与党が常に圧勝する仕組みによる、本来の意味での「民主主義」とは異なるものではないかというのだ。
安倍独裁政権のたくらみ
そこで、内田さんは次のように分析する。
--- --- ---
それは低投票率のせいである。有権者の選挙に対する関心が希薄で、投票率が低ければ低いほど、巨大な集票組織を持ち、既得権益の受益者たちから支持される政権与党の獲得議席数は増える。(略)
そうであるとすれば、今の選挙制度下では政権与党の主たる関心はいかに無党派有権者に投票させないかにあるということである。(略)
かつて「無党派層は寝ていて欲しい」と漏らした首相がいた。正直すぎる発言だったが、言っていることは理にかなっている。それゆえ政権与党は久しくどうやって投票率を下げるかにさまざまな工夫を凝らしてきた。そして、彼らが発見した最も有効な方法は「議会制民主主義はもう機能していない」と有権者に信じさせることだった。
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なるほど! と、ぼくは膝を打った。
確かに、安倍自民党のやっていることは、もうメチャクチャ。民主主義の名に値しない。多数をかさに着ての強引な議会運営は目に余るし、いざとなればお手の物の強行採決。
安倍首相自らが薄汚いヤジを飛ばすばかりか、本来なら法律制定しなければならない事項を、閣議決定というなまくら刀を振り回してむりやり通してしまう。なまくら刀であるはずなのに、安倍氏の意向がすんなり通ってしまうところが恐ろしい。流行語の「忖度」である。
しかも、国会審議で安倍首相以下の閣僚たちが答えに窮する場面が続くと、なんと、国会そのものをまったく開かなくなってしまった。これでは多くの人が「民主主義は機能していない」と思って当然だろう。
日本国憲法は、次のように定めている。
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第五十三条 内閣は、国会の臨時会の招集を決定することができる。いづれかの議院の総議員数の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その招集を決定しなければならない。
--- --- ---
野党がこの規定に従って正規に「臨時国会の開催」を要求したにもかかわらず、安倍内閣は憲法上の規定を無視し続けた。9月28日、ようやく開催したと思いきや、あろうことか、首相や各新任閣僚の所信表明もないまま、冒頭90秒で「解散」を行ってしまったのだ。
つまり、今回の総選挙はあきらかに「憲法違反解散」だったのである。そのために、今年は史上まれに見る国会開催期間の短さだったことも忘れてはならない。これでは「議会制民主主義はもう機能していない」と、有権者が思ってしまっても仕方ない。
内田氏は続ける。
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これら一連の行動は与党の驕りや気の緩みによってなされたわけではない。「国会は実質的にほとんど機能していないので、あってもなくてもどうでもよい無用の機関だ(現に国会閉会中も行政機関は平常通り機能していたし、国民生活にも支障は出なかったではないか)」という印象を国民の間に浸透させるために計画的に行われているのである。
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そこまで安倍内閣が周到に考え抜いて、あんなデタラメな国会運営を行っているとは、さすがにぼくも思いたくはないけれど、しかし、そう考えればなんとなく納得がいく。
対抗する手段として
内田さんはさらに、そういう疑似的な民主主義には、サラリーマン議員たちが必要だと指摘する。つまり、政権の意向に抗うような見識を持った議員は安倍内閣にとっては邪魔なだけだから忌避し、むしろ、政権に唯々諾々と従うだけのサラリーマン議員たちを採用したというのだ。確かに「恐怖の2回生(現在は3回生)」と呼ばれる議員たちの無残なほどの低劣さは、自民党の長老議員たちも嘆くばかりの惨状である。
こうなれば、有権者は「機能していない議会制民主主義」に参加するために、わざわざ投票所まで足を運ぶ気にもならなくなる…。
これらの指摘には、いちいちうなずかざるを得ない。では、そんな希望のない未来に対処する方法はないのか。内田さんの提言はこうだ。
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国会の威信をいたずらに貶めている制度の見直しが必要である。
第一に、政党の得票数と議席数が相関するような仕組みに選挙制度を改めること。第二に、首相が任意の時に「国民を代表する選挙された議員」を失職させることができるという憲法違反の7条解散を廃し、解散条件を憲法69条に定める通り、衆院で不信任決議案が可決されるかまたは信任決議案が否決された場合に限定すること。この二つは立法府再興のために必須である。
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もちろんこれらのことが、すぐにできるとは思えないが、そこへ向かって早急に対応策を作っておかなければ、同じことはまた繰り返される。すなわち「憲法の厳密な解釈」と「選挙制度の抜本的な改革」である。
ちなみに、憲法第7条と、69条とは、次のようなものだ。
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第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
(一から十まであるが、他は割愛)
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない
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いわゆる「7条解散」とは、この第7条に依拠したものだが、これは首相がいつでも好き勝手に解散していい、ということを定めているわけではない。「天皇の国事行為」を規定しているに過ぎない。
首相権限でいつでも勝手に国会を解散していいとなれば、国会は首相の意に逆らえなくなる。議員たちは、首相の一存でいつ首を切られるか分からないのだから、首相の顔色をうかがうのに懸命にならざるを得ない。内田さんが「憲法違反の7条解散」というのは、こういうわけだ。
そんな権力者の独断専行を許さない歯止めとして、例えばイギリスは「議会の3分の2の承認」という条項を定めている。日本でも、多くの憲法学者たちは、この「7条解散」には疑義を呈しているのが現状なのだ。
1票の格差是正と選挙制度改革
また、国政選挙のたびごとに、各選挙区では「1票の格差」をめぐっての訴訟が起こされる。ひとりひとりの票に、選挙区によっては2~3倍もの格差が生じているためだ。各裁判所は「違憲状態」とか、場合によっては「違憲」との判決を下すけれど、なぜか「選挙のやり直し」はされたことがない。
この「1票の格差」について、「週刊金曜日」(11月17日号)では、訴訟提起者の升永英俊弁護士に、畠山理仁氏(開高健ノンフィクション賞作家)がインタビューしている。「違憲状態の選挙で当選した国会議員には、国会活動の正当性がない」と、ズバリそのもののタイトルの記事だ。
その中で升永弁護士は「一人一票が実現できていないために国民の意思と選挙結果に大きな隔たりが生じている」と語っている。
このこともまた、内田さんと同じく、選挙制度改革への提言である。
ぼくもたびたび「選挙制度改革」については言及して来た。なにしろ、こんなに「死に票」の多い現行の小選挙区制が民意を反映しているわけがない。「死に票」の少ない制度、もっとも民意通りの結果が出るのは「完全比例制」であることは間違いないけれど、地域の問題なども考慮しなければならないことは、ぼくにも分かる。そこをどう案配して、多くの人に納得してもらえる制度設計ができるか、とにかく議論を始めなければならない。
ぼくの大好きな文芸評論家の斎藤美奈子さんが『DAYS JAPAN』(12月号)のコラムで、今回の選挙についてこんなことを書いていた。
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もしも民進党が分裂せず、昨年の参院選と同じ民共自社の野党共闘が成立していたら野党はあと60~80議席はとれた、と未練がましく分析する新聞もあったけど、それは空しい皮算用。求心力の落ちた民進党では、どのみち起死回生は無理だったと思うよ。
では前原氏のプラン通り、第2幕方式で選挙戦に突入していたら? 希望の党の正体がバレたいまとなっては、これがいちばんヤバいシナリオだった気もする。下手すりゃ翼賛体制への道だったかもしれないんですぜ。
となると、立民が野党第一党にすべりこんだ今回の結果はけっして悪くなかったのではないか。災い転じて福となす。転んでもタダでは起きなきゃいいのだよ。
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そういうことなんだよなあ…。
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東京新聞の記事【安保法案 根拠乏しき「合憲」 政府見解「砂川判決」を拡大解釈】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015061090071427.html)。
nikkan-gendaiの二つの記事【安倍政権が完全“居直り” 安保法案「合憲」見解を野党に提示】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160611)と、
【最高裁判決「合憲」根拠も…一票の格差判決スルーする自民党】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160649)。
「自衛権行使を「国家固有の権能」と認めた砂川事件の最高裁判決と「軌を一にする」と指摘」。
また、砂川判決という言い訳話の蒸し返しかい!? 1959年以降の長きに渡る議論を無視するつもり? 風が吹けば桶屋が儲かるといった雑な論理で壊憲していいのか。憲法学者は売られたケンカを買うべきだ!!
『●「憲法9条にノーベル賞を」!、暴走改憲を止める一矢に!
