ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

アウエー山形、参戦顛末記

2011-08-02 23:15:10 | アルビレックス新潟
やはり先週土曜日のことである。
アウエー山形戦のチケットは購入済みであったが、福島・新潟の集中豪雨のために、山形に行くかどうか、ずうっと迷っていた。
雨は既に止んでいた。
青空になり、強い夏の日差しが頭上から降って来ていた。
だが、まだ迷っていた。
川の氾濫が怖かった。
上流ですさまじい流れになっている。
それが、やがて下流に来るはずだ。
どのくらい後にやってくるか?
大丈夫という、確たる情報がないうちは、新潟県を離れてはいけないように思えたのだ。
ただ、昼を過ぎて、川の水位が下がり始めたという情報も入って来た。
よし、山形行こう。
と、決めた。

山形には、スムーズに行けた。
道路沿いの川の水も、さほどにごっていないし、量も少し多いだけだった。
3時間30分くらいで、NDソフトスタジアム到着。
ここは、基本的に車での来場を考えているらしく、駐車できる台数は6000台。
駐車場が広い。
車を降りて、スタジアムへ。

さすがに山形のホームスタジアム。
こんなキャラの大型車が。

さすがに早く来場しているのは、新潟から来たサポーターたち。
スタジアム周辺のあちこちにオレンジの人々ばかりが目についた。

オレンジの列ができていた店は、「炎のカリーパン」を売る店。
普通のもの、チーズ入り、ズワイガニ入りなんてのもある。
今日は、新潟との対戦だから、特別製のカリーパンが売ってある。
たとえば、新潟名物の笹団子入りカリーパン。
そして、タレかつ入りカリーパン。
新潟のタレかつ丼がちょっぴり有名だからね。
この、「敵を食ってしまえ」という、粋なカリーパンは、楽しい。
さっそく、私は、味方を食うことになるかもしれないが、笹団子入りを買う。
ついでに、わが家は4人で行ったので、5種類全部購入。
敵を全部食ってしまえ、ということだ。

ラッキーは、尾花沢のスイカのサービス。
うちわを配るだけではなく、本物のスイカを切って配っていた。
全農やまがた、いいねえ。
おいしかったよー。

さて、そろそろスタンドに、と向かう。
ところが、指定されたゲートに行くと、「ここは、山形の応援専門のスタンドです」と書いてある。
な~に~!!!?????
バックスタンドだろ、ここは。
すると、よく見ると、チケットにも、「バックスタンドは、山形の応援専門のスタンドです。」というようなことが書いてあった。
ええ~!!!?????
そんなバカな!!!そんなことは知らなかったぞ。
ここまで来て、敵の山形ばかりのスタンドで観戦!?
勘弁してくれよ~…(トホホホホホ…)。
おまけに、持って行った5本のペットボトルは、すべてキャップを取られてしまった。
このスタジアムでは、危険防止のために、ペットボトルは、キャップを外さないと入場させないらしい。
なんてこった!

しょぼんとした気分で、バックスタンドに入る。
でも、悔しいから、せっかくだから、新潟の応援スタンドに近い方に行く。
すると、そこには、オレンジのものを持った人々もいた。
おお、同胞、同胞。
パラパラと10数人はいただろう。
…皆さん、バックスタンドは、山形の応援だけだと知らなかったのだね。
まあ、仕方がないから、皆でまとまって、ここで応援しようか…。
そんな私たちオレンジ仲間に、追い打ちがかかる。
「ここでは、レプユニ(ユニフォーム)を着てはいけません。」
「タオル・マフラーもダメです。」
と、若い係員の人々が声をかけて行く。
「おらぁ、この服しか持ってないんだ。」
というオジサンには、なんと別なTシャツを持って来て、
「これを着てください。」
という徹底ぶり。
最悪ぅ~!!!!!

まあ、そんなアウエーの中でも完璧アウエーの中で、山形戦の観戦となってしまった。
山形は、ひいて守る。
あまりFWがこちらのDFに寄って来ない。
ほとんどのボールが、新潟のポゼッション。
しかし、シュートを急ぐでなし、まったりとしたムードで試合が進む。
それでも、新戦力、右サイドバックの村上選手の動きのよさが目を引く。
さすが、と思える動きだ。
突然、酒井高徳選手が駆け上がり、鋭いシュートを放つ。
が、惜しくもボールはサイドネットへ。
そうだよ、高徳。今は君の出身地三条市全体が、水害で大変な目に遭っているんだ。
GO!GO!GOTOKU!!
かと思えば、やはり新潟県出身(新潟市)の田中亜土夢のシュートが、バーをたたく。
か~っ、惜しい!
完全に押し気味ながら、まったりしたムードの中、ハーフタイムの笛が鳴った。

ふと、メールが届いていることに気付いた。
職場の方からだ。
「河川の水が引き、危険回避。当地の避難勧告解除。避難所閉鎖。」
という内容。
よかった。
ただ、まだ多くの市町村で避難は続いていることだろう。
でも、少しずつでもこの災害の度合いが少なくなっていくことを願う。

さて、あまり変らぬムードで進んだ後半17分。
村上が右サイドを深くえぐり、ボールを中央へマイナスのパス。
そこに、DFをかく乱して飛びこんだ田中亜土夢が、つま先から滑り込み、ボールをゴールへ突き刺す。
やったあ!やったあ!!やったあ!!!
バックスタンドの隠れオレンジの皆さんは大喜び。
この後も、ヒヤッとする場面は2度ほどあったが、シュートが枠を外れたり、GK小澤さんのナイスセーブが出たりで、同点のピンチは防がれた。

そして、今季何度も苦杯を喫したロスタイム。
選手交代を上手に使って、時間つぶし。
1-0のまま、逃げ切った。
勝利だ。
連勝だ。

選手たちも笑顔だ。
バンザイが気持ちよさそうだった。
あっちに行きたかったなあ…。

スタンドから出ると、やがてオレンジの波に出合った。
わが子たちは、今まで禁じられていたレプユニを着たり、タオマフを首に巻いたりして、その人波の中に入り込んで、勝利の余韻に浸った。
駐車場から出るのに多少時間がかかったが、なんとか脱出。
新潟までの道は、節電に伴い、街灯がほとんど点いていず、暗かった。
そんな中を、何台も何台も、列をなして新潟を目指して帰っていく車。
アルビレックスのステッカーが張ってある車ばかり。
途中、数少ないコンビニは、どこもひと休みする新潟ナンバー車ばかりだった。
コンビニで、「メガシャキ」飲んで、睡眠不足の眠気を押さえ、帰って来た。
深夜0時半過ぎ、無事自宅に帰り着くことができた。

帰り道も遠かったが、それでも勝利の喜びは何にも勝る。
朝からの豪雨による安否確認も、バックスタンドでのつらい接遇も、遠い道のりの運転も、勝利で笑い飛ばしてしまうことができたのであった。
…ただ、翌朝は、グッタリだったのだ…。
コメント
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