O's Note

いつまで続くか、この駄文

速報

2007-06-15 17:51:12 | 仕事(第1業務編)
 今日は、原価計算論の中間試験を実施しました。
 試験終了後、早速第1回目の採点作業。そしてたった今終わったところ。
 この後、再度点検をして最終得点を出しますのでまだ確定していないものの、第1回目の採点結果は、30点満点中、平均が17点ぐらい。得点率56.6%。得点率60%を目指して作問していますのでやや低い結果が出ています。
 得点率が高いだろうと思って出題した問題で皆さん苦戦したようです。なかなかうまくいかないものですね。

Microsoft NPO Day 2007

2007-06-14 22:22:54 | NPOな日々
 今日は終日、Microsoft NPO Day 2007に参加しました。
 このイベントは昨年から始まったようで、昨年は東京、福岡、大阪で開催され、今年は東京、札幌、名古屋で開催されています。札幌は今年2回目の会場でした。当初、200名の動員目標に達しないのではないかと心配する声もありましたが、会場はほぼ満員でした。
 主催者が主催者だけに、全体的な基調として「ITを活用してNPO活動をしよう」ということに焦点が当てられたセミナーでした。「なぜMSとNPO?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、営利企業MSにとってはCSRの一環。CSRを遂行しながら有望な市場である「NPO業界」にコミットできるわけです。
 参加したいずれのセッションもそれなりに面白かったのですが、やっぱりすべてのNPO法人にとって最大の関心事を採り上げた「ファンドレイズのためのIT活用術」は興味深い内容でした。
 NPO法人にとってファンドレイズ(資金調達)は、人材を得ることとともに難しい問題です。
 ファンドレイズの一つの方法に寄附集めがあります。すでにNPO関係の調査やリポートなどで指摘されているところですが、日本に寄附文化がないわけではなく、それでも寄附集めが難しいのはなぜか。
 ファシリテーター役の松原氏は、NPOに対する寄附が少ないのは寄附を行っている人々にNPOそれ自体の活動が認知されていない、あるいはNPO法人が信用されていないことが原因であるという発言をしていました(以前にも聞いたことがありますが)。
 そうした中で、実際にITを活用してファンドレイズしている団体としてチャイルド・ケモ・ハウスや、認定NPO法人難民を助ける会の事例報告は傾聴に値する内容でした。
 ITを活用すれば濡れ手に泡のごとく寄附が集まるということはありませんが、インターネット環境整備のための初期投資さえ行えば、その後は寄附集めのための特別の投資は基本的に不要であり、あとは、そのNPO法人の活動を知ってもらうことだけに力を注げばいいわけです。
 ではインターネット環境を整えたとして、どのようにその活動を知ってもらうか。
 その方法を巡るノウハウを扱ったのが分科会セミナー2「NPOのためのITコミュニケーション術」でした。このセミナーでは4名のリポーターがそれぞれの立場からITコミュニケーションの「ツボ」を紹介していました。もっとも、話の内容はNPO固有の内容というわけではなく、あらゆる組織で必要な広報戦略、SEO(サーチエンジン最適化)術、あるいはIT利用から派生するリスク管理などで、汎用性がある内容でした。とりわけSEOについては、MSNの担当の方がいろいろなツールを紹介してくれましたので、今後、自分で試してみたいと思います(結果はブログネタかな)。
 Microsoftが主催でしたので、当然、利用するOSはVista。当然プレゼンはPowerPoint2007。パソコンの機種自体、どこのメーカーかはわかりませんでしたが(Lenovoのような・・・)、動画などもバンバン利用し、「メモリは2ギガかしらん」と余計なことにも関心。「エアロっていうのはこうやって利用すると効果的なのね」とも。(苦笑)
 閑話休題。
 ファンドレイズで失敗する、あるいは気付かない点として、松原氏が指摘していたことは、多くのNPO法人は「お金をもらえばそれっきり」ということ。事業を推進するプロセスでお礼の言葉もなければ、お金をどのように使ったのかという報告もないことが多いそうです。もし礼状を出したとしても毎年同じ文面。これでは、寄附をした人は継続してそのNPO法人に寄附して活動を支援しようとする気にならないでしょう。
 この点は、NPO法人に決算書を含む事業報告義務が法的に要請されているにもかかわらず、都道府県に提出する時だけ税理士に依頼して日常的には何もしない、あるいは事業報告すら提出しないということにつながります。法人である以上、事業の継続性を追求することは当然のことでしょうし、継続した事業を行うためには、自己資金ばかりではなく会費や寄附など、他人のお金を活用する必要もあるでしょう。他人のお金を利用するからには、そのお金の使い道についてアカウンタビリティが生じます。
 しかし、このような考え方ができない、あるいは身についていないために、結果としてNPO法人の会計に対する意識の低さにつながっているのかもしれません。NPO法人も企業と同じなのだということを啓蒙する必要があるなということを再認識して会場を後にしました。