~世界の笑いものにならないために~』
「【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014041190070021.html】
集団的自衛権「砂川が根拠」 首相、歴代の議論無視
2014年4月11日 07時00分
安倍晋三首相や自民党幹部が集団的自衛権の
行使を容認するため、一九五九年の最高裁による
砂川事件判決を根拠にする考えを相次いで示している。
しかし、この判決は五十五年前のもの。歴代政権は
判決を踏まえた上で、集団的自衛権の行使は
「憲法上許されない」とした政府見解を三十三年前に定め、
維持してきた。安倍首相らは今になって、判決に独自の
考えを加えて解釈改憲に利用しようとしている。
この判決の無効を求める動きまであり、憲法解釈の
根拠とすることの正当性も揺らいでいる。
(金杉貴雄、新開浩)」
『●砂川事件: 「三権の長でありながら米国の干渉を
受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」』
「どうやら、本気で全ての学者を敵に回す気らしい。・・・自民党も法案の合憲性を主張する文書を所属議員に配布。政府・与党ともに立憲主義を無視して、完全に開き直っている」。
「これぞ「ご都合主義」だ。衆院憲法審査会に出席した3人の憲法学者がそろって「戦争法案」を「違憲」と切り捨てた事態・・・・・・党内で「合憲」とする文書を配った。根拠としているのは、1959年の最高裁の砂川事件判決である」。
「恐怖販売機」(©東京新聞『筆洗』)は完全に壊れている。しかも、「違憲状態」下で選出された議員が壊憲へ驀進。「最高裁に「違憲状態」とダメ出しされている“失格議員”たちに、これ以上、好き勝手させてはならない」。
『●アベ様の失政: 「違憲状態」下で選出された議員が
この2年間、壊憲へ驀進、そして、またしても・・』
『●「恐怖販売機」(©東京新聞『筆洗』)から出てくる「戦争法案」:
国会や憲法学者の存立危機事態』
最後に、東京新聞の記事【安保法制 説得力欠く「合憲」見解】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015061102000160.html)によると、「砂川判決」・・・・・・この判決後、岸信介首相は集団的自衛権の行使について「自国と密接な関係にある他国が侵略された場合、自国が侵害されたと同じような立場から他国に出かけて防衛することは、憲法においてできないことは当然」(六〇年二月十日、参院本会議)と述べている。砂川判決が行使を認めた自衛権に、集団的自衛権が含まれていないことは明らかではないのか」。
つまり、1959年以降の議論を無視するとともに、アベ様は自分の祖父の答弁をも無視するつもりのようです。じい様を「ウソツキ呼ばわり」しているに等しいアベ様。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015061090071427.html】
安保法案 根拠乏しき「合憲」 政府見解「砂川判決」を拡大解釈
2015年6月10日 07時14分
政府は九日、衆院憲法審査会で憲法学者三人が他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を「違憲」と批判したことに対し、合憲と反論する見解を野党側に示した。自国防衛に目的を限った集団的自衛権の行使容認は、日本が攻撃された場合のみ武力行使を認めた従来の憲法解釈の「基本的な論理」を維持し、「論理的整合性は保たれている」と結論づけた。野党側は見解には説得力がないとして、国会で追及する方針。
見解は、戦争放棄や戦力不保持を定めた憲法九条の下でも「自国の存立を全うするため、必要な自衛の措置を取ることを禁じているとは到底解されない」という従来の政府解釈に言及。自衛権行使を「国家固有の権能」と認めた砂川事件の最高裁判決と「軌を一にする」と指摘した。その上で、国民の生命や幸福追求の権利を根底から覆す事態は日本が直接攻撃された場合に限られていたが、軍事技術の進展などで、他国への武力攻撃で「わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る」との認識に改めたと表明。集団的自衛権の行使は「自衛の措置として一部、限定された場合に認めるにとどまる」ため、これまでの政府見解との整合性は保たれていると主張した。
一方、「いかなる事態にも備えておく」との理由から、集団的自衛権行使の要件に「ある程度抽象的な表現が用いられることは避けられない」と認めた。
安倍晋三首相は八日、ドイツでの内外記者会見で「違憲立法」との批判に対し、法案を合憲とする根拠に砂川判決を挙げ「憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない」と反論した。
◇
他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を中心とした安全保障関連法案が多数の憲法学者から憲法違反と批判されていることに対し、政府が九日に野党に示した見解は最高裁の砂川事件判決(一九五九年)を挙げて、法案が合憲だと主張した。砂川判決とはどんなものか。 (金杉貴雄、西田義洋)
Q 砂川事件とは。
A 六十年も前の在日米軍基地の反対運動をめぐる事件だ。東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に入り、七人が日米安保条約に基づく刑事特別法違反罪で起訴された。
Q 現在の集団的自衛権の行使容認をめぐる議論とどう関係するのか。
A 「米軍駐留は憲法違反」として無罪を言い渡した一審の東京地裁判決(伊達秋雄裁判長の名をとり通称・伊達判決)を破棄した最高裁判決が首相が指摘する「砂川判決」だ。
(1)憲法は固有の自衛権を否定していない(2)国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを憲法は禁じていない(3)だから日本を守る駐留米軍は違憲ではない(4)安保条約のような高度な政治性を持つ案件は裁判所の判断になじまない-がポイント。首相らは「自衛権」や「自衛の措置」に集団的自衛権の行使も含まれると主張し始めた。
Q 争点は何だったの。
A 日本を守るために外国の軍隊を国内に配備することが「戦力の不保持」をうたう憲法九条二項に反しないかが最大の争点だった。伊達判決が駐留米軍を「戦力」とみなして違憲としたのに対し、最高裁判決は「指揮権、管理権なき外国軍隊は戦力に該当しない」と判断した。日本が集団的自衛権を行使できるのかという問題は裁判ではまったく議論されず、判決も触れていない。
Q 判決は、日本が行使できるのは個別的自衛権だけとも書いていない。
A それは確かだ。それでも歴代政府は判決を踏まえて国会答弁や政府見解を積み重ね、一九七二年の政府見解では「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と明確にし、四十年以上維持されてきた。安倍政権がそれ以前の砂川判決を引っ張り出し「集団的自衛権の行使も許される」と言い始めたことに、憲法学者が相次いで「論理に無理がある」と批判している。
Q 砂川判決の経緯も疑問視されているとか。
A 近年の研究で、当時の裁判長の田中耕太郎最高裁長官(故人)が判決前に、一審判決を破棄すると米側に伝えたことが判明し、司法が中立性を損なっていたと批判されている。
(東京新聞)
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160611】
安倍政権が完全“居直り” 安保法案「合憲」見解を野党に提示
2015年6月10日
(会期内採決は断念したが…(C)日刊ゲンダイ)
どうやら、本気で全ての学者を敵に回す気らしい。
安倍政権は9日、安全保障関連法案は憲法違反にあたらないとする見解を見解を文書で野党に提示した。衆院憲法審査会で憲法学者が安保法案を「違憲」と指摘したのに反論する内容で、自民党も法案の合憲性を主張する文書を所属議員に配布。政府・与党ともに立憲主義を無視して、完全に開き直っている。
居直りの極め付きが、安倍首相である。8日もドイツ・エルマウサミット閉幕後の会見で、安保法案について「憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない。世界に類を見ない非常に厳しい武力行使の新3要件の下、限定的に(集団的自衛権を)行使する」と語った。
本人は違憲性を否定したつもりでいるが、いくら「世界に類を見ない厳しさ」だろうが、「限定的」だろうが、海外での武力行使につながる集団的自衛権そのものを、憲法学者たちは「違憲だ」とノーをつきつけているのである。
憲法学者からの「違憲」指弾と安倍首相のヤジ問題で、政府・与党は安保法案の今国会会期末(24日)までの衆院通過を断念する方針を固めた。安倍政権の居直りは先行きの不透明さへの焦りの表れだ。これだけ敵失が重なった以上、野党は世紀の悪法を廃案に追い込まなければウソだ。
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160649】
最高裁判決「合憲」根拠も…一票の格差判決スルーする自民党
2015年6月10日
(まずは衆院選をやり直すべき(C)日刊ゲンダイ)
これぞ「ご都合主義」だ。衆院憲法審査会に出席した3人の憲法学者がそろって「戦争法案」を「違憲」と切り捨てた事態を受け、火消しに躍起になっている自民党。9日に提示された政府見解の前も、党内で「合憲」とする文書を配った。根拠としているのは、1959年の最高裁の砂川事件判決である。
安倍首相もG7首脳会議サミット後の会見で、「最高裁判決に沿ったものであるのは明白」なんて威張っていたが、ちょっと待て。最高裁判決を「錦の御旗」に掲げるなら、その最高裁が繰り返し「違憲状態」として是正を求めている衆参の「一票の格差判決」に対し、安倍首相や自民党はなぜダンマリなのか。
「最高裁は10年、13年の参院選を『違憲状態』と断じ、
このまま改善されない場合、来夏の参院選は
『違憲・当選無効』の判決が出る可能性もあります。
本来は今国会中で格差是正のための公選法改正案を
成立させる必要があるのに、何も進展していません。
自民党なんて、是正どころか、現行制度を正当化する
ために『少なくとも1人を各都道府県から選ぶ』なんて
デタラメな条文を党の憲法改正草案に加えることを
ブチ上げました。戦争法案をめぐって、中谷防衛相が
『法案に合わせて憲法を解釈するべき』と発言した
のと同じ発想です」(司法記者)
自民党は9日も、参院選挙区の隣接20選挙区を10に統合する公明党の「合区案」を拒否。与党協議の決裂は決定的となったが、それこそ“オレ様”の安倍首相が本領を発揮し、「戦争法案」のように「最高裁判決に従え」と言えば済む話だ。「一票の格差訴訟」に取り組んでいる日比谷パーク法律事務所代表の久保利英明弁護士はこう言う。
「最高裁の砂川事件判決を重視するなら、
その最高裁の判決に従って、まずは『1人1票』の
下で衆参選挙をやり直すべきです。その上で
過半数の議席を確保し、堂々と憲法改正の議論を
やればいい。(自民党案の)都道府県ごとになんて、
憲法のどこにも書いてありませんよ。
今の安倍政権や自民党にはあまりに常識が
欠落しています」
最高裁に「違憲状態」とダメ出しされている“失格議員”たちに、これ以上、好き勝手させてはならない。
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東京新聞の記事【沖縄辺野古移設に反対鮮明 政府推進、広がる溝】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014122102000104.html)。
「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、十四日の衆院選では、全四小選挙区で辺野古移設に反対する候補が勝ったが、政府は移設手続きを進める方針。来春以降の本体工事開始に向けて作業を急ぐ構えで、県民の意思との溝は広がる一方だ」。
『●沖縄県民の民意は明白: 辺野古破壊者、沖縄で4度目の完敗』
沖縄で4度目の完敗だというのに、辺野古破壊者=アベ様ときたら。沖縄県民の民意無視も甚だしい。しかも、補助金を削減するという・・・・・・アベ様やスガ殿達はやることがアカラサマ。沖縄では選挙に勝っても負けても、無茶苦茶な自公政権。
『●辺野古「この風景は戦争」:
誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」』
『●沖縄で連敗続きのアベ様、「この問題は過去のものだ。
争点にはならない」で済まされるのか?』
『●さあ、ここから: 高江・辺野古破壊問題等々・・・
「過去のもの」や「終わり」にしてはいけない』
『●アベ様の失政: 「違憲状態」下で選出された議員が
この2年間、壊憲へ驀進、そして、またしても・・』
『●日米ガイドライン:
アベ様達は、そんなに「人殺し」をさせたいものでしょうかね?』
『●辺野古破壊: 環境アセスメントの見直しを!
破壊者たちに衆院選で4度目の敗北を!!』
しかしながら、2014年12月衆院選で「公約が認められた」と主張すればするほど、辺野古移設反対での「完敗」が鮮明になるという皮肉。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014122102000104.html】
沖縄辺野古移設に反対鮮明 政府推進、広がる溝
2014年12月21日 朝刊
(↑ブログ主注: まことに勝手ながらコピペさせて頂いております
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/images/PK2014122102100050_size0.jpg】)
米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設をめぐり、十四日の衆院選では、全四小選挙区で辺野古移設に反対する候補が勝ったが、政府は移設手続きを進める方針。来春以降の本体工事開始に向けて作業を急ぐ構えで、県民の意思との溝は広がる一方だ。 (後藤孝好)
「知事選では、保革を乗り越えてオール沖縄で県内移設の断念に取り組むと訴えた。その責任の重さに身の引き締まる思いだ」
十七日の沖縄県議会で、十日に就任したばかりの翁長雄志(おながたけし)知事は、辺野古移設を阻止する基本方針を強調した。翁長氏は十一月の県知事選で、辺野古移設反対を掲げ、容認派の現職仲井真弘多(なかいまひろかず)氏を大差で破った。
沖縄では昨年十二月、当時の仲井真知事が振興予算と引き換えの形で、国の辺野古沖の埋め立て申請を承認。多くの県民は反発し、今年行われた名護市の市長選と市議選、知事選で立て続けに、辺野古移設に反対の民意を示した。移設問題が最大争点になった先の衆院選でも、全選挙区で自民党候補は敗れた。
衆院選後に共同通信社が実施した全国世論調査でも、辺野古移設計画について「いったん停止」が35・0%で最多。「白紙に戻す」も28・7%で、計六割以上が政府のやり方に否定的な見解を示した。しかし、安倍晋三首相は衆院選後の会見で普天間飛行場の固定化を避けるという理由から「辺野古移設が唯一の解決策という考えに変化はない」として、辺野古移設の政府方針は変わらないと強調した。
政府は知事選前、反対派の稲嶺(いなみね)進名護市長の許可がなくても辺野古の埋め立て工事ができるように、市側の権限が及ぶ区域での作業を避けるための工法の一部変更を、沖縄県へ届け出た。知事選に敗れて退任が決まっていた仲井真氏が、三件の申請のうち二件を承認するなど、工事を急ぐための環境整備が着々と進んでいる。
米議会上院も今月十二日、在沖縄海兵隊のグアム移転費の執行凍結解除を決定した。沖縄の負担軽減につながる面もあるが、日米両政府には辺野古移設の推進につなげる意図もある。
翁長氏は埋め立て承認に関し、環境破壊などの問題が生じる可能性があるとして、撤回や取り消しも含め、工事を止める方法を模索。政府は「承認に法的な問題はない」としており、承認が取り消された場合、県に行政訴訟を起こしてでも工事を進める構えだ。
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東京新聞の記事【辺野古移設 厳しく 沖縄 知事選に続き非自民が完勝】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014121502000227.html)。
期待したブログ主がバカでした。「騙されることの責任」「考えないことの罪」を自覚しない支持者や投票者は覚醒することはなさそうです。茹でられていることに気づかない茹でガエル。迷惑を被るのは茹でガエルさんだけではない・・・・・・、非支持者・非投票者はいい迷惑だ。
『●自公「二三八」議席以下は当然、
壊憲「三一七」議席なんてトンデモ、脱原発「一二六」議席では少な過ぎ!』
『●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」:
2014年12月衆院選に是非行こう!』
それにしても、酷い衆院選の結果でした。投票率も酷いもの。半数の人しか選挙に行かないのですからね、呆れます。
『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」』
さて、期待の沖縄。「全四選挙区で敗れ、十一月の県知事選に続いて完敗を喫し、非自民候補が全勝」です。
アベ様は、沖縄で4度目の完敗を喫したわけです。アベ様にお引き取り願う、突破口にしたいもの。アベ様が今後「白紙委任状」を主張すればするほど、沖縄ではしっぺ返しが。
『●辺野古「この風景は戦争」:
誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」』
『●沖縄で連敗続きのアベ様、「この問題は過去のものだ。
争点にはならない」で済まされるのか?』
『●さあ、ここから: 高江・辺野古破壊問題等々・・・
「過去のもの」や「終わり」にしてはいけない』
『●アベ様の失政: 「違憲状態」下で選出された議員が
この2年間、壊憲へ驀進、そして、またしても・・』
『●日米ガイドライン:
アベ様達は、そんなに「人殺し」をさせたいものでしょうかね?』
『●辺野古破壊: 環境アセスメントの見直しを!
