礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

「ヴィザのカーテン」に阻まれた越路吹雪

2013-09-28 03:33:00 | 日記

◎「ヴィザのカーテン」に阻まれた越路吹雪

 昨日の続きである。荒垣秀雄編『現代用語辞典』(河出新書、一九五六)に載っている言葉の中から、今日、すでに「死語」になっているものを紹介する。
 今日紹介するもののうち、「ヴィザ」は今でも使われるが(「ビザ」という形で)、「ヴィザのカーテン」は完全に死語である。

泉熱 いずみねつ。猖紅(しょうこう)熱に似た発疹〈ホッシン〉ができる流行性熱病。昭和二年、金沢地方の児童に初めて流行した。昭和四年、金沢医大教授泉仙助博士がその病原体を発見したので、その名にちなんで泉熱といっている。異型しょうこう熱である。泉博士は、その後も研究を続けていたが、昭和三十年、小児マヒのソーク・ワクチンの方法にヒントを得て、病原体の培養、分離に成功した。
市川少女歌舞伎 戦後、浜松から起った、少女ばかりで組織されている歌舞伎の劇団。はじめは、趣味的な集まりであったのが、いまや東京にも進出する本格的劇団になっている。
院外団 国会の外にあって、ある一つの政党を支持する、議員以外の党員の団体。もっぱら、政党の宣伝に活動する。院外団出身者で、院内に入り、政治家として成功した例もあるが、暴力団まがいのも、中にはあるようである。
ヴィザ Visa 旅券その他の公文書の査証。マッカーシズムの影響で、ひところ、アメリカでは、左翼系人物の入国を許さず、ヴィザを与えなかった。徳川夢声、越路吹雪らも、一時は拒否された(昭和二十八年)。「鉄のカーテン」に対して「ヴィザのカーテン」という言葉が流行った〈ハヤッタ〉。
宇宙旅行協会 月世界旅行や火星旅行、さらに他の天体への旅行熱が、戦後米・ソ・独・英などの各国に盛んになり、世界二十ヵ国に宇宙旅行協会がある。各国の宇宙旅行協会の連絡機関としては、国際宇宙旅行連盟(IAF、スイスに本部がある)があり、日本にも日本宇宙旅行協会があるが、日本ではロケット製作その他は遠い夢である。

 

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