「せば、まずの。」
なんだか暗号みたいな、何のことかわからないような、このセリフ。
でも、新潟県下越地方の人なら、今でもわかる人は多いかな?
「せば、まずの。」は、一日の終わりに、高校時代の同級生たちと別れて帰るときの、あいさつの言葉だった。
「せば」は、「へば」と言うときもあったが、「それでは」とか「じゃあ」の意味である。
「まずの」は、「の」を付けずに、「まず」で終わることもあった。
これは、「ひとまず」の意味をもつ。
だから、「せば、まずの。」は、「それでは、ひとまず、ね。」の意味になる。
もう少し言葉を補うと、「それでは、ひとまずお別れですね。」ということになる。
くだいた言い方に換えると、
「じゃあ、またね。」
となる。
「せば、まずの。」の真の意味は、「また明日!元気に会おう。」ということだったのである。
高校時代、友人たちと交わすこの「せば、まずの。」が、好きだった。
「せば、まずの。」
と言われて、
「おお、まずの。」
と返事を返しながら別れると、今日一日がよい日だったと思えた。
明日が、また気のおけない友人たちと会って、いい日になるような気がした。
「また明日!」は、10年余り前から、私もよく口にするようになった言葉である。
実は、今でも毎日使っている。
その言葉をかけていく相手は、うちの娘に対してである。
夜、「おやすみなさい」の言葉の後に、私は「また明日!」と付け足す。
なぜ10年余り前から娘にその言葉を使うようになったかと言うと、当時の娘は入院中であった。
原因不明で発作が起きて、大変な状況になることがよくあった。
だから、病室を去るときには、「明日会うまで異常なく、元気でいてほしい」という願いを込めて、「また明日!」と声をかけていたのだった。
それは、退院してからも同じで、退院しても発作が起こったことはあった。
だから、「おやすみなさい」のあとに「また明日!」と付け足すのが普通になった。
幸い発作はこの10年起こっていないが、どうか再発しませんように、と祈りを込めて言っている。
さて、その「また明日!」という言葉が、アルビレックス新潟の今や中心選手、長谷川元希選手の心にも響いたらしい。
夢の海外移籍をかなえるためであったり、他チームからの強い引きがあったり成績不振もあって、このひと月余りの間に選手が5人も移籍して出ていってしまったアルビレックス新潟。
当然、彼にももっといい誘いの話が来ていたはずだった。
だけど、彼はチームに残っている。
その一つの要因となったのが、
「また明日!」
と、声をかけられたことだというのだ。
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「せば、まずの。」も、
「じゃあ、またね。」も、
「また明日!」も、
人の心に明日への希望の明かりを灯す、とてもあったか~い言葉だ、と思う私である。
なお、当ブログ「ON MY WAY」は、次のところに引っ越し作業を終えました。
https://s50foxonmyway.hatenablog.com/
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