O's Note

いつまで続くか、この駄文

チトがっかり

2008-07-30 22:22:22 | 仕事(第1業務編)
 昨日は2科目目の定期試験。
 この科目は2年次配当の科目なので、解答形式もやや易しめの選択式。
 平均得点は高めに出ましたので、受講者がちゃんと勉強して試験に臨んだのでしょう(問題が易しかったのか・・・)。
 その中で、受験者の65.6%が間違った問題がありました。
 その問題は、選択語群付き穴埋め問題。
 問題は全部で10個。選択肢は15個。つまり15個中10個を使って文章を完成させる形式でした。
 この問題、2つの計算方法の違いについて対比する文章で構成されているもので、テキストにも類似の文章が記載されていました。ただテキストと出題の違いは、その計算方法を適用する業種については、テキストに記載されているものの他に、講義で紹介したものを解答させようとしたことでした。
 もう少しいえば、Aという計算方法はアという業種、Bという計算方法はイという業種に適用するのが一般的であるというのが出題(うーん、読んでる方にうまく伝わるかな)。もちろん、AもBも、アもイも、個別に解答すべき事項でした。
 ところが解答を見ると、AとBは、単独で正解していても、Aが適用されるア、Bが適用されるイという組み合わせの正答は、わずか11.5%。なんと65.6%が、Aが適用されるイ、Bが適用されるアという組み合わせの誤答でした。
 点数から見ると6点減。これは大きいですね。
 当方のねらいは、これがちゃんと理解できているかを問うというところにありましたので、「まんまと引っかかってくれたわい」とほくそ笑むこともできますが、それ以上に、業種の違いで計算方法が異なるということが、あまり理解されていなかったようで、これはこれで担当者としてはちょっとばかしつらい結果でした。次年度以降の課題ですね。

 そういえば、事前に参考資料として昨年の問題を公表していました。
 今回の試験で、「昨年の問題より(今年は)易しいのではないでしょうか」とコメントを書いてくれた人がいましたが、その人の得点は・・・・・うーん、本人には難しかったようで。(苦笑)

1科目終了

2008-07-26 15:50:00 | 仕事(第1業務編)
 本日、定期試験のうち1科目の採点終了。
 人数が少ないので、さっさと採点。
 この後、何回か見直しをして最終評価をすることになりますが、今日の採点では、良く書けている学生さんと、できていない学生さんの幅が、またさらに広がっているかなといった印象。
 受験者が少ないだけに、ちょっと気になります。

ポイントカード(3)

2008-07-02 06:20:00 | 仕事(第1業務編)
 ポイントカードに関する素朴が疑問が、やがては会計の問題として考えるようになる。これって不思議です。素朴な疑問であったときは趣味の範囲を超えませんでしたが、会計の問題になったとたん、趣味から教育研究上の課題に変わっています。

 さて、話はまだ続きます。
 昨年、ゼミ生の一人がポイント引当金についてゼミ論を書きました。
 今まで述べたような会計上の取り扱いを解説するというのであれば、いくつかの論文を参照すれば事足りるわけですが、論文執筆のきっかけは、2007年7月に日経に掲載された記事でした。
 それは、IFRIC(国際財務報告解釈指針委員会:IASBの関連団体)が「IFRIC 13 Customer Loyalty Programmes」を公表したという記事でした。IASBといえばコンバージェンス、コンバージェンスといえば国際会計、国際会計といえばM先生、という連想が成り立ちますが(笑)、このカスタマー・ロイヤリティ・プログラムなるものが日本でいうポイント制を包含するもので(その他にはマイレージプログラムも含まれます)、もしコンバージェンスがはかられれば日本の会計処理の変更を求めるものであるという記事でした。
 
 このIFRICの考え方を一言でいえば、ポイント付与を伴う販売においては、売上高のうちポイント付与部分は、当期の収益としないで、ポイントが使われた時点で売上とするというものです(かなり大雑把ですが)。
 IFRICのQ&A「IFRIC13号は我々に何を要求するのですか?」という問いでは、次のように解説しています。

 たとえば、もしあなたが100ドルの食料品を販売し、1ドルに付き0.01ドルのポイントを付与するポイント制を採用している場合、今販売した食料品のうち99ドルと、ポイント部分1ドルを分けてください。結果として、99ドルが当期の売上高として記帳され、1ドル部分はお客さんがポイントと引き換えに来て、商品を「タダで」引き渡すまで(負債として)保留されることになります。

 現在の日本のポイント制の実務では、売上高は販売額をそのままに計上し、ポイント部分は別途管理するという慣習ですが、それが、IFRICの解釈指針を適用すれば、自ずと変更を余儀なくされるわけです。
 ポイント付与部分を収益から控除するという慣習がどこの国で採用されているかはわかりませんが、少なくても日本の実務とは違う制度が持ち込まれるわけですので、各会社の対応が見逃せません(コンバージェンスは2011年だったかな)。
 そしてもしこの制度が持ち込まれた場合、引当金のみならず、ポイント引当金に関わる税効果会計にも影響を及ぼすことになりますので、この点でもどう変わるのか興味津々です。
 
 そもそもは、ヨドバシカメラが始めたといわれる磁気カードによる日本のポイント制販売促進策。
 そして個人的趣味から始まったポイント制への感心。
 会計の話題というのは、いたるところにころがっているものですね。それに気づくか気づかないか、興味を持つか持たないかは、まさに個人的趣味の問題ですが。

ポイントカード(2)

2008-07-01 22:22:22 | 仕事(第1業務編)
 ところで、ポイント引当金に関する会計処理をまとめてみます。

(1)お客さんに商品1,000円(原価300円)を販売し、ポイントを売上高の10%付与したとき
 このときは、通常の仕訳をすればいいので次のようになります。
 現金 1,000/売上 1,000
 ポイントの付与(100円分)は、取り立てて仕訳する必要はなく、別途ポイント数を管理します。

(2)お客さんに商品1,000円(原価300円)を販売し、ポイント分(100円)を差し引いたとき(なお、新たなポイント90円分は別に管理)
 現金   900/売上 1,000
 売上値引 100
 ポイント分は売上値引と同じだと考えるわけです。
 また、次のように処理をすることもできます。
 現金      900/売上 1,000
 ポイント販促費 100
 「ポイント販促費」を使えば、一般の売上値引分とポイント分を区別して処理することができますので、純粋にポイント分だけの値引額を明らかにすることができます。
 前回紹介したヤマダ電機では、「ポイント販促費」(販管費)で処理をしていて、その金額は、2007年度で783億7千万円ほどになっています。

 さて、当期発生のポイント残高が90円あるとき、将来のポイント使用に備えて、決算時に100%の引当金を計上する場合には、次のようになるでしょう。
(3)ポイント残高の100%を引当計上したとき
 ポイント引当金繰入 90/ポイント引当金 90
 ここで厳密には、ポイントの発生が当期以前のものかそれとも当期のものかで考え方は変わるでしょうね(ポイント引当金の記載場所が販管費なのかそれとも特別損失なのかという違い)。でもここでは割愛。

 ここまでの取引で損益計算してみると、次のようになります。

 2,000円(収益)-300円(原価:費用)-300円(原価:費用)-100円(ポイント販促費:費用)-90円(ポイント引当金繰入:費用)=1,210円(利益)

 この1,210円が会計上の利益です。そしてたとえば税率が40%だったとすれば、納付する税額は484円となり(1,210円×40%)、最終の利益は726円ということになります。
 しかし、売上原価の600円やポイント販促費の100円は実際に発生した費用なのでいいとして、ポイント引当金部分の90円は、将来の費用または損失であって、当期に発生したものとはいえません。したがって、この部分については、税法上は費用とは認めないという判断をします。ここから話がややっこしくなります。

