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●疑問はシンプル…岡口基一元判事がたとえヒラメ裁判官であったとしても弾劾裁判で罷免しただろうか? 結論は《今回の弾劾裁判は間違っている》

2024年05月23日 00時00分20秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(2024年05月17日[金])
この件、第3弾のブログです。岡口基一元判事《今回の弾劾裁判は間違っている…》。
 ブログ主の疑問はシンプルです、岡口基一元判事がたとえヒラメ裁判官であったとしても弾劾裁判で罷免しただろうか? 罷免しなかったと思います。そもそも、岡口氏に対して最高裁も弾劾裁判を要請していない訳で、ヒラメ裁判官であったならば弾劾裁判に掛けることもしなかったはず。結論、《今回の弾劾裁判は間違っている》、《「これはもう裁判ではない」》。(カルト協会とヅボヅボな議員や、裏金や脱税議員などは居ないんですかね?)法律の専門家ではない国会議員が行う裁判官弾劾裁判》は大きな問題を残した。今回の裁判長は船田元氏です。弾劾裁判所で裁判を行うのは、国会議員の中から選ばれた14名(衆議院議員7名、参議院議員7名)の裁判員だそうです。今回の裁判員のリストを探してみますと、【裁判長と裁判員の紹介】(https://www.dangai.go.jp/info/info2.html)によると、以下のようです。

裁判長
 船田元(ふなだ はじめ)(衆・自民)

衆議院選出裁判員

 山本有二(やまもと ゆうじ)(自民) … 《ワンズ社》絡み、TPP、白紙の領収書
 田中和徳(たなか かずのり)(自民) … 衆院政倫審会長
 葉梨康弘(はなし やすひろ)(自民) … 死刑執行は冗談のネタ、政治資金閣僚辞任
 杉本和巳(すぎもと かずみ)(維教) … 政治資金でほら貝を購入
      自身で領収書発行受け取り議員会館の不正使用松井三郎氏返り討ち事件
 北側一雄(きたがわ かずお)(公明)

参議院選出裁判員
 福岡資麿(ふくおか たかまろ)(自民) … 政治刷新本部幹事長代理、参院政審会長
 森まさこ(もり まさこ)(自民) … 入管問題検察庁法改正、違憲な秘密保護法
 赤池誠章(あかいけ まさあき)(自民) … 教育委員会恫喝質問状送付
 小西洋之(こにし ひろゆき)(立憲)
 伊藤孝江(いとう たかえ)(公明)
 片山大介(かたやま だいすけ)(維教)

 《国民の信頼を失わせた》国会議員は居ませんよね?
 弁護士ドットコムの記事 (2023年1月24日)【岡口判事、普段は周囲に配慮…どうして裁判当事者を傷つけることに? 裁判員が質問】(https://news.yahoo.co.jp/articles/1eea08f1fc6ba6e551a2e14396ef841b399ec382)によると、《●この日の裁判員は13 弾劾裁判所は14人の裁判員で構成されるが、この日の裁判員は13人。弾劾裁判所のウェブサイトによると、前回に続き辞任した山下貴司氏(衆・自民)の後任が決まっていないようで、田中和徳氏(衆・自民)も欠席。代わりに予備員の大河原まさこ氏(衆・立憲)が出席した》。岡口さんは、山下貴司氏について《中立な裁判員とは感じられませんでした》とのこと。《私は不公平な裁判となるおそれがあると忌避を申し立て、裁判員をやめてもらうように主張。申し立てを知った山下氏側から辞任願が出されました》。

   『●岡口基一判事罷免問題…こんな結末で良かったのか? 国に楯突くような
     裁判官は「罷免」しても構わないというバイアスが掛かってはいまいか?
   『●岡口基一判事罷免問題…例えば、岡口基一・元判事がヒラメ裁判官
     だったとしても、裁判官弾劾裁判で「罷免」判決を出したでしょうか?

 吉田通夫宮尾幹成両記者による、前・後編の東京新聞のインタビュー記事【岡口基一元判事が語った弾劾「これはもう裁判ではない」…その真意は 不適切SNSで罷免された今<前編>】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/326369?obOrigUrl=true&ucid=59VHhfrl)。《「遺族に申し訳ないとは思っている」けれど、今回の弾劾裁判は間違っている…。交流サイト(SNS)への投稿などで刑事事件の遺族の心情を傷つけたとして4月、国会議員が行う裁判官弾劾裁判で罷免され、法曹資格も剝奪された岡口基一・元判事(58)が東京新聞のインタビューに応じた。有名な法曹家向け実用書の著者として知られる一方、SNSでフォロワーを「楽しませようと」際どい投稿を繰り返すなど、異色の裁判官として知られた岡口氏。遺族への思いから今回の弾劾裁判への不満、背後に潜む最高裁の体質まで、60分にわたって率直に語った。(デジタル編集部・吉田通夫宮尾幹成)》。
 その後編【岡口基一氏が明かす、政治に逆らわない最高裁が抱える「トラウマ」 その影響は判決にまで<後編>】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/326372)によると、《「最高裁は国会や内閣に逆らわない」が、権威を保つため裁判官に情報発信させず雲上人のようにしている…。交流サイト(SNS)への投稿などで刑事事件の遺族の心情を傷つけたとして4月、国会議員が行う裁判官弾劾裁判で罷免され、法曹資格も剝奪された岡口基一・元判事(58)が東京新聞のインタビューに応じた》。

 2度目の「罷免」回避の機会、《「…あの時SNSやめますと、うまく立ち回ってヒラメ裁判官になれば、処分もなく、罷免にもならなかったかもしれない」》。岡口氏の《罷免ありき》だったのではないのか。
 こんな結末で良かったのか? 国に楯突くような裁判官は「罷免」しても構わないというバイアスが掛かってはいまいか? もし、同様な《ツイッターへの不適切な投稿問題》をヒラメ裁判官が起こしたとしても、本当に「罷免」されただろうか? 《弾劾裁判所による裁判官訴追は厳密に運用》されたのだろうか? 疑問だ。《法律の専門家ではない国会議員が裁判官を裁く、弾劾裁判というシステムの問題》(岡口基一さん)。岡口氏は《国会議員が裁判官役明らかな非行が認定》されて良かったのでしょうか?

   『●『つぶせ! 裁判員制度』読了
   『●「国民の信頼を傷付け」ているのは? 
     …「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」
    《岡口基一裁判官…は謝罪したが…。「米軍基地という面倒な施設は
     沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と
     言及したことも。公平な視線は信頼に値しそうだ
    「《国民の信頼を傷付け》ている「司法」は岡口裁判官でしょうか、
     それとも、沖縄で辺野古破壊や高江破壊に貢献している司法関係者
     でしょうか? まさか、沖縄の市民の皆さんはこの《国民》には
     含まれていない、とでも思っているの?」

   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
              核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    《最高裁判事は十五人いるが、戸倉三郎裁判官は岡口裁判官が厳重注意
     された当時、東京高裁長官だったため今回の審理から外れた》
    《ツイッターへの不適切な投稿問題で東京高裁の岡口基一裁判官が
     戒告となった。「品位を辱めた」が理由だ。
     だが、さまざまな社会事象への裁判官の考えは、
     個人として発信していいのではないか

   『●三権分立・司法権独立…「国民の信頼を傷付けた」のは
      岡口基一裁判官の方なのか? それとも最「低」裁の方なのか?
   『●岡口基一判事罷免問題…こんな結末で良かったのか? 国に楯突くような
     裁判官は「罷免」しても構わないというバイアスが掛かってはいまいか?
   『●岡口基一判事罷免問題…例えば、岡口基一・元判事がヒラメ裁判官
     だったとしても、裁判官弾劾裁判で「罷免」判決を出したでしょうか?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/326369?obOrigUrl=true&ucid=59VHhfrl