暑い日々

2007-06-13 22:22:36 | 多分駄文
 昨日に続いて今日も暑い一日でした。
 最高気温は27度。
 風もなく、ことさらに暑く感じました。
 全国の天気を見ると、本州よりも暑いようで、道内の地域によっては30度を超したところもあるようです。
 今時の本州のジメジメした暑さとは違って、カラリとした暑さで、直射日光さえ避ければ、何とかしのげるのですが、皮膚が寒冷地仕様になっているので、27度ぐらいでも暑く感じてしまいます。
 この季節、一番困るのは、研究室に西日が直線的に差し込むこと。
 ちょうどデスクとパソコンの場所にスポットライトが当たるようで、午後からは仕事になりません。
 『一雨欲しいよな』と思って夕刊を読むと明日は午後から雨になるようです。
 でも明日は終日、学外で勉強会。せめて歩いているときは雨が降らないことを祈ります(って、都合のいいことをいってますな)。

kirariでBBQ

2007-06-12 23:58:35 | 学生と教員の会
 今日は、ゼミ終了後、kirariでバーベキューを楽しみました。
 今日の幹事は、H君。
 H君が講義の関係で遅れて参加することになりましたが、その代役としてK君が引き継いでくれて、18時過ぎから楽しくバーベキューを行いました。
 参加のゼミ生の皆さんは、小生がブログを書いていることをご存じのようで「ぜひイニシャルトークに参加したい」という声が。(笑)
 そこで、今日の参加者をイニシャルで紹介すると、幹事のH.T君、幹事代理のK.K君。そしてBBQを仕切ってくれたS.S君やM.A君。こげの付いたお肉や野菜をひたすら食べてくれたM.Y君。
 女性の皆さんは、梅酒をしみじみ飲んでいたU.AさんとY.Yさん。マイペースのU.Aさん。そしていつも「わらかしてくれる」M.YさんとN.Eさん。
 小生を含めて総勢11名。
 一次会のあと、近所の公園で地味に(苦笑)花火をして、その後kirariに戻って二次会。黒ひげ危機一髪をやりながら、小生の発案でバツゲーム「宇宙遊泳」をやって大笑い。
 今日は、kirariに宿泊するH.T君、K.K君、S.S君、そしてM.YさんとN.Eさんを残して、帰宅組みは帰路につきました。
 今日は最高気温が28度ぐらいまで上がり、風もなかったこともあって最高のBBQ日和でした。
 でも、困ったことが一つ。
 kirariは森に近いこともあって、BBQ後半は蚊に悩まされました。
 今度は蚊取り線香持参でBBQをしましょう!

