[↑ 命どぅ宝/沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)] (2022年10月16日[日])
ひろゆき氏と畠山理仁さん ―――― お二人を比較しても仕方ありませんが、彼我の差を感じます。
『●畠山理仁さん《沖縄県民は民主主義の手続きに則って民意を示し続けて
いる…愛のある沖縄は、間違いなく民主主義の最先端を行っている》』
『●新垣誠教授「沖縄の言葉を奪ってつくった言語的特権に基づく差別、
侮蔑」「人の苦しみを面白おかしく扱う日本全体の病んだ風潮を象徴」』
琉球新報の記事【ひろゆきさんに「汚い文字」と言われた掲示板、製作した男性の思い 米兵に母を殺害された悔しさ込め】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1599462.html)によると、《米兵に母親を殺害された金城さんは、ひろゆきさんの発言について「どんな思いで基地に反対し、座り込みをしているのか分からないのだろう」とため息交じりに語る》。
《ひろゆき氏の言動は、人の苦しみを面白おかしく扱う日本全体の病んだ風潮を象徴》(新垣誠教授)…平気でヘイトスピーチやデマを流すような人、マスコミが有難がって使ってもいいような人なのかね。沖縄の地で「デマを並べ、沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ、そんな人がまたしても〝登場〟。
『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ』
『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」
「事実関係を無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担』
《安田が本書の取材を始めたきっかけは、昨年6月に自民党の
「文化芸術懇話会」で作家の百田尚樹が発した
「沖縄の2紙はつぶさなあかん」発言だった。本書は、百田と
出席議員の発言内容を詳細に書き起こし、反証するところから
始まる。たとえば、百田のこの発言だ。
「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。
基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、
いまや街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのはわかるが、
そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる」
安田は、地元の古老の証言や郷土史誌の記述から、
この百田発言が全くの事実無根であることを示す。》
《安田はこうして記者たちを訪ね、資料を掘り起こしながら、さまざまな
「嫌沖」の俗説・風説を覆す証言や記録を拾っていく。
「沖縄経済は基地依存」という神話。
「米兵よりも沖縄人のレイプ犯罪率の方が高い」という中傷。
「沖縄の新聞は基地のことばかり書いている」という
全国メディアからの揶揄。
「沖縄の新聞が反基地・政府批判を扇動している」という誤解…》
『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…
《子どもたちの日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》』
《事実かどうかは二の次。弱い立場の者を「敵」に仕立てて暴言を吐く。
基地に反対する沖縄の人たちを一方的にたたき、留飲を下げる。
基地問題でヘイトスピーチ(憎悪表現)まがいの言説があからさまに
表面化したのは13年1月。全市町村長らがオスプレイ配備の撤回などを
求め、東京・銀座でデモ行進した。沿道から浴びせられたのは
「売国奴」「中国のスパイ」などの罵声だった》
『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません
…私たちが何を学ぶのかが今、問われている」②』
《同時に、学校で「方言札」(※)を掛けられ、苦しみながら
「日本語」を習得してきた人たちです。さらに戦争マラリアの
ために、学校で学ぶ機会すら奪われてしまった》
《※方言札…いわゆる「標準語」の使用を徹底させるため、
学校で方言を使った生徒に罰として首から掛けさせた札のこと。
東北、北海道などでも用いられたが、沖縄では特に厳しく、
明治時代終わりから第二次世界大戦後まで使われていた》
『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」』
「沖縄タイムスの記事【津田大介さん・安田浩一さん、「ニュース女子」
問題でMXテレビ出演辞退】…《津田大介さんと安田浩一さんが