岡口基一元判事が語った弾劾「これはもう裁判ではない」…その真意は 不適切SNSで罷免された今<前編>
2024年5月13日 06時00分

 「遺族に申し訳ないとは思っている」けれど、今回の弾劾裁判は間違っている…。

 交流サイト(SNS)への投稿などで刑事事件の遺族の心情を傷つけたとして4月、国会議員が行う裁判官弾劾裁判で罷免され、法曹資格も剝奪された岡口基一・元判事(58)が東京新聞のインタビューに応じた。

 有名な法曹家向け実用書の著者として知られる一方、SNSでフォロワーを「楽しませようと」際どい投稿を繰り返すなど、異色の裁判官として知られた岡口氏。遺族への思いから今回の弾劾裁判への不満、背後に潜む最高裁の体質まで、60分にわたって率直に語った。(デジタル編集部・吉田通夫宮尾幹成


(この記事は前編です。後編「政治に逆らわない最高裁の『トラウマ』 影響は判決にも…」はこちら。)


     (自身を罷免した弾劾裁判を振り返る岡口基一氏
      =東京都渋谷区で)

裁判官弾劾制度 問題行為のあった裁判官を辞めさせる制度。裁判官弾劾法では▽職務上の義務に著しく違反、または職務を甚だしく怠った時▽裁判官としての威信を著しく失うべき非行があった時―に罷免できると定めている。国会議員による弾劾訴追委員会が検察官役となって訴追を決め、やはり国会議員が裁判官となる弾劾裁判所で審理する。


◆「闘わない」最高裁へ憤慨

 「最高裁は、権力者と闘わない

 4月中旬、法律資格試験の受験指導をする「伊藤塾」(東京・渋谷)で取材に応じた岡口氏は、そう強調した。岡口氏は裁判官を罷免された直後、伊藤塾の専任講師に就任している。

国会議員による弾劾裁判の判決には、元裁判官として、おかしいと感じる部分が多かった。しかし、最高裁の徳岡治人事局長が出したコメントは「誠に遺憾。 裁判官各人において、改めて職責の重さを自覚し、国民の信頼にこたえていくよう努めたい」という内容だった。

 岡口氏は「最高裁は、こんなとんでもない判決はけしからんというコメントは出さない」と憤慨する。

 そして、今回の弾劾裁判への不満と、背後にある最高裁の体質について、語り始めた。


◆裁判官が実名でツイート

 X(旧ツイッター)などで、実名で情報を発信してきた岡口氏。裁判官とは明かさなかったが、法曹関係者らから口コミで広がり、フォロワーは2018年時点で4万人超だった。

 今回の問題の発端となったのも、ツイッターだった。

 東京都内で女子高生が殺害された2015年の事件の東京高裁判決のリンクを張り、「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に、無残にも殺されてしまった17歳の女性」と書き込んだ。

 いずれも、東京高裁のウェブサイトに掲載されていた「事案の概要」からコピーした言葉だったが、遺族は「茶化している」と受け止め、当時の岡口氏の所属先だった東京高裁に抗議。その後の岡口氏のSNSなどでの発信も問題視され、弾劾裁判へとつながっていく。

岡口氏の弾劾裁判 弾劾訴追委員会は2021年6月に13件の投稿などを対象に訴追し、弾劾裁判所(裁判長・船田元衆院議員=自民党)は2024年4月に7件が「表現の自由として裁判官に許される限度を逸脱している」と判断。「著しい非行」として罷免の判決を言い渡した。岡口氏はただちに失職し、退職金はなく法曹資格も失った。弾劾裁判の判決に先立つ2024年2月には、民事訴訟でも岡口氏に遺族側へ44万円の支払いを命じる判決が確定。また、2018年と2020年には、最高裁が岡口氏を戒告の懲戒処分にしている。


◆悪気はなかったが「表現に思いが至らず」とお詫び

 岡口氏は弾劾裁判で、もともとはSNSを通じて男への量刑が低すぎると感じてほしかったと主張。インタビューでも「遺族を思っての書き込みだった。こんな事件は許せない」と述べた。

 2019年には、フェイスブックに、遺族が岡口氏を非難するよう「洗脳」されていると書き込んで問題になったが、岡口氏側は「『洗脳』という言葉をそれほどネガティブな意味で使っていたわけではない」と主張。判決でも認められた。

 最終的に、弾劾裁判では、岡口氏による一連の投稿や発信に、だれかを傷つけるなどの悪意はなかったと判断された。

 遺族感情を損ねる結果になったことについて、岡口氏はインタビューで「(表現への)思いが至らず、お詫び申し上げたい」と謝罪した。


◆問われた「表現の自由」

 表現行為に悪意はなかったと認定された岡口氏だが、最終的には「『表現の自由』の範囲を逸脱」したとして罷免を言い渡された。その論理構成には問題が多かったと強調する。

 まず、憲法が保障する「表現の自由」についての認識だ。

 弾劾裁判で、裁判官による表現行為が問題になったのは初めて。便宜供与を受けるなどの職務違反があったり、児童買春や盗撮などで刑事罰に問われたりしたことを理由に罷免となった過去7人のケースとは異なる

 岡口氏は「侮辱などがない限り、(表現を受け止めた)だれかが傷ついたというだけでは不法行為にならない。憲法が保障する『表現の自由』の一丁目一番地だ」と言う。

しかし、今回の判決は「結果として傷ついた人がいるからいけないというロジックになっている」と問題視した。

 表現に問題や誤解があれば民事訴訟など当事者間で紛争を解決するべきで、弾劾裁判などによって「他者が介入する問題ではない」と強調した。


◆「これはもう裁判ではない」

     (岡口基一氏)

 また、岡口氏の最終的な罷免理由は、一連の投稿により裁判官に対する国民の信頼を失わせたことになっている。

 弾劾裁判で、岡口氏と弁護側は「証拠がない」と主張した。

 判決も「客観的に証明することは困難」と認めた。しかし、立証は国民に選ばれた国会議員でつくる時の弾劾裁判所の裁量によると明言し、国民の信頼を失わせたと断じた

 岡口氏は「どういう事実があったかは裁判官が決めていいと言っているこれはもう裁判ではない」と非難した。

 岡口氏は、女子高生殺害事件の遺族への損害賠償を命じた東京高裁判決についても、「何の情報もないのに、私が変態性欲者の興味を引く意図で投稿をしたと認定して、だから不法行為だと。全く証拠がない」と批判。

 弾劾裁判の判決も、高裁が不法行為と認定していることを理由の一つとしているとして、「最高裁が『けしからん裁判官』をどうぞ辞めさせてくださいと、どんどんアシストした」「裁判所がよってたかって、全く証拠がない事実認定をして私を追い出そうとした」との見方を示した。


◆「運用で守ってきた」三権分立が…

 過去の弾劾裁判は、問題を起こした裁判官について、最高裁自身が国会に対して弾劾訴追を求めるケースがほとんどだった。

     (岡口氏を罷免する判決が言い渡された弾劾裁判
      =4月3日、東京都千代田区で)

 三権分立の社会では、立法権(国会)、行政権(内閣)、司法権(裁判所)は独立していなければならない。このため、内閣や国会が裁判所に対していたずらに介入しないようにするため運用で守ってきた暗黙のルールだ

 今回、最高裁は岡口氏に対して2度にわたり戒告処分をしたが、弾劾訴追は求めていない

しかし、訴追委員会は遺族側の申し立てを受けて訴追を決め、判決も「過去には最高裁からの訴追請求がない事案について罷免判決をした例もある」と有効とした。

 岡口氏は、2020年の菅義偉政権による日本学術会議会員任命拒否問題も引き合いに、「第二次安倍政権以降、運用で守られてきたさまざまな制度が、ことごとく失われている感じがする」と語った。



https://youtu.be/BNBW9eAk8ZE

▶後編:「政治に逆らわない最高裁の『トラウマ』 影響は判決にも…」に続く。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/326372

岡口基一氏が明かす、政治に逆らわない最高裁が抱える「トラウマ」 その影響は判決にまで<後編>
2024年5月13日 06時00分

 「最高裁は国会や内閣に逆らわない」が、権威を保つため裁判官に情報発信させず雲上人のようにしている…

 交流サイト(SNS)への投稿などで刑事事件の遺族の心情を傷つけたとして4月、国会議員が行う裁判官弾劾裁判で罷免され、法曹資格も剝奪された岡口基一・元判事(58)が東京新聞のインタビューに応じた。

 有名な法曹家向け実用書の著者として知られる一方、SNSでフォロワーを「楽しませようと」際どい投稿を繰り返すなど、異色の裁判官として知られた岡口氏。遺族への思いから今回の弾劾裁判への不満、背後に潜む最高裁の体質まで、60分にわたって率直に語った。(デジタル編集部・吉田通夫宮尾幹成


(この記事は後編です。前編「罷免が決まった弾劾裁判『これはもう裁判ではない』」はこちら。)


◆保守派が長官に指名されて最高裁が受けた衝撃

     (司法に対する国民の信頼失墜を懸念する岡口基一氏
      =東京都渋谷区で)

 立法権(国会)、行政権(内閣)、司法権(裁判所)の独立を守るため慣例的に運用されてきた「裁判官弾劾裁判は最高裁が訴追請求するというルールが破られたと指摘した岡口氏。

もともと、日本の司法は立法や行政に比べて権力基盤が弱い。江戸時代は幕府や藩が裁判を行い、明治以降も、戦前の最高裁は司法省の下部機関だった。戦後になっても、内閣が最高裁長官の指名権を握っているため、時に政治の介入を受けてきた。

 「佐藤栄作政権時の人事が、今もトラウマ(心的外傷)になっている」と岡口氏は語る。

佐藤元首相は1969年、長官含みで最高裁判事となった学者出身の田中二郎氏ではなく、旧司法省出身の石田和外氏を指名。石田氏は退官後に日本会議の前身団体の一つである「元号法制化実現国民会議」をつくった右派だ。

 石田氏は最高裁長官に就くと、立法や行政に対する司法の独立を訴えた「青年法律家協会」所属の裁判官を左遷するなどして排除。「青」からとって「ブルー・パージ」と呼ばれる。

岡口氏は「最高裁はショックを受けて、立法府や行政府には逆らわないようになった」と言う。


◆臨時国会召集拒否は「憲法違反」と断言

     (岡口基一氏)

 岡口氏は、内閣や国会に逆らわない裁判所の姿勢は、さまざまな司法判断に表れていると指摘する。

 例として、沖縄県名護市への米軍新基地建設を巡る一連の訴訟のほか、2017年の安倍晋三首相(当時)による臨時国会の召集拒否を挙げた。

 当時、森友学園に対する国有地払い下げなどの問題が噴出。野党は臨時国会の召集を求めたものの、安倍首相は3カ月超にわたって応じず、ようやく召集したとたん、冒頭で衆院を解散した。

 憲法53条は、衆参両院のいずれかで議員の4分の1以上の要求があれば内閣は臨時国会の召集を決定しなければならないと規定している。野党側は違憲だとして提訴したが、最高裁は違憲の判断を避けつつ、損害賠償請求を退けて原告側の敗訴とした。

 岡口氏は臨時国会をすぐに召集しなかったことは「憲法違反だと断言する。しかし、政府からの「さらなる介入を招く」ため、組織防衛に走ったという。「国と戦う気はない。LGBT(の権利向上を認める判決)とか、ああいうところで独自性を出して『やってます感を出すという作戦だ」


◆原発訴訟「下級審は最高裁に逆らえない」

     (東日本大震災後の福島第一原発(2012年3月撮影))

 話題は、原発訴訟にも及んだ。「福島第1原発事故の前は、原発が危ないかどうか分からなかった。おかしいという人は変わり者だと思われていることもあって、あの頃は普通の人は(国や電力会社を敗訴させる判決を書けなかった

 だが、福島原発事故後も、事故について国の責任を認めない判決が相次いでいる

岡口氏は「最高裁が国の責任を認めなかったので、下級審は逆らえない状況だ」と指摘。自身も仙台高裁判事時代、福島原発事故の避難者が国と東京電力に賠償を求めた裁判の控訴審(2024年1月に判決)に関わったといい、「現場は現場できちんと国の判決を書きましょうと、私も用意していた」と明かした上で、「弾劾裁判があったのでできなかった」と悔やんだ。岡口氏は弾劾訴追を受け、2021年7月に裁判官の職務を停止されていた。


◆「裁判官は雲上人」でいいのか?

     (最高裁判所)

 逆らわない最高裁は、「裁判官に情報発信させず、雲上人のように、品位があるように見せることで権威を保とうとしている」と岡口氏の目には映る。

 積極的に発信する裁判官に、あからさまに「やめろ」とは言わないものの、裁判の研究や司法修習を行う「司法研修所」の教官にしないなど、無言の圧力をかけるという。

 「私はそれは良くないと思っている」と断言。権威により判決を信じ込ませるのではなく、「科学的・合理的な根拠を示し、またそれが検証可能なように担保しなければならない」と語る。


◆SNS反省「楽しませなきゃ、がよくなかった」

     (岡口基一氏)

 そんな岡口氏がツイッターを始めたのは、2008年の草創期。裁判官という肩書は明かさなかったが、実名でアカウントを開設した。もともとは法曹家向けに法律改正や法律絡みの時事問題を発信していた。

 それだけでも異色だったが、次第に法曹家以外のフォロワーも増え、くだけた表現や、白ブリーフ姿をさらすなど際どい投稿も目立つようになった。「法曹家以外も見てくれているのだから、楽しませなきゃと思い始めたのが良くなかった」と振り返る。

 今もツイッターを続けているが、不特定多数の目には触れないよう「鍵アカ」にしたという。

 法曹家向けの実用書「要件事実マニュアル」シリーズでも知られる岡口氏。今後は伊藤塾の講師を務めるなどしながら「新たな法曹家を育成していかなければならない」と、後進の育成に意気込む。「質の高い司法サービスの提供は、国民のためになる」と語った。

▶前編「罷免が決まった弾劾裁判『これはもう裁判ではない』」はこちら。
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●岡口基一判事罷免問題…例えば、岡口基一・元判事がヒラメ裁判官だったとしても、裁判官弾劾裁判で「罷免」判決を出したでしょうか?

2024年05月21日 00時00分08秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(2024年05月07日[火]
例えば、岡口基一・元判事がヒラメ裁判官だったとしても、裁判官弾劾裁判で「罷免」判決を出したでしょうか? 2度目の「罷免」回避の機会、《「…あの時SNSやめますと、うまく立ち回ってヒラメ裁判官になれば、処分もなく、罷免にもならなかったかもしれない」》。岡口氏の《罷免ありき》だったのではないのか。
 こんな結末で良かったのか? 国に楯突くような裁判官は「罷免」しても構わないというバイアスが掛かってはいまいか? もし、同様な《ツイッターへの不適切な投稿問題》をヒラメ裁判官が起こしたとしても、本当に「罷免」されただろうか? 《弾劾裁判所による裁判官訴追は厳密に運用》されたのだろうか? 疑問だ。《法律の専門家ではない国会議員が裁判官を裁く、弾劾裁判というシステムの問題》(岡口基一さん)。《国会議員が裁判官役明らかな非行が認定》されて良かったのでしょうか?

   『●『つぶせ! 裁判員制度』読了
   『●「国民の信頼を傷付け」ているのは? 
     …「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」
    《岡口基一裁判官…は謝罪したが…。「米軍基地という面倒な施設は
     沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と
     言及したことも。公平な視線は信頼に値しそうだ
    「《国民の信頼を傷付け》ている「司法」は岡口裁判官でしょうか、
     それとも、沖縄で辺野古破壊や高江破壊に貢献している司法関係者
     でしょうか? まさか、沖縄の市民の皆さんはこの《国民》には
     含まれていない、とでも思っているの?」

   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
              核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    《最高裁判事は十五人いるが、戸倉三郎裁判官は岡口裁判官が厳重注意
     された当時、東京高裁長官だったため今回の審理から外れた》
    《ツイッターへの不適切な投稿問題で東京高裁の岡口基一裁判官が
     戒告となった。「品位を辱めた」が理由だ。
     だが、さまざまな社会事象への裁判官の考えは、
     個人として発信していいのではないか

   『●三権分立・司法権独立…「国民の信頼を傷付けた」のは
      岡口基一裁判官の方なのか? それとも最「低」裁の方なのか?
   『●岡口基一判事罷免問題…こんな結末で良かったのか? 国に楯突くような
     裁判官は「罷免」しても構わないというバイアスが掛かってはいまいか?

 dot.の記事【SNS「不適切」投稿で罷免の「白ブリーフ判事」を直撃! 「回避できる道はあったがヒラメ裁判官になりたくなかった」/今西憲之】(https://dot.asahi.com/articles/-/220392)。《「被害者のご遺族を傷つけるような意図はなかったが、今回の判決が認定したとおり、結果的に遺族の方が傷ついてしまったものであり、申し訳なく思います。ただ、法律の専門家ではない国会議員が裁判官を裁く、弾劾裁判というシステムの問題も痛感しました」…こう話すのは元仙台高裁の裁判官、岡口基一さん(58)。SNSへの投稿内容を理由に訴追され、4月3日の裁判官弾劾裁判で「罷免」判決を受けて、法曹資格を失った。罷免となった裁判官は戦後8人目だが、「表現」が問題とされたのは初めてだった》。

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https://dot.asahi.com/articles/-/220392

SNS「不適切」投稿で罷免の「白ブリーフ判事」を直撃! 「回避できる道はあったがヒラメ裁判官になりたくなかった」
2024/04/23/ 06:30
今西憲之

     (新しい職場となった予備校でインタビューに応じる岡口さん)

「被害者のご遺族を傷つけるような意図はなかったが、今回の判決が認定したとおり、結果的に遺族の方が傷ついてしまったものであり、申し訳なく思います。ただ、法律の専門家ではない国会議員が裁判官を裁く、弾劾裁判というシステムの問題も痛感しました」。

     (【写真】国会議員が裁判官となる弾劾裁判所)

 こう話すのは元仙台高裁の裁判官、岡口基一さん(58)。SNSへの投稿内容を理由に訴追され、4月3日の裁判官弾劾裁判で「罷免」判決を受けて、法曹資格を失った。罷免となった裁判官は戦後8人目だが、「表現」が問題とされたのは初めてだった。


■実名で投稿続けた「発信する裁判官」

 岡口さんは、裁判官とは明かしていなかったが実名でブログやツイッター(現X)などの投稿を続け、「発信する裁判官」として有名になった。筋トレで鍛えあげた上半身裸のブリーフだけを着けた写真を公開したときは、「白ブリーフ判事」と呼ばれてバズったこともある。

 訴追されたのは、SNSなどへの投稿13件。なかでも問題になったのは、東京都で2015年に女子高生が殺害された刑事事件の判決についての投稿だった。

 2017年12月、当時東京高裁の裁判官だった岡口さんは、東京高裁であった刑事訴訟の判決文を閲覧できるサイトのアドレスを引用しながら、

「無惨にも殺されてしまった17歳の女性」

 などとツイッターに投稿した。

 この投稿に女子高生の遺族は、「なぜ断りもなく判決文をこのような形であげているのですか?」と抗議した。

 これに対して岡口さんは、「遺族の方々は東京高裁事務局に洗脳されている」などの書きこみを続けた。

 その結果、遺族は東京高裁に厳重な処分を求め、最高裁が岡口さんの一連の投稿について、戒告の懲戒処分を科した。

     (弾劾裁判では国会議員が裁判官となる
      中央は裁判長の船田元衆院議員)

 2021年6月、国会の裁判官訴追委員会が、岡口さんの罷免を求めて弾劾裁判所に訴追すると決定。国会議員が裁判官役となり、弾劾裁判が始まった。


■過去の「罷免」は少女買春や盗撮…

 弾劾裁判で「罷免」の判決を出されると、不服申し立てはできず、ただちに法曹資格を失う。退職金も出ない。裁判官にとって罷免は「極刑」ともいえる重いものだ

 岡口さん以前に「罷免」になった裁判官は7人いたが、少女買春や女性の盗撮などの違法行為をしたか、調停当事者から接待を受けるなど公平性を疑われ、刑事事件になるような行為をしたという明らかな非行が認定された裁判官だった。

 だが、岡口さんの訴追はSNSの投稿内容が理由となった。岡口さん自身も認めているように、投稿内容に問題はあった。とはいえ、「法曹資格を喪失させるほど著しい非行だったのか」「表現の自由を裁判官も十分に保障されてこそ、公平な裁判ができるのではないか」など、岡口さんの弾劾裁判は論議を呼んだ。

 岡口さんの罷免を阻止するため、多くの弁護士が弁護団を結成大学の法学者が意見書を提出したり、仙台弁護士会が罷免にしないよう求める声明を出したりした

 しかし、判決は「極刑」だった


■「勝った」と手ごたえはあったが…

 岡口さんの話を聞こうと取材を申し込むと、指定された場所は東京都内の司法試験予備校だった。罷免という重い判決を受けて間もなかったが、岡口さんは明るく対応してくれた。

「司法試験合格を目指す若い人を教壇で指導できる場をいただきました。とてもありがたいです。今は最高裁にも注意されない、呼び出されないから、自由にSNSも書けますからね(笑)。ただ念のため、Xは“鍵垢”にして限定して公開しています」

 判決が出た4月3日、弾劾裁判所の裁判長、船田元衆院議員は、判決の主文を後回しにして、判決理由を先に朗読しはじめた。判決理由の前半は、岡口さん側の主張を認める内容が続いた。

「弾劾裁判で主文が後回しになることはまずありません。判決理由が読まれている中で訴追委員会の主張がことごとく覆され、弁護団の主張が採用される事実認定が出されていました。『勝った』と手ごたえがありました」

 しかし、判決理由の朗読も後半になっていくと、

急に非行は著しいという落差がある方向に理由が変わっていったのです


     (弁護団と弾劾裁判所に向かう岡口さん(右))


 岡口さんは無念そうに語る。

「判決の前半は『岡口さんは悪くない』という内容で、心の中では『やった』と思っていたから、罷免との結論を聞き、よけいにショックでした。そして判決内容も、前半では、私の7個の表現行為に、遺族を傷つけようという意図など全く認められなかったとしている。しかし、後半では、結果的に遺族が傷ついているからダメ、罷免ですと。承服しがたい判決です」


■言うことを聞かないからクビにしたかった?

 裁判官弾劾法は、3年を経過した事由については訴追できないと定めている。女子高生殺人事件などの投稿は2017年12月で、訴追時には3年以上経過していた。だが、判決では、新しい投稿も含めて「全体が不可分のものとして包括評価の対象になる」と、訴追の対象にした。

「3年以上経過している投稿を訴追したのは、期間内に間に合わなかった訴追委員会のミスとしかいいようがない」
「女子高生のご遺族に謝罪する思いはあったのに、東京高裁当局によって、できなくされてしまった。SNS発信をやめず、言うことを聞かない裁判官をクビにしたいという思いがあったのでしょう」

 岡口さんは「罷免」も想定していたと振り返る。

「判決が出る前から、訴追から弾劾裁判の流れを見て、弁護団には罷免を予想する意見がかなりあった。なかでも裁判の審理が進む過程で、罷免ありきでは、と不信に思ったのが山下貴司衆院議員の対応でした」

 山下議員は東京地検特捜部にも在籍した元検事で、衆院議員に転身後は法務大臣も務めた。岡口さんの弾劾裁判の裁判員となったが、途中で辞任した。

「私の方から出した証人にとても激しい質問をするのです。あまりに度を越えたものであり、中立な裁判員とは感じられませんでした。私は不公平な裁判となるおそれがあると忌避を申し立て、裁判員をやめてもらうように主張。申し立てを知った山下氏側から辞任願が出されました。その時は、公平に裁いてもらえるなら罷免は免れるかと、希望を持ったのは事実です」

 岡口さんは「罷免」という大ごとになる前に、それを回避する機会が2度あったと話す。


■東京高裁の「パワハラを拒否した」

 裁判官は任官後、10年ごとに「再任」という手続きをへる。岡口さんは今年4月12日の任期満了時には再任の希望を出さず、退官する意向であることを弾劾裁判でも明かしていた。

 裁判官に対する弾劾裁判なので、岡口さんが裁判官でなくなれば、判決は下せない。

「私が判決直前に弁護士を全員解任すれば、次の選任まで2か月ほどかかる。その間に再任を求めず退官となれば判決は出せない、というウルトラCの作戦も取れました。しかし、弁護団と論議し、『戦って判決をしてもらうべき』という主戦論でいくことにしました。『白ブリーフは日本男児にふさわしい』と公言していますから、当然です」

 と笑う岡口さん。

 そしてもう一つの機会は、2018年にSNS投稿の問題で東京高裁に呼び出された時だ。

SNSをやめたら処分はしない

 と告げられたのだという。だが岡口さんは、こう話す。

そう脅されたけど、私は、その提案を撥(は)ねて、やめませんときっぱり言いました。まず、裁判官であるが市民でもあり、憲法で表現の自由も保障されています東京高裁長官は地位をたてにしてパワハラでSNSやめろと迫っているのです。私は裁判官としてパワハラの訴訟で判決を書く時もあります。私がパワハラに屈しちゃうと、なんだ、この裁判官となるわけです。自分の権利も守れないような人が、裁けないですよ。だから私は、裁判所当局からの要求は拒否する場面だと考えました。あの時SNSやめますと、うまく立ち回ってヒラメ裁判官になれば、処分もなく、罷免にもならなかったかもしれない。けどそこが私の裁判官、法律家としての矜持だったのです」

 罷免で即日、失職となり、法曹資格も失った岡口さん。それでも5年が経過すれば、資格回復を求めることができるが、今はその気持ちはないと言う。

「民事裁判の現場にいて、裁判官の質、実力が非常に落ちているのを感じてきました。私が今やりたいのは、法曹の若い人の育成、レベルアップです。それは法曹資格がなくてもできます。将来、LGBTとか原発問題とか、弁護士でなければできないことが出てくれば資格回復を求めるかもしれない。しかし今は、新しく講座で教えることにわくわくしています」

(AERA dot.編集部・今西憲之


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今西憲之
大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。
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●岡口基一判事罷免問題…こんな結末で良かったのか? 国に楯突くような裁判官は「罷免」しても構わないというバイアスが掛かってはいまいか?

2024年05月20日 00時00分15秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(2024年04月07日[日])
こんな結末で良かったのか? 国に楯突くような裁判官は「罷免」しても構わないというバイアスが掛かってはいまいか? もし、同様な《ツイッターへの不適切な投稿問題》をヒラメ裁判官が起こしたとしても、本当に「罷免」されただろうか? 《弾劾裁判所による裁判官訴追は厳密に運用》されたのだろうか? 疑問だ。
 東京新聞社説《今回の判断は裁判官の身分を奪うだけでは足りず、法曹資格をも奪う意味を持つ退職金も出ない苛烈な制裁を国会議員が科したことに強い危惧と警戒感を持つ。…本人も謝罪し、裁判官の職も辞すこれ以上の制裁は行き過ぎではないか。…政治家が裁判官に苛烈な懲罰を加えるのは疑問だ。表現行為で罷免された初のケースでもある》、さらに、《差別発言さえ不問に付す政治の世界の人々が、一裁判官の表現の過ちを容赦なく叩(たた)法曹の資格まで奪う裁判官がより政治の力に萎縮し、及び腰になっては三権分立さえも危うくなる》。

   『●『つぶせ! 裁判員制度』読了
   『●「国民の信頼を傷付け」ているのは? 
     …「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」
    《岡口基一裁判官…は謝罪したが…。「米軍基地という面倒な施設は
     沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と
     言及したことも。公平な視線は信頼に値しそうだ
    「《国民の信頼を傷付け》ている「司法」は岡口裁判官でしょうか、
     それとも、沖縄で辺野古破壊や高江破壊に貢献している司法関係者
     でしょうか? まさか、沖縄の市民の皆さんはこの《国民》には
     含まれていない、とでも思っているの?」

   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
              核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    《最高裁判事は十五人いるが、戸倉三郎裁判官は岡口裁判官が厳重注意
     された当時、東京高裁長官だったため今回の審理から外れた》
    《ツイッターへの不適切な投稿問題で東京高裁の岡口基一裁判官が
     戒告となった。「品位を辱めた」が理由だ。
     だが、さまざまな社会事象への裁判官の考えは、
     個人として発信していいのではないか

   『●三権分立・司法権独立…「国民の信頼を傷付けた」のは
      岡口基一裁判官の方なのか? それとも最「低」裁の方なのか?

 東京新聞の【<社説>岡口判事を罷免 制裁が苛烈に過ぎる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/319197?rct=editorial)によると、《交流サイト(SNS)への不適切な投稿で訴追された仙台高裁の岡口基一判事を裁判官弾劾裁判所罷免と断じた。だが、本当に罷免に値する非行なのか岡口氏の人格を裁いていなかったか表現の自由や裁判官の身分保障の点からも疑問が大きい》。
 琉球新報の【<社説>表現巡る裁判官弾劾 罷免の前例にはするな】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2957878.html)によると、《弾劾裁判所設置権は司法の独立に対する例外として設けられている。刑事罰を受けた裁判官らに対する過去の罷免判決と異なり、「表現の自由が問われた今回の判決は司法の独立に影響し、裁判官を萎縮させるとの指摘もある。今回のケースを裁判官罷免の前例としてはいけない弾劾裁判所による裁判官訴追は厳密に運用すべきである》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/319197?rct=editorial

<社説>岡口判事を罷免 制裁が苛烈に過ぎる
2024年4月4日 07時56分

 交流サイト(SNS)への不適切な投稿で訴追された仙台高裁の岡口基一判事を裁判官弾劾裁判所罷免と断じた。だが、本当に罷免に値する非行なのか岡口氏の人格を裁いていなかったか表現の自由や裁判官の身分保障の点からも疑問が大きい

 岡口氏は既に今月半ばに退官することを表明していた。つまり、今回の判断は裁判官の身分を奪うだけでは足りず、法曹資格をも奪う意味を持つ退職金も出ない苛烈な制裁を国会議員が科したことに強い危惧と警戒感を持つ

 女子高校生の殺害事件などで、13件の不適切な投稿があったとして訴追された。だが、表現行為と相手の不利益を考えれば、岡口氏は既に相応の制裁を受けている。

 最高裁から2度の戒告を受けたし、殺人事件の遺族が起こした民事裁判では東京地裁が名誉毀損(きそん)を認めた。本人も謝罪し、裁判官の職も辞すこれ以上の制裁は行き過ぎではないか

 遺族らの苦しい気持ちは十分に理解するし、SNSでの不適切な発信に厳しい風潮もある。今回の判決でも繰り返し「(岡口氏が)傷つけるつもりはなかったとしても、結果として感情を傷つけた」と述べるなど、遺族らの心情に重きを置く結果となった。

 過去7件の罷免事案は買春などの犯罪や職務上の重大な不正の場合に限られた。それらに該当しないのに、政治家が裁判官に苛烈な懲罰を加えるのは疑問だ

 表現行為で罷免された初のケースでもある。法学者からも「裁判官としての威信を著しく失うべき非行には該当しない」との趣旨の論文が多数、発表されてもいた。

 これでは憲法が裁判官に与える強固な身分保障も軽くなりかねない大衆迎合的な乱用の恐れも出てくる

 岡口氏は専門書を多数執筆し、積極的にSNSに投稿する、異彩を放つ裁判官だったさまざまな社会問題を取り上げ、啓蒙(けいもう)的な投稿が目立った社会の少数派に寄り添う市民派でもあった

