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癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

チョコレートの効能

2012年02月13日 | Weblog
「バレンタインデー」なるものは明日ですが、この週末家族から沢山のチョコをもらった。
私は甘いものは押しなべて好きですから、ありがたい。ただ、食べ過ぎる危険性があるので節制しています。

チョコにはいろいろ健康にも役立つ成分があるそうです。
調べると、
「がんや動脈硬化などさまざまな病気の原因といわれる活性酸素。
今、その働きをおさえると注目されているのがポリフェノールです。
ポリフェノールは赤ワインにも多く含まれていますが、チョコレートにはそれよりもはるかに多量に含まれているのです。」
ポリフェノールが沢山含まれるというのはどっかで聞いたことがあります。

で、効果は
1 動脈硬化の予防
  カカオ・ポリフェノールは、動脈の繊維にコレステロールがたまったり、LDL-コレス ステロールが酸化を受けて動脈硬化が進むのを防ぐことが分かっています。
2 がん予防に期待
  変異原物質が細胞のDNAに突然変異を起こし、次いで促進物質がかん化した細胞を活 性化することによってがんが発生すると考えられていますが、カカオ・ポリフェノール を加えたところ、細胞DNAの突然変異が抑制されることが確かめられたとか。
  まあ、試験管内レベルの話ですが。
3 ストレスに打ち勝つ
  ストレス状態にあるラットにカカオ・ポリフェノールを与えたところ、ストレスにう まく適応することがわかりました。また心理的ストレスにたいしても抵抗力が強まるこ とが確かめられたとか。
4 アレルギーやリウマチにも効果
  アトピーや花粉症などのアレルギーは現代病のひとつとして大きな問題になっていま すが、マウスにカカオ・ポリフェノールを与えたところ、アレルギーの原因となる活性 酸素の過剰な働きが著しくおさえられました。さらにチョコレートを人に食べてもらっ たところ、おなじ効果がみられたそうです。

だからといって、チョコをばくばく食べたら問題ありですよね。
こんな効果が「あるかもしれない」くらいで丁度いいのでしょう。
食べすぎに注意!

「脱」がつく病気

2012年02月11日 | Weblog
今日は祝日なんですね。
建国記念日ですか?
何の祝日かもよく分かりませんが。

病気で「脱」がつく病気はそうありませんが、一番多いのは「脱臼」ですかね?
犬や猫の世界でもパテラや股関節などで発症しますが、牛では発生が多い病気の一つです。
牛舎環境は結構危険に満ちていて、「股関節脱臼」はフリーストールという、牛が自由に動ける牛舎での発生が多いですね。通路で転倒したり他の牛に乗られたり、自分で滑走して開脚したりして立てなくなり、まず治癒しません。

それから、「子宮脱」。
お産した後に発生しますが、原因ははっきりしないことが多いのですが、お産の後の子宮の回復を阻害する要因があったりした場合に発生します。犬などでは稀で牛ではそう珍しくないですね。でたら汚れをとって速やかに戻すです。学生時代初めてこの病気に遭遇したときは驚きましたね。牛の子宮は半端なく重く、子宮を陰門の高さに保持してもう一人が子宮の腫れと汚れを押さえつつ押し戻す。力仕事でした。

「膣脱」という病気もあります。
犬などでは稀だと思いますが、これまた牛ではそこそこ見られます。
犬では発情のときにエストロゲンの影響で出てしまうことがあるようです。

ハムスターでは「頬袋脱」があります。

「直腸脱」。これは困りますね。
原因はよく分かっていないのではないでしょうか。
犬では1層だけの「脱」なら戻して何とか支持療法できますが、全脱出したらもう手術する必要があります。
時間が経って壊死したら大変です。

「膀胱脱」もありますよ。
これもお産の後に起きます。
まあ、稀です。

目の「瞬膜腺脱出」も「脱」な病気です。

これらの病気の原因は素因はありますが、遺伝的、偶発的要因が大きいので予防が難しいのが厄介ですね。

あるべきものが、外にでると「乾く」「締め付けられて」「傷つく」ので救急処置が必要になりますね。

眼球は露出していますから、特別な仕組みが体によくも備わっているものだとつくづく感心します。

認知症罹患率

2012年02月08日 | Weblog
寒さが戻りましたね。
岩見沢市はまた吹雪の凄いことになっているようです。

今日は身内が手術でしたので休みをもらい付き添いしていました。
無事に終わり本当にほっとしました。
ちなみにお昼に付き添いの交代要員?がきて病院近くの「大戸屋」さんという定食屋さんに初めて行きましたが、ヘルシーで美味しかったです。
一人でも入れる雰囲気が女性向ですね。