Death of God

2007-06-11 22:31:23 | 涜書感想文
 JSA、シュリ、シルミド、そしてチャングムさん。
 韓国の映画やドラマをそれほど見ることはありませんが、JSA、シュリ、シルミドは韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の南北分断をベースにし、同一民族が敵対する二つの国に分断されたことによる人間模様を描いている点で共通点があるように思います。
 そして、それらの映画とチャングムさんとの共通点は、とにかくハラハラドキドキするストーリー展開ということに尽きるでしょう。チャングムの誓いなど、50話以上の連続ドラマでありながら、毎度毎度チャングムさんが危機にさらされ、思わず「頑張って!」と声をかけたくなったほどです。(笑)

 ところで、生協で何気なく手に取った本(だいたい何気なく手に取ることが多い。苦笑)。韓国の作家が書いた本です。

金辰明著/白香夏訳『中国が北朝鮮を呑みこむ日』(ダイヤモンド社、2007年5月)

 一言でいって、これまで小生が読んだ本の中でもっとも面白い本の一つになりました。
 とにかくスケールの大きさと危機の連続。先に挙げた映画やドラマに引けを取りません。これぞ韓国作品といった感じです。
 かてて加えてストーリーの面白さ。
 主人公は、カリフォルニア大学バークレー校の韓国人教授キム・ミンソ。彼がサバティカル休暇を取っている最中の物語としてストーリーが展開します。
 最初は、バークレー校の女子学生が殺人容疑をかけられているところをキム教授が助けるところから始まるのですが、それが、やがてはキム教授を中国、北朝鮮、韓国にまたがる大事件に巻き込むことになります。
 本書は4ページほどからなる「著者まえがき」から始まります。最初に読んだときには、それほど重要な内容ではないと思っていたのですが、すべてを読み終えてもう一度読み直すと、物語で出てきたキーワードがほぼ出ていたことに気付きました。
 キーワードは、東北工程、広開土王碑の読み取れない三文字、幽州刺使の鎮、その鎮が残した帖。
 東北工程は中国政府による中国東北部(満州)に関する歴史プロジェクトだそうで(ここでの満州は、いわゆる傀儡政権としての満州とは違っていて、もっと古い時代の地域をあらわす言葉として用いられています)、これと広開土王碑に書かれた文字、そして幽州刺使の鎮が残した帖(玄武帖)に書かれた文字を巡って、中国と北朝鮮、そして中国と韓国の歴史解釈の問題が題材とされています。
 広開土王碑が5世紀に建てられたこと、その時代は高句麗・新羅・百済の時代であること。このことが、現在の中朝、中韓関係に結びつけられているわけです。1,500年間をまたにかけたストーリー。これが本書のスケールの大きさの一つ。
 そしてもう一つが、地理的・政治的スケールの大きさ。なにしろ、キム教授はカリフォルニアに在住の設定で、その地においても事件は発生するのですが、大きな事件を追って韓国に戻るのはもちろん、時に中国に飛び、時にカンボジアに飛ぶ。しかも、中盤にはジミー・カーター元大統領も登場しますし(キム教授に訪朝した際の南北首脳会談の裏話を聞かせます)、最後の一番いい場面では金正日国防委員長も登場します(キム教授と電話で話をします)。凄すぎる!
 そればかりではなく、天安門事件発生時の趙紫陽総書記や小平氏まで登場します。
 だからといって荒唐無稽なストーリーというわけではありません。むしろ、そういった要人が登場することで「さもありなん」と思わせてしまうところがミソです。

 さて本書は、ある種ミステリー小説といえますので、ストーリー展開と謎解きをここで詳しく書くわけにはいきません。
 しかし、先に紹介した著者まえがきには、次のように書かれています。

 南北首脳会談を最初に提案した金日成。
 米国がお膳立てする南北会談を執り行うことで、米国の力を借りようとした金日成。
 彼はなぜ、長きにわたり同胞関係を維持し続けていた中国から離れようとしていたのか。彼が気づいた中国の野望とは、いったいどのようなものだったのか?
 もしかしたら私たち(韓国)は、金日成が逃れようとした中国の野望に向かって、歩を進めてはいないだろうか。
 私は、韓国社会が東北工程の陰謀を正しく理解しなければならないと考えている。東北工程には、中国が思い描く東北アジアにおける朝鮮半島の姿がまざまざと映し出されているのだ。[p.7]

