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●辺野古…《立石雅昭名誉教授…「…意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》

2023年11月19日 00時00分32秒 | Weblog

[【辺野古新基地建設で防衛省が計画する地盤改良】(東京新聞2020年2月15日)↑]


(2023年11月13日[月])
「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。

   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし
   『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた
     盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》
   『●防衛省と「技術検討会」による《ずさん》な《「結論ありき」の
      出来レース》…《軟弱地盤調査せず…何のための「検討会」か》?
    《新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)を代表とする
     「沖縄辺野古調査団」は受注業者の実測データを基に護岸の
     安定性を調べた。国土交通省が定める港湾施設の基準を満たさず、
     巨大護岸が崩壊する恐れがあると指摘した》

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過去のブログ: 2019年09月14日 00時00分21秒

 「辺野古技術検討会」が、「公正」 「中立」ねぇ? アベ様らや自公お維の皆さん方から最も程遠い言葉。
 「環境監視等委員会」も機能していないし、その二の舞でしょう。「監視」してないし、「悪しき結果の追認」委員会、「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。おまけに、「辺野古とカネ」の問題まである。「辺野古技術検討会」も「検討」することはないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもありません。《建設ありきの路線にお墨付きを与えるだけ》だし、《客観的な検討ができる》訳もない。《客観的》なんて、元々あり得ないが、《主観的》過ぎやしないか? 《利害関係》が過ぎやしないか?
 《防衛省幹部の言葉はもっとあけすけだ。有識者らの技術検討会が「建設ありき」との批判があることについて「移設工事は決まっていて、意見をいただくのに、建設ありきではいけないのかと開き直っている》…って、委員会・検討会や委員が不要だと言っているようなもの。沖縄の民意はさんざん無視しておいて。《政府の新基地建設を後押しする機関》、《環境監視等委員会も本来の役割を果たさず、政府の追認機関》。《環境監視等委員会は新基地建設ありきの防衛局の追認機関である。これで環境保全ができるわけがない》。委員の問題というよりも、委員長や委員会事務局、検討会事務局の問題か…。
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 さて、中沢誠記者による、東京新聞の記事【【独自】「辺野古」軟弱地盤工事にお墨付き与えた委員に230万円 受注業者から資金提供 就任前にも570万円】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/289467)。《辺野古工事を検証している新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)は、「リスクの高い地点なのに調査しないほうが不自然意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》。
 委員会での旅費や謝金は必要だと思うんですよね。でも、委員就任後に受注業者から奨学寄付金を受け入れるというのは如何なものなのだろうか? 「お礼」と受け取られても仕方ないのでは? 利益相反に抵触しないか? 《◆沖縄防衛局「公正性・中立性に影響ない」》と果たして言えるか。
 《「近傍の地点から強度を推定するという方法は決して間違ったものではない」「近傍の地点の調査結果から推定できるので、B27で改めて調査をする必要まではないこれ以上お金と時間をかけて調査したとしても新しく得られる情報がすごく少ない」》…地盤力学や土質力学を専門とする研究者がこれを是とするとは思えないのだが…。《軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点では、簡易的な地盤調査が行われていた》…この《簡易的》ていうのも疑問なんだけれど、沖縄防衛局は、詳細なデータを持っていて隠蔽したりしていないですよね。

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過去のブログ: 2020年05月17日 00時00分20秒

 一体どこが《専門家》なのか? 何が、「技術検討会」? 不要不急な工事…いや、無駄な工事。美ら海破壊にドブガネ。工期と工費は∞。いつまでたっても新基地は完成しない。百万歩譲って、完成しても普天間は返還されない。辺野古は単なる破壊「損」
 結論ありき、「辺野古が唯一」…どこまでも無能な独裁政権。
 デタラメ防衛省…一方、着々と辺野古破壊が進む。正に破壊「損」。大浦湾で護岸が崩壊したら、辺野古も含めて元の自然に戻せるのか? 責任もって、原状回復して見せてくれんでしょうね?
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/289467

【独自】「辺野古」軟弱地盤工事にお墨付き与えた委員に230万円 受注業者から資金提供 就任前にも570万円
2023年11月12日 06時00分

     (軟弱地盤が広がる沖縄県名護市辺野古の沿岸部。
      難工事が予想される地盤改良工事は、いまだ手つかずだ
      =2019年(沖縄ドローンプロジェクト提供))

 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古へのこ移設問題。焦点となっている埋め立て予定地の軟弱地盤の対応を巡り、沖縄防衛局の設計変更にお墨付きを与えた技術検討会の委員2人が、就任した2019年9月以降に、関連工事の受注業者から計230万円の奨学寄付金を受け取っていたことが、本紙の調べで分かった。(中沢誠

奨学寄付金 研究振興のため民間から大学などに寄付される資金。使い道が限定されていないのが特徴で、大学への交付金が減少する中で貴重な研究資金となる一方、産学の癒着の温床になりやすい。原子力規制委員会は委員の選任に当たり、直近3年間の関係業者からの寄付を申告させ、公表している。国の医薬品の承認審査では、関係企業から年50万円を超える寄付を受けた委員は議決に加われない。


◆技術検討会の8委員、半数が旧運輸省OBら政府系出身者

 4年前の本紙調査では、委員3人が就任前、受注業者から計570万円の奨学寄付金を受け取っていた。

 辺野古工事を巡っては、防衛局の変更申請を不承認とした県の敗訴が確定。国は県に代わって承認する「代執行」を目指しているが、受注業者から資金提供を受けた委員が関与していたことで、改めて設計変更の妥当性が問われそうだ。

     (辺野古工事の設計変更を不承認とした玉城デニー知事)

あわせて読みたい
辺野古の設計変更は「出来レース」 受注業者から政府委員への資金提供だけではない 産官学の密接ぶりとは…


 技術検討会は、土木工学の専門家ら8人の委員で構成。設計変更に関して専門的見地から技術的な助言を得るため、防衛局が委員を選んで2019年9月に設置した。8人のうち半数が、旧運輸省OBの大学教授ら政府系出身者で、当初から審議の中立性や客観性に疑問の声が出ていた。

     (辺野古新基地建設の地盤改良工事を巡り開かれた
      技術検討会の初会合=2019年9月、防衛省で)

 技術検討会での6回の会合を経て、防衛局は2020年4月、専門家からも理解が得られたとして、県に設計変更を申請した。防衛省によると、申請後も適宜、検討会の委員から助言を得ているという。

 本紙は、委員就任後の2019年9月~23月3月、奨学寄付金の有無を調査。8人の委員うち、情報公開制度のある大学や法人に属する6人には開示請求を行った。

 開示文書によると、大谷順・熊本大教授が2019年9月に「不動テトラ」(東京)から80万円、23年3月に退任した青木伸一・大阪大学院教授(当時)が2020~22年度に「東洋建設」(東京)から計150万円を受け取っていた。


◆寄付した業者は埋め立てや護岸工事受注

 防衛局が発注した辺野古関連工事のうち、地盤改良を得意とする不動テトラは護岸工事を受注。海洋土木大手の東洋建設は埋め立て工事などを受注している。

 大谷氏と青木氏は委員就任前にも、受注業者から5年間で、それぞれ120万円と300万円の寄付金を受け取っていた。

 大谷氏と青木氏に見解を尋ねたが、11日までに回答はなかった。不動テトラは「個別事項への回答はしません」とコメント。東洋建設からは回答がなかった。

 情報公開制度のない大学に属する委員には、大学や本人に問い合わせたが、「取材はお断りしている」などとして回答はなかった。

 本紙の開示請求によると、8人の委員のうち少なくとも3人は、受注企業と共同研究をしたり、受注企業が設けた有識者会議の委員を務めたりもしていた。

【関連記事】<税を追う>辺野古技術委員に570万円 受注業者が資金提供(2020年1月3日)


◆沖縄防衛局「公正性・中立性に影響ない」

沖縄防衛局報道室の話 各委員の研究活動が、技術検討会における議論の公正性・中立性に影響があるものと考えていない。各委員が有している技術的・専門的知見を基に、客観的に議論いただいているものと認識している。


◆「軟弱地盤の調査不十分」県は不承認

 技術検討会の意見は、沖縄防衛局が辺野古工事での設計変更を正当化する根拠となっている。

 これに対し、沖縄県は「調査が不十分」として不承認にした。

 不承認の主な理由は、軟弱地盤が最も深い海面下90メートルの「B27」地点で、地盤の強度を実測していないことだ。

 90メートルにまで達する軟弱地盤の改良工事は世界でも例がない上に、「B27」地点には巨大な護岸が建つ。強度が足りなければ護岸が崩壊する恐れもある。これまで国会でも、何度も「B27」地点の再調査を求める声が上がっているが、防衛局は応じていない。

 県は、不承認通知書の中で、こう指摘している。

地盤の安定性等に係る設計に関して最も重要な地点において必要な調査が実施されておらず、地盤の安定性等が十分に検討されていないことから、災害防止に十分配慮されているとは言い難い

 防衛局は設計変更に当たって、最大で750メートル離れた他の3地点で計測したデータから類推し、「B27」地点の強度を推計している。

 この設計方法についても、県は不承認通知書で「地点周辺の性状等を適切に考慮しているとは言い難い」と疑問を呈し、「他の3地点からの類推ではなく、B27地点における力学試験等を実施し、その結果をもって設定することが最も適切」と主張している。

 逆に、技術検討会の委員らは、会合の中で、次のように発言し、防衛省の計画を支持していた。

近傍の地点から強度を推定するという方法は決して間違ったものではない
近傍の地点の調査結果から推定できるので、B27で改めて調査をする必要まではないこれ以上お金と時間をかけて調査したとしても新しく得られる情報がすごく少ない

 意見を引き取った委員長も「もう追加の必要はないのではないかと思う」と語っていた。

 防衛局は、本紙の取材に対しても、技術検討会の意見を引き合いに出し、「土の強度の設定方法は、技術検討会で適正なものだとの意見をいただいており、これまでに実施した土質調査は、護岸等の構造物の設計を行うに当たり十分なものだと考えている」と回答する。

 辺野古工事を検証している新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)は、「リスクの高い地点なのに調査しないほうが不自然意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる。


◆不可解な防衛局の地盤調査

 そもそも防衛局の地盤調査には、不可解な点が目立つ。

 その一つが調査の時期だ。

 防衛局から開示された地盤調査の報告書によると、軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点では、簡易的な地盤調査が行われていた。実施したのは2017年3月。この調査でB27地点では、軟弱地盤が海面下90メートルにまで達してることが判明した。

     (軟弱地盤が海面下90メートルまで達している
      「B27」地点のデータ。調査は2017年3月と記録されている)

 一方で、「B27」地点の強度を推定するために引用した他の3地点の調査は、いずれも「B27」地点の調査の後に行われていた。3地点のうち2地点については、「B27」地点の調査から1年も経った2017年暮れから2018年にかけて行われていた。

 2018年の追加調査は、より地盤の状態を詳細に調べるために実施したものだ。他の地点から推定するよりも、B27」地点で調べれば、より正確なデータが得られるはず。なぜ、その追加調査に「B27」地点を含めなかったのだろうか。

 防衛局に尋ねると、「準備が整ったものから実施した」という回答しか返ってこなかった。


◆他からデータ引用「つじつま合わせでは」

 ある土木技術者は「追加調査したときにB27地点も一緒に調査していれば、費用も時間もあまりかからなかったはずだ。ましてやB27地点は一番危険な場所。技術者からすると、その危険な場所を調べもせずに設計するなんて冒険でしかない」という。

 同じように軟弱地盤を改良して造成した羽田空港や関西国際空港の海底は、ほとんど起伏がない。一方、辺野古の埋め立て予定地の海底は凹凸のある複雑な地形になっている。本来なら、より慎重な調査が求められるはずだ

 土木技術者は、頑なに「B27」地点の調査を避けようとする防衛局の思惑について、こう推測してみせた。

 「おそらくB27地点で地盤強度を測ると、基地を作るために必要な地盤の安定性を確保できないからではそのため、わざわざ他の地点のデータを引用して、つじつまを合わせようとしたのではないか


辺野古の軟弱地盤問題 埋め立て予定地の海底で、軟弱地盤が確認されたとして、沖縄防衛局は2020年、沖縄県に設計変更を申請した。県は承認せず、国との間で法廷闘争になった。国は知事に代わって承認する「代執行」に向けて提訴し、既に結審している。防衛局の設計変更では、海底に約7万本の砂杭などを打ち込み、地盤を固める改良工事を計画している。総工費は2.7倍の9300億円に膨らむ。仮に代執行が認められ、国が地盤改良工事に着手しても、普天間返還は2030年代半ば以降となる見通し。


【関連記事】防衛省調査を追認 辺野古軟弱地盤で有識者会議(2019年9月7日)
【関連記事】「辺野古」工事費 底なし 埋め立て14%すでに半分近く使い切る 米軍幹部も「ドローンの時代に不要」
【関連記事】辺野古新基地推進のために最高裁が「不合理」判決 行政法学者100人が指摘するおかしな点
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コメント
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●辺野古新基地建設: 国が寄って集って沖縄をイジメ、司法が沖縄イジメにお墨付きを与える…野党議員は団結して立ち上がってくれないのか?

2023年10月06日 00時00分26秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(20231005[])
心底、怒りに震える。こんな理不尽が許されるのか?
 国が寄って集って沖縄をイジメている、最「低」裁など司法が沖縄イジメ沖縄差別にお墨付きを与える…(なぜか国交相ポストが指定席となっているアノ下駄の雪党は平和の党子育ての党なんて自称していて、恥ずかしくないのかね? ゆ党なお維やコミなどは論外)真の意味での野党議員は団結して立ち上がってくれないものかね? 特に、立憲民主党には非常に大きな責任があるのではないですか。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
      ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
      も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…

 アベ様はスガッチらに、無法に辺野古破壊に着工させてしまったのが大きなミス。出来もしない新基地のためにドブガネし、日々大量の土砂を美ら海にぶちまける愚行が続く。あの変わり果てた辺野古…。新基地など完成しない訳で、辺野古は単なる破壊「損」ではないか。美ら海を破壊して何か「益」があったか?
 琉球新報の【<社説>設計変更承認指示 歴史に堪える知事判断を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2323142-2-2-2.html)。《米軍普天間飛行場の全面返還を確認した1996年の日米合意に端を発し、今日まで続く辺野古新基地建設問題は重大局面を迎えた。玉城デニー知事は新基地拒否の民意を踏まえ、数々の困難と闘ってきた沖縄の歴史にも堪える判断を下さなければならない。斉藤鉄夫国土交通相が大浦湾側の軟弱地盤の設計変更を承認するよう県に指示した件で、玉城知事は指示期限であるきょう、判断を示す予定だ。承認すれば国は大浦湾側の地盤改良に向けた作業を加速させる不承認ならば国は代執行訴訟を福岡高裁那覇支部に提起する。県は大きな岐路に立たされている》。

 《県の敗訴は濃厚》って、暗澹たる気分だ…最「低」裁という司法のお墨付きによる沖縄差別、沖縄イジメ。あまりに醜悪過ぎないか…。
 沖縄タイムスの記事【玉城知事、期限内に承認せず 辺野古新基地巡る国交相指示で方針固める 国は代執行に向けあす5日にも提訴】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1233829)。《沖縄県名護市辺野古の新基地建設で軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更申請を巡り、玉城デニー知事は国からの承認指示の期限内に承認しない方針を固めたことが分かった。承認期限は4日だった。指示を出した斉藤鉄夫国土交通相へ4日夕にも「期限内に判断できないと回答する方向で最終調整している。国交相は国が代わりに承認する代執行に向け、5日にも福岡高裁那覇支部へ提訴する方針。県の敗訴は濃厚で、沖縄防衛局は早ければ年内にも海底に軟弱地盤がある大浦湾側での工事に着手する可能性がある》。

 立川談四楼さんのつぶやき:

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https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1709414679234433311

立川談四楼@Dgoutokuji

「国交相の承認指示届く 辺野古新基地の設計変更申請 玉城知事『引き続き対応検討』」 4日までの承認を迫ってるんだね。拒否すると、国は知事や県職員個人に数億から数十億の賠償を請求するんだってさ。鬼畜め維新が勝手にコケた万博は助けるのに民意を受けた沖縄には圧力をかけるんだ狂気だぜ

午後0:46  2023年10月4日
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 金子勝さんのつぶやき:

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https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1709570091527110691

金子勝@masaru_kaneko

【不当な処置を認めない】辺野古軟弱地盤工事の事業主体の防衛省沖縄防衛局が「私人」になりすまし不服申し立て、「身内」の国交相が審査庁として沖縄県の処分を取り消す裁決を出す異常さ。玉城沖縄県知事は「期限までに承認を行うことが困難」と発表。国は代執行するな

午後11:04  2023年10月4日
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   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしい「個人」になりすまし
     救済を求め判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず


 福岡高裁那覇支部は代執行まで認めるのか?
 沖縄タイムスの【[社説]知事 辺野古承認「困難」 全国で議論深める時だ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234160)。《県民投票で示された民意を尊重し、理不尽な埋め立てを承認しないよう求める県政与党や知事後援会、市民団体。承認しない場合の業務への影響を懸念し、行政として最高裁判決に従うしかないと知事を説得する県幹部ら。板挟みにあって悩み抜いた末に、玉城デニー知事が出したのは「期限までの承認は困難」という判断だった》。
 琉球新報の【<社説>設計変更「承認困難」 新基地阻止の道筋残した】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2336040.html)。《米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設で、玉城デニー知事は軟弱地盤の設計変更に関する斉藤鉄夫国土交通相の承認指示に対して「期限までに承認を行うことは困難」と回答した。承認勧告に対する回答と同じで、事実上の不承認と言える。県の対応を受け、政府は5日にも福岡高裁那覇支部に代執行訴訟を起こす見込みだ》。
 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]いばらの道と不服従】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234216)。《「いばらの道ですが、踏みしめて、踏み越えていく覚悟が必要。その先に、県民が求めている未来が見えてくると信じて突き進んでいきたい」。玉城デニー知事が1期目の就任会見で語ったのは、2018年10月4日のことだ ▼あれからちょうど5年後の昨日。名護市辺野古の新基地建設問題は、重大な局面を迎えた。設計変更を巡る国交相の指示に対し、知事が出した結論は、いわば不当な権力にあらがう不服従」。政治家として、民意と公約を優先した ▼政府が自ら承認手続きに乗り出せば、県が関与できる余地は狭まる。巨額の損害賠償を請求されるのではという不安も渦巻く。「対話による解決を求めたい」。大勢の記者に囲まれた知事の顔は険しかった...》。


 2023年10月05日(木)。スガッチ並みの最低な官房長官・松野博一官房長官の以下のコメントを見て下さい。酷過ぎる。沸々と怒りが沸く。
 東京新聞の記事【辺野古巡り「代執行」へ国が提訴 福岡高裁那覇支部で弁論】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/281854)。《米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は5日、軟弱地盤改良工事の設計変更を玉城デニー県知事に代わって承認する代執行に向け、福岡高裁那覇支部に提訴した。15日以内に口頭弁論が開かれる。国が勝訴すれば、高裁は知事に承認を命令。知事が応じなければ、国交相が代わりに承認し、防衛省が工事を再開できる。9月4日の最高裁判決で承認の義務を負った知事が対応しなかったことを受け、国交相は19日、知事に承認を勧告した。28日にはより強い「指示」を出した。回答の期限を迎えた10月4日、知事が「承認は困難」と表明したため、提訴に踏み切った。松野博一官房長官は5日の会見で「辺野古移設は、普天間飛行場の危険性を一日も早く除去するための唯一の解決策だ。地元に丁寧な説明を行い基地負担軽減に向け全力で取り組むと述べた。知事が訴訟で負けた場合は、最高裁に上告できる。逆転勝訴まで制度上、工事を止めることはできない》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234160

