子どもが「ピアノの先生に、メトロノームを買ってくださいといわれた」といいに来た。4,000円ぐらいのものでいいとのこと。
早速、楽器屋さんに買いに行く。
メトロノームといえば、小学校や中学校の頃、グランドピアノの上に置いてあった、木製の三角形のものを想像する。
さすがに時代は変わっていた。
もちろん、木製で、三角形で、YAMAHAのロゴが入ったメトロノームもあることはある。しかし、樹脂でできていて、カラフルなものが幅をきかせていた。
「最近はこれがよく出てますね」「メトロノーム出荷No.1はSEIKOですからね」
物色中の我々に、近寄ってきた男性店員が説明し始める。
「メトロノームといえば、YAMAHAじゃないの?」と小生。
「確かに楽器に関連するといった点で考えればそう思いがちですが、何より時を刻むといえば、やっぱりSEIKOでしょう。」と、にこやかな中にも『これしかない!』といった雰囲気を漂わせる店員。
『たしかに・・・』
そのSEIKO製のものを見ると、色がほとんど同じでありながら500円ほど値段が違うものが並んでいる。小生が質問しようとすると、すかさず店員は、
「こちらはスケルトンです。ほら、中が見えるでしょ?」
「ふーん」
「一方、こちらは中が見えない。」
「ふーん」
「中が見えるか見えないかの違いが値段の差になっています。性能はどちらも同じです、ハイ。」
正確に時を刻みさえすれば、中が見えようが見えまいが関係ない、と思うのは大人。
一緒にいた子どもが選択したのは、黄色のスケルトンだった。