 上記の著者の言い分は「ホントかいな」と思わずにはおれない部分でもありますが、少なくとも中国、韓国、北朝鮮に関する歴史的・政治的問題は、我々にはなかなか理解できないものでもありますし、著者まえがきもまた物語の一部と考えて、「そう考えるのも一つ」と割り切って読むことが肝要でしょう。

 また、上記に続けて、次のように述べています。

 この小説は、金日成が殺害されたという推測を出発点としつつ、朝鮮半島を巡り、現在秘密裏に進められている恐怖のシナリオを読者の目の当たりにすべき執筆したものである。[p.7]

 物語の前提として、大胆にも「金日成暗殺」を置いています。本書では、金日成暗殺説をうまい具合に表現しており、ここも読み所の一つです。ちなみに原題Death of Godの意味するところは金日成の死ではなく、金正日の死のようです。なお、「神が死んだ日=中国が北朝鮮を呑みこむ日」とつながるようです。

 いずれにしても、そんな難しいことを考えず、ハラハラドキドキするストーリー展開を大いに楽しむことができる本。それがこの本だと思います。

[追記]
 本書は、ダイヤモンド社のページで「立ち読み」ができるようになっています。「電子ブックを開く」からさわりの部分をどうぞ。

家庭菜園そしてBBQ1回目

2007-06-10 22:01:43 | 多分駄文
 午後からのパイレーツの試合前、午前中に家庭菜園の苗植え。
 昨日買ってきた苗に、今日、さらに別の種類の苗を買い増しして植苗。ついでに昨年残した小松菜とダイコンのタネも植えました。
 でもって、畑仕事をすると、なぜかBBQがしたくなる。(笑)
 パイレーツの試合が終わって帰宅後、今年初のBBQ。
 今年はバーベキューコンロを新調。
 市内中心部や西の地区では夕方頃から雨がぱらついたようですが、我が家の周辺は風はあったものの雨も降らず、それなりに楽しめました。

若い海賊たち、頑張る

2007-06-10 21:08:28 | 海賊たち
 今日は午後から当別にある大学のグラウンドで春季オープン戦第3戦。相手は昨季ビッググリーンを破ったゴールデンベアーズ。
 「オープン戦だからね」と高を括って観戦(内心、一発かましたれ!)。
 会場に着くと、早速、監督から「4年生が故障でほとんど出場できません」と宣告。
 『こりゃ、一方的な試合になるかな』と諦めつつ試合開始。
 1Q早々、ゴールデンベアーズ2回の攻撃でそれぞれTDを決められて0-14。
 『1Qでこれじゃ』と思っていると、ゴールデンベアーズのミスにつけ込んでTD。
 その後の展開は、相手のミスにも助けられたこともありましたが、プレイヤー、ベンチの息もあって、3Qには29-24とリード。
 そばで解説をしてくれるOBのW君によれば「彼も1年生ですよ」という解説が随所にありました。4年生の半分が出場できない中、1年生がずいぶん頑張ってくれました。
 「これじゃ、4年生はいらないじゃん。」と小生。
 「ははは」と苦笑したのはW君。
 終わってみれば、29-38と負けてしまいましたが、今シーズン3戦目にして初めてゲームを楽しめた感じがしました。
 でも、4Q最後の3分でTDを取られてしまったということは、やっぱり4年生がいないとゲームが締まらない、ということでしょうね。
 

