ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

内容はよいけど、書名がちょっとね…~「妻のトリセツ」(黒川伊保子編著;講談社+α新書)を読んで~

2022-02-19 19:39:40 | 読む


「妻のトリセツ」(黒川伊保子編著;講談社+α新書)
この本が売れているからって、その当時、読む気は起こらなかった。
その原因は、書名にある。
「トリセツ」だなんて、まるで配偶者をモノとして扱っているみたいじゃないか。
人をモノのように扱うような表現の本は、なんだか人権を侵害しているような気がする。
だから、進んで読みたいとは思わないでいた。

それが、先日読んだ「平山征夫回顧録『終列車出発す!』しゃべっちょ古稀からの独り言…」(平山征夫著)の中に本書も出てきて、紹介されていた。
その内容に興味をひかれた。
これは一読の価値があるかもしれないと思って、読んでみることにした。

そのまえがきに、筆者の言いたいことの一端がうかがえた。

いつもイライラしている、口調がキツイ、いきなりキレる、急に怒り出す、何をしても怒られる…等々の言動を見せる妻の言動。
ほとんどの夫にはその“怒り”の本当の理由が分からない。
理由を聞き出し、解決策を提案しても、妻の機嫌をよくすることはできない。
それは、妻の望む夫の対応と、夫の提案する解決策が根本的にずれているから。
妻の怒りの理由は、今目の前で起きたことだけではなく、過去の関連記憶の総決算として起こる。

過去の関連記憶の総決算とはうまく言ったものだ。
だから、「つわりがひどくてふらふらだった私に、あなた何と言ったか覚えてる?」と、涙ながらに何度も妻は訴えたりする。
もう、そのつわりのときのおなかの子が30代になっているというのに。

かくのごとく、夫にとって訳がわからないトラブルが妻との間に生じ続け、我慢できなくなって離婚するケースも多い。
本書の編著者は女性だが、内容的には夫の立場に立って、「女性脳の仕組みを知って対策を立てよう」と、主張している。

妻とトラブルや言い争いが起こったときに、夫はその原因を突き止め、それに合った解決策を妻に提案するが、うまくいかないことが多い。
なぜかといえば、どんなにその提案が問題解決にふさわしいものであっても、夫にとって正論であっても、そのやり方が妻の心に合っていないから。

では、夫は具体的にどうしていけばいいのか、については読むほどに理解が進んでいくので、まあここでいろいろと書くのはやめておこう。
とても、「勉強になる」ことが多かった。

結論として、夫婦間といえども、いや夫婦であるがゆえに、なお人が人として生きていくうえで大切なことを、ちゃんとやっていければいいのだと思ったよ。
私自身の言葉で言えば、相手に対するリスペクトの心をもって、察したり、共感したりしながら生きていくことが、やはり大切なことなのだ。

そう思うと、やっぱりこの書名には反対だな。
「妻のトリセツ」…だもん。
リスペクトが感じられないじゃないか。
せっかくいいことがたくさん書いてあるのに、自ら消してしまうよなあ…。
もったいない。
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