破壊者たちに衆院選で4度目の敗北を!!』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014121502000227.html】
辺野古移設 厳しく 沖縄 知事選に続き非自民が完勝
2014年12月15日 朝刊
(沖縄1区で当選を決め、カチャーシーを踊る共産党の
赤嶺政賢氏=14日夜、那覇市で)
衆院選で自民党は沖縄県の全四選挙区で敗れ、十一月の県知事選に続いて完敗を喫し、非自民候補が全勝した。安倍政権が進める米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設に、県民が再び反対の民意を示したことで、移設はより難しくなった。
前回の衆院選で、自民党沖縄県連は「普天間の県外移設」を掲げて三選挙区で勝利した。だが、昨年十一月、党本部からの要請で県選出の国会議員は県内移設を容認。県民から「公約破りだ」と批判された。
一月の名護市長選で、辺野古移設反対派の稲嶺(いなみね)進市長が再選。十一月の知事選では、野党共闘が実現。同じく反対派の翁長雄志(おながたけし)氏が初当選した。
安倍晋三首相は十四日夜、辺野古移設に関し「普天間の固定化はあってはならない。説明をしっかりしながら、進めたい」と述べたが、十日に就任した翁長氏は前知事による辺野古沖の埋め立て承認を取り消す検討に入っている。
翁長氏は衆院選を受けて「ここまで沖縄の民意が示されて、『なお粛々と進める』のは不可能だ」と述べた。 (後藤孝好)
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『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、【このチャンスをいかせ!! 緊急政局対談 佐高信+田中秀征 原発再稼働に集団的自衛権・・・・・・国を方向づける重要課題が問える総選挙は、まずありえない】。
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■①『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 「「アベノミクス失敗隠し」解散!?」、「フランチャイズ商法の怖い話」、片岡伸行氏【23兆円産業!! この業界には規制法が必要だ】、編集部【経済産業省が立ち上げた「コンビニ研究会」の茶番】、中野和子弁護士【地方を疲弊させたフランチャイズ】
■②『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 渡辺仁氏【セブン―イレブン“鈴木帝国”の落日 鈴木敏文会長「2015年10月退陣説」の深層】 。『セブン-イレブンの正体』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7e309ae417490bc5365050e446161ce6)
■③『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 宇都宮健児さん【風速計/安倍政権の暴走に審判を】、「安倍政権は、生活保護基準を大幅に切り下げるとともに、・・・・・・給付は削減する一方で負担は増加・・・・・・社会保障全体の改悪」。「アベ様政治」全体が争点(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e529393e9f67e4fba990c3dc28757f77)
■④『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 【黒島美奈子の政治時評/傲慢政権への怒り 沖縄から衆院選へ】、「一筋の灯りが見えてきた。衆院解散だ。・・・・・・どうやら、バカにされているのは沖縄だけではない」。「違憲状態」下で選出された議員がこの2年間、壊憲へ驀進(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/aa03850d0f3c05f8454f9b92e5cfcd92)
■⑤『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 【佐々木実の経済私考/“平成の鬼平”と“パペット” セントラルバンカーの資質を選挙争点に】、「黒田総裁が“パペット(操り人形)”にしか見えない。“平成の鬼平”の言葉を借りれば、黒田バズーカで日本は再び「乾いた薪」のうえに置かれている」
■⑥『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 【佐々木実の経済私考/“平成の鬼平”と“パペット” セントラルバンカーの資質を選挙争点に】、「だが、肝心の日銀総裁は警告を発するどころか、薪の前で火遊びしている。株高を演出し、安倍政権を支え続ける日銀」。止まらぬ「ドアホノミクス」(©浜矩子さん)(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/052764815bce158fe7e5934a573268e7)
■⑦『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 【このチャンスをいかせ!! 緊急政局対談 佐高信+田中秀征 原発再稼働に集団的自衛権・・・・・・国を方向づける重要課題が問える総選挙は、まずありえない】、「田中 ・・・・・・重要課題の賛否を度外視した政界再編なんて、おこがましいんだよ」
■⑧『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 【このチャンスをいかせ!! 緊急政局対談 佐高信+田中秀征 原発再稼働に集団的自衛権・・・・・・国を方向づける重要課題が問える総選挙は、まずありえない】、「佐高 ・・・・・・野党はSA2に絞って攻めたらいい。安倍自身の脱税スキャンダル(S)、法人税減税、消費税増税のアベノミクスならぬアベコベノミクス(A)、・・・・・・」
■⑨『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 【このチャンスをいかせ!! 緊急政局対談 佐高信+田中秀征 原発再稼働に集団的自衛権・・・・・・・国を方向づける重要課題が問える総選挙は、まずありえない】、「・・・・・・それにアトミック(A)、つまり原発の再稼働問題ですね」。「アベ様政治」全体が争点(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e529393e9f67e4fba990c3dc28757f77)
■⑩『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 【さあ、反撃の秋(とき)が来た! 護憲派ケ鼎談 近藤昭一×雨宮処凛×小森陽一 今こそ生活の場で地域で、憲法を使おう】、「近藤 憲法の根底にあるのは、かつての悲惨な戦争体験ではないか」。壊憲派を当選させてはいけない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9de512796a593a4b731d309ba828d52a)
■⑪『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 矢崎泰久さん【発言2014】、「どうやら総選挙に勝って、あらゆる失政を御和算(チャラ)にしてしまう魂胆が見えてくる。それどころか選挙で衆院の過半数を維持した暁には、国民から白紙委任を取りつけたとばかりに、さらなる悪政を重ねる考えなのだ」
■⑫『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 矢崎泰久さん【発言2014】、「かつてナチス党を率いてドイツを破滅させたヒトラーと同じ手口ではないか。信任されたのだから、誰にも文句は言わせないと稚拙な権力者はさらなる強権を発動するに違いない」
■⑬『週刊金曜日』(2014年11月28日、1018号) / 矢崎泰久さん【発言2014】、「私たち有権者は今こそ、安倍内閣打倒の1票を投じよう。この解散総選挙を「アベノミス 解散」と名付けたい」。マスコミに踊らされて、諦めてはイケナイ!、低投票率ではイケナイ!! アベ様・自公政権の失政に終止符を(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cc0bd186749ab48d0a44c9258dc1d78b)
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東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014112202000126.html)。
「だが翁長さんは承認手続きに法的な過ちがなかったかを見直し、場合によっては承認を撤回すると言っている。法の理と民意にかなう姿勢だろう」・・・・・・どうやら、アベ様は撤回するどころか、県警を使っての反対派や記者への「弾圧」を進めている。「海の猿」だけでなく、「アベ様のイヌ」が陸上にもいました。やることがメチャクチャ。
『●辺野古「この風景は戦争」:
誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」』
『●沖縄で連敗続きのアベ様、「この問題は過去のものだ。
争点にはならない」で済まされるのか?』
『●さあ、ここから: 高江・辺野古破壊問題等々・・・
「過去のもの」や「終わり」にしてはいけない』
さて、「そのためには公正な選挙が欠かせないのに、一票の不平等が根本的に正されぬまま、再び総選挙となった。投開票が終わればまた、「この選挙は違憲で無効ではないか」を問う裁判が各地で始まる▼衆院選が違憲と判断されれば、国会でつくられる法律自体の正当性が大きく揺らぐ。そういう「法治国家」の危機を思うと、永田町の万歳の響きもむなしい限りだ」。
「違憲状態」下で選出された議員がこの2年間、壊憲へ驀進してきました。そして、来る2014年12月の衆院議員選挙でも、またしても同じことが起きようとしています。アベ様は、「一票の格差」を一切無視して、何の手も打とうとしていません。それどころか、とりわけ「壊憲」に熱心。「違憲状態」の国会で、卑怯にも閣議決定等の「違憲な手続き」で、「壊憲」するという無茶苦茶ブリ。
神保哲生さんのvideonews.comの記事【一票の格差問題を残したまま解散総選挙でいいのか】(http://www.videonews.com/commentary/141115-01/)でも、「2012年12月の総選挙で当選した議員たちから成る現在の衆議院を、最高裁が「違憲状態」にあると判断しているという事実を、われわれは忘れてはいないだろうか・・・・・・選挙後に違憲訴訟が起こされれば、再び違憲状態もしくは違憲判決が出ることが確実な状態で、解散総選挙を強行することが、果たして許されるのだろうか」。
そして、参院選についても「違憲判決が出た」・・・・・・東京新聞の記事【昨年参院選は「違憲状態」 最高裁が判決】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014112601001281.html)に、「昨年参院選の「1票の格差」訴訟で最高裁大法廷は26日、最大格差4・77倍は違憲状態だったとする判決を言い渡した」。
『●「就活のための○○O○企業対策講座」
『週刊金曜日』(11月29日、970号)についてのつぶやき』
■⑫『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) /
矢崎泰久さん【発言2013】、「「特定秘密保護法」は明白に憲法違反である。
廃案にならなければ、日本の民主主義は終焉を迎える。それでなくとも
「違憲状態」にある国会が、こうしたデタラメな法律を審議する資格など、
どこにも見当たらない」
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014112202000126.html】
【コラム】
筆洗
2014年11月22日
永田町の大音声の万歳でかき消されそうだが、しかと覚えておきたい万歳がある。わずか六日前、沖縄で響いた万歳だ▼普天間飛行場の辺野古移設が焦点となった知事選で万歳をしたのは、移設に反対する翁長(おなが)雄志さんだった。推進派の現職候補に十万票の差をつけた勝利は沖縄の民意を明確に示したが、官房長官曰(いわ)く「法治国家として(移設を)粛々と進めていく」▼今の知事が既に辺野古の埋め立てを認めているのだから、法的には何の問題もないとの言葉だ。だが翁長さんは承認手続きに法的な過ちがなかったかを見直し、場合によっては承認を撤回すると言っている。法の理と民意にかなう姿勢だろう▼いま心配するのは、より根本的な「法治」をめぐる問題だ。法治国家を『日本国語大辞典』で引けば、<国民の意志によって制定された法律に基づいて、国家権力を行使しようとする政治理念>とある。つまり、法が民意にきちんと基づいているかが肝心だ▼そのためには公正な選挙が欠かせないのに、一票の不平等が根本的に正されぬまま、再び総選挙となった。投開票が終わればまた、「この選挙は違憲で無効ではないか」を問う裁判が各地で始まる▼衆院選が違憲と判断されれば、国会でつくられる法律自体の正当性が大きく揺らぐ。そういう「法治国家」の危機を思うと、永田町の万歳の響きもむなしい限りだ。
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nikkanーgendai.comの記事【「大飯」勝訴でも不安…上級審では国側が勝つこの国の裁判』(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150434)。
『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・』
福井地裁による、画期的なすばらしい関西電力大飯原発再稼働差止判決にもかかわらず・・・・・・「関電は翌日控訴。菅官房長官も安全な原発を再稼働させる政府方針は「全く変わらない」と言い切った」。東電の原発人災の最大の責任者である自民党が何の反省もせずに、原発を再稼働し、輸出し、原発を推進しつづけようとしている。関電の社長・八木誠氏は電事連の会長でもあります。
『●「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」:
あとは野となれ、山となれ』