 税法上は、費用のうち90円は認否しますので、課税所得の計算では、次のような計算が行われます。

 2,000円(益金)-700円(損金)=1,300円(課税所得)

 課税所得の40%が税金だとすれば、520円(1,300円×40%)が納付する税額になります。
 先ほどの会計上の利益による税額と比べると、36円(90円×40%)多く納付したことになります。
 そこで、損益計算書では、会計上の利益から実際の税額を差し引き、次のように表示することになります(プロポーショナルフォントの場合はズレて表示されます)。

 会計上の利益  1,210 ←税引前当期純利益
 税金      -520 ←法人税等
 税金の前払分   +36 ←法人税等調整額
 最終の利益    726 ←当期純利益

 税引前当期純利益から実際の納税額を差し引き、そのうち多く納付した分を戻し入れて、会計理論上適切な金額の当期純利益に「調整」するわけですね。

 では法人税等調整額に見合う金額(仕訳は二つの側面で表示するので)はどこにあるか、といえば、それが繰延税金資産という勘定で貸借対照表に記載されるわけです。
 ちなみに、ヤマダ電機では、2007年度に128億3千万円ほどの繰延税金資産を計上し、そのうち、ポイント引当金分は46億8千万円でした。上記の説明からみれば、ポイント引当金のうち46億8千万円相当が将来の費用または損失となって税金が返ってくる分(=前払いしている分)ということになるのでしょうね。
 M先生、税効果会計の説明、これで合ってます?(苦笑)

 とここまで書いて、今日も限界。
 この続きは次回ということで。

ポイントカード(1)

2008-06-30 23:32:23 | 仕事(第1業務編)
 会計とは直接関係ないことで、10年以上前からずーっと興味を持ってきたことがありました。
 それは、ポイントカードは自分にとって得か、それともお店にとって得なのか。
 たとえば、1,000円のものを買って10%のポイントを付与された場合、買った側にとっては100円の値引きを受けたことと同じ意味を持ちます。一見、消費者が得をしたと思われますが、その値引きは商品を受け取った時点とは別の時点、つまり、次回買い物をする時点で受けられるわけで、次回1,000円のものを買ったとき、前回のポイントを使って900円で商品を購入できるわけです。ということは、2,000円使って、100円の値引きを受けたことと等しくなり、実質5%の値引きを受けていることになります。
 もっとも、次回、100円の商品を100円のポイントを使って買った場合、タダでもらえるわけですので、この場合にはポイント分だけ得をしたと考えられそうですが、初回の1,000円の商品が、他のお店では900円で販売されていたとなると、100円の値引きと10%のポイントのどちらがオトクか、よく考えなければなりません。その場で100円引きであれば、使わなかった100円で、次回100円のものを買えばいいのですが、10%のポイントは次の機会に100円のものを買った場合にのみ有効であって、101円以上のものを買う場合には、1円は追加的な出費になり、ポイントを使うために追加的な出費をしてしまうということなってしまいます。
 ということは、ポイントを使うためには、繰り返し同じお店に通うことになり、そして買い物とポイントの間で端数が生じることが一般的ですので、その分だけ、消費者にとっては不利だ、と気づいたのはいつ頃だったでしょうか。
 見方を変えれば、お店側にとっては、ポイント付与によってリピーターを獲得できることが期待され、ポイント制は販売促進手段としては効果的であると考えられます。また別の効果として、お客さんが1回しか来なかったとすれば、他のお店で900円で売っているものを1,000円で売ることに成功し、しかも将来の100円の値引きも不要になりますので、この点でも売上アップに貢献できるツールということになります。
 もっとも消費者側にとっては、買うときの金額が安く、しかもポイントももらえるということを各社で比較して買うという知恵を働かせれば、必ずしも不利というばかりではありません。また、ある商品を独占的に販売している場合、ポイントが多い時期に買った方がいいということもありますよね。