18日までに同局が放送する別のニュース番組への出演を辞退した。
「取材がずさんで事実でない」「報道に値しない」と2日の番組を
批判している》」
『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘』
「やはり「歴史的暴言」でした。アベ様定義の「積極的平和主義」の
産物な「歴史的暴言」。「本土」による差別意識が顕在化し、
表面化した「歴史的暴言」。安田浩一さん《社会的少数者や弱者を
たたき、引きずり降ろすのを楽しむ空気が日本社会の一部に
流れている》。歪んでる」
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を
支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…』
『●青木理さん✕安田浩一さん対談 ―――《「この国」には、いったい
いつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?』
『●《表現の自由は、民主主義の根幹でもある。しかし出自を理由に人を深く
傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない》』
『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
…「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根』
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【https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1599462.html】
ひろゆきさんに「汚い文字」と言われた掲示板、製作した男性の思い 米兵に母を殺害された悔しさ込め
2022年10月14日 06:40
ひろゆき 座り込み 辺野古新基地建設
(9月下旬から新しい掲示板を製作している金城武政さん。
「座り込み」の文言を消すつもりはないという
=12日、名護市辺野古 写真)
【辺野古問題取材班】インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)さんは7日、インターネット番組で名護市辺野古の新基地建設への抗議日数を示す掲示板について「誰かが書いた汚い文字」と発言し、批判の声が上がっている。掲示板は辺野古に住む金城武政さん(65)が製作した。米兵に母親を殺害された金城さんは、ひろゆきさんの発言について「どんな思いで基地に反対し、座り込みをしているのか分からないのだろう」とため息交じりに語る。
金城さんの母・富子さんは1974年10月、米軍キャンプ・シュワブ所属の米兵に無抵抗のままブロックで頭を殴られ、殺害された。米兵は富子さんが辺野古で経営していたバーに強盗目的で押し入った。補償金は支払われたが、米軍や日本政府から謝罪の言葉や詳細の説明もなく、悔しい思いをした。米軍による事件事故は後を絶たない。「自分のように米軍基地によって苦しめられた人が多くいる」。金城さんは現在、新基地建設の反対運動に足を運んでいる。
掲示板は過去に、右翼団体に襲撃され、壊されたこともある。現在の掲示板は2代目で、数年前に設置された。反対運動の関係者から依頼を受け、「座り込みによる非暴力の抗議が実施されている拠点であるという目印、象徴にもなれば」との思いで製作した。古くなったため、今年9月末に新たな掲示板の製作に取りかかっていたところだった。
掲示板について「0日にした方がよくない?」「汚い文字」などのひろゆきさんの発言に、「何も知らない上での発言ではないか。責める気にもなれない」とぽつり。製作中の新しい掲示板にも「座り込み抗議」の文字が既に彫られている。「この文言を変えるつもりはない。基地に反対するみんなの思い、これまでの座り込みによる闘いを、なかったことにはできない」と訴える。
抗議が続く中で、新基地建設が止まることはない。金城さんは「4代目の掲示板は作りたくない。基地建設断念までできることを続けていきたい」と製作中の掲示板を見詰めた。
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[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞(2018年12月15日)↑]
リテラの記事【高須克弥、橋下徹、ネトウヨ、安倍応援団がバカ丸出しのハンスト叩き! 元山氏、ウーマン村本が完全論破】(https://lite-ra.com/2019/01/post-4505.html)。
《元山 氏のハンストは、まさに有権者の意思表示が行政に妨げられていることに対する抗議。民主主義国家として当たり前の主張だ。というか、その当然の権利すら踏みにじられ、辺野古新基地建設が強行されようとしている状況で、27歳の若者がハンストという過酷な抗議手段に出ざるをえないことが異常というべきだろう》。