[社説]知事 辺野古承認「困難」 全国で議論深める時だ
2023年10月5日 5:01

 県民投票で示された民意を尊重し、理不尽な埋め立てを承認しないよう求める県政与党や知事後援会、市民団体。

 承認しない場合の業務への影響を懸念し、行政として最高裁判決に従うしかないと知事を説得する県幹部ら。

 板挟みにあって悩み抜いた末に、玉城デニー知事が出したのは「期限までの承認は困難」という判断だった。

 自民党内の保守強硬派を中心に、玉城県政批判が高まるのは確実だ。ネット上にはここぞとばかりに「沖縄ヘイト」や「知事バッシング」が増えるのではないか。

 想定されるさまざまな逆風を考慮した上で、それでも玉城知事は、名護市辺野古で国が進める新基地建設の軟弱地盤改良に必要な設計変更申請の承認を、事実上拒んだのである。

 沖縄の自治と尊厳を守ろうとした知事の判断を、全国に向けた問題提起と受け止めたい。

■    ■

 今後、予想されるのは、大臣が高裁に「命令請求」を提起し、高裁の命令にも従わないとき、大臣が知事に代わって代執行=設計変更の承認をするという流れだ。

 政府は早ければ5日にも、代執行訴訟を高裁に起こす。

 埋め立て対象区域は、新基地建設予定地の大浦湾側約111ヘクタール。海面下に広がる軟弱地盤は深い所で90メートルに達するという。

 その場所に約7万本もの砂杭を打ち込む計画だ。サンゴやジュゴンへの影響、環境への負荷など不安材料が多い。

 県民投票で示された民意に反し、米軍基地建設のための埋め立て工事が、国の代執行によって行われれば、前代未聞の事態となる。

 玉城知事が「対話による解決」を求めてきたにもかかわらず、無視し続け、丁寧な合意形成を怠ってきたつけが回ってきたのだ。

 松野博一官房長官は4日の会見で「世界で最も危険といわれる普天間飛行場の危険性を一日も早く除去すること」を強調した。

 官僚が書いたと思われるこの言い回しは、これからも頻繁に使われるはずだ。だが、ここにはごまかしがある。

 大浦湾側の埋め立ては、事業完了まで少なくとも12年かかるといわれている。工事が難航すれば工期はさらに延び経費も膨れ上がる

 「世界で最も危険」と自ら認めながら、今後12年余も街のど真ん中にある普天間飛行場を使い続け、なおかつ「一日も早い危険性除去」とい続けるつもりなのか。

 まともな行政のやることではない

 埋め立てが完成すれば土地は国有地になり、米軍や自衛隊に半永久的に使われるのは確実だ。本島北部に日米が共同使用できる飛行場を確保し、演習場や弾薬庫と一体的に運用する-これが日米の最大の狙いである

■    ■

 県が設計変更申請を不承認としたのは、普天間飛行場の危険性の早期除去につながらず、環境面への影響も払拭されていないからだ。「承認要件を満たしていない」と判断したのである。

 だが最高裁判決は、この件について何の判断も示していない主務大臣が裁決したのだから従えと言っているだけである。

 法は解釈され執行されることによって効力を発揮するが、その過程で法本来の趣旨から逸脱してしまう事態が生じることがある。

 一連の辺野古訴訟で浮かび上がった国による私人なりすまし」はその典型である。行政不服審査法は「国民の権利利益を救済するため」の法律だ。ところが(防衛省)は行審法を使って(国交相)に不服審査を申し立て、国交相がこれを是として県の不承認処分を取り消す裁決を行った。中立性、公平性を疑わせる措置だ

 国と地方自治体の関係はどうあるべきか。安全保障を巡る負担を国民がどのように分かち合うべきか。国は本当に南部の戦跡国定公園内から採掘された土石を埋め立てに使うつもりなのか。

 いずれも日本全体が考えなければならない問題であり、玉城知事の今回の対応はこれら重要な課題を浮かび上がらせたというべきだろう。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2336040.html

<社説>設計変更「承認困難」 新基地阻止の道筋残した
公開日時 2023年10月05日 05:00
更新日時 2023年10月04日 22:30

 米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設で、玉城デニー知事は軟弱地盤の設計変更に関する斉藤鉄夫国土交通相の承認指示に対して「期限までに承認を行うことは困難」と回答した。承認勧告に対する回答と同じで、事実上の不承認と言える。

 県の対応を受け、政府は5日にも福岡高裁那覇支部に代執行訴訟を起こす見込みだ。

 設計変更承認勧告と指示への対応に関して、政府が県を相手に工事遅れによる損害賠償を求める訴訟を起こす可能性がある。県庁内では行政として最高裁判断に従うべきだとの意見もあった。

 一方、玉城知事は2度の選挙で新基地反対を公約に掲げて当選した。新基地建設に反発する県内世論は根強い。玉城知事が承認に踏み切れば公約違反の批判は免れない。県内外の新基地反対運動は計り知れないダメージを受けるであろう。知事辞職を求める声が上がる可能性もある。

 新基地建設問題は重大な局面を迎えている。玉城知事が政府の承認指示に対し、「承認は困難」という判断を下したことは、県が置かれた厳しい環境でのぎりぎりの対応であったと考える。新基地建設に反対し、政府に抵抗する道筋を残したのだ。

 設計変更申請を巡る県と政府の対峙(たいじ)は5日以降、代執行訴訟へと局面は移ることになる。辺野古新基地の埋め立て承認を取り消した翁長雄志前知事に対する代執行訴訟などの経験を踏まえ、訴訟に向けた理論構成を急いでほしい。併せて訴訟リスクへの対処も必要だ。

 知事判断を支える体制の整備も必要であろう。回答期限を前にした2日、県議会与党会派は玉城知事に対し、承認を避けるよう求めた。裁判に向け、与党としてどう対応するのか議論を進めるべきだ。

 今回の設計変更申請を含め、辺野古新基地建設を巡る県と国の対立は、常に県の側に理があることを改めて強調しておきたい。

 県民は近年の知事選で新基地拒否を公約に掲げた知事を選んだ辺野古埋め立ての是非を問う県民投票でも新基地ノーの民意を示した。さまざまな県民大会や集会を通じて平和的に訴えてきた。

 民主的な手続きを踏み、沖縄の意思を繰り返し示してきたのである。しかし、政府は新基地建設に固執し、沖縄に背を向け続けたのだどちらが民主主義に沿った態度であるかは明白であろう。

 メディアを通じて沖縄と政府の対立に接している日本本土の国民に伝えたい。

 沖縄は日米安全保障条約による過重な基地負担を背負っている。安保による利益を得ているならば、沖縄県民だけに負担を押しつけるのではなく、本来ならば日本国民全体で負担すべきである。

 新基地建設問題も沖縄だけの問題ではなく、日本全体の問題であることを忘れてはならない。
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●最「低」裁の《忖度判決》…<金口木舌>《自治と民主主義は今にも吹き飛ばされそう。誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》

2023年09月18日 00時00分33秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(2023年09月11日[月])
軍隊は住民を守らない》…軍事費倍増・軍事国家化のいま、語られない《歴史上明らかなこの教訓》。《標的の島

   『●6月ジャーナリズム…《戦争について集中的に報道される様を指す。記念
     日までの雄弁さと、対照的にその時期以外は沈黙するメディアへの不信》


【「軍隊は住民を守らない」スパイと言われた沖縄住民 (大城勇一さん)【うりずん通信特別号】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=YNnRdK2Sces

 デモクラシータイムスの映像記事【「軍隊は住民を守らない」スパイと言われた沖縄住民 (大城勇一さん)【うりずん通信特別号】】(https://www.youtube.com/watch?v=YNnRdK2Sces)。《うりずん通信MC三宅千晶が1945年の沖縄戦を生き延びた大城勇一さんにききます。いざというとき、軍隊は住民を守るのか、台湾有事に東京が関与を決めた時、戦場となる沖縄で自衛隊は県民を守るのか。もやもやとある疑問に、沖縄戦の経験者は答えます。「戦場では、住民は邪魔者。軍隊は住民を守らなかった」。歴史上明らかなこの教訓は、いま意図的に無視され、国の政策決定に反映されることもありません。沖縄で地上戦が始まった1945年4月から日本軍の組織的抵抗が終わったという6月23日の後、7月初めに米軍の捕虜になるまで、わずか3か月に大城少年が目の当たりにした戦争と、その戦争の兆しであった戦陣訓と日本軍の駐留についてもうかがいました。今、沖縄では、日々の平和に見える生活に並行して、なし崩し的に軍事化が進みます。その雰囲気は、あの沖縄戦前夜に重なります。歴史の教訓を知ることで、戦わずに済む方法を模索することの重要性をあらためて確認しました》。

   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行
     場も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…

 さて、デタラメなキシダメ首相。N値はゼロで、工期と工費は∞。決して新基地は完成せず、普天間も返還されない。踏んだり蹴ったりな辺野古は、単なる破壊「損」
 山田祐一郎木原育子両記者による、東京新聞の記事【軟弱地盤の沖縄・辺野古 県が未承認でも工事契約なんて…地元で渦巻く怒りが向かう先は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/273772?rct=tokuhou)。《マイナカード原発処理水で岸田政権の強権ぶりが際立つ中、この問題も見過ごせない。沖縄県名護市辺野古の新基地建設計画。軟弱地盤の改良工事を巡り、国は設計変更の承認を県から得ないうちに、関連工事の契約に踏み切った。29日には県が行政指導を出して強く反発。新基地反対派の間にも「建設ありきの先走り」と憤怒の渦が広まる。(山田祐一郎木原育子)》、《つじつまが合わず、自分たちの言葉を無視。…政権の姿勢を的確に表す。原発処理水も「関係者の理解なしに処分せず」と約束したのに、つじつまが合わない放出強行に踏み切るため、自分たちの約束を無視したまさに何でもあり近代国家とは到底思えない》。

 ホントに最「低」裁だな! 政治判断乱発し、マトモな判決・司法判断無し。
 沖縄タイムスの記事【沖縄の新基地建設巡る裁判 県の敗訴確定 知事に承認義務 国連までに是非判断か 最高裁が上告棄却】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1216747)。《名護市辺野古の新基地建設の防衛省の埋め立て変更申請を巡り、国土交通相が県に承認を迫った「是正指示」は違法な国の関与として県が取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は4日、是正指示を適法とした一審福岡高裁支部判決を維持し、県の上告を棄却した。裁判官5人全員一致の結論県側の主張への判断は示さず、補足意見もなかった。敗訴確定で県側は承認する義務を負った。県関係者によると、玉城デニー知事は9月中旬に出席予定の国連人権理事会までに承認に関し何らかの判断を示す考えだという。(社会部・新垣玲央、政経部・又吉俊充)》。
 沖縄タイムスの【[社説]辺野古 県敗訴確定 自治踏みにじる判決だ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1216670)。《名護市辺野古の新基地建設に伴う設計変更申請を巡る裁判で、最高裁第1小法廷は、県の上告を棄却した。県の敗訴が確定したことで、民意を背景に反対の姿勢を貫いてきた玉城デニー知事は、重大な決断を迫られることになった。軟弱地盤改良工事のための設計変更申請を不承認とした県に対し、国土交通相は不承認を取り消す「裁決」と、承認するよう求める「是正の指示」を行った。「裁決」は無効だとする訴訟は上告不受理が決定しており、今回の辺野古訴訟は「是正の指示」を違法な国の関与だとして県が取り消しを求めていたものである。最高裁の判決は、県がこれまでさまざまな場で主張し、司法の場でも問題にしてきた辺野古埋め立てを巡る重要な論点がまったくと言っていいほど取り上げられていない。取り上げているのは、本来国の業務である法定受託事務の審査請求に関する法解釈などの問題である。判決は、県の不承認を取り消す裁決が出された場合、県知事は「裁決の趣旨に従った処分をする義務を負う」と指摘する。裁決後も同じ理由で申請を認めないと「紛争の解決が困難になる」というのが最高裁の言い分だ。国の関与について地方自治法は「必要最小限度のものとし、普通地方公共団体の自主性、自立性に配慮しなければならない」と規定する。最高裁判決は、反対する地元の民意を切り捨て、地方自治の視点を著しく欠いた内容だ》。