野菜の苗

2007-06-09 21:21:29 | 多分駄文
 今日もいい天気。
 ヨサコイソーランも盛り上がっている様子(TVのニュースでしか見ないけど)。
 勤務先からの帰宅途中に野菜の苗を買い求めました。
 「これ、シシトウだけど。」
 小生が、いくつかの種類の苗をより分けているところにお店の女主人が現れました。
 「Oさんが欲しいのはシシトウではなくこれでしょ。」
 小生が野菜の苗を買い求めるお店はクリーニングの代理店。(苦笑)
 正確にいえば、元々お花屋さんだったところですが、そして今でもお花屋さんなのですが、副業としてクリーニングの代理店を開業しました。小生、クリーニングのお店としてそのお店を利用していますので、お花屋さんというよりクリーニング屋さんという印象が強いわけです。
 そのクリーニング店の女主人は、毎年小生が買い求める苗を覚えていてくれて、今日も小生の顔を見るなり、声をかけてきたのでした。
 その苗とは、激辛ナンバン。(笑)
 近隣のお店では、ナンバンは売っていても、あえて激辛と表示して売っているのはこのクリーニング屋さんだけ。女主人に聞けば、わざわざ指定して仕入れてくるのだとか。
 「最近はあまり売れないんですがね。でもOさんが買ってくれるから。」
 うれしいことをいってくれるじゃないですか。
 でも小生が買うといっても、せいぜい3~4本。今日見たところ、苗は20本ほどありましたので、買い求めるのは小生だけということでもないと思われるのですが。
 ところで、この激辛ナンバン。昨年は失敗しました。
 ピーマンとナンバンを同じ畑に植えると、ナンバンの辛みが無くなり、一方でピーマンがナンバンの香りを持ちます。この知識は持ち合わせていたので、昨年は、ピーマンを畑に、ナンバンをプランターで育てたのですが、意に反して辛くないナンバンになってしまいました。
 そこで今年はピーマンはやめてナンバンを畑に植えることにしました。
 あいにく、日中から夕方にかけて風が強く、今日の作業は中止。
 明日朝、植苗しようと思います。

グラスカッター1回目

2007-06-08 21:11:24 | 多分駄文
 今日は風が吹いていたものの、太陽燦々でいい天気でした。
 勤務先は水曜日から体育祭で講義は休講。
 体育祭も最終日ともなると、学内は学生さんの姿もまばら。
 日中は研究室で仕事をしたものの、16時過ぎには帰宅。
 帰宅後、クローバーやタンポポが好き放題に伸びていましたので、今シーズン最初の裏庭の掃除。
 掃除といってもグラスカッターでビュンビュンと草をカットするだけですが、小一時間もやると、見違えるように綺麗になりました。
 気温もそれなりに高くなってきましたし、そろそろ家庭菜園も始めますかね。
 

アトーダタカシ

2007-06-07 20:50:00 | 涜書感想文
 タイトルに惹かれて久しぶりに阿刀田高の短編集を読みました。

 阿刀田高『脳みその研究』(文春文庫、2007年5月)

 阿刀田高氏については小生がとやかく紹介するまでもないでしょう。5月末には日本ペンクラブの会長に就任したと報道がありましたし、短編の名手として名高い作家ですよね。
 小生、学生時代に最初に読んだのが『冷蔵庫より愛を込めて』だったように思います。その後、直木賞を受賞した『ナポレオン狂』を読んで、ゾクゾクする感覚にしびれ、講談社文庫を中心に網羅的に読みました。本棚の本を数えてみたら78冊。『脳みその研究』は79冊目ということになります(たまたま並んでいたのを数えただけなので78冊が正確な数字かどうかは怪しい・・・)。まあ、それだけ「凝った」というわけです。
 ところがここ数年、「阿刀田高」本から遠ざかっていました。
 というのも、ギリシャ神話だの、旧約聖書だの、コーランだの、扱う題材が教養志向のものが多くなってきて、阿刀田高氏に期待する「何だかゾクゾクする感覚」が得られなくなっていたからでした。
 それが、何気なく書店で手にした『脳みその研究』。
 9つの短編で構成された本書は、どれがいいと決められないくらい味わい深いストーリーばかりで、久しぶりに阿刀田高ワールドを満喫し、一気に読んでしまいました。

 その中で、ドキリとしたことがあります。
 ちょっと前に、「泣かせる本が読みたーい」と書いたら、四階の住人さんから谷崎潤一郎『少将滋幹の母』がおすすめとコメントがありました。『以前、読んだことがありそうでなさそうで』と思いつつ読んでいると次のようなくだりが・・・。