『●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…
《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》』
『●ハンスト=非暴力抵抗運動で抗う沖縄の市民に対して、
「その方に聞いてください」とはどういう了見か?』
『●「日本人の誇り」について熱弁をふるう宮崎政久衆院議員(自民)は、
堂々と「辺野古破壊に賛成」に一票を』
《ハンストは決して「無駄」でも「無意味」でもなかったのだ。…「何よりも投票権を奪うと、口を塞ぐというのが、この2019年の民主主義国家と言われている日本において、沖縄においても、あり得ていいのかなというのが、すごく疑問に思いますね」》。
《県民投票への不参加を表明した5市》の首長は、県民投票を実施して、正々堂々と「辺野古破壊に賛成」の一票を入れれば良いだけなのに、何をゴネていたのだろう。
厳しい意見。でも、大賛成でした。
【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/県民投票/三択にすれば問題は解決するのか?より混乱するのではないか。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/da5a4c439c7ba9dd1ee39de5520006e9)によると、《これまで2択で運動を進めてきた者たちが、ここにきて3択に方向転換した。「全県実施」のためにということだが、県の条例に反して市民の投票権を奪っている5市の首長の揺さぶりに動揺し、自分たちの運動を支持してきた県民のことを忘れてはいないか。2択だからということで署名した人もいるはずだ。…県の条例に従わずに市民の投票権を奪っているのはだれか。その背後には自民党、公明党、日本政府のどのような思惑、動きがあるのか。それを明確にして、県民投票を意図的に混乱させ、失敗させようとしている者たちを浮き彫りにすることが大事だ。仮に全県実施ができなければ、その責任はその者たちにある。そのことをはっきりさせていくべきだ》。
「どちらでもない」案に落ち着いたようですが、2択で白票すれば良かっただけ。
沖縄タイムス【沖縄県民投票、全県実施へ近づく 3択容認で複数の市が前向き】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/376475)によると、《県議会の県政与党の全3会派は23日、選択肢を賛否の2択から「どちらでもない」を加えた3択へ変更する条例改正を容認…》。
琉球新報【県民投票全県実施へ 与野党、3択合意 5市長参加の意向 29日に条例改正】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-866055.html)にも、《「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択への条例修正を与野党に提案》。
3択になったとはいえ、これまで究極の「1択」(辺野古破壊が唯一の解決策)をゴリ押ししてきたわけですから、当然、「本土」与党・癒党は辺野古破壊に「賛成」票を投じるように、「日本人の誇り」をかけて、沖縄の支持者の皆さんを指導しますよね? 「本土」与党・癒党支持者の沖縄の市民の皆さん、「どちらでもない」ではなく、辺野古破壊に「反対」票を投じて下さると信じております。
『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題』
「《投票したい人の権利を奪えるのか》? つぶやき上で、
「○と×の二者択一批判」に対して、その首長らは、アベ様や最低の
官房長官が繰り返す「辺野古が唯一の解決策」という究極の「一択」に
対して批判したのか?、が指摘されていた」
日刊ゲンダイの記事【辺野古設計変更 計画頓挫を“工期遅れ”と報じる大新聞の罪】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246109)によると、《辺野古新基地建設を巡り、安倍政権は今春にも、埋め立て予定地域に存在する軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更に着手する。軟弱地盤はこれまで沖縄県や識者から何度も指摘されてきたが、政権側がやっと認めた形だ。玉城デニー知事は変更後の計画を承認しない構えだ…軟弱地盤による設計変更は客観的に見れば、建設がなくなることも含めた「頓挫」か「暗雲」だろう。“客観報道”を心掛けているはずの大新聞が、こぞって「遅れる」と報じるのは、沖縄の基地については、安倍政権目線に毒されているということだ》。
「頓挫」したのに、辺野古破壊を継続。デタラメだ。辺野古は破壊「損」。破壊された辺野古の美ら海を元に復元しろ!
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【https://lite-ra.com/2019/01/post-4505.html】
高須克弥、橋下徹、ネトウヨ、安倍応援団がバカ丸出しのハンスト叩き! 元山氏、ウーマン村本が完全論破
2019.01.22
(『報道1930』で元山氏に説教を始めた橋下徹・前大阪市長(番組HPより))
辺野古新基地建設の是非を問う県民投票の全自治体での実施を訴え、ハンガーストライキを実行した「『辺野古』県民投票の会」代表の元山仁士郎氏に対し、安倍応援団やネトウヨからのバッシングが吹き荒れている。
元山氏は署名集めや首長らと面会するなかで、15日から宜野湾市役所前で水と塩だけで食事をしないハンストを開始したが、19日に医師からストップがかかりハンスト継続を断念し、入院。ハンストは約105時間に及んだ。
周知の通り、2月24日に行われる県民投票をめぐっては、宜野湾市、沖縄市、うるま市、石垣市、宮古島市の5市が不参加を表明している。19日、元山氏は記者団に対して「5市長がまだ参加を表明しない悔しさはすごくあるが、県議会で動きがあるのを期待して、自分のハンガーストライキという抗議は終えたいと思う」と語った。21日にはTwitterで退院と無事を報告し、〈まだ本調子ではないのですが、沖縄県民みんなでしっかりと県民投票ができるよう、引き続きできることをやっていこうと思います〉と表明。〈話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来。〉と訴えた。
元山氏のハンストは、まさに有権者の意思表示が行政に妨げられていることに対する抗議。民主主義国家として当たり前の主張だ。というか、その当然の権利すら踏みにじられ、辺野古新基地建設が強行されようとしている状況で、27歳の若者がハンストという過酷な抗議手段に出ざるをえないことが異常というべきだろう。
しかし、案の定、いまネトウヨを中心に元山氏への中傷が巻き起こっている。病院で点滴を受けたことに対して「健康保険を使うな」「医療費の無駄使い」というような攻撃が相次いでいるのだ。
〈勝手にハンストして体調悪くなったら社会保険に頼る。これこそまさに自己責任〉
〈健康チェックをして、安全なハンガーストライキなんて、パフォーマンス以外の意味を感じない〉
〈ハンストは自傷行為であり、国民の意思でやってるわけではないので国民の社会保険料を拠出するのはおかしい〉
お話にならない。仮に自傷行為だとしても健康保険で治療されるのは当たり前だし、そもそもハンストは自傷行為ではない。だいたい、医療費の負担など国家による社会保障を受けられるのは、どのような人であれ、どのような理由であれ、現代福祉国家として必要最低限の話。政府には国民を守る義務があるからだ。どうかしているとしか言いようがないだろう。
だが、ネットでのバッシングはこれだけではない。Twitterでは「ハンストはテロ」なる耳を疑うようなバッシングまで飛び出している。17日に、あるアカウントが〈ハンストはテロ行為だと思ってます。これは私は繰り返し書いてきました〉と投稿(現在は削除)。恐怖に訴えかける示威行為とは真逆の“非暴力の抗議”を「テロ」と攻撃する意味不明さには愕然とするしかないが、この投稿をしたT氏は沖縄選出の自民議員の公設秘書と思われる。T氏は批判を受けて〈すみませんでした、最近のハンストは「死を覚悟してやるものではない」ということなので、ハンストは自身の命を人質にしたテロリズムと同質、との私の主張は取り下げます。お騒がせを致しました〉と謝罪・撤回したとはいえ、「ハンストはテロ行為」とは……。
さらに菅義偉官房長官も18日の定例会見で、東京新聞の望月衣塑子記者に「県民投票拒否について、若者がハンストで抗議の意を示さざるを得ない状況になっていることに政府の認識を」と質問され、半笑いで「その方に訊いてください」と言い放った。しかも、県民投票をめぐっては、不参加を表明した自治体首長に対して自民党の宮崎政久衆院議員から“指南”があったことが発覚したばかり。ようするに、安倍自民党が県民の意思を無理やり封じ込めて、辺野古に新基地をつくろうとしていることの証左だろう。
■橋下徹の「ハンストやめろ」説教に、元山氏は堂々と真っ当反論
何度でも繰り返すが、県民に基地建設の是非を問うための住民投票の実施は、民主主義国家として至極当然のことだ。そして、その当たり前のことが妨害されている異常な現状に抗して、ハンガーストライキという手段で世の中に訴えるというのは、間違いなく民主主義に寄与する表現行為だ。
実際、18日放送の『報道1930』(BS-TBS)では、スタジオの橋下徹・前大阪市長が中継でつながった元山氏に対し、「民主主義というものを大切にするんだったら、ハンガーストライキはやめるべきだ」などと、いつもの強引な説教を始めたのだが、元山氏は堂々とこう返していた。
「私としては、民主主義というもの、あるいは投票権、私たちの権利を守るために体を張って訴えていることです」
「民主主義においては、議会で選ばれたり、あるいは住民投票があったりというのがあるべき姿だと思いますけど、そういうことが得られない現状があれば、いままでも努力で勝ち取ってきた沖縄県民としては、そういうのを示す必要があると考えています」
「やはり沖縄県民が納得のいく結果を得たい。そうするためには5市長がしっかり参加を表明して、みんなで投票をやるのが、望ましい姿だと思っています。だからそれを諦めたくない」
実にまっとうだ。それと比べて、どうだ。住民投票ができないように働きかける自民と官邸、「ハンストはテロ行為」などとほざく自民党議員秘書、そして「社会保険料から入院費を出すな」とまでがなりたてるネトウヨたち……。元山氏に対する攻撃をみていると、もはやこの国は、民主的なあり方を望んだだけでフクロ叩きにあうという、とんでもない状況になっているということがよくわかる。
■高須克弥が無知丸出しのハンスト叩きにウーマン村本大輔が
だが、そういう連中がいまや「愛国者」を自称して、我が物顔でがなり立てているのだ。典型的なのが高須クリニックの高須克弥院長だろう。
15日に辺野古を視察した高須院長は、元山氏に話を聞くために沖縄入りしたウーマンラッシュアワーの村本大輔とTwitter上で応酬をしているのだが、そのなかでハンストに対する中傷をこれでもかと並べていた。
〈腹ペコでも楊枝を加えてやせ我慢するのがサムライです。死を怖れないのがサムライです。点滴しながら医者に見守られてダイエットする意気地無しはサムライの対極です〉
〈絶食しながら医者が点滴するのは消化器系の病気では普通の治療です。
覚悟なんかいりません。
たった4日のインチキハンスト。ただのダイエット。お笑いです。〉
〈(元山氏の入院は)保険診療の適応外です。あらかじめ医師にお願いして健康管理をするのは自己責任で行う美容治療と同じ自由診療です。保険診療で治療費を請求するのは明らかに違反です。みんなの保険料から支払いをしないでください〉
ようするに、高須院長は「ハンストをするなら死ぬまでやれ、入院しても保険から払ってはいけない」と言っているのである。この人本当に医師なのかと呆れざるをえない。高須氏とTwitter上で論戦をしている村本のほうが、よほどことの本質を突いているだろう。
〈愛国者とは日本を愛してる人のこと。日本とは沖縄も含みます。沖縄は基地反対の玉城デニーさんが過去最多の約39万票を獲得し知事になり、県民は夢をみました。しかしその夢は一瞬で辺野古の土砂に埋もれました。彼らをスルーし辺野古の珊瑚を見学し涙を流すあなたは愛国者ではなくただの珊瑚愛好家です〉
〈あのね、高須さん。いま沖縄の敵は中国でもアメリカでもなく安倍政権なんですよ。だから基地反対の知事に過去最高の票数がデニーさんを支持して知事になってハンガーストライキする若者がいるのよ。彼らは自分達の土地を差し出したくないわけ。あなたは無意識に沖縄差別をしてる。気付きなさい。〉
このほか、「ハンガーストライキなど無意味だ」という意見もネットで散見される。そうだろうか。見てきたように、元山氏のハンストは多くのメディアに報じられ、SNS上でも住民投票をめぐる議論を活性化させたが、それだけではない。元山氏のハンストがきっかけで、県民投票への参加を求める請願書への署名が続々と集まった。そして、こうした声が政治を動かしているのも事実だ。
■元山氏のハンガーストライキによってメディアも政治家も動いた
琉球新報の21 日社説によれば、元山氏のハンストがきっかけとなって〈公明党県本部には党支援者から全市町村実施を求める声が相次いだようだ〉といい、〈このため同党県本の幹部が新里議長に、与野党間の再調整に乗り出すよう要請した〉。実際、17日には公明党沖縄県本部の幹部が新里米吉県議会議長に接触。県民投票について、「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加えた3択案を示すなど、動きを見せている。
このように、ハンストによって、投票不参加という民主主義に反した行為に批判が集まり、政治家を突き動かす力になったのは間違いない。この流れが大きくなれば、全県実施まで持っていくことも不可能ではないだろう。ハンストは決して「無駄」でも「無意味」でもなかったのだ。
何度でも言うが、5自治体が住民投票を実施しなければ、有権者の約3割にあたる36万7000人余りが投票できなくなる。村本大輔の取材に、元山氏はこう語っている。
「やっぱりこのいまの沖縄の現状があまりにも不条理じゃないか、おかしいんじゃないかっていうような思いですし、自分自身がこの県民投票だとか辺野古の基地建設、普天間基地をどうするかということについて、おそらく(将来)自分の子どもだとか孫から絶対聞かれると思うんです。お父さん、あのとき何してたのって。なんで辺野古の基地できてしまったの、あるいは、なんで辺野古の基地止められたの、普天間基地ってどうなったのって聞かれると思うんですよね。そのときに、ちゃんと自分の言葉で話したいなって」
「何よりも投票権を奪うと、口を塞ぐというのが、この2019年の民主主義国家と言われている日本において、沖縄においても、あり得ていいのかなというのが、すごく疑問に思いますね」
自分たちのことは、自分たち全員で決めたい。その当たり前の思いが、行政によって封じ込められようとしている。そして、安倍応援団や自称・愛国者、ネトウヨたちは、抗議のために身を削ったハンストを叩いて悦に入り、その投票権を自ら手放すようなやり方を賛美している。自分で自分の首をしめているということがわからないのか。
あらためて、2月24日の沖縄県民投票は、絶対にすべての自治体が参加しなければならない。辺野古移設の是非を県民に問うことはもちろん、沖縄だけの問題ではないからだ。政府が、行政が民主主義の根底を破壊することを、わたしたちはこのまま許していいのか。日本全体が問われているのである。
(編集部)
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『マガジン9』の三上智恵さんの記事『三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記/第60回 自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長~沖縄県、高裁で国に敗訴~』(http://www.magazine9.jp/article/mikami/30233/)。
『●映画『標的の村』監督・三上智恵さん、
「わずか9時間の歓喜 ~高江工事再開・民意圧殺の朝~」』
《沖縄県の敗訴は織り込み済みだった。そこには特段の感傷などない。判決を出した多見谷寿郎裁判長は、これまで9割がた体制寄りの判決を下してきた「実力」を買われ、あからさまな人事異動でこの裁判にあてられた人物だ》。
「臥薪嘗胆」…《がしん-しょうたん【臥薪嘗胆】|〈―スル〉…将来の成功を期して苦労に耐えること。薪の上に寝て苦いきもをなめる意から。▽「臥」はふし寝る意。「薪」はたきぎ。「嘗」はなめること。「胆」は苦いきも。もとは敗戦の恥をすすぎ仇あだを討とうと、労苦を自身に課して苦労を重ねること》《中国春秋時代、呉王夫差ふさが、父の仇である越王勾践こうせんを討つために薪の上に寝て復讐心ふくしゅうしんをかきたて、長い艱難かんなんの末にこれを破った。一方、会稽かいけい山で夫差に敗れた勾践は、苦い胆を寝所に掛けておき、寝起きのたびにこれをなめてその恥を忘れまいとし、のちに夫差を滅ぼしたという故事から。「臥薪」「嘗胆」ともに越王勾践の故事とする説もある》(http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/idiom/%E8%87%A5%E8%96%AA%E5%98%97%E8%83%86/m0u/)。
いまから、最「低」裁のコールが聞こえる。司法には何の期待も持てないでしょうね…。
「銃剣とブルドーザー」ではなくて、いまや、番犬様のシモベとして「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」が辺野古や高江を破壊。恥ずかしげもなくヒラメ裁判長は《腐臭を放つ「判決」》を出したが、《臭くて苦いものを嘗めて覚悟を新たにする「臥薪嘗胆」を地でいくその姿に、沖縄の闘いの凄みを感じずにはいられなかった》。沖縄の市民の皆さんの「臥薪嘗胆」の気持ちの強さは証明済みであり、決して諦めない。辺野古破壊や高江破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ」し、「翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもりだ」、と信じる。ニッポン全体の問題だというのに…「本土」の関心はまだまだ、そして野党議員の力は弱く、「本土」マスコミの関心の低さといったら…。ましてや、ムダ元首相らを幹事長に指名する野党第一党の新党首は辺野古破壊支持ですので、酷いモノです。
『●高江破壊の「異様…全国を見渡しても、
いったい沖縄以外のどこにこのような光景があるのか」?』
『●金平茂紀さん、「No Justice No Peace.
(正義のないところに平和は来ない)…高江には、ない」』
『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」?
…沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」』
『●「国民の信頼を傷付け」ているのは?
