ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

卓球日本、厳しい選手選考方法にも納得 ~第1回選考大会ライオンカップ・トップ32~

2022-03-06 21:52:49 | スポーツ
日本の卓球は、東京五輪でよい成績を残した。
混合ダブルス(伊藤・水谷)で金メダル、女子団体で銀メダル、男子団体と女子個人(伊藤)で銅メダルだった。
東京五輪の選手選抜は、世界ランクに準拠した選考方式だった。
そのやり方で好成績を収めたのだから、パリ五輪に向けても選抜方法を変えなくてもいいのではと思っていたが、それが変えられた。
日本協会は、その理由を、こう言っている。
パリ五輪に向けて、新しい国際ツアー大会のWTTがランク上位者のみの招待制となっているから、招かれない選手にとって公平性を欠くというのだ。
その観点から、国内選考会を重視する選考方針を採用することとなった。

選考大会をいくつか設定し、その大会ごとに独自に設定したポイント制を採用。
各男女各上位2人を五輪シングルス代表に選出し、団体代表各1人は協会推薦で決める。
24年1月の全日本選手権までの2年間、対象の大会を、世界選手権やアジア大会などの国際大会、全日本選手権、計6回の五輪代表選考会とし、さらにTリーグの個人成績なども含まれるのだそうだ。

それで、第1回の選考大会として行われたのが、昨日今日行われたライオンカップ・トップ32という大会。
トーナメント制なので、1回負けたら次に進めない。
(ただし、準々決勝で負けた人たちには、5~8位の順位決定戦がある)
おまけに、この大会の2,3日前まで、Tリーグの最終戦つまり優勝決定戦を行っていたのだから、そこに出ていた選手たちにとってみると、ハードなことこの上ない。

そのせいもあったのか、初日の準々決勝では、波乱が続発した。
女子は、東京五輪混合ダブルス金メダルの伊藤美誠が、19歳の長崎美柚に2-4で敗れた。
五輪団体銀メダルの石川佳純は、21歳の早田ひなに3-4で惜敗。
同じく五輪団体銀メダルの平野美宇も、17歳の木原美悠に敗れてしまった。

今大会は、9月から10月に中国で行われる、世界選手権団体戦の代表5枠を争う選考会も兼ねている。
全日本選手権優勝者の伊藤はすでにそれに内定していたが、なんと東京五輪団体戦で銀メダルを獲得したメンバーの、石川佳純、平野美宇が今週の大会に出られなくなってしまった。
4強入りで世界選手権への切符をつかんだのは、早田ひな、長﨑美柚、木原美悠、佐藤瞳。
石川も平野もいなくて大丈夫か、とも思うが、その4人の顔ぶれは若くても実力者ぞろいだ。

今日は、準決勝と決勝が行われた。
女子の決勝は、早田と長﨑のTリーグ・日本生命所属同士の戦いとなった。
意外にも、若い長﨑が、11-5,11-7,11-9と3ゲームを連取し、第1回女王まであと1ゲームに迫った。
ところが、ここから早田も気持ちの強さを発揮した。
5-11,8-11,9-11と接戦を制し、最終第7ゲームまで持ち込んだ。
ユーチューブでライブを見ていたが、すごい戦いだった。
最終第7ゲームも1本を取り合う、きわめて中身の濃い試合内容となった。
先にマッチポイントを握ったのは長﨑。
それをしのいでジュースに持ち込んだ早田。
再び先行した長﨑だったが、早田が強気に攻めて譲らず、逆にマッチポイントを握り、13-11で押し切った。

早田の強さを存分に感じた。
押されてはいたが、しのぎ切る精神力の強さ、打ち抜くパワーがすごいと思った。
今までも世界に出てはいたが、伊藤や平野の後塵を拝していた。
これからさらに世界で活躍するのが楽しみだ。
長﨑も2019年の世界ユースで、単複2冠を達成した選手だった。
ここのところ伸び悩みかと思っていたが、Tリーグそして今大会で存在感を見せてくれた。
シニアの大会でも、上位で戦い続けてほしい。

日本卓球協会も、すごい厳しい選考の仕方をするなあ、と驚きながらも、本当に強い者が勝つ世界なのだから、納得だ。
今までに比べて、選手たちは心身ともに相当ハードなスケジュールをこなさなければならなくなるかもしれない。
それに打ち勝つ選手こそ世界で活躍できるのだろう。
ともかく、本当に強くなるためにがんばってほしい、とエールを送りたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする