バラ園のあった冬鳥越スキーガーデンには、電車の車両が3体置いてある。
かつて、この地を走っていた蒲原鉄道で走っていたものだ。
蒲原鉄道は、大正12年に五泉~村松間4.2kmで運行を開始した。
昭和5年7月には、村松~東加茂間15.2kmを開通。
さらに同年10月には、東加茂~加茂間2.5kmを開通し、全線で21.9kmの鉄道路線となった。
だが、昭和60年3月、加茂~村松間を廃止。
平成11年10月には、五泉~村松間を廃止し、77年間続いた鉄道の使命を終えた。
これは、県内最古の木造電車「モハ1号」。
大正12年に製造された車両。
展示された車両を保護するために、いつだったか、屋根がかけられた。
モハ1号と連結するように展示されているのは、半鋼製電動客車のモハ61号。
昭和15年に製造されたもので、昭和33年に蒲原鉄道に譲渡される前に、電動車に改造されたもの。
それ以降、平成11年の廃止まで運行されていた車両なのだ。
一つ離れたところに展示されているのは、蒲原鉄道唯一の電気機関車ED1。
この電気機関車は、昭和5年の蒲原鉄道村松~加茂間の開通に合わせて購入されたもの。
貨物の輸送、保線工事、冬季の除雪などに活躍した。
これまた、平成11年の廃線まで、約70年間働き続けたという電気機関車。
かつて、たくさんの人や物を運んだ機関車や車両。
鉄道には、遠くとつながるという夢を実現させるものがあった。
生活に欠かせない重要な役割を果たしていたのに、今はこうして役目を終え、静かに時を過ごしている。
そんな姿を見ていると、若き日に活躍して今は引退している人の姿と重なって見えてしまう。
ひょっとすると、今の自分もこれに近いのか…?
………。
お疲れさまでした…。