…「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」』
『●「理」も「正義」も無し…「自衛」のためどころか
高江「破壊」のために自衛隊機が工事用重機を輸送』
『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…』
『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」』
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、進め」
と武器輸出推進の道に歩みを進めている」』
『●壊憲反対の不断の声を:
「戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます」』
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【http://www.magazine9.jp/article/mikami/30233/】
2016年9月21日up
三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記
第60回 自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長~沖縄県、高裁で国に敗訴~
沖縄県の敗訴は織り込み済みだった。そこには特段の感傷などない。
判決を出した多見谷寿郎裁判長は、これまで9割がた体制寄りの判決を下してきた「実力」を買われ、あからさまな人事異動でこの裁判にあてられた人物だ。2013年の成田空港訴訟でも住民の訴えに耳も貸さずに、土地の明け渡しを命ずる行政寄りの判決を出している。安倍政権は、この誰もが認める「ヒラメ裁判長」をあえて沖縄にぶつけてきたと、辺野古や高江で座り込む人々は一人残らず知っている。いや県民も、みな知っているだろう。国が、辺野古埋め立てを取り消した沖縄県の違法性を主張した今回の裁判は、沖縄側の証人申請もすべて却下され、公判は2回で終了した。判決に淡い期待さえ抱きようがなかった。
しかし、だからといって、この国の三権分立が本当にハリボテであり、私たち国民の主権を守る機能などそもそもないのだという事実には、できれば向き合いたくなかった。人権を守る最後の砦はとっくに敵の手中にあること、だから司法に判断を求めることが、救済どころか弱者にさらなる圧をかける公開処刑の場にさえ変質してしまいかねないという国のシステムの劣化について「わかってましたよ」と冷静に受け止めるほどには鈍感でもない。
野菜室の果物はもう腐っているだろうと知っていても、パックを手にとって無残な姿と異臭を確認するのは、誰だって勘弁して欲しい。でも、9月16日、裁判所の前に集まった1500人の県民は、あえて判決の瞬間を同じ空間で見届けることを選んだ。午後2時に裁判所の中で示された、腐臭を放つ「判決」という成果物を広場で広げ、みんなで確認し、顔をしかめながら向き合った。臭くて苦いものを嘗めて覚悟を新たにする「臥薪嘗胆」を地でいくその姿に、沖縄の闘いの凄みを感じずにはいられなかった。
判決はお粗末な内容だった。沖縄の弁護団や記者たちが「これでは国の訴状のコピペだ」と苦笑するしかない文章が並ぶ。特に沖縄の地理的優位性や海兵隊の運用といった軍事的なファクトで専門家の意見もわかれる内容について、今回の法廷では証人も採らず踏み込んだ議論もなかったはずが、なぜここまで断言できるのか首を傾げるしかない。
「アメリカ海兵隊を沖縄以外に移せないとする国の判断は、
戦後70年の経過や現在の情勢から見て合理性がある」
「ほかに県内の移転先は見当たらない」
国側の主張を100パーセントなぞった内容でしかなく、裁判官らの判断はどこから来たのか、根拠はどこにあるのか全く不明だ。国がほかの移転先を真剣に検証したのかどうか。代替施設が必ず必要なのかどうか。様々な意見や資料に当たることなく導き出した判決は、裁判官個人の持論でしかなく客観性に欠ける。プロの書く判決ではない。
以下の部分も、なぜここまで踏み込んで、あえて国にお墨付きを与えたのか解せない。
「普天間飛行場の辺野古移設は、県全体としては負担軽減になる」
「辺野古の基地建設に反対する民意には沿わないとしても、
その他の基地負担軽減を求める民意に反するとはいえない」
普天間基地を返すのは、狭くて老朽化して使いにくい場所にあるからであって、「これを返すからあれをくれ」という取引は、米軍が駐留国で基地快適化・基地強化を図る際の常套手段である。現に高江のヘリパッド建設について米軍は「北部訓練場の使っていない部分を返して、老朽化したヘリパッドをリニューアルするもの」と本音を暴露している。もともと沖縄の負担軽減のためではないし、逆に基地の重圧は増えるのだ。
第一、ここに住んでいる人々が「負担が増える」「固定化されてしまう」「すでに騒音が増して生活できない」と恐怖を肌で感じて悲鳴を上げているのに、「いやいや、軽くなる話ですよ。いいはずですよ」と面積の話だけで押し売りされても、とても迷惑だ。
「嫌です。迷惑です」と言っているのに、「いやいや。あなたはコレが好きなはずですよ…」と迫ってくるのはまるでストーカーだと、映画『戦場ぬ止み』の中で智佳子さんが言っていたが、まさにそれと同じ薄気味悪い行為を裁判所までがしている。「楽になりますよ」「求めている人もいるはずですよ」と、ストーカーをする国の後ろからさらに暗示をかけてくるとはあきれるしかない。ストーカー行為は人権侵害です、やめなさいといってくれるはずの裁判所がそっち側に回ってしまうなら、誰がストーカーから守ってくれるのか? おまわりさんか?