 ところで、お店側に一つ問題が発生。
 お客さんを獲得するためにポイントカードを発行し、しかもポイント付与率を高めれば高めるほど、お客さん全員に対するポイント付与数が増え続けることになります。たとえ売上高の5%のポイント付与率であったとしても、100万円で5万円、1,000万円で50万円、1億円で500万円の将来の値引きを見込んでおかなければなりません。これは、販売時点ではお店にとってオトクでも、次の販売を行う時点では、もしかすると商品代金を全額ポイントで引き渡すことにもなり、入金がないとうことになります。つまり、ポイントは販売促進ツールとして効果的であっても、それは将来、無条件で商品を引き渡す義務を負うことになる側面もあるわけで、取引高が大きくなったお店では、その義務を履行するために、販売時点からそれに備える必要が出てくることになります。
 そこで日本のポイントカード発行会社が自衛策として計上したのがポイント引当金の設定でした。
 このあたりから個人的興味から会計的興味に転換します。

 数日前の日経に、2007年度のポイントカード発行会社50社のポイント引当金計上額が、前年比14%増の3,200億円になったという記事がありました[日経、6月26日朝刊]。ポイント引当金がもっとも多いのはNTTドコモで458億円。同社の売上高(営業収益)は4兆7千億円程度。売上高の5%分のポイント(2,350億円分)を付与すると仮定すれば、付与したポイントの19.5%の引当金を計上している計算になります。
 ちなみに、家電量販店ヤマダ電機では、2007年3月期で126億円のポイント引当金を計上しています。同期の売上高は1兆4千4百億万円。売上高の10%分のポイント(1,440億円分)を付与すると仮定すれば、ポイント付与額の9%の引当金を計上している計算になります(平均10%もポイントを付与しているかどうかはわかりません。もしかすると7%程度かな)。
 こういった引当率は、そのお店の過去のポイント使用率によって算定されますので(貸倒引当金と同じ考え方ですね)、各社でマチマチですが、それにしてもいかにポイント付与が大きな金額かがわかります。

 日経の記事にもありましたが、最近は、ポイント交換システムも普及しています。これは、A社のポイントをB社のポイントにも交換できるというシステムで、これまでは失効してしまう可能性が高かったハズの自社のポイントが、そのままB社に移されて、B社で使われてしまうということになります。こうなると、ポイント使用率が増加することになり、さらに引当金を積み増しする必要に迫られるわけです。

 ところで、会計的に考えると、引当金の設定は、

 費用の発生/負債の増加

 という仕訳です。引当金の分だけ(社外に流出しない)費用が増加しますので、結果的に利益額が減少します。将来の費用または損失に備えた健全な処理ですが、徴税当局がそれをすんなり認めるわけはありません。会計上の利益が少なくなることは、税額も少なくなることを意味します。まして、支出を伴わない取引による費用の発生をそのまま認めたくないわけです。
 そこで、ポイント引当金の存在は認めます、しかし、将来、費用または損失になった時点で損金として認めるけど、ポイント引当金計上時の課税所得の計算では引当金に見合う費用は損金に算入しないよ(認否)という手を使います。会社としては、今、税金を多めに納付しても、将来、その前払分が減額されるということであれば、ま、それも仕方ないということになるでしょう。
 「今はこれだけ税金を払っているけど、そのうち、○○円は将来減額される分だよ」と決算書に書いておくと(こうした会計処理が税効果会計)、会計上の利益と税務上の課税所得の差(一時差異)を対応させるのに役立ちます。
 
 当然、ポイント引当金を計上している会社は、当期の引当金計上に見合う費用を認否されるのですから、税金の前払分を資産計上しておきます(前払費用と同じ考え方ですね)。
 そのときに使う勘定科目が、税効果会計特有の勘定科目、繰延税金資産です。

 とここまで書いて来て、今日のエントリ、あまりに長くなりすぎたことに気づきました。この続きは、また次回(ここまでで力尽きました・・・笑)。

訪問指導

2008-05-19 22:53:00 | 仕事(第1業務編)
 今日は、教育実習生の訪問指導に行ってきました。
 これまでは、社会科や英語科、あるいは中学校の訪問指導が多かったのですが、今日は高校でしかも科目は簿記。
 大学で教えている科目の授業を見るというのは、何とも複雑な気持ちです。
 実習生は出身高校で簿記を勉強していますので、学生さんの簿記の知識は高校で蓄積したものとの見方もできますが、大学でも簿記を勉強していますので、簿記の知識は大学で学んだともいえます(本当は両方なのですが)。
 なぜそんなことを考えたのかといえば、実習生のでき次第では、小生の教え方が悪いといえるわけで、責任重大だなと思ったからでした。

 首尾の方はといえば、配布物にミスがあり、のっけから慌てふためく場面があり、本人の弁を借りれば「はじめは緊張して体温が上がり、その後は背筋が寒くなって体温が下がった」とのこと。(笑)
 滑舌もよく、堂々と話していて好感が持てましたが、科目の内容云々というよりも、教え方のコツをつかんでいないことから生じる不手際が見受けられたのが残念でした。経験が解決してくれるでしょうね、きっと。
 でも、毎年思うことながら、教壇に立って教えるのは、本当に難しいことですね。

誤算

2008-04-15 23:23:23 | 仕事(第1業務編)
 過去の履修者数を考慮しつつ初回であることから配布資料を50部印刷する。
 時間より早めに教室到着。やや人数が多め。
 とりあえず目算すると50名に届かない程度。
 『50部印刷しておいて正解だな。』
 パソコンをセットしている間にぞろぞろ。
 もう一度見通すと、明らかに50名を超えている。
 『やばっ』
 ア・チェックをする必要上、資料が足りないということは避けたい。
 そんなことを考えていると、さらにぞろぞろ。
 なぜか『はまだー、アウトー』の声が脳裏をかすめる。
 ちょうどB研究会のメンバーが告知をさせてほしいと教室に来ていたので、彼にしゃべらせておいて5階から1階にダッシュ。
 「25部、いや30部増し刷りして!」

 結局、残った資料は2部。
 たしかにカリキュラム変更の影響はありそうだが、こんな誤算は初めて(そういえば、M先生のところも満員御礼状態だったらしい)。
 
 ところで講義の最後に2人の学生さんとこんな会話。
 A君「やっぱり簿記原理を先に履修してからの方がいいですかね?」
 小生「そりゃそうですね。この講義でも使いますからね。」
 B君「簿記原理を履修しなくてもこの科目は履修できますよね?」
 小生「制度上、履修はできますよ、でも相当頑張らなければね。」
 たぶんA君は、今年この科目を履修しないだろう。そしてたぶんB君は履修するだろう。こんな場合、どう答えればいいか、プチ悩む。(苦笑)

ア・チェック

2008-04-12 13:00:00 | 仕事(第1業務編)
 昨日の講義は3年生以上の科目でした。
 勤務先では、4年生だけが履修できる科目は極めて少なくなっていますので、3年次に配当されている科目は、そのユニット(科目領域と考えてください)の事実上の仕上げの科目あるいは各論的な科目ということになります。
 ところで、7~8年前から、小生が担当するユニットでは、ア・チェックということを行っています(非常勤の先生もいますのですべての科目というわけではありませんが)。これは到達度調査(アチーブメント・チェック)のことで、最初の講義の時間に、それまでに学習してきた内容が身に付いているかどうかを確かめるミニテストのようなものです。
 小生が担当する科目領域では、計算と用語を学年ごとに着実に身に付けておく必要があります。学年が上がり、新しい科目を展開する中でも、「1年生の時の○○の講義でも説明しましたよね、思い出してください」といいながら復習はします。しかしやっぱり、受講生一人一人の頭の中に基本的な事柄が入っている方がいいに決まっています。

 3年次以上が履修できる仕上げの科目であるということは、1年次、2年次に学んだ内容すべてが対象になるわけで、それをミニテスト程度で確かめることは不可能です。しかし、先にも書きましたように、新しい計算と用語を取り扱う前に、それまで学んできたことが基礎になるんですよ、ということを気付いてもらうことは大切なことでしょう。