 芝居ばかりではなく、小説のたぐいも人並みには読んでみた。
 ここでは圧倒的に谷崎潤一郎に引かれた。わかる人にはわかるだろう。私にはふさわしい。この作家との出会いは文字通りのビギナーズ・ラック、多少の予備知識がないでもなかったが、とにかく初めに読んだのが〈少将滋幹の母〉。いっぺんで魅了されてしまった。
 -すごい-
 めくるめく思いで読み終え、その夜は興奮のあまり眠られなかった。谷崎の小説やエッセイを次々に漁ってみたが、残念ながら〈少将滋幹の母〉ほどの感動は得られない。(「狐恋い」)

 この短編では、これ以降、実際に『少将滋幹の母』(新潮文庫刊)から引用が行われ、しかも母子再会の場面も引用とともに展開されています(うーん、やっぱり読んだことがあるような)。
 実は、この「狐恋い」という短編は、『少将滋幹の母』のような運命的に引き裂かれた母子にある愛情表現がベースにあるからこそ、そしてそれがクライマックスにつながる前段で引用されているからこそ、ブラックな大団円が活きてきます。
 久しぶりに読んでみて、『奇妙な味のする短編、健在だな』と思った次第。

議事録署名人

2007-06-06 22:11:44 | 多分駄文
 先日出席した某財団の評議員会。
 実は、評議員会に先立ち、事務局から「議事録署名人になってほしい」「ついては議事録に署名して押印するとともに、押印に使った印鑑の印鑑証明書も取っていただきたい」と依頼されていた(印鑑証明発行費用350円は受取り済み)。
 今日、事務局の女性がA3サイズ二つ折りの議事録を持ってきた。
 議事録の内容を確認して署名、押印。印鑑は印鑑証明と同じものを、と依頼されていたので、久しぶりに実印を押印。朝のうち区役所に赴いて印鑑証明を取ってきたので、署名押印した議事録とともに印鑑証明書を差し出した。この間、約5分。
 事務局の女性がお帰りになった後、ふと考えた。
 『議事録署名人など滅多に体験できない。これはブログネタになる!』
 疑問に思った点は、議事録署名人の押印はなぜ実印でなければならないのか、そしてなぜ印鑑証明書を添付しなければならないのか。
 早速、インターネットで検索。
 ?
 簡単にわかると思っていたのに、あれこれキーワード検索をしてみたが、「実印を使い印鑑証明書を添付する」という手続きを定めた法令がまったく引っかかってこない。
 仕事柄、公益法人に関する書物も数冊持っているのでそれをひもといても、それらしき文言が見あたらない。
 結局、断続的にあれこれ調べてみたもののブログで自慢できるような(苦笑)根拠にぶちあらず帰宅。
 何だか、ノドに小骨が引っかかった感じ。
 誰か教えて!

遠い存在ではありますが・・・

2007-06-05 21:57:37 | 多分駄文
 今日、帰宅後夕刊を読んでいたら、夕刊社会面に訃報がありました。
 澤田誠一さん。享年86歳。

 小生、直接本人の顔を拝見したことはありません。しかしこの名前は忘れることができません。
 1992年に札幌に来て、初めて住み始めたアパートは地下鉄霊園前駅(現南平岸駅)にあって、住所は平岸1条15丁目。
 このアパート、引っ越してきた時にはほぼ完成していたものの、お庭や物置などが未整備の状態でした。
 思い出深いのは、月々の家賃を、毎月、決められた期日までに大家さんの銀行口座に振り込まなければならなかったことでした。「自動振替にできないのですか?」と仲介業者に聞いてみたのですがそれはできないようで、仕方なく3年以上にわたって、毎月期日までに、やや遠い銀行の窓口まで行って振込をしていました。
 振り込む際に記入したのが大家さんの名前と口座番号。
 その大家さんの名前が澤田誠一さんでした。
 アパートに住み始めてしばらくして知ったことですが、澤田さんは、我々が住むアパートのすぐ近くに居を構えていて、周りに塀があって、塀の中には木々が植えられ、鄙びた感じではありましたが、趣のあるお宅でした。
 そしてその後、現在の地に引越をしてさらに知ったことは、澤田さんが文学者であったことでした。
 今日の夕刊では澤田さんは元財団法人北海道文学館理事長であり、直木賞候補にもなったとか。
 当時、地元の方に聞いた話では、昔はリンゴ農家が多く、澤田家も広大なリンゴ畑を営農していたとのこと。
 大家と店子の関係ではありましたが、何だか印象深い方ではありました。
 合掌。

声に出して読めない日本語

2007-06-04 21:24:15 | 涜書感想文
 2年ほど前から地元新聞で始めた「声に出して読む○ーシン」運動(○ーシンは地元新聞の略称。ちなみに「運動」かどうかは不明)。DSでブレークした東北大学の川島教授にあやかって始めたようです。新聞を声に出して読むと脳が活性化されるそうです。
 ところで、ちょっと前から読んでいた本があります。

久島茂『はかり方の日本語』(ちくま新書、2007年3月)

 久島先生は意味論・国語史を専攻する大学の先生で、日常的に使われている言葉のうち、はかり方に関する言葉で疑問に思うものを挙げて、その考え方を紹介したのが本書です。
 たとえば、その帯広告では次のような疑問を挙げています。

・「一日中」とはいえるのに、なぜ「一時間中」とは言えないのか?
・戦争は数えられるのに、平和が数えられないのはなぜか?
・「2センチ長い鉛筆」は、なぜ長さが2センチの鉛筆ではないのか?
・球も円も区別しないで、「まるい」という理由は?

 実はこの帯広告につられて買ったのですが、読み進めていくうちに、どんどん深みにはまっていく感覚を覚えてしまいました。
 というのも、日常的には感覚的に使っている日本語の持つ意味の深さに気づき、読めば読むほど難しく感じ、「最後までたどり着けるだろうか」と思ったのもしばしばでした。
 たとえば、帯広告に出ていた「一日中」とはいえるのに「一時間中」とは言えないのは、一日と違って、一時間には始まりと終わりが不確かだからだそうです(p.54)。
 戦争は1回2回と数えられるのは、戦争が原因を持った特別な出来事であり、一方、平和は特定の対象を指しにくいため数えられないそうな(pp.43-44)。
 こういったかぞえ方に関する言葉の意味が、どんどん紹介されていきます。
 その中でも、『面白いな』と思ったことがあります。
 それは日付の例。本書では、次のような新聞記事がいくつか採り上げられています(pp.85-86)。

「会期は三月二十六日までの二十九日間で、三月一、二日に予算案に対する質疑がある。」(『朝日新聞』2001年2月27日)
「ほとんどの高校で四月九、十日に入学式がある。」(『朝日新聞』2001年3月20日)

 さて、これを声に出して読んでみてください。
 久島先生は、これらを疑問の残る書き方であると述べています。
 たしかに、新聞などでよく見る表現ですが、「一、二日」や「九、十日」という書き方は、声に出して読もうとすると、感覚的にでさえ読むことができません。久島先生は次のように推察しています。

「結局、『一、二日』は『いちにち、ふつか』とは読めず、また『いち、ににち』と読むのも普通ではない。あるいは『いち、ににち』と声に出して読むことはなくても、書き言葉として、こう読んでいるのかもしれない。」(pp.87-88)

 そして面白いことに、日付や日数で一や十が絡むと読みにくくなっても、「二、三日」「三、四日」になると読めるようになるそうです。読んでみるとしっくりきますよね。
 日本語って不思議ですよね。(日本語を勉強する海外の方々の苦労が忍ばれます。)

だらら~ん

2007-06-03 22:09:32 | 多分駄文
 今日は朝から悲しいほどいい天気。
 それに引き替え体調はイマイチ。
 食事も取れてそれなりにフツーに過ごしたものの、だらら~んと過ごした感は否めない。
 もしかして怠け病?
 そりゃ、たしかにありそうな・・・。(苦笑)