 今回の判決で、殻に閉じこもりがちな裁判官がさらに社会と隔絶した存在にならないか心配だ。

 差別発言さえ不問に付す政治の世界の人々が、一裁判官の表現の過ちを容赦なく叩(たた)法曹の資格まで奪う裁判官がより政治の力に萎縮し、及び腰になっては三権分立さえも危うくなる
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2957878.html

<社説>表現巡る裁判官弾劾 罷免の前例にはするな
公開日時 2024年04月05日 05:00

 裁判官弾劾裁判所は仙台高裁の岡口基一判事を罷免とする判決を言い渡した。交流サイト(SNS)への投稿で殺人事件の遺族を中傷したことなどによって訴追されていた。表現行為を原因とする初の罷免である。遺族感情を傷つけたことなど、判事の行為は「表現の自由の許容限度の逸脱」と認定された。


 弾劾裁判所設置権は司法の独立に対する例外として設けられている。刑事罰を受けた裁判官らに対する過去の罷免判決と異なり、「表現の自由が問われた今回の判決は司法の独立に影響し、裁判官を萎縮させるとの指摘もある。今回のケースを裁判官罷免の前例としてはいけない弾劾裁判所による裁判官訴追は厳密に運用すべきである。

 岡口氏は2015年に東京都立高3年の女性が殺害された事件に関する投稿など計13件について、国会の裁判官訴追委員会から21年に訴追されていた。

 岡口氏はフェイスブックに「遺族は俺を非難するよう東京高裁事務局に洗脳されている」と投稿。後に「洗脳」との表現は使うべきではなかったとして削除したが、遺族側は「客観的事実に反する虚偽で、遺族を侮辱するもの」と抗議書を提出した。

 表現の自由は裁判官にも認められる。しかし、遺族からの抗議を受けても投稿などを繰り返した点には行き過ぎがあったと言わざるを得ない。「洗脳されている」との投稿について判決は「遺族の社会的評価を低下させ、名誉を傷つけた責任は極めて重い」と断じた。妥当な指摘であろう。

 弾劾裁判所が罷免を判断する理由の一つに「裁判官の威信を著しく失う非行」がある。非行に当たるかどうかについて今回の裁判体は「裁判官に対する一般国民の尊敬と信頼」を基準にすべきだと判示し、岡口氏の投稿内容を個別に検討した。その結果、一連の表現行為は「著しい非行に該当すると認定した。

 裁判官の独立や表現の自由に関する事柄だけに、限定的に個別検討を加えたのだろう。東京高裁や裁判官訴追委員会を批判した投稿については「裁判官としての表現の自由を尊重すべきだとして罷免理由から外した

 それでも懸念は残る。今回の弾劾裁判について各地の弁護士会からは「裁判官の表現活動を理由に罷免できる先例となるなどとし、慎重審理や罷免しないよう求める意見が上がっていた。裁判官の私的な表現活動を萎縮させるというのが理由である。

 岡口氏が12日で退官予定であったことから、判決には「罷免には疑問が残る」との少数意見も付いた。発生から3年を経過すると訴追できないと法の規定がある。これに該当する行為も訴追に含まれているとして弁護団が批判したが、この意見が考慮されたとは言えない。審理が十分であったかも含め、検証を進める必要がある。
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●三権分立・司法権独立…「国民の信頼を傷付けた」のは岡口基一裁判官の方なのか? それとも最「低」裁の方なのか?

2020年01月04日 00時00分28秒 | Weblog


マガジン9の記事【伊藤塾 明日の法律家講座レポート/国会に告ぐ 講師:岡口基一氏】(https://maga9.jp/190828-2/)。

 《国民、とりわけ社会的マイノリティの人の人権を保障するためには、裁判が公正に行われる必要があり、判断を下す裁判官が外部から圧力や干渉を受けないようしっかりと身分が保障されている必要があります。とくに政治的権力からの干渉については、三権分立司法権独立の観点からより一層慎重にチェックされなければなりません。今年3月、仙台高等裁判所判事の岡口基一氏は、ツイッターへの「不適切投稿」を理由に国会の裁判官訴追委員会から聴取されました。そこに至る一連の流れの中には、三権分立や司法権独立の観点から見たときに、憲法上問題となりうる点が多数存在していた、と岡口裁判官は指摘します》。

 「国民の信頼を傷付けた」のは岡口基一さんの方なのか? 最「低」裁の方ではないのか?

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
            「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
    《▼20年前の代理署名訴訟の最高裁判決の法廷で県側敗訴を
     言い渡したとき、傍聴席からは最低裁のコールがわき起こった
     最高裁は再び同じ罵声を浴びることないよう沖縄の訴えに
     真摯(しんし)に向き合うべきだ

   『●《人権を軽々に扱っている…。合憲違憲が争われた
      戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分》

 いまやアベ様ご指名の最「低」裁の全判事15人も岡口裁判官の訴追に賛成した模様。一人ぐらい、反対する判事はいないのかね? 絶望的だね。そりゃぁ、《傍聴席からは最低裁のコールがわき起こ》るのも、当然。

   『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
     無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》

 木谷明さんは、《冤罪を回避するために法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)に共通して言えることは、無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたることです》とは仰るが、裁判官こそが冤罪を見逃し、再審の扉を重くしている元凶になっていはいまいか。最「低」裁が《人権を軽々に扱っている》元凶。

   『●なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を
      押させる必要があるのか、さっぱり理解不能…国は一体何を意図?
    「どこの社説も、裁判員制度に前向き過ぎて、不思議過ぎる。
     御用広報紙を使い、最高裁がやらせタウンミーティングまで開いて
     導入した裁判員制度だから?」

 司法判断することなく、アベ様らに忖度した政治判断を乱発。《法の支配》から《人の支配へ》と逆行。《裁判所は政治部門からずっといちゃもんをつけられてきました》…《三権分立司法権独立》を守ろうとしない最「低」裁。「御用広報紙を使い、最高裁がやらせタウンミーティング」で、自民党や行政に弱みを握られた?

 岡口基一裁判官の締めのメッセージ…《日本中に法の支配を浸透させるためには、いろいろな場所に法の支配を理解している人が必要になります。法の支配がこの国に定着していけば、日本国憲法にも少しはが入っていくかもしれません》。

   『●『つぶせ! 裁判員制度』読了
   『●「国民の信頼を傷付け」ているのは? 
     …「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」
    《岡口基一裁判官…は謝罪したが…。「米軍基地という面倒な施設は
     沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と
     言及したことも。公平な視線は信頼に値しそうだ
    「《国民の信頼を傷付け》ている「司法」は岡口裁判官でしょうか、
     それとも、沖縄で辺野古破壊や高江破壊に貢献している司法関係者
     でしょうか? まさか、沖縄の市民の皆さんはこの《国民》には
     含まれていない、とでも思っているの?」

   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
              核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    《最高裁判事は十五人いるが、戸倉三郎裁判官は岡口裁判官が厳重注意
     された当時、東京高裁長官だったため今回の審理から外れた》
    《ツイッターへの不適切な投稿問題で東京高裁の岡口基一裁判官が
     戒告となった。「品位を辱めた」が理由だ。
     だが、さまざまな社会事象への裁判官の考えは、
     個人として発信していいのではないか

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https://maga9.jp/190828-2/

伊藤塾 明日の法律家講座レポート
国会に告ぐ 講師:岡口基一
By マガジン9編集部  2019年8月28日

国民、とりわけ社会的マイノリティの人の人権を保障するためには、裁判が公正に行われる必要があり、判断を下す裁判官が外部から圧力や干渉を受けないようしっかりと身分が保障されている必要があります。とくに政治的権力からの干渉については、三権分立司法権独立の観点からより一層慎重にチェックされなければなりません。
今年3月、仙台高等裁判所判事の岡口基一氏は、ツイッターへの「不適切投稿」を理由に国会の裁判官訴追委員会から聴取されました。そこに至る一連の流れの中には、三権分立や司法権独立の観点から見たときに、憲法上問題となりうる点が多数存在していた、と岡口裁判官は指摘します。今回の講演では、具体的な経緯にふれながら、裁判所と政治敵権力の歴史的な緊張関係や近年の裁判所が抱える問題点などについてお聞きしました。