 さて今日、そのア・チェックの解答を読みました。いわゆるテストではありませんので採点はしません。学生さんにそれまで学んできたことの大切さを気付いてもらう以外に、担当者としては、どの受講生がどの程度の知識を持ち合わせているかを確認し、共通して弱いところ(身に付いていない事柄)は講義で少し時間をかけて復習するための参考にします。
 まだ履修登録は終えていない時期ながら、今年は4学科の学生さんが履修する模様。
 読み終えて持った感想。
 どーして他の学科の学生さんの方が理解度が高いの?(笑)
 小生が所属する学科の学生さんになりかわって弁明すれば、やっぱり所属学科の学生さんの履修者数が圧倒的に多いので、その中には努力はしても理解度が低い人もいるのは当たり前でしょうしそれが目立ってしまうのは仕方がないでしょう。でも一方で、大学に入って会計の面白さに気付き、学科は違うけれど(違うからこそ?)一所懸命勉強している人もいる、ということにも気付いてくださいね。

終わりと始まり

2008-01-30 22:30:00 | 仕事(第1業務編)
 今日、後期定期試験最後の成績表を提出。このあと再試験が控えていますが、とりあえずは終了。
 そして今日から本格的に次年度のシラバス作成。
 小生の場合、講義が始まるまでに講義録(講義資料)を作成しておきたいという性格なので、これからの2ヶ月ほどは、それらを作成する期間になります。
 そしてなぜが、その作業は自宅でやった方が能率が上がります。そろそろ自宅にこもろうかな。(苦笑)
 

入学前教育

2008-01-28 22:30:00 | 仕事(第1業務編)
 遅ればせながら、勤務先でも入学前教育が実施されるようになりました。
 方法は各学科の方針に従うことになりますので、一概にどうのこうのといえませんが、小生が所属する学科では、各領域(4領域)ごとに、2コマずつ講義をすることになりました。また、初年度の今年は、勤務先と「非常に近い」高校からの推薦入学者を対象にすることになりました。
 そして小生の担当は今日の午前中。
 あえて資料はA4一枚だけで、しかも見出しだけ。スライド資料に集中してもらうことにしました。
 前半80分は、「ことばと意味」「学科における会計分野の位置付け」を柱に、「大学で学ぶこととは?」「大学で学ぶために必要なこととは?」を言外に含ませて講義を進めました。
 「ことばと意味」に関しては、一般に知られている利益や会社ということばの意味を指名しながら聞きましたが、いろいろな説明が出てきてそれなりに面白かったです。最後に、ちょうど版が改まった広辞苑での表現を紹介して、その文中に書かれている別のことばを採り上げて連鎖的に辞書の意味を紹介すると、皆さん「へー」と反応。「だから知っていることばでも、辞書を引いてみる習慣を付けてね。」「はーい。」
 「学科における会計分野の位置付け」については、他のユニットとの関連を中心に説明しました。「マーケティングや経営をうまく行うためには会計の考え方を知ることが重要なんだよ。」と、やや我田引水気味の紹介。(笑)
 途中、15分ほどブレイクして、後半は会計に関して書かれた軽い本(もちろん「クロサギ」も含めて)を紹介した後、クイズ形式で会計的発想とはどういうことかを説明しました。ここではクイズに答えてもらいながら話を進め、「だから会計を学ぶことは重要なのさ!」と、これまた我田引水。
 そして最後に宿題を一つ。宿題は、会計に関する推理小説風の本の一部を提供して、それについて感想文を書いてもらうというもの。一週間以内に添付ファイルで送ってもらうことにしました。「ワープロソフトはWordでも一太郎でもいいよ。」とはいいましたが、一太郎を使っている生徒さんはゼロ(かなしー)。「送ってきてもらった感想文にコメントを付けて送り返しますよ。」というと、「へー。」という声と「ハーイ!」という声。(笑)
 講義終了前に受講のアンケートを書いていただきましたが、おおむね興味を持って聞いてくれたようで、一安心。「会計入門受けようと思いました。」という感想あり。M先生、よろしくお願いします。(ははは)

