礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

ジョージ・ルイカーの「電報クイズ」

2015-10-18 02:56:56 | コラムと名言

◎ジョージ・ルイカーの「電報クイズ」

 ここのところ、カタイ話が続いたので、本日は、ややくだけた話にしたい。
 先日、蔵書を整理していたら、『クイズ年鑑 1955年(前期)』という本が出てきた。扉に、日本クイズクラブ同人会編、ラジオ・テレビ文化協会刊とあるが、奥付らしいものがないので、発行年月日はわからない。ラジオ・テレビ(主にラジオ)で放送されたクイズ番組の「問題と解答」を集めた本である。タイトルには、「1955年(前期)」とあるが、実際は、一九五四年(昭和二九)の前半に放送されたものが記録されている。本文五九九ページで、そのあとに索引などが四三ページ分ある。この当時は、よほどクイズ番組が盛んだったようだ。
 パラパラとめくっていると、「電報クイズ」の紹介があった。この番組の記憶はないが、「司会 ジョージ・ルイカー」とあったのが懐かしかった。昔は、よく耳にした名前である。年代的には、ロイ・ジェームスなどよりも前に有名になった「外人タレント」である。

電 報 クイズ
  小野薬品工業提供
 解 説
 この番組は〔一九五四年〕七月一日より日本放送に移り、以降若干演出様式に新味を加え、出題の形式も多少変っているが本書には六月末までの、日本文化放送時代の問題集録にとどめ、新形式の七月以降分については二十九年後期分に掲載することとした。
 この番組の異色は先ず司会者がジョージ・ルイカーという日本生れの米国人であることであろう。巧みにあやつる日本語と、この国の人らしい如才なさでしかも仲々の好青年、女性には相当のファンを持っているようだ。七月以降はこれに丹下キヨ子という猛女史が一枚加わり、このやりとりがまた人気を呼びつつある。
 すなわち、解答者が男女に別れた紅白合戦という趣向で、男性側司会はルイカー、女性側司会ば丹下キヨ子で、得点を争い、正解者の多い勝組には個々の賞金の外に、記念品が贈られる。
 個々の考慮時間は三十秒間で、解答出来なかったときは残念賞というわけ。一日の解答出演者は男女各四名ずつで八名。ときにゲストとして芸能人も出演し、花を添えている。
 放送局名 日本放送・朝日放送・ラジオ九州・北海道放送・北陸放送・北日本放送
 司会 ジョージ・ルイカー
   丹下キヨ子
 出演者への謝礼 正解者千円
 出題者への謝礼 薄謝
 出演及び出題送り先 大阪市小野薬品工業「電報クイズ」係

 右に、「ジョージ・ルイカーという日本生れの米国人」とあったが、インターネット情報によれば、ジョージ・ルイカーさんの父は、エストニア人であったという。米国籍を持っていたかどうかは不明。一九二七年(昭和二)、横浜で生まれ。一九五六年(昭和三一)に、日本国籍を取得し、「類河丈治」を名乗った。一九六六年(昭和四一)にオーストラリアに移ったらしい。お元気ならば、現在、八八歳のはずである。
『クイズ年鑑』の記述は、このあと、計一九二題の問題とそのヒント(第一ヒント、第二ヒント)が紹介され、さらに正解が発表されるわけだが、ここでは問題のみを、一〇題挙げてみよう。ここにあるのは、すべて「発信人」を問う問題だが、「発信地」を問う問題も、若干、混ざっている。

1 「バカトイワレテモ オウサマニ ナッタ」発信人は?
2 「ユメノナカデ ウサギヲ オッテイタ」発信人?
3 「ハジメテ デンポウウツコトニ セイコウシタ」発信人?
4 「ジョガクセイカラ ヤミゴメカッタ」発信人?
5 「ニホンノ ショウセツカト マチガエラレタ」発信人?
6 「ヤマト シロト ハナノ メイキョク ノコシタ」発信人?
7 「カゼノチカラデ テツカズ カッタ」発信人?
8 「オシドリフウフ アナタノギターニアワセテ ウタウ」発信人?
9 「一八ネンメニ ヒトニアイ ハナシデキタ」発信人?
10 「シニンニ ゼングンオワレタ」発信人?【正解は次回】

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