 最「低」裁、もはや沖縄イジメ沖縄差別。司法がそれに加担してどうする。
 琉球新報の【<社説>設計変更敗訴確定 沖縄の不条理を直視せよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1778556.html)。《2000年施行の地方分権一括法による地方分権改革の意義は失われてしまったのか。辺野古新基地建設の設計変更申請に対する玉城デニー知事の不承認に対する国交相の「是正の指示」取り消しを求めた訴訟で、最高裁は県の主張を退け、県敗訴が確定した。沖縄の基地集中を考慮しない形式的判断に終わった》。

 川内博史さんのつぶやき:

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https://twitter.com/kawauchihiroshi/status/1698606887430914343

川内 博史@kawauchihiroshi

明かな不当判決
県が不承認の理由とした「国の地盤調査の不足」は明らかであり、最高裁の忖度判決
最高裁は後世に恥をかくことになった

【速報】辺野古訴訟、沖縄県の敗訴確定 最高裁判決 - 記事詳細|Infoseekニュース
………
午後5:00  2023年9月4日
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 琉球新報のコラム【<金口木舌>むちゃな話なのに】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1779846.html)。《暦の上では既に秋。秋と夏の空気の境目となる秋雨前線が南下する時季を迎えた。北から冷たい空気がやってくる。そんな“冷たい空気”が沖縄に向かっていきなり南下してきた ▼最高裁判所は4日、辺野古の新基地に関わる軟弱地盤の改良工事を巡る県の訴えを退けた。「マヨネーズ並み」の粘土層の上に新基地を建設するのだから危ない。工事の設計変更を県は認めなかったが、最高裁は認めろという ▼環境面を含む危うさの審査には踏み込まず、国に従えでは乱暴に過ぎよう。自治の否定だ。危険を回避できるのかも不明なのに予算を軟弱地盤に埋没させ続けるとは ▼風をまともに受けた沖縄。玉城デニー知事は「憲法が定める地方自治の本旨をもないがしろにしかねない」と語った。日本本土の人々は沖縄に吹きつける風の強さと冷たさ想像できるだろうか ▼国は相変わらず公金を散財しむちゃな工事を続ける。そんな中、おかしな風にあおられ、自治と民主主義は今にも吹き飛ばされそう誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》。

 この沖縄差別、沖縄イジメ。自民県連やその会派「辺野古、人権問題に結びつけないで」!? いうに事欠いて。何故にこんな《釘を刺》されなけらばならぬのか? 「国内政治の場で議論を深めるべき」!? よく言うよなぁ。さんざん「国内法秩序をないがしろ」にしてきたのは自公お維コミじゃないのかね? 自民県連の酷い腐敗具合よ。沖縄の皆さん、こんな自民党議員に絶対に投票してはいけない。
 琉球新報の記事【「辺野古、人権問題に結びつけないで」 沖縄の自民県連が玉城知事にくぎ刺す 国連出席を前に 】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1779731.html)。《9月後半に予定される玉城デニー知事の国連人権理事会への出席を前に、自民党県連と同会派は6日、県庁で知事と面談し、人権理事会での発言について「辺野古問題を人権問題と結びつけず、冷静な発言をしてほしい」などと申し入れた。自民県連の座波一政調会長が申し入れ書を読み上げた。米軍基地から派生するさまざまな問題について「国際世論ではなく、まず国内政治の場で議論を深めるべきだ」と強調した。名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に伴う沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡る訴訟で、県敗訴とした最高裁判決についても言及し「行政権の一翼を担う地方行政の長たる知事は(県敗訴の)確定判決に従って承認すべき」とした。その上で、人権理事会において「国内法秩序をないがしろにしかねない言動は慎んでいただきたい」などと述べ、くぎを刺し。知事は「日米安保体制の中で70%もの米軍専用施設面積を(県が)持たされていることについての考え方。人として平穏なあり方を考えて政府、国際社会とも協力していきたいということについて、一定、われわれの考えを述べたい」とした》。

 司法判断できない最「低」裁、政治判断連発の最「低」裁。(川内博史さん)《最高裁の忖度判決》。さすが、泉房穂さん《“裁判”といっても、これは“政治”そのもの》。
 沖縄タイムスの記事【辺野古判決は「裁判といっても、これは政治そのもの」 前明石市長・泉房穂さんがXに投稿】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1218150)。《沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡る最高裁判決で県敗訴が確定したことを受け、前明石市長で弁護士の泉房穂さん(60)=写真=は5日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、「“裁判”といっても、これは“政治”そのもの最高裁の裁判官を決めるのは、ときの政権」と投稿した。泉氏はさらに「政権が許容できる範囲の裁判官しか今は選ばれていない政権が許容できない判決が出ることはなく、結局は“政治”だ」と断じた。泉氏は今年4月まで兵庫県明石市長を務め、子育て政策などで注目を集めた。(社会部・榧場勇太)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/273772?rct=tokuhou

こちら特報部
軟弱地盤の沖縄・辺野古 県が未承認でも工事契約なんて…地元で渦巻く怒りが向かう先は
2023年8月31日 12時00分

 マイナカード原発処理水で岸田政権の強権ぶりが際立つ中、この問題も見過ごせない。沖縄県名護市辺野古の新基地建設計画。軟弱地盤の改良工事を巡り、国は設計変更の承認を県から得ないうちに、関連工事の契約に踏み切った。29日には県が行政指導を出して強く反発。新基地反対派の間にも「建設ありきの先走り」と憤怒の渦が広まる。(山田祐一郎木原育子


◆「そこまでやるのか。沖縄だからか」

 「何でもあり。あきれて物が言えない」。ため息交じりに吐き出すのは名護市議の東恩納琢磨さん(61)。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)を移設する名目で進む新基地建設。県の承認を得ないまま国が関連工事を契約したことに「そこまでやるのかと。これも沖縄だからか」と不信を強める。

 今月上旬の台風6号の影響で護岸が壊れ、工事は一時止まっている。国の計画では、米軍キャンプ・シュワブの南側と東側の海域で埋め立てが予定される。

 南側の海域では2018年12月、土砂の搬入が開始された。浜田靖一防衛相は今年4月の衆院安全保障委員会で埋め立ての進捗(しんちょく)率に触れ、3月末時点で92%と説明。まもなく土砂投入は終了するとみられる。


◆国は100万立方メートルの土砂を仮置きへ

 一方、軟弱地盤の存在が問題視されたのが、東側の海域だ。防衛省は20年、地盤改良工事のために設計変更を申請したが、県は翌年に不承認とした。

 防衛省の不服審査請求を受けた国土交通相は22年、不承認を取り消す裁決を下し、承認を求める是正指示を出した。これに対し、県は裁決と是正指示に異を唱えて提訴。今年3月の高裁判決で県側は敗訴となったが、上告を申し立てた。

 県は是正指示に応じていないため、「未承認の状態となっている」(辺野古新基地建設問題対策課の担当者)のだという。

 それでも沖縄防衛局は4月、2件の入札を公告。既に埋め立てが進む南側の区域に土砂を仮置きする方針で、その量は100万立方メートル。今月3日には工事契約を業者と締結した。浜田防衛相はこれまでの会見で「(東側の)埋め立て工事に必要となる土砂を準備しておくもの」「現行の承認処分で可能」と認識を示した。

 県は反発を強め、29日には仮置き工事に着手しないよう、沖縄防衛局に行政指導した。県海岸防災課の与儀(よぎ)喜真副参事は「今の工事の根拠は当初の計画書。これほどの大規模な仮置きは規定されておらず、認められない」と防衛省側の主張を批判する。


◆「国は、県にも市民にも余力がないとみている」

 新基地反対派は司法判断にも懐疑的な見方を示す。

 最高裁は今月24日、設計変更の不承認を取り消した裁決を巡り、不服としていた県の上告を受理しない決定をした。冒頭の東恩納さんは「内容に踏み込まず門前払い」と憤る。

 承認を求める是正指示を巡っては9月4日に最高裁で判決が言い渡されるが、高裁判決の変更に必要な弁論は開かれていないため、県にとって厳しい結果が見込まれる。

     (本紙のインタビューに答える沖縄県の玉城デニー知事)

 「沖縄ドローンプロジェクト」の活動を続ける土木技師の奥間政則さん(57)は「最高裁の判断が全てではない。新基地建設は軟弱地盤だけではなく、耐震設計の問題もあり、徹底的に闘う必要がある」と語る一方、危惧を強める。

 「知事は毅然(きぜん)と対応しているが、土木事務所が仮置き土砂の搬送のためのベルトコンベヤーの使用を許可するなど、対応に矛盾がある。国の方は、県にも市民にも余力がないとみているのでは」


◆工事を認めたとは一言も言っていないのに

 新基地建設の埋め立て工事を巡っては他にも懸念がある。土砂の問題だ。特に重要なのが、岩石以外の砕石や砂などがどれだけ含まれるかを示す「細粒分含有率」になる。

 沖縄防衛局が2013年、県に承認を求める文書で明記していたのは「おおむね10%前後」。だが18年末から始まった南側の海域の埋め立て工事で、国は県に無断で40%以下として業者側に発注した。細粒分の割合が増すほど、土砂を投入した時に濁りが起きやすく、環境に影響を及ぼす懸念がある。

     (埋め立てが始まった当初の辺野古沿岸部
      =2018年12月14日、沖縄県名護市で)

