◎真福寺本古事記の上巻は四十四丁
昨日の続きである。古典保存会から刊行された「古事記真福寺本」の下巻(一九二五)の末尾にある、山田孝雄による「解説」を紹介している。本日は、その二回目。昨日、紹介した部分に続き、改行して、以下が続く。
以上現在の表紙は後世加へしものにして原本の表紙はその次にあり。この表紙は本文と同じ紙にして右端上に「三巻之内」左端上に「古事記」と記し、右端下に「北埜山」の黒印を押せること三帖ともに同じ。而して上巻の表紙には中央に押紙〈オシガミ〉ありてこれに、「応安ヨリ天保十一年子迄凡四百七十六年ニ至ル也、山主蓮雅記之」と記せり。
上巻の内容は現今のかぞへ方にて、四十四張〔丁〕ありて初〈ハジメ〉の一張は元の表紙とし、その裏と第二張とは白紙にして本文は第三張よりはじまり、第四十三帳の表にて終り、その裏と終〈オワリ〉の一張〔第四十四丁〕とは白紙なるが、その終の一張は下の方破損せり。これを粘葉の製にしていへば、二十一張の紙を二折〈フタツオリ〉にして重ね合せ別に表紙を上下に加へたるものなるが、現今のかぞへ方にての第三張と第四張との糊の合せ目に「古事記上初丁」とあり。以下所々の合せ目にその張数を示せる字見え最終の張を廿一丁とす。【以下、次回】
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