 一番最初に、入学前教育について「遅ればせながら」と書きましたが、実をいえば、小生が所属する学科において、3年ぐらい前に入学前教育を実施すべき、そのための方法はかくかくしかじかと提案したことがありました。当時は、賛成する方もいましたが、ヘッドが変わったこともあってその話は頓挫しました。
 その時に発想したことは、入学前教育を実施するとすれば、入学が決まった高校生が、せっかく当学科で学ぼうと思っているのだから、その思いが醒めない前に、教員が手分けをして一人一人の生徒さんにかかわるべきというものでした。メールを使ってやりとりすればコストもほぼゼロに等しいですし、「大学で学ぶこととは?」とか「大学で学ぶために必要なこととは?」などということについて、1対1でコミュニケーションをはかることができます。また、課題を提出するということも、全員同じ課題だと、どれを選定するかということで余計な議論をすることになりますが、教員一人一人が、それぞれに課題を出せば、分野に偏りはあっても、それなりに教員側の思いを伝えることができるものと考えました。e-learningシステムもそのように活用すべきとも提案しました。
 今回、小生が担当することになって、ネット上でいくつかの入学前教育に関する記事や大学の取り組みを参照しましたが、小生が最初に発想したことは、あながち間違いではなかったようです。もっとも、小生が思っていることがすべてではなくて、いろいろな方法があっていいわけで、今後、さまざまな取組を知る必要があるでしょう(もっとも、入学前教育の一環として大学施設を案内するというのはいかがなものかと思いますが)。
 入学前教育の効果を上げるためには、理想的には、合格が決まった直後から継続してかかわり続けることが必要でしょうから、そういった点からは、今回はわずか2日間8コマ集中方式でしたので、効果の点で疑問符が付きそうです。これは次年度以降の課題ですね。

 ちなみに、「入学前教育も大学教員の仕事のうちです」とは、指導教授からは聞いておりません。(苦笑)

定期試験開始

2008-01-10 22:33:44 | 仕事(第1業務編)
 今年初の仕事(第1業務編)のエントリー。ホントはこれがメインの目的で始めたのに・・・。だから実名で作ったのに・・・。(苦笑)

 今日から後期の定期試験が始まりました。
 小生の今回の割当は、初日(今日)と期間終了前日。ナントその間に2週間。時間割担当の方に無理はいえませんが、本音は、前半か後半にまとめて実施したかったというところです。
 ま、それはさておき、今日の試験。
 全体としては出来が良かったです。ホッと一安心。目標平均得点を突破していました。あえて突破という表現を使いましたが、それだけ平均得点が高かったということです。
 ただ、全体がいいと出来ていない答案が非常に目立つわけで、かなりの差を感じます。
 会計の技術的側面(早い話が簿記ですが)は、出来るか出来ないかがはっきりしています。試験前に、まずは過去の講義資料を何度も見るなり、問題をせっせと解く。これ以外に近道はありません。そのために講義資料をWEB上に置いているわけですので。
 そしてそれでも理解できなければ聞きに来ること。「分からないところがあればいつでも聞きに来てください」と伝えているのですがねぇ。
 経験からすると、簿記なんてのは(苦笑)、出来る人に聞くのが一番だと思います。とくに試験は範囲が限定されていますから、その範囲についての不明な点は友達なり、教員なりに聞くのが手っ取り早いわけですよ。
 今回、消化不良で試験に臨んだ方、次の試験で合格したい場合には、ぜひ聞きに来てください。
 とはいえ、成績発表はまだですし、自分が不合格かどうかはまだ分かりませんね。あ、それ以前に、履修者がこのブログを読んでいるかどうかもわからない・・・。(苦笑)