 元土木技師で「沖縄平和市民連絡会」の北上田毅さん(77)は「とんでもない話だよ」と憤まんやる方ない。30日も県庁で工事をやめさせるよう、担当課との交渉に奔走していた。

 前出の県海岸防災課の与儀副参事は「国側は『40%以下でも護岸に囲まれているため危険性は少ない』との説明だった。県としては工事を認めたとは一言も言っていないが、勝手に進められてしまった」と話す。

 東側の海域の埋め立ての仕様規格も「10%前後」から「40%以下」に変更された。19年当時、防衛局は細かい土が増えても、護岸で外海と遮断されるため、周辺海域への影響はないと主張していた。

 県などによれば、今回は護岸の完成前に埋め立てに着手する。「こちら特報部」は30日、防衛省に確認を求めたが「時間がかかる」と回答するにとどまった。北上田さんは「国は自分たちの弁明のつじつまが合わなくなり、自分たちが主張してきた言葉を無視せざるをえないようになっている」とあきれる。


◆サンゴは、遺骨は…

 東側の海域は砂地や藻場、サンゴ礁など生物および地形に富んだ環境を持つ。国は埋め立て予定海域に生息していた4万群体の小型サンゴ類を既に移植し、さらに小型サンゴ類約8万4000群体などの移植に必要な特別採捕許可を申請。県が不許可とすると、農相が是正指示を出したため、県が提訴している。

 日本自然保護協会の保護・教育部主任の安部真理子さん(57)は「すでに進められている護岸工事で、海の環境は大きくダメージを受けている」と指摘する。「日本生態学会など19の学会から工事の一時停止を求める要望が出るほど、国が実施した環境アセスメントではの海域が持つ生物多様性を把握できていない

 国は埋め立ての土砂採取予定地に本島南部を加えることを計画している。沖縄戦の激戦地だった本島南部で採取した場合、遺骨の混じった土砂が使用される可能性があり、市民団体などが強く反発している。

 「地元の不信も何のそのと強引に進める岸田文雄首相。福島第1原発事故に伴う処理水を巡り、地元の漁業関係者の理解を十分に得ることなく、海洋放出に踏み切ったさまと通底しているようにも見える。


◆岸田首相はいつも結論ありき

 沖縄大の高良沙哉教授(憲法学)は「岸田首相はいつも結論ありきで進める。地元に寄り添う』『丁寧に説明する』『理解を求めていくとおっしゃるが、実現した試しがない。福島も沖縄もよく見ている。これでは信頼関係を築くことはできない。世界を見渡してみても、今の時代、環境への配慮をこれだけ気にしない国も珍しい」とする。

 翁長雄志前知事が亡くなって今夏で5年。「翁長知事だからつなぎとめられていた経済界を中心とした保守層も離れてしまっている。オール沖縄として一枚岩になれていない一面もある」と高良さん。ただ、それにしても「地元の意見を聞かず、歩み寄りさえせず、断行していく国の姿勢は、大変問題だと感じる。政治姿勢を変えなければ、問題が解決するどころか、ねじれたままだ」と指弾する。


◆デスクメモ

 つじつまが合わず、自分たちの言葉を無視。北上田さんの指摘は政権の姿勢を的確に表す。原発処理水も「関係者の理解なしに処分せずと約束したのに、つじつまが合わない放出強行に踏み切るため、自分たちの約束を無視したまさに何でもあり近代国家とは到底思えない。(榊)

【関連記事】「機動隊派遣は違法」の最高裁判決が意味すること 米軍基地問題で蹂躙されてきた「沖縄の意思」
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●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…

2023年09月09日 00時00分22秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(2023年09月06日[水])
ホントに最「低」裁だな! 司法判断できない最「低」裁、政権に媚を売る〝政治〟判断を連発する最「低」裁。最早、これは沖縄イジメ、沖縄差別です。
 それにしても、沖縄についての裁判結果は酷いものばかり。最「低」裁の声が上がるのも、もっともだ。《三権分立が機能する民主国家》は幻想であり、《国民の権利救済という司法の役割に望み》はなく、《裁判所は沖縄の声に真摯(しんし)に向き合》うこともない。
 アベ様による最「低」裁人事介入が、沖縄で顕著に現れている。例えば……リテラは、《事実上の“学識者枠”の拡張であり、弁護士枠の削減だった。そんなところから、いま法曹界では「官邸による最高裁への人事介入ではないか」と恐れられ、安倍政権を忖度した判決が連発されるのではと危惧されているのだ》…辺野古破壊は、まさに当時の首相・アベ様や元・最低の官房長官のガースーオジサンへの《忖度》としか思えない。(琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在である》べきだというのに、またしても、またしても、自公政権への《忖度》。そももそ、《不服審査請求など論外》だったはずだ。

   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしいが「個人」になりすまし
     に救済を求めに判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
   『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
       マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている
   『●辺野古基地サンゴ訴訟、最「低」裁上告棄却…《国が、地方自治体の
      裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実》を無視
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●辺野古抗告訴訟、《原告の資格がないとして県敗訴とした一、二審判決
      が確定》――― アベ様《政権を忖度した判決が連発》危惧が的中…

 《裁判官5人全員一致の結論》…残念ながら、この5人は次回の最高裁判所裁判官国民審査の対象ではないらしい。当然、前回、この5人を含むであろう全員に「×」を付けたのだけれど、この国民審査は形骸化していることを改めて納得させられた(●最高裁(裁判長・大谷直人長官)《海外在住の日本人有権者が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは…憲法15条に違反》《違憲》)。
 沖縄タイムスの記事【沖縄の新基地建設巡る裁判 県の敗訴確定 知事に承認義務 国連までに是非判断か 最高裁が上告棄却】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1216747)。《名護市辺野古の新基地建設の防衛省の埋め立て変更申請を巡り、国土交通相が県に承認を迫った「是正指示」は違法な国の関与として県が取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は4日、是正指示を適法とした一審福岡高裁支部判決を維持し、県の上告を棄却した。裁判官5人全員一致の結論県側の主張への判断は示さず、補足意見もなかった。敗訴確定で県側は承認する義務を負った。県関係者によると、玉城デニー知事は9月中旬に出席予定の国連人権理事会までに承認に関し何らかの判断を示す考えだという。(社会部・新垣玲央、政経部・又吉俊充)》。

 重要な指摘 ――― 《ただ、判決が9月4日に出されることを知って以来、怒りを抱き続けていた9月4日は1995年に米兵3人がレイプ事件を起こした日だ。辺野古新基地建設問題の原点にあるのはこの事件だ》。
 目取真俊さんのブログから。【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/最高裁の不当判決を糾弾する海上集会】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/32c8574af9cd50e052ffade278bce234)。《前日4日に最高裁は、辺野古新基地建設をめぐり国土交通相の「是正指示」の取り消しを求めた沖縄県の訴えを棄却した。最高裁の不当判決に抗議するため、今日は軟弱地盤がある大浦湾の長島近くで海上集会を行った。日本の司法に幻想などないので、沖縄県が起こした裁判にもともと期待するものはなかった。ただ、判決が9月4日に出されることを知って以来、怒りを抱き続けていた9月4日は1995年に米兵3人がレイプ事件を起こした日だ。辺野古新基地建設問題の原点にあるのはこの事件だ。最高裁の判事たちは、9月4日がどういう日か知っていたのか。知っていてあえて9月4日を選んだのか。それとも、28年前の事件について知識も関心もなく、ただスケジュールをこなしたのか。いずれにしても、その愚劣さにはらわたが煮えくり返る。事件が起こった金武町は辺野古から車で半時間もかからない場所にある。キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、北部訓練場とすでに海兵隊基地が集中する沖縄島北部東海岸に、さらに新たな海兵隊基地を造って、何が沖縄の「負担軽減」か。愚劣なのは辺野古新基地建設を強行する政府や、それを後押しする司法だけではない。その背後には、日本「本土」の平和と安全のために沖縄に米軍基地を集中し、犠牲を強いるのもやむを得ない、とする大多数の日本人がいる。時間と金を浪費し、工事を長期化させて普天間基地を米軍に提供し続ける。そして、事件、事故が再び起こり、犠牲者が出る。この国の腐りようは、おぞましいかぎりだ》。

 斎藤貴男さんのコラムの一部をもう一度引用したい ―――――― 最「低」裁を頂点とする司法に失望してばかりだが、最近、衝撃を受けたことを再掲。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ真犯人なんか誰でもいい裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
            「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
   『●「完全に司法に影響を与えようとする
     露骨な圧力にほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
         もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁
   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り
      続けるのか?》 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
   『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
       マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている
   『●あの「逮捕潰し」は問い直されなくてもいいのか? 刑事は刑事、
     民事は民事で済ませていいのか? アノ中村格氏がいまや警察庁長官

 さて、新基地は決して完成しない。100万歩譲って、完成したとしても、決して普天間飛行場も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞。血税を日々ドブガネし、土砂を美ら海にぶちまける大愚行。辺野古には何の益も、何の「得」もない。辺野古は単なる破壊「損」

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている

 中沢誠記者による、東京新聞の記事【「辺野古」工事費 底なし 埋め立て14%すでに半分近く使い切る 米軍幹部も「ドローンの時代に不要」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/274772)。《米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、軟弱地盤の対策に伴う訴訟で最高裁は4日、県の上告を退ける決定をした。県の敗訴確定で、難航が予想される地盤改良は動き出す可能性が出てきたが、工事には2022年度末時点で4000億円以上が投入されている。防衛省が当初見積もった総工費3500億円を上回りながら、埋め立ての進捗(しんちょく)率は14%に過ぎない。辺野古予算は底無しの様相を帯びてきた。(中沢誠)》。

   『●「番犬様の尾っぽ」=世界一危険な基地・普天間は 
        返還されない!? 辺野古は単なる破壊損なのか??
    「沖縄タイムスの記事【沖縄知事「米軍に那覇空港使わせない
     普天間返還「民間施設使用も条件」の衝撃】(…)によると、
     《米軍普天間飛行場返還に緊急時の民間施設使用が条件となっている
     該当するのは那覇空港だが、翁長知事は「絶対に使わせない」と明言
     過去、政府から条件の説明はなく、普天閒は返還されない恐れも》」