今回の裁判でもし負けていたら、きっと大変なことになっていたはずです。この「幸運」を活かし、「上級審では国側が勝つこの国の裁判」を何とか打破したいもの。
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150434】
「大飯」勝訴でも不安…上級審では国側が勝つこの国の裁判
2014年5月24日
(地裁判決はアリバイ作りか/(C)日刊ゲンダイ)
本当に原発は止まるのか。
関西電力大飯原発の再稼働差し止めを求めた民事訴訟が住民側の勝訴となったことで、反原発派は勢いづいているが、関電は翌日控訴。菅官房長官も安全な原発を再稼働させる政府方針は「全く変わらない」と言い切った。今度の判決は「(耐震性に問題がある原発は)生命を守り生活を維持する人格権の根底を具体的に侵害する恐れがある」(樋口英明裁判長)とし、原発から半径250キロ圏内の住民の人格権を認めた画期的判決といわれる。
原告弁護団事務局長の笠原一浩弁護士は「原発のように科学的見解に複数の知見が存在するテーマだからこそ、万一の事故もあってはならないという、最高裁の判断も踏まえた判決だと理解しています」と言い、控訴審に自信を示したが、不安がよぎる。過去を振り返れば、この国では「司法の独立」なんて絵に描いたモチで、住民側が苦汁をなめる判決が多いからだ。
米軍基地に立ち入った学生7人が安保条約に伴う刑事特別法違反に問われた砂川事件(1957年)は、1審は米軍駐留そのものが違憲だとして全員無罪となったが、米政府などから圧力を加えられた最高裁では国が逆転勝訴した。
1票の格差訴訟でもそうだ。高裁判決は「違憲」「無効」の判断が相次いだのに、2013年11月の最高裁判決は玉虫色の「違憲状態」に後退した。
原発がらみでは、高速増殖炉「もんじゅ」の設置許可を取り消した2003年の名古屋高裁金沢支部判決と、北陸電力敦賀原発の運転を差し止めた06年の金沢地裁判決がある。住民側は喜んだが、いずれも最高裁で住民側敗訴が確定した。結局、下級審は国民のガス抜きの場に過ぎなかった。
■ピラミッド組織
明大教授の西川伸一氏(政治学)はこう指摘する。
「司法の世界は厳然たるピラミッド組織です。高裁の裁判長は地裁や
家裁の裁判長を経て出世するポジションなので、下級審に対しては
上から目線になりがち。高裁の裁判長はもっと上の最高裁を
目指すので、保守的、行政サイド寄りになる傾向は否めません。
大飯原発の控訴審は名古屋高裁で争われることになりますが、
高裁でひっくり返されてしまう嫌な予感がします。それでは最高裁は
どうかというと、裁判官15人のうち裁判長経験者は6人しかいない。
9人は元官僚などだし、長官も法務官僚の経験が長かった。
高裁の判決を維持する傾向が見えます。『画期的な判決』に
ヌカ喜びは禁物です」
同じように画期的といわれる厚木基地の夜間・早朝飛行を差し止めた判決も話題になったが、こちらはアリバイ作りの色が濃い。判決は毎日午後10時から翌朝6時まで自衛隊機の飛行差し止めを命じたが、そもそも海難救助などの緊急時以外、自衛隊は夜間・早朝の飛行を自主規制している。原告住民が求めた米軍機の差し止めについては、「国の支配の及ばない第三者の行為」として退けた。
憲法学者の奥平康弘氏はかつて東京新聞で「明治以来、司法の立場は弱い。行政の裁量処分でも、乱用がないかくらいしかいえない」と解説していた。やすやすと変われるはずがないのだ。
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asahi.comの記事【秘密保護法案、映画人ら269人反対 吉永小百合さんも】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312030272.html?ref=com_top6)と、
保坂展人さんの記事【「目配せ」でも成立する共謀罪と特定秘密保護法案】(http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368.html?ref=comtop_fbox_d2、http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368_01.html)、
そして、解説記事【(新ポリティカにっぽん)秘密保護法案、いまこそ再考を】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312030244.html)。
最後に、東京新聞の記事【知る権利もメルトダウン 落合恵子さん憤り胸に反対運動】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120690100153.html)。
(非)特定秘密隠蔽法が参院でも可決されてしまった。(矢崎泰久さん)「・・それでなくとも「違憲状態」にある国会が、こうしたデタラメな法律を審議する資格など、どこにも見当たらない」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f15ad34b381cf38250f40df47c7ee7ea)にもかかわらず、「ウソをつく人達」である自公議員や翼賛野党議員が「治安維持法」を可決、または、可決をアシストしたわけである。彼/彼女ら議員に投票した人達は、どうも「騙され(続け)ることの責任」を問おうにも、その自覚は全くないようで、いくらその責任を叫んでも空しい・虚しいだけで、次の選挙が来ればまた過ちの繰り返しなのだろう。
保坂展人さんの記事によると、あの小泉純一郎氏でさえが「『平成の治安維持法』をつくった総理」と呼ばれることを嫌ったそうだ。「『平成の治安維持法』をつくった総理」安倍晋三首相や石破茂幹事長らの危険な「思い入れの強さ」で、戦争できる国へまっしぐら・・・。「「私たちの『知る権利』がメルトダウンしてしま」い、さまざまな権利が「民主主義国家」をメルトスルーし、どこに権利が存在するのかわからない状態へ。
それにしても、「第三自民党」公明党の議員の自民党議員化は目を覆うばかりだ。「平和」を願っているらしい「学会さん」らの心情や如何に。
『●閉塞の時代に: 安倍晋三首相の危険な「思い入れの強さ」』
「要するに都合のいい委員会を作り、自分の望む方向へと議論を
誘導してくれる委員を選び、消費税増税にしろ、TPPにしろ、
好き放題やっている訳。戦争を出来る国へと異常な「思い入れの強さ」。
その結果、以下のような世界を希求している」
『●『石原莞爾/その虚飾』読了 (2/2)』
「「手と足をもいだ丸太にしてかへし
万歳とあげて行った手を大陸へおいてきた
/・・・鶴彬は、こうした刺し貫くような反戦川柳をつくって逮捕され、
赤痢にかかって、手錠をかけられたまま、二十九歳で病死した」」
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【http://www.asahi.com/articles/TKY201312030272.html?ref=com_top6】
秘密保護法案、映画人ら269人反対 吉永小百合さんも
2013年12月3日20時01分
【織井優佳】 高畑勲監督、降旗康男監督、山田洋次監督ら5氏が呼びかけ人となり、「特定秘密保護法案に反対する映画人の会」が3日発足した。4日間で264人が賛同し、法案の内容や拙速な国会審議を批判する声明を発表した。
賛同したのは大林宣彦監督、宮崎駿監督、是枝裕和監督、井筒和幸監督、俳優の吉永小百合さん、大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さん、ジェームス三木さんら。撮影監督や映画館主、評論家らのほか、映画ファン約60人も加わった。
声明は「心ならずも戦争に対する翼賛を押し付けられた映画界の先達の反省に立ち、日本映画界は戦後の歩みを開始しました」とした上で、「『知る権利』を奪い、『表現の自由』を脅かすことになりかねないこの法案は、とても容認することはできません」と反対を表明している。
呼びかけ人や賛同者の一部のメッセージも公表。高畑監督は「安倍政権を生み出してしまったのが他ならぬ私たち国民自身であることに愕然(がくぜん)とせざるをえません」、降旗監督は「戦前、戦中の日本に戻らないように、ねばり強く抵抗していくほかありません」と記した。原田眞人監督は「公聴会を公然とセレモニー化したやり方にも憤りをおぼえます」と書いた。
■日本映画監督協会なども声明
日本映画監督協会など各分野の著作者でつくる5団体は3日、特定秘密保護法案の廃案を求め、共同で緊急声明を出した。
声明を出したのは同協会と日本児童文学者協会、日本シナリオ作家協会、日本美術家連盟、日本脚本家連盟。声明は「私たち著作者は、かつて国家による言論弾圧により、尊い仲間の生命を失った歴史を決して忘れることはできません」などとして、廃案を求めている。
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【http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368.html?ref=comtop_fbox_d2、
http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368_01.html】
「目配せ」でも成立する共謀罪と特定秘密保護法案
文 保坂展人
2013年12月3日
大きな危惧の声が高まっている特定秘密保護法案が審議されている今、2005年の秋を思い出してみたいと思います。衆議院法務委員会では、「共謀罪」をめぐり与野党で厳しい議論を交わしていました。
8年前、共謀罪を新設する法案は3回も国会に提出されましたが、廃案になりました。当時は、小泉元首相による郵政解散によって与党が圧倒的多数を占めていたにもかかわらず、強行採決は総理官邸からの異例の指示で直前に直前に見送られました。
「小泉元首相発言を『原発ゼロ』の追い風に」(10月8日)でも紹介したように、官邸からもれ聞こえてきたのは「『平成の治安維持法』をつくった総理と言われたくない」というものでした。小泉元首相独特のカンと言ってもよいと思います。
当時、共謀罪はなぜ「平成の治安維持法」と呼ばれたのでしょうか。共謀罪とは「犯罪の概念」を根本から塗り替えるものです。犯罪は、心の中で芽が出る段階から、発育・成長して、次第に確固とした形をとる段階をへて、やがて実行へと至ります。これまでの刑事司法では、少なくとも、未遂か、実際に罪を犯した場合に罪を問われますが、「心の中の犯罪準備の意思」は処罰対象とはなっていませんでした。
共謀罪が特異な点は、犯罪行為に及ばなくても、「2人以上で犯罪計画を示し合わせた時」に犯罪として成立するいう点にあります。「共謀をしたこと」自体が罪に問われるため、8年前の政府は600以上の行為が犯罪に問われる対象として列挙していました。
私は、事件等で耳にする「共謀共同正犯での共謀」と「共謀罪の共謀」は同じ定義か、と国会でたずねたところ、答えはこうでした。
「2人以上の者が、特定の犯罪を行うために、共同意思のもとに一体と
なってお互いに他人の行為を利用し各自の意思を実行に移すための謀議。
共謀罪の共謀として必要とされる合意内容とほぼ同一と考えています」
(2005年10月21日、衆議院法務委員会・刑事局長答弁)
共謀の概念は同一だけど、「謀議」をへて成立する……。それも「特定の犯罪を実行しようという具体的・現実的な合意」が必要となるので乱用の心配はない、と政府は説明していました。
ところが、暴力団の拳銃所持をめぐる最高裁判所の決定(03年5月1日)に、「黙示的な意思の連携があり、共謀共同正犯に該当する」という判断がありました。暴力団の組長と一緒に移動するボディーガードとの間に特段の「謀議」がなくても、あうんの呼吸で共謀した、と解釈できるというものです。
すると、「謀議」を行なわない共謀も論理的にはありえるということになります。犯罪を実行する意思のあるグループが、その意思を一致させるには必ずしも言語による「謀議」を挟まなくてもいいということなら、サインは「目配せ」でも共謀が成立することにならないでしょうか。
そこで、私はあらためて、リーダーが「いよいよ時が来た」という顔で目配せしたら共謀が成立する場合もありえるのではないかと問いかけました。
「ケースによって合意ができる仲間たちであれば、目配せでも相手に
意思が伝えられるかなと思います」(05年10月25日、南野法相答弁)
南野法相が微笑みながら口にした「目配せ答弁」は衝撃的で、テレビで何度も報道されるなど、多くの議論を呼びました。その後、何度か法案修正の動きがありましたが、共謀罪は廃案になりました。
じつは、その共謀罪が特定秘密保護法案の中に盛り込まれています。しかも、大きな議論にはなっていません。元検事の落合洋司弁護士は次のように指摘しています。
「特定秘密保護法は、懲役10年または1千万円以下の罰金を科しており、
非常に刑罰が重い。特定秘密を漏らした公務員だけでなく、共謀や
教唆(きょうさ)、扇動をした者も含めたことで、処罰対象を市民側にも
広げている。
市民運動をしている人や取材者が原発や在日米軍、外交などに
関する情報を知ろうと、機密を扱う公務員に近づくことで、犯罪としての
疑いがかかる可能性がある。起訴されなかったとしても、
家宅捜索されたり、事情を聴かれたりすれば、人々の生活に支障が
生じかねない」(13年11月28日付東京新聞「私の疑問」)
重大な問題を多く抱えた秘密保護法案をめぐる議論に、共謀罪の危険性への言及が不足しているように思います。重い刑罰を課す法案にはしっかりした審議、あらゆる視点からの検証が不可欠のはずです。
身近かな自治体での仕事について書く予定をさしかえて、今回は少々固い原稿となりました。息苦しい社会にしないために、活発な議論が必要です。
参考:「共謀罪とは何か」(岩波ブックレット)
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【http://www.asahi.com/articles/TKY201312030244.html】
(新ポリティカにっぽん)秘密保護法案、いまこそ再考を
2013年12月3日18時35分
民主党などの野党議員が額賀福志郎委員長(右端)に詰め寄るなか、
賛成多数で特定秘密保護法案を可決した衆院国家安全保障特別委員会。
左奥は森雅子・特定秘密保護法案担当相
=11月26日午前、国会内、越田省吾撮影
世の中もこの法案の危うさにじっとしていられないということだろうか、街に「反対」の声が響く。国会会期末は6日、圧倒的多数の与党と「すりより野党」によって成立してしまうのかどうか、特定秘密保護法案の参院審議が大詰めである。
■「平和」掲げる公明党が、なぜ?