そのおまわりさんで絶望するのは、昨年の警察法の改正だ。新たに国家公安委員会の任務として「特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務を助ける」という役割が加わり、警察は政治的に不偏不党、公正中立という建前さえ機能しなくなってしまった。時の政権が暴走しようが何しようが、警察は判断さえ求められずに内閣の指示を受けて動くことになる。それでは戦前のように政権の都合で警察権力が濫用されかねない。高江の基地建設工事は内閣の重要政策で、だから全国から500人もの機動隊員を投入し、非暴力の抗議を腕力で封じ込めてもいいということか。それはつまり、地域のおまわりさんが勝手に安倍政権の傭兵に変質させられていくということであり、日本中の人が憂慮すべき事態と思うのだが、国民の反応は妙に鈍い。
傭兵といえば、である。
ついに陸上自衛隊までも高江の基地建設に借り出されてしまった。今回の動画の前半は、日々必死に抵抗する県民の頭上を越えて、民間のヘリと自衛隊のヘリで連日重機や資材を搬入する異常な高江の姿だ。10年前の辺野古の海上調査の際にも第一次安倍政権は掃海艦「ぶんご」を投入した。今回、自衛隊ヘリは揚陸艦「おおすみ」と共にやってきたようだ。国内向け治安出動も、米軍基地の建設も、もうなんでもありだ。年明けの最高裁判決で沖縄県の敗訴が確定したら、それこそ陸海空、すべての自衛隊と海保と警察が辺野古に結集されてしまうのだろう。
地元の報道によれば、自衛隊が米軍基地建設に協力することについては難色を示す自衛官もいたという。沖縄では復帰と共にここに配備されたときから、旧日本軍のイメージが強い自衛隊に対して強い嫌悪感があった。他府県とは全く違う招かれざる空気の中で、自衛隊は離島の急患の輸送や不発弾処理など地道な活動を積み重ねて、ようやく沖縄県民に徐々に認められてきた歴史がある。それが、基地に反対する県民を力ずくでねじ伏せるような役割を担わされては一気に反感を買って昔のように自衛隊アレルギーが復活してしまうのでは。そう心配するのは当然だと思う。
しかし、1日だけだったが、自衛隊ヘリは国策を遂行するために、我々の頭上を飛んだ。もちろん、沖縄の民意を尊重して拒否などしてはくれなかった。あたりまえだけど、裁判官も警察官も、海保も自衛隊も、普通の国民はきっと、みんな自分たちの味方だと信じているはずの組織・機関が、いまや揃いも揃って全部沖縄に牙を剥くようになってしまった。こんなこと本当にあっていいのだろうか。日本はすごい勢いで恐怖政治に近づいていってしまっている。まるで悪夢を見ているようだが、実際のできごとなのだ。沖縄にいるとこの国の劣化が嫌でもよく見える。
しかし、これで県民は意気消沈するかといえば、そこは安倍政権のもくろみは外れている。
「いくら重機を空輸しても、あれはリモコンで動くわけではないでしょ?
みなさん、作業員が入らなければただの鉄くずです。我々は日々、
作業員を止めればいいんです。来る日も来る日も作業員を止めて、
山の中でさび付かせて動かなくすればいいんです!」
高江ではヒロジ節が健在だ。少なくても100人、多い日は400人も集まるようになった高江では、ダンプカーの列を遅らせるだけでなく、完全に止める日もある。実際には数に物を言わせて工事は進んでいる。でも、まだまだ粘れる。そしていつかきっと状況を変えてみせると信じている人たちが、毎日続々とやってくるのだ。
判決を受けて翁長知事が言った。
「かつては銃剣とブルドーザーで無理やり基地を造られた。70年経って、
新たな段階に入ったといわざるをえない」
県民の意思を無視して無理やり造るという意味ではあの時と同じだが、今度は「銃剣とブルドーザー」ではなくて、「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」によって、基地建設が強行されるということか。全く笑えない。でも笑うしかない。そうやって笑い飛ばし、みんなで苦い肝を嘗めて、屈辱を確かめ合う。そして決意を新たにし、前に進む力がなぜかまた滾々と湧き上がってくるところがこの島の強さなのである。
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