講義終了

2007-12-20 22:51:51 | 仕事(第1業務編)
 今日は補講日。
 今日の講義をもって今年度の講義が終了しました。
 例年、最終講義日に定期試験の傾向と対策を話していますが、最近は「何か質問は?」と聞いても、ほぼまったく質問が出ません。
 5年ほど前までは、どんな内容の試験問題が出るのか、根掘り葉掘り聞き出そうという質問が結構あって、こちらもどの程度まで公表できるか考えながら応答していました。これがそれなりに楽しくて、質問のうまさにポロッと「漏洩」したりして。(苦笑)
 今日も「何か質問は?」と聞いたのですが、質問はなし。
 「質問がないということは、皆さん、十分理解していると理解していいですね? では試験頑張ってください」といって講義終了。
 皆さん、ホント、頑張ってくださいねー。

補講期間

2007-12-18 22:00:00 | 仕事(第1業務編)
 今日から補講期間に入りました。
 休講にすれば原則的に補講を行うという、いわば当たり前のことを、最近、厳格に適用するようになりました(他の大学でも事情は同じようです)。そのせいか補講期間も増えましたし。
 小生もかつては学会出張などで休講しても、最低授業回数を確保していれば補講をしなかったのですが、ここ数年、補講を入れて学年暦に定められた回数の講義を行うというように意識が変わりました(遅いか・・・)。
 そしてもう一つ。
 月曜日が祝日になることが多くなったため、月曜日の講義日が極端に少なくなりました。その影響で、今年度に限って、勤務先でも年明けに月曜日だけ通常の講義日が設定されています。
 ところが、今夜行われた生協理事会でその話題になったとき、学生理事の皆さんから出た言葉は「年明けの月曜日は補講日ですよね。」
 そう思っていた学生さんは一人だけではありません。
 それを聞いていた教員理事は、こぞって「補講じゃないよ、通常講義日だよ。」
 「ええーっ。」とは学生理事の皆さん。
 あちこち意識改革が大変です。(苦笑)

何とかかんとか。

2007-12-11 14:15:17 | 仕事(第1業務編)
 ゼミ論の提出は今日が最終日。
 今年は、卒業論文を書いている学生さんがいるので、そのゼミ生は別にして、そのほかのゼミ生全員が期限までに提出することができました。
 最終提出時刻は13時。そして最後の提出者が提出したのが12時30分。昨夜、深夜1時頃までメールのやりとりをした学生さんも無事提出。まずはホッと一息。
 でもねぇ、「ここからスタート」という論文が、例年になく多いような印象です。とりあえず資料を揃えて、まずは書いてみる。それはそれでいいのですが、何とか形が付いてからが勝負なんですよね。本当にそれが必要か、表現は間違ってないか、他の文献ではどうなってるか。いろいろチェックすることがあるハズ。それができていないものがいくつかありました(本人に知らせない細かい修正、数知れず)。
 それから丸投げも多かったなあ。(苦笑)
 自分の論文の中で「これ使えるかな」と思った部分をとりあえず文書化して、あとはお任せ、といったケースです。たしかに、論文作成指導の段階で、「まずは必要と思われる部分を打ち込んでしまいなさい」とはいいました。でも、それをどのように料理するかが大切なことなのですが、「料理はお任せします」という方もチラホラでした。お陰で小生も勉強になったけど。
 これらのことは、ちょっとだけ早く論文作成に取りかかっていれば解決できること。どうしてそれができないんでしょうねぇ(って、学生さんだけの問題ではありませんがね・・・)。
 とはいえ、小生のゼミ生は、まがいなりにも文章をまとめる作業をし、論文を書かない学生さんより頭を悩まし、完成したときのちょっとした喜びを味わったと思いますので、この経験は、必ずやどこかで活かされると思います。
 とりあえずは、執筆した皆さん、お疲れさまでした。

 あっ、小生も昨日が締切日だった原稿をメールで投稿しました。(笑)