それにしても、いったい公明党は何を考えているのだろうか。「平和」の党であることを誇りにしていたのに、「戦争」がちらつく法案にかくも血道をあげるなんて。
11月26日、この法案が自民、公明の与党とみんなの党の賛成で衆院を強行通過したその夜、明治大学で行われたジャーナリストのリレートークに参加した私は公明党への疑問を呈した。それが伝わったのか元参院議員の平野貞夫氏から電話がきた。
「1985年、中曽根内閣のときのスパイ防止法案に一番強く反対して
廃案に追い込んだのは公明党でしたよ。こんどの秘密保護法案は、
そのスパイ防止法よりも戦前の治安維持法よりもタチが悪い」
・・・・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120690100153.html】
知る権利もメルトダウン 落合恵子さん憤り胸に反対運動
2013年12月6日 10時01分
激しい怒りを胸に、反対運動に奔走してきた。東京都港区で絵本店を営む作家の落合恵子さん(68)は「私たちの『知る権利』がメルトダウンしてしまう」と原発事故の炉心溶融になぞらえる。参院特別委員会で可決された特定秘密保護法案。穏やかな生活を奪いかねないことへの懸念と、民意を無視して成立に向け強行した政権への憤りが湧き出している。
東京電力福島第一原発事故以降、反原発を訴えてきた。「3・11で情報公開の大切さを嫌というほど味わっているにもかかわらず、世界の潮流を無視して逆行していくのが理解できない」と首をかしげる。
事故直後、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」の情報は公表されなかった。「さらに隠蔽(いんぺい)体質が推進されていく。市民の命と安全に生きる権利に反する」。反対集会や記者会見のほか、国会を囲む「人間の鎖」にも駆け付けてマイクを握り、法案に異を唱えた。
法案では公務員だけでなく市民も処罰の対象になる。「見せしめにも、恐喝にも使える。どこまで拡大解釈されるかは、さじ加減ひとつ」。専門家を呼んで原発に関する勉強会を開いているが、その参加者も処罰の対象になる可能性があるのでは、と危惧している。
ごく当たり前の家庭で朝「行ってらっしゃい」と見送ったその夜、愛する人が理由も分からず帰ってこないという状況が起きるかもしれない。
「政府にとって都合の悪いことをしようとしたり、考えたり、話し合ったり。
それだけで網に掛けることは可能。私たちの精神生活や思想の
自由にも介入できる」
採決強行、市民団体のデモを「テロ」と同一視した石破茂自民党幹事長の発言…。反対の声を押し切る姿勢こそがテロ行為だと考えている。「みんなが(法案の危うさに)気付いてきた。これ以上声が大きくなるのが嫌なんでしょう。十分な議論をはしょって決めてしまおうという、そのやり方自体が民主主義に反する」
終戦の年に生まれた。中学生のころ、祖母に「なぜ戦争に反対しなかったの」と尋ねたことがある。答えは「みんなの目があった」「言った人間は捕まった」。その言葉が今の時代と重なる。
「あの問いかけをした世代として、自分なりの『落とし前』を付けたい」。次世代の子どもたちのために、原発事故を体験してしまった国の人間として、いまの大人の一人として。これからも諦めず、抗議の声を上げていくつもりだ。
(東京新聞)
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『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、粟野仁雄さん【福島県・飯館村で県発表の倍の数値に 初期被曝量は平均で7mSvも!?】と【大藤理子の政治時評/神頼み人頼み体質の日本人はいつ自覚するのか。私たちは被害者ではなく主権者だと】
[※: 本多勝一さんの『貧困なる精神』でマルコムXについてなど、
知っていた身としては、「ブラック企業」といった言葉を無批判に
転用・使用していたことを反省]
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5abe602c708ccb031fb14a9acc98dc97)
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■①『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 「就活のための○○○○企業対策講座」 。片岡伸行氏【公安調査庁が東京五輪で特別調査本部設置 秘密保護法なくても黒塗り】。十分秘密隠蔽できる現状で、この隠蔽法でトドメ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/eec2d067b57ec87c2161c41c387a4d65)
■②『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 粟野仁雄さん【福島県・飯館村で県発表の倍の数値に 初期被曝量は平均で7mSvも!?】、「県や国が御用学者たちと一緒になって村民を欺く経緯は〝犯罪〟そのものではないか」。賞を貰えるほどの・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/797b8589b831181d286075dbc770c1ea)
■③『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 【福島みずほ〉対談〈佐藤優/日本版NSCとは「戦争指導最高会議」だ】、「警察が肥大化、社会を疑心暗鬼にし、国家を弱体化させる」「NSCと秘密保護法で戦争遂行国家になる」。戦前への回帰(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d3baddad8191e3fd916e7f82c57bbd21)
■④『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 取材班【STOP!「秘密保護法」11・21大集会 「廃案」を求めて一万人!】、「このままでは首相を取り巻く官僚が政府を牛耳り、治安官僚が支配する国家になる・・海渡雄一」。腹立たしいことに馬や鹿の耳には東風(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/688f9de94de2cbf265ad33165a806401)
■⑤『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 田島泰彦(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/971506e2ffcb9da364fc2098b209d9f9、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2e3d95d5ba4ab46702523623d4b8dd04)氏【廃案しかありえない稀代の悪法 修正案でも法案の危険性は変わらない】
■⑥『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 【大藤理子の政治時評/神頼み人頼み体質の日本人はいつ自覚するのか。私たちは被害者ではなく主権者だと】、「戦争に負けても、原発事故が起きても、「騙された!」という被害者感情が一時膨れ上がった後はまた・・」。騙されることの責任(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cc4e571fe8c3a2c5d50742ae0de4f0c7)
■⑦『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 伊田浩之氏【原子力規制委は「規制の虜」のままか? 巨大地震が迫る伊方原発と再稼働】、「平然とウソをつく体質」「最新の知見を無視」「規制庁が四電に助け舟」「西日本汚染の危険性」。原子力「すいすい推進」委員会(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/976cc2457ab8d171c1c6f19c9a356899)
■⑧『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 重見芳光氏【中村知事、再稼働に布石 愛媛県の専門部会に強力推進派】、「県の・・専門部会・・氏も加わっている・・氏は「プルトニウムの毒性は食塩と大差ない」とぶち上げて物議をかもした人だ」。いまや北大教授様(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/90b21e135cc77b9bca5b41d0fb3942ce)?
■⑨『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 伊田浩之氏【8割実話!『法服の王国』の著者 黒木亮氏が語る原発裁判】、「海渡雄一・・はこう語る。「伊方原発と志賀原発の訴訟が主軸です・・」」「ずさんな審査なのに敗訴」。志賀原発訴訟(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/47ba0313476b87281aa3693f86ef71c9)
■⑩『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 山秋真氏【新-わたしと憲法シリーズ 岡田和樹 上関原発を建設させないよう海で監視するカヤック隊員】、「原発反対行動を「妨害」だと中国電力が訴えるのは司法を利用した表現の弾圧」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e435036ea6a0b3e82459278c9e2b722e)
■⑪『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / すごい面子の写真、松本ヒロさん【写日記その21】、「左から私、石川文洋さん、鎌田慧さん、鈴木邦男さん。・・ピースボート三〇周年記念パーティーでの一枚」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6825289b60b19442e4ab8d25aab34a58、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cc790bd1d012a03bd8cb9b59626a68b2)
■⑫『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「「特定秘密保護法」は明白に憲法違反である。廃案にならなければ、日本の民主主義は終焉を迎える。それでなくとも「違憲状態」にある国会が、こうしたデタラメな法律を審議する資格など、どこにも見当たらない」
■⑬『週刊金曜日』(2013年11月29日、970号) / 丸山昇さん【東京高裁判決で〝きわどい営業〟促進か NHKが申し込んでから2週間で受信契約が成立か!?】、「・・支払を義務付ける法制化はかつて2度も不成立に終わった・・ところが、義務化につながりかねないトンデモない高裁判決が出た」
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〝壊憲〟についての朝日新聞の世論調査を受けての識者のコメント記事(http://www.asahi.com/politics/update/0501/TKY201305010546.html、http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010583.html、http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010587.html、http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010585.html)。東京新聞のコラム『筆洗』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042902000117.html)。すぐに消えてなくなるasahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、5月3日)。東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050302000127.html)、社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013050302000147.html)、そしてコラム『筆洗』をもう一つ(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013050302000146.html)。
自らを律することができない自民党タカ派や元東京〝ト〟知事・元大阪〝ト〟知事を縛るために国民が持っている鎖を、資格のない国会議員が自ら断ち切ろうとしている。(金に群がるハゲタカでもある)タカの爪をを巧妙に隠し、まずは改憲・壊憲のためのハードル「“悪魔”を阻むハードル」を下げようとしている。その先には、多くの国民の望まない「戦争を出来る国」にするために。
