◎場合によつては句読を改めた(林茂)
尾佐竹猛〈オサタケ・タケキ〉の『維新前後に於ける立憲思想』の実業之日本社版(一九四八年一〇月一五日)を紹介している。本日は、同書の「凡例」を紹介してみたい。この凡例は、実業之日本社版の校訂者・林茂によるものである。
なお、明日は、いったん、話題を変える。
凡 例
一 表題は初版(大正一四年文化生活研究社版)によつた。
二 底本として本文および「緖言」は大体において第三版(昭和九年中文館版)により、再版(昭和四年邦文堂版)所収著者の「普及版を出すに就いて」および、初版ならびに再版所収吉野作造博士の「本書推薦の辞」を加へた。
三 「索引」は原著収載のものに基いて頁数など必要な修正を加へた。
四 前項に挙げたもののほか、各版所収の付録ならびにそれに類するものはすべて除いた。
五 本文に直接関係の少いうめくさ〔埋め草〕的な挿入文は、本文の意を害はないかぎり、省いた。
六 口絵および挿絵は本文の記述と直接関係する一葉だけ〔明治二年の議会(公議所)之図〕を収めた。
七 著者の記述中固有名詞などで明かに誤りを認められるものについては訂正したところがある。
八 明かな誤植誤字を訂正したほか、場合によつては句読〈クトウ〉を改めた。なほ活字の体裁・大さ〈オオキサ〉など改めたものもある。
九 引用された資料については、できるかぎり、原典にさかのぼつて校訂し、その場合には典拠(たとへば、著者・刊行年・頁数など)を新たに付記した。ただ、原典中の変体がなで普通のかなに改めた場合、著者の付けた句読点はそのままにした場合がある。
一〇 校訂者が加へた註はアラビヤ数字で示し、本文の終りに付記した。索引は実業之日本社が訂正した。
一一 本文中六号活字をつかつて角括弧〔 〕で現した文字は「帝国議会史前記」が掲載された雑誌「法律及政治」の巻号・発行年月・頁・所載番号などを示すものである。