   『●アベ様らは2019年2月までに普天間飛行場は返還される
               と云う寝言な「空想」 ~辺野古は破壊「損」~
   『●破壊「損」な美ら海への土砂投入… 
     「2019年2月までの米軍普天間飛行場の運用停止」をやってみせよ!
   『●辺野古破壊反対の明確な《結果が出る前から、
       安倍政権は「民意などクソくらえ!」と言わんばかりだ》!
    「《2019年2月までの米軍普天間飛行場の運用停止》の約束は一体
     どうなったのか? その日2019年2月18日は過ぎてしまったぞ!」

   『●《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を
       「19年2月」とすることを確認》、閣議決定まで…
   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし
   『●美ら海に土砂をぶちまけ続けて1年、《政府は沖縄の人々を
     国民と見なしているだろうか…傍若無人極まりない》愚行の連続
   『●《生物多様性の生きた教科書》な森や美ら海を殺すな!
      《和泉洋人首相補佐官…民間企業に便宜供与を打診し、
                         行政をゆがめ…》
   『●《高江のヘリパッド建設工事は異常だった》…その背景に
      和泉洋人首相補佐官の暗躍、高江での《わずか9時間の歓喜》
   『●高江破壊…《反対する市民らに対抗するのに協力する
     ことの見返りに、海外事業で便宜を図ると和泉首相補佐官は約束》
   『●辺野古・大浦湾が「ホープスポット」登録…《海と、
     そして海を保護しようと闘っている人々を、守ってほしい》
   『●《欠陥飛行場》米軍普天間飛行場…《本来なら移設条件を付けずに
     直ちに閉鎖すべき軍事施設だ。閉鎖できないのは政治の不作為である》
   『●沖縄…《この島の苦悩は「本土」に届いているだろうか》…《名護市
     辺野古への移設を容認する立場》の現宜野湾市長で良いのでしょうか?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/274772

「辺野古」工事費 底なし 埋め立て14%すでに半分近く使い切る 米軍幹部も「ドローンの時代に不要」
2023年9月4日 06時00分

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、軟弱地盤の対策に伴う訴訟で最高裁は4日、県の上告を退ける決定をした。県の敗訴確定で、難航が予想される地盤改良は動き出す可能性が出てきたが、工事には2022年度末時点で4000億円以上が投入されている。防衛省が当初見積もった総工費3500億円を上回りながら、埋め立ての進捗(しんちょく)率は14%に過ぎない。辺野古予算は底無しの様相を帯びてきた。(中沢誠


◆難工事予想される軟弱地盤は手つかず

 沖縄防衛局によると、22年度、辺野古の新基地建設に支出した額は815億円。着工から21年度までにかかった工費と合わせると、総額で4312億円に達した。

 一方で、22年度末時点の工事の進捗を見ると、事業全体の埋め立て土量2020万立方メートルのうち、4年余りで埋め立てた量は14%。しかも、これまで埋め立ててきた場所は、工事がしやすい水深の浅い海域だ。

 防衛省は4年前、軟弱地盤対策のため総工費を9300億円に引き上げた

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辺野古の軟弱地盤 辺野古沿岸部東側の埋め立て予定地の海底に、「マヨネーズ並み」と評されるほどの軟らかい粘土層が広がっている。最深で水面下90メートルにまで及ぶ。防衛省は2015年に軟弱地盤の存在を把握していたが、その事実を伏せてきた。政府が存在を認めたのは、土砂投入を始めた翌月の19年1月。防衛省は「地盤改良すれば建設可能」として、大幅な設計変更を行った。深さ90メートルにまで達する軟弱地盤の改良工事は世界でも例がない。沖縄県は「必要な調査が実施されておらず、地盤の安定性が十分に検討されていない」などとして、変更申請を不承認としていた
------------------------------------------------------------------

 難易度が高く、かなりの費用がかかると見込まれる軟弱地盤の工事が始まってもいない時点で、すでに総工費の半分近くを使い切ったことになる。

 工費がさらに膨らむ可能性はないのか。沖縄防衛局に見解を尋ねると、「回答までに時間が欲しい」とのことだった。


◆「2兆、3兆円超えるかも」

 「事業進捗からすると、2兆をも超えて3兆も超えるかもしれない」。工費膨張の恐れは、国会でもたびたび指摘されている。

 ただし、国会の質疑を見ても、政府が「これから幾らかかるのか」との問いに正面から答えた形跡は見当たらない浜田靖一防衛相も今年3月の参院外交防衛委員会で、「引き続き抑制に努めつつ、必要な経費を計上してまいりたい」と述べるにとどまった。

 新基地建設の総工費に関しては、軟弱地盤が判明するまで、政府は「少なくとも3500億円以上」と見積もっていた。

 総工費を2.7倍の9300億円に引き上げたのは、海底に7万本もの砂杭(ぐい)などを打ち込み、軟弱地盤を固める大がかりな改良工事が必要となったためだ。工期も5年から9年3カ月に延ばした。大幅な設計変更に、当時の河野太郎防衛相は「無理のない工程だ」と強調していた。

 今年6月の参院外交防衛委員会総工費の全体像を明らかにしない政府に対し、沖縄選出の伊波洋一参院議員は、こう迫った。「これ以上の税金の無遣いにならないよう、今が引き時ではないか」

   ◇

◆前泊博盛・沖縄国際大教授「事業の再点検を」

 「(辺野古新基地は)何のために造っているのかドローンの時代には使えない不要な基地だ」

 今年3月、新基地建設の視察に訪れた米軍幹部が、周囲に漏らしたという。

     (沖縄国際大の前泊博盛教授(本人提供))

 この「辺野古不要」発言を在沖縄米軍関係者から聞いた前泊博盛・沖縄国際大教授(安全保障論)は、軍事的合理性の観点から「司法判断の前に、四半世紀前に計画された新基地建設は防衛政策上、今も有効なのか再検証は必要」と説く。

 「世界一危険な普天間飛行場の危険性除去」を理由に建設が進められたはずだが、普天間の危険は放置され、滑走路のかさ上げや兵舎整備などが加速している。「返還どころか恒久使用に向けた整備強化が進んでいる。政府の主張は矛盾していないか」

 財政的合理性からも疑問を投げ掛ける。「建設費が当初計画の3倍というのは公共事業として破綻している。3倍になった建設費もさらに膨らむ可能性がある上に、軟弱地盤問題で完成のめどすら立っていない。裁判が終結しても、事業全体の総点検が必要だろう」

【関連記事】軟弱地盤の沖縄・辺野古 県が未承認でも工事契約なんて…
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●沖縄タイムス《大浦湾…2015年4月…「土木的問題が多い地層が厚く堆積している」…「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念も》

2021年12月15日 00時00分46秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


(2021年11月30日[火])
沖縄タイムスの【社説[軟弱地盤15年に把握]隠蔽に不信募るばかり】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/870489)。
琉球新報の【<社説>軟弱地盤15年把握 直ちに辺野古を断念せよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1430306.html)。

 《辺野古の埋め立てが始まる3年以上も前に、国は軟弱地盤の存在を把握しながら、県に知らせることなく工事を強行した。この問題一つとっても、もはや計画自体が成り立たない。新基地建設を白紙に戻すべきだ。共同通信が情報公開請求で入手した文書で、沖縄防衛局の「不都合な真実」の隠蔽(いんぺい)が明らかになった。文書によると、大浦湾で海底地盤を調べていた業者が2015年4月の段階で、南東部の「B28」という調査地点について、「土木的問題が多い地層が厚く堆積している」と報告している。「長期の沈下が考えられると施工上の懸念も指摘している》。
 《名護市辺野古への新基地建設は不可能であることを示す資料が明らかになった。共同通信が情報公開請求で入手した文書によると、埋め立てを始める3年前の2015年、防衛省は地質調査した業者から地盤の問題や沈下の懸念を伝える報告を受けていた。技術的な問題は当然だが、工事に重大な影響を及ぼす事実を隠し、新基地建設を強行したことは国民への裏切りである。安倍政権時代から繰り返された「県民に寄り添う」という言葉がむなしく響く政府が事実に基づく議論すらできないことを自ら示したに等しい。直ちに辺野古新基地建設を断念すべきだ》。

   『●玉城デニーさん勝利…でも、アベ様や最低の官房長官らは
        すぐにでも辺野古破壊を再開しても不思議ではない
    《新基地建設に関しては八月末、国の工事に違法性があるとして、
     県が沿岸の埋め立て承認を撤回した。事前の設計協議なしに
     着工し軟弱地盤や活断層の問題も判明した-などが理由。
     手続き上も工法上も国側が無理を重ねている

   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
    《こんな悪夢の近未来図が目に浮かぶ。それは、〈専門家の調査で
     「マヨネーズ」にも例えられた軟弱地盤の新基地予定地に、
     巨額な血税を使って大量の土砂を投入した挙句、使い物にならない
     “欠陥基地”となって米軍にソッポを向かれた〉というものだ》

 ここでも、アベ様や元・最低の官房長官らのお得意の《隠蔽》。マヨネーズ軟弱地盤を知っていたくせに破壊に着工。護岸が崩壊するとの指摘まである。そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしている…《人柱》だ。

   『●鈴木耕さん《美ら海を破壊するために、軍事基地を造っている
              …言い換えれば、サディスティックな政治》
   『●辺野古破壊、米側に《地盤改良「最短で5年」と日本側伝達》? 
                 沖縄に《工期も費用も言えない》のに?
   『●辺野古破壊に「反対に○」が投票資格者総数の37.65%、
             43万4273票…これは、もの凄い数字だ!
   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●《地元の理解と協力を得る努力…自然環境や住民の
     生活環境にも最大限配慮》しつつ美ら海に土砂ぶちまけ…
   『●「辺野古とカネ」再び…防衛省OB天下り:
     《公平》《公正》、与党・自公や癒着党・お維から最もほど遠い言葉
   『●新海聡氏《法制度の趣旨をねじ曲げ、都合の悪い情報は出さない
           という辺野古工事の治外法権ぶりを象徴した対応だ》
   『●「辺野古とカネ」…「辺野古が唯一」「辺野古ありき」
      とばかりに辺野古破壊に集り、《政官業の癒着ぶり》が醜悪
   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし
   『●美ら海に土砂をぶちまけ続けて1年、《政府は沖縄の人々を
     国民と見なしているだろうか…傍若無人極まりない》愚行の連続
   『●《生物多様性の生きた教科書》な森や美ら海を殺すな!
     《和泉洋人首相補佐官…民間企業に便宜供与を打診し、行政をゆがめ…》
   『●〝マヨネーズ〟軟弱地盤データの隠蔽…《信頼性が低い》のは
     《試料》なのか? アベ様や最低の官房長官らの《信頼性》こそ皆無
    「《業者が独断で行った調査で信頼性が低い》だってさ。
     《信頼性が低い》のは《試料》や《データ》、《調査》だったので
     しょうか? アベ様や最低の官房長官、防衛相の《信頼性》の方こそ
     《低い》、というか、」

   『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた盛り土が
          崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》
   『●地上イージス計画停止、遅すぎる《当然の帰結》…辺野古の工事は
     中止してください! 海を殺すな! 辺野古も白紙にして原状回復を!
    「《「合理的ではない」と気付い》て下さい、辺野古は破壊「損」です。
     #辺野古の工事は中止してください! #海を殺すな
     #辺野古も白紙にして原状回復を! そして、石垣島宮古島など
     島嶼での対中国のための、番犬様をお守りするための〝防波堤〟・
     《標的の島》にすることにも反対します」

   『●どうしたらいいんですかね? 沖縄で、アベ様や最低の官房長官らが
     やることなすことがデタラメばかり…選挙が終われば、辺野古破壊再開
   『●沖縄イジメ、辺野古は破壊「損」の張本人が元最低の官房長官。
     そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしているオジサン
   『●4野党の共通政策は《米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の
     新基地建設中止》…自公お維に投票=《人柱》を許容することを意味する
   『●小選挙区2勝2敗 ―――《沖縄は民意をほごにされてきた地だ。
     …民から政治が遠のいていった沖縄で、選挙や民意を語ることは難しい》
   『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
     反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった

 (沖縄タイムス社説)《とにかくがむしゃらに造ることだけを考えて、既成事実化を急ぐそのためには法解釈さえ国に都合のいいように変更する計画も手法もどこから見ても本当に異常である》。(琉球新報社説)《政権の決定に疑問があっても修正できない無策ぶりだ》。
 結果として、辺野古は単なる破壊「損」。政府や自公お維議員の皆さんは、原状回復して見せてくれよ。辺野古を元の姿に戻して見せてよ。
 新基地は完成を見ることはない。おまけに、普天間飛行場の全面返還など成されない。まさに、辺野古は単なる破壊「損」だ。

   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない

 一方で、軍事費膨張。今、そんなことをやってる場合なのか?
 東京新聞の記事【<社説>防衛費補正予算 膨張に歯止めかけねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/145380?rct=editorial)によると、《政府が二十六日に閣議決定した二〇二一年度補正予算案で、防衛費は七千七百三十八億円と過去最大となった。補正としては異例の規模だ。第二次安倍内閣以降、増額が続く防衛費を、補正でさらに積み増せば、膨張に歯止めがかけられなくなる。再考を求めたい。補正予算案には、通常当初予算に盛り込む主要装備品の新規購入が計上された。哨戒機や輸送機、ミサイル、機雷・魚雷の取得などで計二千八百十八億円に上る。防衛省は中国や北朝鮮の軍備増強を踏まえ、南西諸島防衛やミサイル対処能力の強化を急ぐ必要があると説明する。しかし財政法は補正予算について、当初予算編成後に生じた理由で「特に緊要となった経費」などに限ると規定する。中朝の軍備増強は最近、突然始まったことではない。補正予算による主要装備品購入がなぜ緊要か、防衛省は合理的な説明ができるのだろうか。補正予算と、過去最大を更新した当初予算と合わせた二一年度防衛費の総額は六兆一千百六十億円。国内総生産(GDP)比約1・09%に当たり、歴代内閣が目安としてきた1%を超える。防衛政策は、安全保障環境の変化に応じて柔軟に対応する必要があるとしても、防衛費の急拡大は日本に軍事大国化の意思ありとの誤解を周辺国に与え、逆に軍拡競争を加速する「安全保障のジレンマ」に陥りかねない。防衛費増額の背景に、同盟国に軍事費をGDP比2%以上に増額するよう求める米国への過剰な配慮があるのなら見過ごせない》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/870489

社説[軟弱地盤15年に把握]隠蔽に不信募るばかり
2021年11月29日 06:28

 辺野古の埋め立てが始まる3年以上も前に、国は軟弱地盤の存在を把握しながら、県に知らせることなく工事を強行した。

 この問題一つとっても、もはや計画自体が成り立たない。新基地建設を白紙に戻すべきだ

 共同通信が情報公開請求で入手した文書で、沖縄防衛局の「不都合な真実」の隠蔽(いんぺい)が明らかになった。

 文書によると、大浦湾で海底地盤を調べていた業者が2015年4月の段階で、南東部の「B28」という調査地点について、「土木的問題が多い地層が厚く堆積している」と報告している。「長期の沈下が考えられると施工上の懸念も指摘している。

 県内で、軟弱地盤の存在に衝撃が広がったのは18年3月、市民団体メンバーが入手した16年の防衛局報告書によってだった。

 防衛局は14年にボーリング調査を開始しているが、実際のところ最初に分かったのはいつだったのか。15年時点より早かったのではないか

 政府が軟弱地盤の存在を正式に認め、地盤改良が必要と表明するのは、それよりずっと後、19年1月のことである

 その間に防衛局は埋め立て予定海域を囲む護岸工事に着手(17年4月)、土砂投入を開始(18年12月)した

 公有水面埋立法にも基づく埋め立ては、国と県の信頼関係が大前提である。にもかかわらず長期の沈下という核心的な事実を伏せていたのだ。

 新基地建設のために隠したとみられても仕方ない。不誠実という言葉を通り越し、不信が渦巻く

■    ■

 18年7月、翁長雄志前知事は埋め立て承認の撤回表明に際し、軟弱地盤による「護岸倒壊の危険性」を指摘した。軟弱地盤が公有水面埋立法の承認要件を満たしていないことを根拠にしたのである。

 今回の業者の報告は、その撤回の正当性を改めて裏付けたといっていい。

 玉城デニー知事は今月25日、軟弱地盤改良のための防衛局の設計変更申請を不承認とした。

 理由の一つに挙げたのが、軟弱地盤が海面下90メートルまで広がっていると指摘される「B27」地点で必要な調査がなされていないことである。防衛局は70メートルまでの地盤改良で建設は可能だとするが、安全性を重視するのなら、調査でそのことを証明すべきだ。

 長期の沈下が考えられる「B28」地点に近いことと関係しているのではないか、疑念さえ抱く。

■    ■

 辺野古新基地建設を巡っては、情報の隠蔽や出し渋りといった筋が立たない手法がまかり通っている。

 オスプレイ配備の時も、政府は知らぬ存ぜぬの一点張りで、結局、辺野古の環境影響評価アセスメント)の最終段階になって「後出し」したのである。

 とにかくがむしゃらに造ることだけを考えて、既成事実化を急ぐそのためには法解釈さえ国に都合のいいように変更する

 計画も手法もどこから見ても本当に異常である
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1430306.html

<社説>軟弱地盤15年把握 直ちに辺野古を断念せよ
2021年11月29日 05:00

 名護市辺野古への新基地建設は不可能であることを示す資料が明らかになった。共同通信が情報公開請求で入手した文書によると、埋め立てを始める3年前の2015年、防衛省は地質調査した業者から地盤の問題や沈下の懸念を伝える報告を受けていた

 技術的な問題は当然だが、工事に重大な影響を及ぼす事実を隠し、新基地建設を強行したことは国民への裏切りである。安倍政権時代から繰り返された「県民に寄り添う」という言葉がむなしく響く政府が事実に基づく議論すらできないことを自ら示したに等しい。直ちに辺野古新基地建設を断念すべきだ。

 玉城デニー知事は軟弱地盤の存在に伴う国の設計変更申請を不承認とし、沖縄防衛局に通知した。その判断が妥当であることも裏付けた。

 「不確実な要素を抱えたまま、見切り発車した」(玉城知事)のが明らかだからだ。

 政府が辺野古での軟弱地盤の存在を認めたのは、報告を受けて4年後の19年になってからだしかも土砂投入を始めて以降のことである

 13年に埋め立て申請をした当初は軟弱地盤の存在を確認していなかったという。しかし早期に業者や専門家の指摘で問題点を把握していながら埋め立てに着手した。

 その間、情報公開で資料を入手した市民団体から軟弱地盤の存在と、技術的課題が繰り返し指摘された。今回の公開文書があぶり出したのは、政権の決定に疑問があっても修正できない無策ぶりだ

 政府に不都合な事実を隠すのであれば、民主国家ではない。政府にとって都合のよい利益のみを追求する姿勢、発想は、突き詰めれば全体主義国家につながりかねない。

 今後の政府の対応も注目したい。知事の不承認を受けて、行政不服審査法による対抗措置を取るという。

 だが青天井の工費、当初想定を4年以上も上回る工期、そして今回の事実隠蔽(いんぺい)とも取れる不作為だ

 仮に審査が実施されるとしても、問われるのは埋め立て工事の妥当性ではない。むしろ辺野古に関して技術的にも政治的にも解決策を示せない政府が、国民の信に値するかを問う機会ともなる。

 対抗措置よりも必要なのは、まず国民に事実を伝え、本当に「辺野古が唯一」なのか再考する時間である。

 普天間飛行場の全面返還が発表された当初、県民には沖縄の基地負担軽減を象徴する出来事と受け止められた。しかし県内移設などの条件が明らかになるにつれ、期待は失望へと変わった

 返還合意から四半世紀を過ぎても普天間飛行場は動かず、部品落下や深夜の爆音など住民の恐怖は消えない。

 「危険性除去」と言うなら米国との交渉、国内での訓練移転地や代替地探しなど政府がやるべきことは山ほどある。沖縄への基地押し付けに無駄な労力を割く必要はない
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●辺野古基地サンゴ訴訟、最「低」裁上告棄却…《国が、地方自治体の裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実》を無視

2021年07月16日 00時00分46秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


/ (2021年07月10日[土])
琉球新報の【<社説>サンゴ訴訟上告棄却 自治権侵害に背を向けた】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1350547.html)。
弁護士の馬奈木厳太郎さんによる、日刊ゲンダイの記事【「木を見て森を見ず」の判決 辺野古基地サンゴ訴訟最高裁、県敗訴を受けて】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291627)。