「ワイマール憲法当時のドイツで実際に起きたことです。・・・ヒトラーは国民投票という手段も乱発して、反対勢力を壊滅させ、独裁者になりました。憲法は破壊されたのです」。「政治や外交の機能不全の責任を憲法に押しつける戦後世代のリーダー」に壊憲させてはならない。「政治家が歴史に学ばない国は危うい」、そう我が国はとても危うい状況。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0501/TKY201305010546.html】
2013年5月2日0時14分
改憲手続き緩和 賛成38%、反対54% 世論調査
憲法記念日を前に朝日新聞社は全国郵送世論調査を行い、憲法に関する有権者の意識を探った。それによると、憲法96条を変え、改憲の提案に必要な衆参各院の議員の賛成を3分の2以上から過半数に緩める自民党の主張について、反対の54%が賛成の38%を上回った。9条についても「変えない方がよい」が52%で、「変える方がよい」の39%より多かった。
【http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010583.html】
【http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010587.html】
【http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010585.html】
5月3日は憲法記念日。朝日新聞社が憲法をテーマに行った全国郵送世論調査の回答を見て、作家の雨宮処凛(かりん)さんは不思議がった。「もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて……」。映画監督・作家の森達也さんは、9条を変えないという人が多かったのは「意外だった」と驚いた。神戸大名誉教授の浦部法穂さんは、今の国会議員は「憲法をいじる資格はない」と手厳しい。好調アベノミクスと同時進行する改憲の動き。3人の識者が語る憲法と日本社会とは――。
雨宮処凛さん「人間1人の思考なら矛盾」 憲法世論調査
■作家の雨宮処凛さん
「いまの憲法を変える必要がある」という人が半数を超え、その理由で最も多かったのが「国防の規定が不十分だから」だという。それでいて「9条を変えないほうがよい」が半数を超える。もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて、どんな人間かわからない。
しかし、ある意味、いまの日本を象徴しているのかもしれない。
「戦争」とか「国防軍」とか「軍隊」という言葉には強い嫌悪感を示す。9条は守るべきだという人は多い。けれども、参院選で投票するとき、重視する政策を聞けば「憲法」は最下位。かなりの国民は、本気でどーでもいいと思っている気がする。自民党の憲法改正草案を読んでいる人が一体どれだけいるのでしょうか。
浦部法穂さん「今の議員に憲法いじる資格ない」世論調査
■神戸大名誉教授の浦部法穂(のりほ)さん
憲法9条を変えない方がよいという人も、96条の改憲手続きを緩める自民党案に反対という人も5割を超えた。改憲賛成が5割を超えたといっても理由は非常に散らばっていて、最も多くの人が理由に挙げた「国防の規定が不十分」でも全体の3割にとどまっている。国会の論調だけをみると改憲ムードが非常に強いが、国民は割合冷静に見ているのではないか。
そもそも憲法改正権は国民にあるのだから、改憲は国民の側から「国会で案を作れ」という声が起きてから初めて国会が議論するものだ。ところが、憲法で行動を制約され、命じられる側の国会、まして統治権の中枢の内閣が今の憲法では都合が悪いからといって改憲を主導するのは本末転倒でおかしい。
森達也さん「9条変えない意見多いのは意外」 世論調査
■映画監督・作家で明治大特任教授の森達也さん
憲法9条を変えない、という意見が多かったのは、意外だった。
総選挙では予想通りというか、予想を上回るほどの自民党圧勝だった。小選挙区のマジックを差し引いても、自民党や安倍政権への支持が強いのは間違いない。票を入れた人の多くは、憲法9条改定にも賛成なのだろう、と思い込んでいた。だが、調査結果では、景気浮揚策への期待から政権を支持しても、憲法9条改定までは支持していないことが浮かび上がる。自民党や安倍晋三首相には、軌道修正を期待したい。
ただし僕は、がちがちの護憲派ではない。半世紀以上たっているのだから、時代に合わない要素があればマイナーチェンジしてもいい。でも9条も含め、基本理念は安易に変えるべきではない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042902000117.html】
【コラム】
筆洗
2013年4月29日
<遺棄死体数百といひ数千といふいのちをふたつもちしものなし>。昭和十五年、日中戦争の報道写真を見て、新聞記者で歌人の土岐善麿がつくった歌である▼命を二つ持つ者はいない、と生命の尊さを詠んだだけなのに右翼から攻撃され、戦時下は隠遁(いんとん)生活を送る。敵国の兵士に同情したと思われると、袋だたきに遭う時代だった▼その時代に戻ることはないと信じているが、「嫌中・嫌韓」が声高に語られる風潮には危うさを感じる。それを政治家があおっているのだから尋常ではない▼閣僚の靖国参拝に対する中韓両国の抗議を安倍晋三首相は「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」と突っぱね、「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と過去の侵略戦争や植民地支配を正当化するような発言を重ねた。経済優先の「安全運転」に徹してきた首相の「地金」がむき出しになってきた▼その歴史認識に米国側から反発も出てきた。米紙ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは「歴史を直視していない。これまでの経済政策の成果も台無しにしかねない」「敵対心を無謀にあおっているように見える」と社説で批判した▼<あなたは勝つものとおもつてゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ>。戦時中は好戦的な歌もつくった善麿の昭和二十一年の歌だ。戦争は遠くなり、勇ましい声が再び戻ってきた。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、5月3日】
2013年 5月 3 日(金)付
憲法を考える―変えていいこと、ならぬこと
憲法には、決して変えてはならないことがある。
近代の歴史が築いた国民主権や基本的人権の尊重、平和主義などがそうだ。時代の要請に合わせて改めてもいい条項はあるにせよ、こうした普遍の原理は守り続けねばならない。
安倍首相が憲法改正を主張している。まずは96条の改正手続きを改め、個々の条項を変えやすくする。それを、夏の参院選の争点にするという。
だがその結果、大切にすべきものが削られたり、ゆがめられたりするおそれはないのか。
いまを生きる私たちだけでなく、子や孫の世代にもかかわる問題だ。
■権力を縛る最高法規
そもそも、憲法とは何か。
憲法学のイロハで言えば、権力に勝手なことをさせないよう縛りをかける最高法規だ。この「立憲主義」こそ、近代憲法の本質である。
明治の伊藤博文は、天皇主権の大日本帝国憲法の制定にあたってでさえ、「憲法を設くる趣旨は第一、君権を制限し、第二、臣民の権利を保全することにある」と喝破している。
こうした考え方は、もちろん今日(こんにち)にも引き継がれている。
憲法99条にはこうある。「天皇又(また)は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」。「国民」とは書かれていないのだ。
立憲主義は、国王から市民が権利を勝ち取ってきた近代の西欧社会が築いた原理だ。これを守るため、各国はさまざまなやり方で憲法改正に高いハードルを設けている。
米国では、両院の3分の2以上の賛成と4分の3以上の州議会の承認がいる。デンマークでは国会の過半数の賛成だが、総選挙をはさんで2度の議決と国民投票の承認を求めている。
日本では、両院の総議員の3分の2以上の賛成と、国民投票での過半数の承認が必要だ。
自民党などの改正論は、この「3分の2」を「過半数」に引き下げようというものだ。
■歴史の教訓を刻む
だが、これでは一般の法改正とほぼ同じように発議でき、権力の歯止めの用をなさない。戦争放棄をうたった9条改正以上に、憲法の根本的な性格を一変させるおそれがある。
私たちが、96条改正に反対するのはそのためである。
日本と同様、敗戦後に新しい憲法(基本法)をつくったドイツは、59回の改正を重ねた。一方で、触れてはならないと憲法に明記されている条文がある。
「人間の尊厳の不可侵」や「すべての国家権力は国民に由来する」などの原則だ。
ナチスが合法的に独裁権力を握り、侵略やユダヤ人虐殺につながったことへの反省からだ。
日本国憲法は、97条で基本的人権を「永久の権利」と記している。これに国民主権と平和主義を加えた「三つの原理」の根幹は、改正手続きによっても変えられないというのが学界の多数説だ。
かつての天皇制のもとで軍国主義が招いた惨禍の教訓が、その背景にある。
特に9条は、二度と過ちを繰り返さないという国際社会への約束という性格もある。国民の多くは、それを大切なことだとして重んじてきた。
自民党が96条改正の先に見すえるのは、9条だけではない。改憲草案では、国民の権利への制約を強めかねない条項もある。立憲主義とは逆方向だ。
■政治の自己改革こそ
首相は「国民の手に憲法を取り戻す」という。改正のハードルが高すぎて、国民から投票の権利を奪っているというのだ。
これは論理のすり替えだ。各国が高い壁を乗り越え、何度も憲法を改めていることを見ても、それは明らかだろう。
改めるべき条項があれば、国民にその必要性を十分説く。国会で議論を尽くし、党派を超えて大多数の合意を得る。
そうした努力もせぬまま、ルールを易(やす)きに変えるというのは責任の放棄ではないか。
憲法に指一本触れてはならないというのではない。
例えば、国会の仕組みである。衆院と参院は同じような権限を持つ。このため多数派が異なる「ねじれ」となると、国政の停滞を招いてきた。
いずれ憲法の規定を改め、衆参両院の役割分担を明確にするなどの手直しが必要になるかもしれない。
もっとも、いまの国会の怠慢は度し難い。
ねじれによる政治の停滞を嘆くなら、なぜ衆参両院の議決が異なった時に話し合う両院協議会の運用を見直さないのか。
最高裁に違憲状態とされた一票の格差問題では、司法が口出しするのはおかしいといわんばかりの議論が横行している。これでは、憲法を語る資格などはない。
まずなすべきは、そんな政治の自己改革にほかならない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050302000127.html】
知らず改憲 危険 読者からの手紙
2013年5月3日 朝刊
改憲が、政治の場で声高に語られる中で迎えた憲法記念日。本紙が四月十九日から連載した「『憲法と、』第1部 50年代の攻防」には読者から、憲法への思いなどをつづった手紙やメールが寄せられている。憲法について人々がよく知らないまま、変えられてしまうのではないか。そもそも今の社会で憲法の理念がないがしろにされているのではないか-。文面からは危機感がにじむ。 (上條憲也、樋口薫)
「改憲が動きだす前に、『憲法は権力を縛るもの』という認識が当たり前のことになっていなければ、危険すぎると思います」。そうメールにつづった千葉県鎌ケ谷市の塾講師村松真理子さん(55)を訪ねた。
憲法に関心を持ったのは一九八二年、小学館の「日本国憲法」を手に取ったことがきっかけだったという。当時も改憲が取り沙汰され、異例のベストセラーとなっていた。
戦力不保持をうたった九条を改正し、国を「気概をもって自ら支え守る責務」を盛り込んだ二〇〇五年の自民党の憲法改正草案を知人に見せたときに「知らなかった。怖い」と言われた。
知らせることの重要性を感じた村松さんは〇七年から勉強会を始め、小冊子「みんなの憲法」の発行を続ける。会の仲間とは、主にメールで意見交換。学ぶことが大事なので立場は改憲でも問わない。
ただ、輪を広げようとしても憲法に拒否反応を示す人もいる。村松さんは最近、知人に憲法について意見を募るメールを一斉送信した。「憲法の話を送ってこないで」という返信もあったという。
メンバーの一人で、青森県八戸市で空襲を体験した松倉要正さん(80)は「フランスでは青年たちが昼間からカフェで自国の憲法論争をしているのに…」ともどかしさを感じている。村松さんは「問題意識を持つことは面倒なこと。でも考えることで憲法は自分たちのものになる」。
個人を尊重し、幸福追求権を定めた一三条を村松さんは「憲法が憲法である性質を表している」と言う。憲法の大前提は権力から国民を守るためのものであり、国家の意図を国民に押し付けるものではない。