ツイッターをやっていただけで国会に呼び出された

 私はもともと自分を落とす「芸風」でして、下ネタや自分の変な格好などをツイッターに投稿して法律家の仲間たちと楽しんでいました。すると、裁判官が下品な投稿をするのはけしからんと思った人から裁判所当局や国会へクレームを出され、訴追の申立てをされてしまいました。
 そういうときに裁判所や国会が「大人の対応」をしてくれたら何も問題にならなかったのですが、裁判所当局は大問題だと思っちゃったんですね。とにかく私に投稿を止めさせようと、当時7万件ほどあった私のツイートを全部調べて、とびきりお下品なツイート3つを理由に「厳重注意」をしました。厳重注意というのは割と毎年多くの裁判官へなされていて、裁判所も注意を受けた本人も公表しないので絶対に表に出ません。しかし今回は私がツイッターに投稿したため大問題となりました。
 他方、国会の訴追委員会は非常に冷静な対応で一度は処分なしに済ませようとしていました。プライベートなツイッターでおちゃらけているという理由だけで裁判官が罷免になるわけがないからです。ところが、報道により私のツイッターアカウントが有名になったことで、これを問題視する議員が出てきて、最高裁の人事局局長が法務委員会に呼ばれ「どういうことだ」と詰め寄られました。そこで最高裁は私を戒告処分にすることで組織の自浄能力を示し国会を黙らせようとしたのですが、これが逆に野党議員を勢いづかせてしまった。そこに与党議員までが手を組み、挙げ句の果ては私を国会に呼び出すというところまで問題が大きくなってしまいました。
 私はこの4月に東京高裁から仙台高裁に異動したのですが、その異動自体がニュースとして全国紙で一斉に報道されました。ただ楽しくツイッターをやっていただけで全く想定外のことが起きています。


日本国憲法と名ばかりの三権分立

 中学校や高校で三権分立を習ったみなさんは、裁判所は国会や内閣と同等の関係にあると思っているかと思います。ところが実情はそうではありません。戦前、裁判所には司法行政をする権限はなく、司法省の外局くらいの二流官庁的な扱いでした。戦後に日本国憲法ができたことで、裁判所はようやく司法省の支配を離れ独立した組織になりました。しかし、それまでの霞ヶ関の序列が一気に変わるわけもありません。
 欧米で裁判所の地位が高いのは、国民が自分たちで人の支配から法の支配へと、変化を勝ち取ってきた歴史があるからです。しかし、日本の若い人たちは小さい頃から教育によって多数決民主主義が絶対的に正しいと思い込まされています。よって、選挙で選ばれた国会議員こそが最も正当な権力者であり、裁判所が政治に口を出すのはよろしくないと思っている人がほとんどです。
 戦前戦中に多くの人々が国家権力によってひどい目に遭わされたという記憶は時代とともに風化し、現代を生きるみなさんは国家権力に対する警戒感をほとんど持っていません。しかし、日本国憲法の根底に流れているのは、国家権力は信用してはならないという教訓です。国民があのとき学んだ教訓が新しい世代に受け継がれていかなければ、犠牲になった人たちが全く浮かばれません。
 裁判所は歴史的に二流官庁的な役割であったうえ、裁判所の地位を高くするはずの日本国憲法が国民の間で定着してこなかったばかりか、むしろ裁判所が一定の権力をもつことさえ疑問視する国民もいる。よって、日本の裁判所は非常に弱い。このような力関係のもとで、裁判所は政治部門からずっといちゃもんをつけられてきました。その舞台として使われてきたのが裁判官訴追委員会です。


結局、なぜ訴追委員会に呼ばれたのか?

 私が訴追委員会から呼び出されたことについて、一橋大学の渡辺康行教授は「戦後初期ならいざ知らず、表現の自由や司法の独立の意味を学んできたはずの裁判官訴追委員らによる岡口判事の招致は、大変に疑問である」と痛烈に批判しています。
 当然私には訴追委員会からの喚問を拒否するという選択肢もありましたが、自分がどういう理由で呼び出されたのか、訴追委員のみなさんがどういうレベルの人たちなのかを確認したかったので出頭しました。私がやったのはツイッターだけです。これは民法上の不法行為でもなければ、もちろん犯罪でもありません。しかも既に最高裁から戒告処分を受けているので、一事不再理の原則(いったん判決が確定した事件については、再び審理することは許されないという原則)にも抵触します。そういう裁判官を国会に呼び出すからにはよほどの理由があるはずです。
 ちなみに、司法権の独立侵害の可能性がある場面なので、裁判所当局としては本人とともに対策を講じるべき事案だと思うのですが、東京高裁長官や事務局長、私の部長までもが私とこの話をすることは一切ありませんでした。これは組織の危機管理の見地からも、国会から不当な圧力を受けている職員を守るという見地からも問題だと思います。
 さて、実際に国会に出頭してみて分かりましたが、20人いた訴追委員の人たちの多くは「司法権の独立という論点があることすら知らないようでした。3時間以上続いた委員会では重複質問がとても多く、あら探しをしようと私の過去のツイートを何度も読み上げて質問をする委員もいました。しまいには委員同士で言い合いが始まり、私はその様子をぽかんと見ていました。
 司法権の独立すらよく分かっていない人たちが、権力の重みも分からずに裁判官を国会に招致するという、憲法上非常に問題があることをものすごく軽いノリでしているというのは、非常に今の時代を象徴している出来事だったように思います。


対立関係にある自由主義と民主主義

 「立憲的意味での憲法とは、自由主義に基づいて定められた国家の基礎法である」と伊藤塾のテキストに書いてありますね。
 先ほど述べたように、みなさんは多数決民主主義が絶対的に正しいと思い込まされており、それを抵抗なく受け入れていますが、それはみなさんが多数派に属しているからです。仮にみなさんが少数派だったとすれば、多数決民主主義というのは絶望的なものでしかないでしょう。憲法の人権保障や自由主義はとりわけ少数派にとって最後の命綱です。多数決民主主義という多数派の横暴に対して闘う手段が自由主義なのです。その意味で、自由主義というのは多数決民主主義と対立関係にあります。
 三権分立が実際には十分に機能していないこの国で、憲法に何か現実的な意味があるとしたら、より根源的な価値である自由主義の実現だと思います。そのときには、とりわけ少数派の人権保障というのが一つの試金石になります。しか最近の最高裁を見ていると人権保障の観点からも大丈夫かなという疑念が湧いてきますまるで政治部門を忖度したかのような判決を出したり、憲法違反の疑いのある事案について、判決理由を書かないという方法で当事者の主張を完全に無視したりと、裁判所自身が横暴な権力者になり始めています


日本国憲法にを吹き込むために

 いま法律を学ぶみなさんの社会的意義がますます重要になっています。なぜなら、日本国憲法の理念が実現していないという自覚があるのは、法律を勉強している方やその他一部の方だけだからです。多くの方はそういう自覚や認識自体がありません。むしろ、公の場で憲法について議論すること自体を止めさせようとする人たちが現れているくらいです。
 最近の裁判所は全くと言っていいほど政治部門に口を出さなくなってきているため、現在の裁判官は政治的部門について判断をする訓練ができていません。判断をすることについて未熟な裁判官が素人同然に政治部門に口を出すくらいならば、むしろ口を出さない方が国民にとっては安全かもしれません。では人権問題のみをしっかりやっていればいいのかというと、それもまた難しいです。なぜならそういう人権問題というのは必ず政治性が入ってきてしまうからです。人権に関係する判断であっても、気に入らなければ保守派は容赦なくプレッシャーをかけてきます。
 日本国憲法に70年経っても魂が入らない原因の一つに、そもそも日本人が法律というものをあまり重視していないことがあるのではないかと思います。この国では物事を決めるときに、法律ではなく人情とか根回しとかコンセンサスとかで決めるという国民性があります。今問題になっている吉本興業の問題然り、日大アメフト部の反則タックル問題、日本オリンピック委員会、財務省、厚労省、経産省、防衛省などが抱える問題、全てそうです。しまいには最高裁自身も「法の支配」より「人の支配」に傾きつつあります
 今後みなさんがどういう道を進むことになっても、法律を学んだことはそこで活かされます。日本中に法の支配を浸透させるためには、いろいろな場所に法の支配を理解している人が必要になります。法の支配がこの国に定着していけば、日本国憲法にも少しはが入っていくかもしれません。