 《国が、地方自治体の裁量を制限し自治を侵害している事実に背を向けた判決だ。米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、農林水産相が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁小法廷は県の上告を棄却した。県の敗訴が確定した。判決は「工事により(サンゴが)死滅する恐れがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の対応は「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」とし、請求を棄却した福岡高裁那覇支部判決を是認した》。
 《東京合同法律事務所の馬奈木厳太郎弁護士…県を敗訴させた多数派の意見は、軟弱地盤の問題や設計変更の必要性など、工事の続行に関する不確実性を全く考慮に入れず、新基地は完成するという前提に立った極めて形式的な判断に終始するものでした。国が、地方自治体の裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実に正面から向き合うこともなく、結論ありきとの印象を免れません》。

   『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
          よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任
   『●高江破壊差し止め仮処分申請が却下
     …司法判断ではなく、「工事者の政府に寄り添う」政治判断
   『●県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という 
      異様な辺野古破壊訴訟…そもそも「違法」を口にする資格は?
   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
             「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
   『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
       翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」
   『●「戦争のためにカメラを回しません。
     戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」
   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、進め」
                    と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
   『●壊憲反対の不断の声を: 
     「戦後の歴史の岐路かもしれません。不断の努力こそ求められます」
   『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
     「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ
   『●重大な誤りを含む「腐臭を放つ「判決」」:
     「沖縄を弄んだというしかない」異常な辺野古破壊訴訟判決
   『●辺野古破壊のデタラメ: 《司法の監視機能の形骸化》、
        どこが法治国家なのか? アベ様が統治する人治国家
    《辺野古岩礁破砕訴訟 監視機能が形骸化 …沖縄県名護市
     辺野古の岩礁破砕差し止め訴訟は一審に続き二審判決も裁判所の
     審理対象かどうかの入り口論に終始し、県の訴えを門前払いした
     国の違法性が問われている中、沖縄防衛局の法手続きの是非に
     一言も触れない判決司法の監視機能の形骸化といえる…
     福岡高裁那覇支部の大久保正道裁判長は一審那覇地裁に続き、
     漁業法の解釈や無許可の根拠法などについて国に主張を求めよう
     としなかった法解釈への見解を避け、問題解決への道筋も
     示さなかった

   『●目取真俊さん「裁判所が市民を守る立場にないなら、
     誰が市民を守るのか」!? 法的根拠もあいまいなまま長時間拘束
    《大久保正道裁判長…は、目取真さん側が刑事特別法による
     緊急逮捕は違憲ではないと判断した一審判決を不服とした
     控訴を棄却した…目取真さんは「裁判所が市民を守る立場に
     ないなら、誰が市民を守るのか」と批判し、上告する考えを示した》。

   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしいが「個人」になりすまし
     に救済を求めに判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
    《行政の不当行為に対して国民が不服を申し立てる行政不服審査法」に
     基づく不服審査請求を石井啓一国交大臣(公明党)に行い、裁決が
     出るまで効力を一時的に失わせる執行停止も求めたのだ》

   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆:
     「銃剣とブルドーザー」から「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ
    「いまから、最「低」裁のコールが聞こえる。司法には何の期待
     も持てないでしょうね…。」

 《工事により(サンゴが)死滅する恐れ》を引き起こしているのは沖縄県なのか? あまりにデタラメ過ぎる。
 《法令で知事に与えられた権限を奪うことになる…。国と地方が「対等・協力」の関係という分権改革の趣旨を逸脱新基地建設という国策を遂行するため、地方自治を破壊》(琉球新報)。
 もはや最「低」裁を頂点とした司法による沖縄イジメ。元独裁政権・現独裁政権や行政にいじめられ、それを司法は見て見ぬふり。むしろ司法がいじめに加担する絶望的な状況。
 《沖縄は今日まで自ら進んで米軍基地のために土地を提供したことはありません新基地建設反対の民意も何度も示されています。…私たちの無関心が沖縄を苦しめているということを認識する必要があります》(馬奈木厳太郎さん)。

   『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
      息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題
   『●辺野古破壊: 政権広報・アベ様のNHKが「移植できないのは
               沖縄のせい」と攻撃…開いた口が塞がらない
   『●《工期も費用も言えない》辺野古破壊を進める
   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1350547.html

<社説>サンゴ訴訟上告棄却 自治権侵害に背を向けた
2021年7月7日 05:00

 国が、地方自治体の裁量を制限し自治を侵害している事実に背を向けた判決だ。

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、農林水産相が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁小法廷は県の上告を棄却した。県の敗訴が確定した。

 判決は「工事により(サンゴが)死滅する恐れがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の対応は「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」とし、請求を棄却した福岡高裁那覇支部判決を是認した。

 防衛省沖縄防衛局は2019年、県にサンゴ類の移植許可を申請した。県が判断を保留する中、20年2月、防衛局の申請通りに移植を許可するよう、農水相が県に是正を指示した。県は国の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出たものの退けられ、昨年7月に提訴した。

 一方、小法廷は5人の裁判官のうち2人が反対意見を述べた。反対意見は、県側の主張を認める内容であり注目したい。

 判決は仲井真弘多知事(当時)が埋め立て承認したことを前提にしている。しかし、反対意見を述べた宇賀克也裁判官は、埋め立て承認後に、予定海域で軟弱地盤の存在が判明した点を重視している。

 軟弱地盤の存在により仲井真知事の承認判断とは事情が変わってきた。にもかかわらず「護岸工事という特定の工事のみに着目」して是非を判断することは「『木を見て森を見ず』の弊に陥る」との指摘は納得できる。

 軟弱地盤の存在によって防衛局は設計変更申請を県に提出している。「変更申請が拒否されることになれば、サンゴ類の移植は無駄になるばかりか、水産資源保護法の目的に反する」とも指摘し、知事が移植を許可しないことに「違法性はない」と結論付けている。県が評価するように「画期的」である。

 同じく反対意見を述べた宮崎裕子裁判官は、埋め立てを行うには、県から設計変更承認を受ける必要があると指摘。仲井真知事による埋め立て承認の際になされた要件適合性の判断は「実質的に無意味」と断じた。

 判決後に玉城デニー知事が述べたように、農水相の指示は「沖縄県知事が判断する前に大臣が具体的に許可を命ずるものであり、法令で知事に与えられた権限を奪うことになる」のである。国と地方が「対等・協力」の関係という分権改革の趣旨を逸脱している。新基地建設という国策を遂行するため、地方自治を破壊することは許されない。

 辺野古新基地を巡る国と県の裁判はこれまでに9件ある。地方自治体が司法の場でここまで国と争うのは異例だ。辺野古新基地建設に反対する沖縄の民意があることを忘れてはならない。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291627

「木を見て森を見ず」の判決 辺野古基地サンゴ訴訟最高裁、県敗訴を受けて
公開日:2021/07/09 06:00 更新日:2021/07/09 06:00

     (東京合同法律事務所の
      馬奈木厳太郎弁護士(C)日刊ゲンダイ)

 沖縄県の辺野古新基地建設をめぐって、農水大臣が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めていた訴訟で、最高裁第3小法廷は6日、県の上告を棄却し、県の敗訴が確定しました。

 判決は、サンゴについて、「工事により死滅するおそれがあった以上、避難させ移植する必要があった」と指摘。県の判断は、「護岸工事を事実上停止させ、これを適法に実施し得る沖縄防衛局の地位を侵害するという不合理な結果を招来する」としたうえで、県の対応について、「裁量権の範囲の逸脱又はその乱用に当たる」としました。

 この問題は、沖縄防衛局が2019年、約4万群体のサンゴの移植許可を県に申請したことに端を発します。県が判断を保留するなか、農水大臣は昨年2月、地方自治法に基づき、県に是正を指示しました。県は、国の第三者機関である国地方係争処理委員会に審査を申し出たものの退けられたため、昨年7月に提訴していました。

 県を敗訴させた多数派の意見は、軟弱地盤の問題や設計変更の必要性など、工事の続行に関する不確実性を全く考慮に入れず、新基地は完成するという前提に立った極めて形式的な判断に終始するものでした。国が、地方自治体の裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実に正面から向き合うこともなく、結論ありきとの印象を免れません。


■裁判官5人のうち2人が反対意見

 一方、この判決では、5人の裁判官のうち2人が反対意見を述べたことは注目されるべきです。

 2人の裁判官は、県知事が埋め立てを承認した後に、埋め立て予定の海域に軟弱地盤が存在することが判明した事実を重視し、サンゴ移植の許可処分を行うには、大半を軟弱地盤が占める予定海域で、確実に事業が実施されることが前提になると指摘しました。

 そのうえで、軟弱地盤の存在が判明したことによって、事情が変わったにもかかわらず、護岸工事という一部の工事だけに着目して判断することについて、反対意見を書いた宇賀克也裁判官は、「木を見て森を見ず」だと批判しました。

 多数派と反対派の判断は、軟弱地盤の存在が判明したことによって、当初の承認の前提が崩れたと評価するかどうか、その事実が移植を許可するかどうかの判断に影響を及ぼす内容かどうかをめぐって分かれることになりましたが、より根本的には、国と地方自治体が対等であるという原則に対する認識の相違があると考えられます。

 今回の判決は、政府の立場に追随するもので、新基地建設に反対する民意は今回も顧みられることはありませんでした。しかし、今回の判決によっても、新基地建設をめぐって、国に「お墨付き」が与えられたわけでも、問題が解決されたわけでもありません。

 今月には、玉城デニー知事が変更申請を不承認するとの話も出ています。そうなると、国が承認を求めて訴訟を起こすことになります。

 沖縄は今日まで自ら進んで米軍基地のために土地を提供したことはありません新基地建設反対の民意も何度も示されています。沖縄の基地負担や基地被害をめぐっては、古くから「小指の痛みは全身の痛み」という言葉がありますが、沖縄という一地域の問題ではありません。私たちの無関心が沖縄を苦しめているということを認識する必要があります。

(弁護士・馬奈木厳太郎


▽まなぎ・いずたろう 1975年、福岡県生まれ。大学専任講師(憲法学)を経て現職。福島原発事故の被害救済訴訟などに携わる。

【辺野古サンゴ訴訟】 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、埋め立て予定海域にあるサンゴの移植を許可するよう農水相が県に是正を指示したのは違法として、県が取り消しを求めた訴訟。沖縄防衛局は2019年、環境保全を目的にサンゴの採捕(移植)許可を県に申請。県が判断を示さなかったため、漁業法などを所管する農水相は20年2月、許可するよう指示。県は指示を違法として国地方係争処理委員会に申し出たが退けられ、福岡高裁那覇支部に提訴。同支部も今年2月、県側の請求を棄却したため、県は判決を不服とし、最高裁へ上告していた。
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