「憲法を分かろうと個々がアンテナを研ぎ澄ますことが大事。それが(憲法一二条が定める)自由と権利を保持するための『国民の不断の努力』になる」と村松さんは考える。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013050302000147.html】
【社説】
憲法を考える 歴史がつなぐ知恵の鎖
2013年5月3日
憲法改正を叫ぶ勢力の最大目的は、九条を変えることでしょう。国防軍創設の必要性がどこにあるのでしょうか。平和憲法を守る方が現実的です。
選挙で第一党になる、これは民主的な手法です。多数決で法律をつくる、これも民主的です。権力が憲法の制約から自由になる法律をつくったら…。
ワイマール憲法当時のドイツで実際に起きたことです。国民主権を採用し、民主主義的な制度を広範に導入した近代憲法でした。ヒトラーは国民投票という手段も乱発して、反対勢力を壊滅させ、独裁者になりました。憲法は破壊されたのです。
◆熱狂を縛る立憲主義
日本国憲法の役目は、むろん「権力を縛る鎖」です。立憲主義と呼ばれます。大日本帝国憲法でも、伊藤博文が「君権を制限し、臣民の権利を保障すること」と述べたことは有名です。
たとえ国民が選んだ国家権力であれ、その力を濫用する恐れがあるので、鎖で縛ってあるのです。また、日本国民の過去の経験が、現在の国民をつなぎ留める“鎖”でもあるでしょう。
憲法学者の樋口陽一東大名誉教授は「確かに国民が自分で自分の手をあらかじめ縛っているのです。それが今日の立憲主義の知恵なのです」と語ります。
人間とはある政治勢力の熱狂に浮かれたり、しらけた状態で世の中に流されたりします。そんな移ろいやすさゆえに、過去の人々が憲法で、われわれの内なる愚かさを拘束しているのです。
民主主義は本来、多数者の意思も少数者の意思もくみ取る装置ですが、多数決を制すれば物事は決まります。今日の人民は明日の人民を拘束できません。今日と明日の民意が異なったりするからです。それに対し、立憲主義の原理は、正反対の働きをします。
◆9条改正の必要はない
「国民主権といえども、服さねばならない何かがある、
それが憲法の中核です。例えば一三条の『個人の尊重』などは
人類普遍の原理です。近代デモクラシーでは、立憲主義を用い、
単純多数決では変えられない約束事をいくつも定めているのです」(樋口さん)
自民党の憲法改正草案は、専門家から「非立憲主義的だ」と批判が上がっています。国民の権利に後ろ向きで、国民の義務が大幅に拡大しているからです。前文では抽象的な表現ながら、国を守ることを国民の義務とし、九条で国防軍の保持を明記しています。
しかし、元防衛官僚の柳沢協二さんは「九条改正も集団的自衛権を認める必要性も、現在の日本には存在しません」と語ります。旧防衛庁の官房長や防衛研究所所長、内閣官房の副長官補として、安全保障を担当した人です。
「情勢の変化といえば、北朝鮮のミサイルと中国の海洋進出でしょう。
いずれも個別的自衛権の問題で、たとえ尖閣諸島で摩擦が起きても、
外交努力によって解決すべき事柄です。九条の改正は、中国や韓国は
もちろん、アジア諸国も希望していないのは明らかです。米国も
波風立てないでほしいと思っているでしょう」
九条を変えないと国が守れないという現実自体がないのです。米国の最大の経済相手国は、中国です。日中間の戦争など望むはずがありません。
「米国は武力が主な手段ではなくなっている時代だと認識しています。
冷戦時代は『脅威と抑止』論でしたが、今は『共存』と『摩擦』が
テーマの時代です。必要なのは勇ましい議論ではなく、むしろブレーキです」
柳沢さんは「防衛官僚のプライドとは、今の憲法の中で国を守ることだ」とも明言しました。
国防軍が実現したら、どんなことが起きるのでしょうか。樋口さんは「自衛隊は国外での戦闘行為は許されていませんが、その枠がはずれてしまう」と語ります。
「反戦的な言論や市民運動が自由に行われるのは、
九条が歯止めになっているからです。国防軍ができれば、
その足を引っ張る言論は封殺されかねません。軍事的な価値を
強調するように、学校教育も変えようとするでしょう」
安倍晋三首相の祖父・岸信介氏は「日本国憲法こそ戦後の諸悪の根源」のごとく批判しました。でも、憲法施行から六十六年も平和だった歴史は、「悪」でしょうか。改憲論は長く国民の意思によって阻まれてきたのです。
◆“悪魔”を阻むハードル
首相は九六条の改憲規定に手を付けます。発議要件を議員の三分の二から過半数へ緩和する案です。しかし、どの先進国でも単純多数決という“悪魔”を防ぐため、高い改憲ハードルを設けているのです。九六条がまず、いけにえになれば、多数派は憲法の中核精神すら破壊しかねません。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013050302000146.html】
【コラム】
筆洗
2013年5月3日
集団自決の場で何人もの子どもを手にかけながら、自らは死に切れなかった人がいる。約四百人の孤児を引率して命からがら引き揚げてきた人がいる。百人の子どもが途中で亡くなった。先月二十四日、長野県阿智村に開館した満蒙(まんもう)開拓平和記念館には、国策で満州に渡った人たちが味わった地獄が刻まれている▼二十七万人の満蒙開拓団のうち、全国最多の三万二千九百九十二人を送り出したのは長野県だった。帰国できたのは一万六千九百四十九人。千百三人が残留孤児や残留婦人になった▼阿智村のある下伊那・飯田地方からは県内でも最も多い八千三百八十九人が渡満した。この地に平和記念館を建設することは、地域の引き揚げ者たちの悲願だった▼関東軍に見捨てられた開拓団は、日ソ中立条約を一方的に破棄して侵攻してきたソ連軍に襲われた。集団自決の悲劇もあった。栄養失調や伝染病でさらに多くの犠牲者を出した。移民ではなく、棄民だった▼きょうは憲法記念日。改憲が具体的な政治日程に上がってきたのは、戦争のおびただしい犠牲者の上に立つ憲法から「血の色」があせてきたことと無縁ではない▼政治や外交の機能不全の責任を憲法に押しつける戦後世代のリーダーがいる。戦争の記憶を伝えようと、戦後七十年近くなって記念館を建てる人たちがいる。政治家が歴史に学ばない国は危うい。
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最高裁国民審査に関連したvideonews.comの3つの記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002613.php、http://www.videonews.com/interviews/001999/002619.php、http://www.videonews.com/interviews/001999/002618.php)。
衆院選は憲法改正・経済問題などが前面に・・・信じ難い。さらに、衆院選で忘れ去られていたこと、沖縄問題と最高裁国民審査。最高裁国民審査については、何も考えずに全員を×にしてしまいましたが、もう少し誰を×にすべきかを考えた方がよかったかも。
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【http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002613.php】
ニュース・コメンタリー (2012年12月14日)
最高裁国民審査特集
最高裁を裁く
総選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官国民審査。街の掲示板に審査の対象となる裁判官の顔写真入りポスターが貼り出されないのが残念だが、それでも今回もマル激は前回、前々回に続き、最高裁国民審査特集をお届けする。
今回の審査は、足利冤罪事件、布川冤罪事件、村木厚子さん事件(郵便不正事件)での証拠改竄事件、小沢一郎氏の政治資金をめぐる検察審査会への検事調書捏造事件、ゴビンダ・マイナリさん冤罪事件(東電OL殺人事件)、遠隔操作ウィルス誤認逮捕並びに自白強要事件等々、数え上げたらキリががないほどの冤罪、誤認逮捕、自白強要、証拠捏造などの検察・警察不祥事のオンパレードを受けた国民審査となる。
また現在の最高裁は前回の衆院選挙と参院選挙でそれぞれ2.3倍、5倍を超える一票の格差があったことに対して、「違憲状態」どまりの判決しか下せていない。違憲状態というのは、このままではダメだという意思表示ではあるが、あくまで合憲判断を下したことにかわりはない。もし前回の判決で「違憲状態」判決ではなく「違憲」判決を下していたら、今回一票に最大で2.4倍もの差を抱えたままの選挙はあり得なかった。その意味でも最高裁の責任は重い。
冤罪や誤認逮捕などで検察・警察に批判が集中するのは当然だが、その大前提となっている人質司法を可能にする強引な逮捕と23日間にも及ぶ起訴前拘留を可能しているのは、他でもない裁判官による逮捕・拘留令状だ。また、明らかに強要が疑われる自白や供述でも、裁判所はその任意性を疑うことなく、容赦なく有罪判決を出してきたことが、一連の再審・冤罪事件で明らかになっている。
その意味で司法改革が今回の選挙の争点になっていないのが不思議であると同時に、いかに政治が司法に対して弱腰であるかを如実に表しているとも言える。
いずれにしても、今回は国民がその司法制度の頂点に君臨する最高裁の裁判官15人のうち、前回の国民審査以降に任官した10人に審判を突きつける番だ。
今回は一票の格差判決の他にも、原発差し止め訴訟、君が代起立拒否訴訟、沖縄集団自殺訴訟、ウィニー著作権法違反訴訟、僕パパ秘密漏洩事件、光市母子殺害事件、児童ポルノリンク事件、佐藤栄佐久前福島県知事汚職事件等々、前回の審査からこの3年あまりで最高裁は日本の民主主義の根幹に関わる重要な判決を山ほど下している。
今回の特集Nコメでは、独断で過去3年間の間の10の最高裁判決を選び出し、それぞれの判決についてどの裁判官がどのような判断を下したのか、またどのような意見を表明していたかを、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が徹底検証してみた。
総選挙と同じくらい、いや場合によってはそれ以上に重要かもしれない最高裁裁判官国民審査に、少しでも有権者の意志を反映させるための一助となれば幸いである。
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【http://www.videonews.com/interviews/001999/002619.php】
インタビューズ (2012年12月15日)
司法官僚の専断を許してはならない
インタビュー:新藤宗幸氏(千葉大学名誉教授)
相次ぐ冤罪事件に誤認逮捕、はたまた証拠の捏造や改竄などなど、刑事司法のあり方が根本から問われる中、法の番人を務める最高裁は相変わらず一票の格差や原発訴訟に腰が引けたかのような判決を出し続けている。
そもそも一連の冤罪事件は警察や検察の捜査にも問題があったが、その捜査に令状を出し、その結果提出された証拠や供述を有効と判断して有罪判決を下してきたのは、裁判所に他ならない。民主主義の最後の砦たる裁判所が機能していないことは、民主主義そのものが機能していないに等しい。
なぜ日本の司法は機能しないのか。
著書『司法官僚』の著者で千葉大学名誉教授の新藤宗幸氏は、日本の司法が機能しない一因として、本来は独立しているはずの裁判官ではなく、その背後にいる「司法官僚」が実際には日本の司法を牛耳っているために、官僚的な判断が当たり前のように下されてしまうと説明する。司法官僚は裁判所機構全体の予算と人事権も握り、しかも裁判所には行政のような情報公開義務がないため、その実態が白日の下に晒されることもなく続いてしまっているというのだ。
一票の格差は言うに及ばず、日本が民主主義を取り戻すためには、司法官僚から裁判所を市民の手に取り戻さなければならない。そして、そのためには裁判所の情報公開とメディアの努力、政治の覚悟、市民の自覚などが不可欠になると新藤氏は言う。
プロフィール
新藤 宗幸しんどう むねゆき
(千葉大学名誉教授)
1946年神奈川県生まれ。中央大学経済学部卒業。1972年中央大学大学院法学研究科修士課程修了。専修大学法学部助教授、立教大学法学部教授、シェフィールド大学客員教授、千葉大学法経学部教授などを経て2011年より現職。公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所常務理事を兼務。著書に『司法よ!おまえにも罪がある─原発訴訟と官僚裁判官』、 『司法官僚 裁判所の権力者たち』、『政治主導官僚制を問いなおす』、『選挙しかない政治家・選挙もしない国民』など。
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【http://www.videonews.com/interviews/001999/002618.php】
インタビューズ (2012年12月15日)
最高裁にも変化の兆しが
インタビュー:長嶺超輝氏(司法ライター)
最高裁についてよく指摘される問題点の一つが、最高裁の裁判官はその出自別に枠が固定され、体制派の裁判官や検察出身者が過半数を占めるため、最高裁の判決は常に政府寄りになるといった批判だ。