岡口基一氏(仙台高等裁判所判事)
大分県出身。1990年、東京大学法学部卒業。91年に旧司法試験に合格し、94年4月、浦和地方裁判所判事補となる。東京地方裁判所知的財産権部特例判事補、福岡地方裁判所行橋支部判事、東京高等裁判所判事などを経て、2019年から仙台高等裁判所判事。『要件事実入門 紛争類型別編』(創耕舎、2018年)、『裁判官は劣化しているのか』(羽鳥書店 2019年)、『最高裁に告ぐ』(岩波書店、2019年)など著書多数。
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●「国民の信頼を傷付け」ているのは?…「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」

2016年09月12日 00時00分27秒 | Weblog


沖縄タイムスの阿部岳記者によるコラム【[大弦小弦]「ブリーフ裁判官に厳重注意」…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/60632)。

 《岡口基一裁判官…は謝罪したが…。「米軍基地という面倒な施設は沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と言及したことも。公平な視線は信頼に値しそうだ ▼ところで、辺野古新基地の訴訟で国側を代弁する定塚誠氏も東京高裁の裁判官だった…県側から見ると相手に裁判長の身内がいるのだ。公平性はかなり疑わしい。岡口氏の処分理由は「国民の信頼を傷付けた」だったが、こちらの方がよほど信頼を傷付けている》。

   『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官
    《井戸謙一さんに聞く司法と原発
    《――原子力政策に限らず、「国策」に反する判決は多くありません。
     裁判官が法務省に出向し、行政訴訟で国側の代理人をする人事制度も
     あります。司法の構造的な問題ではないでしょうか。 
       「人事交流は、マイナスだけではありません。裁判官は行政内部の
        事情をよく知りません。原告を勝たせたときに、行政にどれほどの
        影響があるか見えないので、慎重になりすぎてしまう。法務省に
        出向してみると、原告勝訴でも行政は対応できるものだとわかります」 
       「多くの裁判官は、まじめに仕事をしていると思います。しかし、慎重な人が
        多いのも事実です。裁判官が世論の後追いをしていては裁判官の
        存在意義がありませんが、世論からまったく自由であるとは言えません。
        一部の人たちが強く反対していても、国民の大多数が原発を
        受け入れている段階で『危険だから止めろ』という判決は、かなり勇気が
        必要かもしれません」》

   『●司法と原発裁判: 裁判所と法務省の人事交流
    「反対派による原発裁判はこれまで2件の勝訴しかない。
     それも上位審でひっくり返されている。連戦連敗。松下竜一さん流に
     云えば、「負けた負けた」の連続である。
      どうも、その根源は「裁判所と法務省の人事交流」にあるようだ。
     《法務官僚(訟務検事)に任用された裁判官が、原発訴訟で国側代理人を
     務めて「原発は安全だ」と主張する。そうした人物が元の裁判官に戻った後、
     原発の安全性を公正、公平に判断できるのか。人事交流が原発訴訟に
     「深刻な影を投げかけてきた」》そうだ」

 異様な辺野古破壊訴訟沖縄県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という異常さ。どうも、よりによってなタイミングで福岡高裁那覇支部に就任してきた多見谷寿郎裁判長は、アベ様らを見上げてばかりいる「ヒラメ裁判官」ではないか?、という疑いがささやかれています。しかも、この辺野古破壊訴訟の国側代理人の定塚誠氏も《裁判長の身内》だそうです。「ヒラメ裁判官」の可能性のある裁判官の下、国側に《裁判長の身内がいるのだ。公平性はかなり疑わしい》訳です。《野球の審判がいきなり相手チームに入るようなもの》。
 辺野古や高江をはじめとした沖縄には、「正義」はなのでしょうか? 沖縄で「不正義」が罷り通っていることを、「本土」マスコミや政治家は見過ごしていていいのでしょうか?
 《岡口基一裁判官…は…「米軍基地という面倒な施設は沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と言及》したそうです。《国民の信頼を傷付け》ている「司法」は岡口裁判官でしょうか、それとも、沖縄で辺野古破壊や高江破壊に貢献している司法関係者でしょうか? まさか、沖縄の市民の皆さんはこの《国民》には含まれていない、とでも思っているの?

   『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
          よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任
   『●「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」: 
               「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら
   『●自公支持者の皆さんへ、宮崎駿監督
     「辺野古の海は残しておいた方が絶対沖縄の人のためになる」
   『●アベ様による辺野古破壊の「中止」「中断」は「断念」に非ず
   『●県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という
      異様な辺野古破壊訴訟…そもそも「違法」を口にする資格は?

   『●金平茂紀さん、「No Justice No Peace.
      (正義のないところに平和は来ない)…高江には、ない」
    「「本土」マスコミ、司法が機能せず、アベ様や「沖縄負担軽減担当相
     最低の官房長官らによる辺野古破壊、高江破壊は進みゆく。
     「正義」は無いのか? 今日も、いまも、不当な逮捕・拘束など
     数々の「不正義」が横行している」
    《沖縄で目を覆いたくなるような無法状態が横行している。…実は、沖縄の
     米軍基地の存在そのものが、無法状態を招いている根源的な問題
     としてある》
    《これらの出来事は、本来の司法の機能が健全に働いていれば、
     何らかの歯止めが作用するものである。警察も検察も、大きな意味では、
     法をつかさどる職業だったはずである。そして裁判官は「司法」の最たる
     守護者だったはずである
    《法廷では、裁判長が翁長知事に対して「県が負けて最高裁で判決が
     確定したら取り消し処分を取り消すか」とただしたそうだ。審理中に
     まるで県が敗訴することを前提にするかのように最高裁の確定判決に
     従うかどうかを質問したのだから、ユニークといえばユニークな裁判長
     
である。判決はこの裁判長によって9月16日に言い渡される。
      司法が機能しない国は無法がはびこる

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/60632

[大弦小弦]「ブリーフ裁判官に厳重注意」…
2016年9月5日 10:23 阿部岳 裁判・司法

 「ブリーフ裁判官に厳重注意」というニュースがあったのをご存じだろうか。東京高裁の岡口基一裁判官が6月、ツイッターで不適切な投稿をしたとして高裁長官からおとがめを受けた

▼内容はSMの女王様に縛られたという上半身裸の写真や「白ブリーフ一丁写真とかも、どんどんアップしますね」というコメント

▼黒い法服のお堅いイメージからかけ離れているだけに、「こんな人に裁かれたくない」という声もあるようだ。だが、裁判官も1人の市民。私生活や表現の自由は最大限尊重されるべきだ

▼岡口氏は謝罪したが、投稿は続けている。警察や検察の不祥事には手厳しい。「米軍基地という面倒な施設は沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と言及したことも。公平な視線は信頼に値しそうだ

▼ところで、辺野古新基地の訴訟で国側を代弁する定塚(じょうづか)誠氏も東京高裁の裁判官だった。交流人事で法務省訟務局長になり、県側を追及してきた。今後裁く側に戻る可能性もある

▼こうした慣習は国会でも「野球の審判がいきなり相手チームに入るようなもの」などと批判されてきた。県側から見ると相手に裁判長の身内がいるのだ。公平性はかなり疑わしい。岡口氏の処分理由は「国民の信頼を傷付けた」だったが、こちらの方がよほど信頼を傷付けている。(阿部岳)
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