実際、現在も最高裁の裁判官は15人の裁判官のうち裁判官出身者が6名、検察出身が2名、官僚・外交官出身が2名、学会出身が1名となっており、弁護士出身者は4人しかいない。早い話が15人中10人が公務員出身だ。これまで一般的には弁護士出身者は国権よりも民権を重視し、疑わしきは被告人の利益にとなるポジションを取ると言われるが、それがこうまで少数派では、最高裁の判決の大勢に影響を及ぼすことはできない。
しかし、最高裁を取材してきた司法ライターの長嶺超輝さんは、最高裁にも変化の兆しがあり、裁判官出身者の中にも民権や人権の重視する裁判官が現れる一方で、弁護士出身でも従来よりより国権重視の裁判官が出るようになっていると言う。
例えば、児童ポルノ画像へのリンクを貼っただけで、公然わいせつの「正犯」として有罪になった裁判では、裁判官出身の寺田逸郎判事が「正犯にあたらず」との立場を示している。
しかし、その一方で、たとえば衆議院の一票の格差裁判で2.3倍の格差を「違憲状態」とした判決では、15人の裁判官のうち2人の弁護士出身者は明確に「違憲」を主張しているが、弁護士出身の山浦善樹、田原睦夫裁判官は「違憲状態」の多数意見に賛同している。違憲状態というのは、このままでは違憲になりますよという警告的な意味はあるが、判断としては「合憲」を意味している。
長嶺氏に最高裁の現状と課題を聞いた。
プロフィール
長嶺 超輝ながみね まさき
(司法ライター)
1975年長崎県生まれ。98年九州大学法学部卒業。司法試験浪人を経て04年より現職。著書に『裁判官の爆笑お言葉集』、『サイコーですか?最高裁』など。
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東京新聞の二つの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090102000122.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090102000132.html)と社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012090202000106.html)。
民主党の「ほかの脱原発派の議員も「原発ゼロ」を明確に打ち出す必要性を強調」って、誰がそんな議論を信じられようか。彼らの云う「原発ゼロ」は、第一、いずれにしろ2030年まで原発を運転しましょうってことでしょ。ばかばかしい。それに、選挙が終われば、そんな議論もご和算にするつもりでしょうし。本気なら「今、大飯を止めろてみろ」ってことです。あれだけ多くの人が反対し、結果として、全く再稼働の必要がなかったのに、首相の責任で大飯原発を動かす決断をしたのだから、すぐに止める決断もできるはず。
関電の社長は大飯原発の稼働を続けたいなどと、大ボケをかましている。他の原発も、全く必要が無いにもかかわらず、再稼働したくてしょうがないようだ。
「原発維持派の直嶋正行元経済産業相は「原発をゼロにした場合、
日本経済を維持できるのか。経済や雇用への影響を議論すべきだ」
と反論。電力総連出身の藤原正司参院議員は「(人類滅亡の)
ノストラダムスの大予言があったが、地球はまだある」と述べ、
原発ゼロの議論は現実的でないと指摘」。
ノストラダムスって、フザケすぎ。首相や枝野氏達を含め、彼らに投票した選挙民が責任を持って彼らを落選させるべき。彼らに投票し続けるのは未来の人々への犯罪的行為であり、また、東京電力原発人災の被災者・被曝者への冒涜である。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090102000122.html】
民意遠ざかる首相 全国一軽い一票千葉4区
2012年9月1日 朝刊
二日で野田内閣発足から一年。当初、自らを泥くさいドジョウにたとえた野田佳彦首相は、原発再稼働、消費税増税と、民意からかけ離れた決断を繰り返してきた。その首相の地元・千葉4区(船橋市)は実際、全国で一番民意が届きにくい選挙区でもある。議員一人を選出するのに必要な人口が最多、つまりは一票が最も軽い。違憲状態とされる「一票の格差」の是正も先行きは不透明なままだ。 (森本智之)
「十年以上前、船橋でつじ立ちしている野田さんを見て、実にすばらしい人だと思いました。あのころを思い出してください」。八月二十二日、「首都圏反原発連合」の一人、派遣作業員若林一彦さん(59)は、官邸での野田首相との面談でそう話しかけた。
船橋市に住んでいた時に数回、つじ立ちを見かけた。「路地裏の居酒屋で一般の市民が話題にしているようなことを、政治に反映したい」と話したのが印象に残ったという。「今は私たちの意見を聞くふりだけしている」
◇
市民も距離を感じている。「駅前に立っていたころに比べると縁遠くなってしまった」と船橋駅前の駐輪場管理員の藤川具之さん(69)。選挙になれば意思を一票のかたちで直接伝えることができるが、その価値は、全国で一番低い。二〇〇九年の衆院選で有権者数が最多の千葉4区と最少の高知3区の一票の格差は二・三〇倍。最高裁は昨年三月の判決で「違憲状態」と判断した。その後格差はさらに拡大している。
駅前で、何人かの市民に話を聞いてみたが「ピンとこない」「難しい」と、関心は薄い。しかし全国で一票の格差訴訟を起こしている升永英俊弁護士は「住んでいる場所で一票の価値が違うのは、一票の住所差別だ」と強調する。
升永弁護士によると、二〇一〇年参院選当時の有権者数と選挙区の定数をもとに試算すると、有権者数の少ない三十選挙区三千四百万人で参院議員七十四人を選ぶことになる。残り十七選挙区七千万人で七十二人。ほぼ同じ人数を当選させるのに、倍以上の有権者数が必要だ。選挙区がより細かい衆院でも、構図は変わらない。「これでは国会議員の多数決が国民の多数決とイコールにならない」
通勤途中の会社員男性(46)は「政治家は自分の地位や懐に関わるから国民に説明してこなかった」と批判した。
◇
脱原発を目指す市民らは、政治家が民意を反映しないことに対し、デモなどで直接、意思を表明する手段を選んだ。現在は、一票の受け皿を自ら作り出す動きも始まっている。市民団体「グリーンアクティブ」などは次期衆院選で二十人程度の候補者を擁立する方針。中心メンバーで、コピーライターのマエキタミヤコさん(48)は「一票の格差という憲法違反がそのままになっているのは、突っ込みどころ満載の今の政治を象徴している」と皮肉る。
候補者の公募は近く本格化させるが、千葉4区は重点区の一つ。一票が軽い分、当選には大量の得票が必要となるが「向こうも同じだけ大変。選挙になればやることは同じなんじゃないでしょうか」と話している。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090102000132.html】
民主、「原発ゼロ」強まる
2012年9月1日 朝刊
民主党の原発政策を議論するエネルギー・環境調査会(会長・前原誠司政調会長)は三十、三十一の両日、全議員を対象に意見交換した。脱原発派議員からは「党として明確に原発ゼロを打ち出すべきだ」との意見が続出。脱原発を求める世論を受け、原発維持派からも条件付きで容認する声も出始めており、「原発ゼロ」の意見が強まりつつある。 (金杉貴雄)
「首都圏三千万人が避難する最悪の事故を想定すると、賠償額は福島第一原発事故規模の二百倍の千二百兆円となる。原発コストはほかの電源と比較にならないほど高い」
菅直人元首相はこう述べ、原発の発電コストが火力などより低いと見積もる政府の説明を疑問視。コスト面からも「原発ゼロ」を目指すべきだと表明した。
ほかの脱原発派の議員も「原発ゼロ」を明確に打ち出す必要性を強調。政策誘導によって再生エネルギーや省エネルギーの技術革新が大幅に進み、新たな雇用や経済成長が達成できると指摘した。
これに対し、原発維持派の直嶋正行元経済産業相は「原発をゼロにした場合、日本経済を維持できるのか。経済や雇用への影響を議論すべきだ」と反論。電力総連出身の藤原正司参院議員は「(人類滅亡の)ノストラダムスの大予言があったが、地球はまだある」と述べ、原発ゼロの議論は現実的でないと指摘した。
だが、秋の衆院解散・総選挙が取りざたされる中、脱原発を求める世論に敏感になっている議員も少なくない。このため「脱原発派」対「原発維持派」の議論の構図に変化も出始めている。
維持派が多い経済産業部門会議座長の田嶋要元経済産業政務官は「予備電源として原発を持ちながら、福島の目線で原発ゼロを打ち出すしかない」と表明。安井美沙子参院議員は「(民主党政権が打ち出した)原発の四十年運転制限に基づき二〇五二年にゼロにする。経済面を考慮しながらゼロを前倒しすべきだ」と主張した。
調査会は来週中に意見をまとめる予定。「ゼロ」を打ち出すにしても、いつまでに達成するかを明示できるかがポイントだ。そうでなければ、説得力のない「原発ゼロ」になる。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012090202000106.html】
【社説】
週のはじめに考える 「エネルギー選択」の虚構
2012年9月2日
ことしの夏は「原発ゼロ」でも大丈夫でした。政府は近く、二〇三〇年のエネルギー選択を提示する予定ですが、今夏の実績をどう受け止めるのか。
まるで拍子抜けするような結果です。政府や電力会社は夏を前に「原発が動かなければ大停電になる」とか「日本経済が大混乱する」と言い続けてきました。
野田佳彦首相が「仮に計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人も出ます」とまで言い切って、関西電力大飯原発の再稼働を決めたのは六月八日です。
◆夏の電力は余っていた
ところが本紙報道(八月二十九日付一面)によれば、関電管内では二十六日までの八週間で事前の需要予測を10%も下回り、原発なしでも余力があったことが分かりました。関電の広報担当者は「節電効果があり、現時点では原発がなくても供給力は維持できた」と認めています。
これは予想とか分析ではなく、「はっきりした事実」です。政府の見通しは外れました。
さてそうなると、多くの人が次のように考えるのは当然です。「今年の夏が大丈夫だったなら、なにも無理して原発を動かさなくてもいいのでは?」
それほど原発事故の怖さは身に染みました。なにより故郷を追われた十六万人の「さまよう人々」が、いまも不安ややり場のない怒りと葛藤しているのです。
素朴な疑問こそ本質を突いている。政府は人々の問いに真正面から答える必要があります。
政府は六月末、三〇年の原発依存度を「0%にする」「15%にする」「20~25%にする」という三つの選択肢を示しました。これを基に、近くエネルギー戦略をどうするか決める予定です。
◆倒錯している政策手順
どんな場合でも、将来の政策を考えるには、まず現状が前提になります。いまの時点で電力は足りているのかいないのか。原発の安全はきちんと担保されているのか。それが議論の出発点です。
関電の電力需給は「余力があった」と判明しました。それだけではありません。独自に問題を検証している大阪府市・エネルギー戦略会議の調査では、西日本の六電力合計で約一千万キロワット分も余剰電力があったことが分かっています。万が一、関電だけでは足りなくなっても、各社でやりくりすれば十分な数字です。
そうであるなら、三〇年を待たずに「いますぐゼロ」という選択肢だってあるはずです。少なくとも、議論のテーブルに上がっていなくてはおかしい。
そもそも安全を担保する体制を整えないまま、三〇年の原発依存度を数字で決めようという姿勢が根本的に間違っています。
原発を再稼働するなら安全を最優先にしなければなりません。ところが大飯原発を再稼働させた基準は泥縄式で決めた暫定措置でした。野田首相自身が記者会見で「これから三十項目の安全対策をやる」と言っています。
それ自体、とんでもない話なのですが、それに加えて十八年後の原発依存度まで決めてしまおうとしている。先に数字を決めてしまったら、目標達成が最優先になって肝心の安全基準作りや基準順守がなおざりになる懸念がある。それでは元のもくあみです。
原発を動かすなら、まず安全確保体制を整えて、それから国民の理解を得る。依存度が決まるのは結果にすぎません。つまり手順が完全に逆なのです。
15%などの数字を決めた政府の審議会も形ばかりでした。それは議論をしている最中に、野田首相が「原発は単に夏の電力確保のためだけでなく、社会全体の安定と発展のために引き続き重要だ」と発言した一件で明白です。「先に結論ありき」なのです。
こういう政策手順の倒錯は消費税引き上げの経過ともよく似ています。本来、増税しようというなら、まず政府の無駄や非効率を改め使途を明確にして、国民に理解を求めなければなりません。
ところが実際は公約破りに加えて、肝心の社会保障制度改革を後回しにした。その揚げ句、増税法案が成立したとたんに最初の話になかった公共事業拡大の大合唱です。だから国民は政府を信用しない。それが野田首相には分からないのでしょうか。
◆過小評価の原発コスト
「原発を止めたら電力料金の大幅値上げが避けられない」という話も「増税しないと国債が暴落する」話にそっくりです。大本の燃料コスト削減に傾注すべき政策努力を棚上げして、脅し文句を並べるのはやめていただきたい。
政府のコスト試算には被災者への賠償や除染、廃炉にかかる費用も極端に過小評価されています。議論の出直しが必要です。
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