犬と猫の認知症のことを書きましたが、日本人の認知症の罹患率はどのくらいか調べましたら・・・・
65歳以上での有病率は3.0〜8.8%(調査によってばらつきが大きい)。2026年には10%に上昇するとの推計もある。
年間発症率は65歳以上で1〜2%で、年間発症率は75歳を超えると急に高まり、65〜69歳では1%以下だが、80〜84歳では8%にも上るそうです。
これは凄い大変なことですね。


世界から見て日本は罹患率は高そうです。
北米、オーストラリア、北欧地域も高いようです。
食事とかライフスタイルが関係しているのか、統計がないのか分かりませんが、アフリカ大陸は圧倒的に少ないようです。


呼吸訓練

2012年02月05日 | Weblog
腸管手術を受けると肺活量が落ちて、術後痰を出しづらくなるので、事前に肺の訓練をするそうです。

一般的に、肺活量は手術前と手術後を比べると、下腹部の手術で25%、胸や上腹部の手術では50%以下に低下するといわれているそうです。

手術によっては、全身麻酔や手術後の傷の痛みで体を起こすことができないことがあります。そうなると、うまく換気ができず(換気不全)、痰(たん)が溜まり、酸素を十分に取り込めなくなる(無気肺)といった、合併症を起こす場合があります。これらを防ぐためには、手術前から少しでも肺の機能を高めておくことが有効であり、呼吸訓練が大切になります。

その装置が写真のものです。
いろいろなタイプのものがあるようで、そのような呼吸訓練があるとは知りませんでした。

手術前からこうした器具で呼吸訓練を行い、手術後は手術前にできた基準を目標にして訓練を続けるのだそうです。

一種の呼吸のリハビリも必要なのですね。
いろんなリハビリがあるものです。


病名

2012年02月04日 | Weblog
昔は今で言う、「認知症」のことを「脳軟化」って言っていませんでしたか?僕の記憶ではそうなのです。物忘れが酷くなると「脳軟化」になったかい?なんて会話をしていました。

「脳軟化」という病名は余り聞かれなくなくなりましたが、「脳血栓と脳塞栓の総称。脳の血管がつまり、その先に血液が流れなくなる疾患。卒中発作と運動麻痺(まひ)・知覚麻痺・失語症などを呈する。血流の途絶えた部分の脳組織が壊死(えし)し軟化するので、脳軟化症ともいう。」ということで脳梗塞症のことだったんですね。
脳血流障害によって脳梗塞を起こしたときの脳の組織変化で,脳組織が軟らかくなることからこの名称がついたようです。

症状が激烈で(片麻痺、意識障害、失語など)突然に発症したものは、他の原因によるものも含め、一般に脳卒中と呼ばれ、それに対して、緩徐に進行して認知症(脳血管性認知症)などの形をとるものもあるそうです。

脳軟化は何か脳が崩壊してしまったというような、印象としては余り良くないので、使われなくなったのでは?
使わない方がいいですね。

昔よく使われていて、今は使われなくなった病名って結構あるように思うのですが、何か思い浮かびませんね。
というか、昔の病名は「差別的病名」になっているものも多く、適切でないものが多いようです。

「めくら」なんかも差別的です。
適正な病名に変化していくことはいいことです。

病名がないと困ることがあり、医療の運用上は「病名」がどうしても必要なのが現状ですが、ひとつの病名だけで病態を表せないことのほうが多いのではないでしょうか。
そういう点では東洋医学ではあまり「病名」という概念がありません。
「証」で表すのですが、一般の人には理解しがたいのが欠点です。

同窓会

2012年02月03日 | Weblog
今日は「日本獣医師会年次大会(北海道)」の初日で各大学ごとに「同窓会」が開催されました。
我が大学では100名以上集まり、札幌の白石にある「アサヒビール園」で開催しました。

最後にはお決まりですが「酪農賛歌」を輪になって合唱して楽しかったです。

リスク回避

2012年02月01日 | Weblog
寒いと言うより、痛い!
中々、気温が上がりません。
冷凍庫状態が続きます。
手袋していても、手先が痺れます。
それでも朝5時過ぎに走っている自分が異常に思えてきました。
でも、同じような人が都会の札幌には結構いますね。毎朝結構出会います。

先日は、ムンテラとインフォ-ムドコンセントの話でしたが、後者のときに説明で、手術の際は当然、全身麻酔しますが、「硬膜外麻酔」は出血が多い場合はやらないこともあるのだそうです。
硬膜外麻酔は,手術中の痛みを取り手術を可能にし,また持続して麻酔薬を注入することにより術後の痛みをやわらげるために行います。
脊椎(背骨)の中にある脊髄の側まで針を刺し,その中にカテーテル(細いチューブ)を通し,脊髄を包んでいる硬膜の外側(硬膜外腔)にカテーテルを留置し,そこから麻酔薬を注入します。
術中のみならず、術後も痛みのコントロールができるので大変患者にはありがたい処置ですが、出血により神経の圧迫の恐れがでたら「やらない」という選択もあるそうです。

今の医療は訴訟も考慮せざるを得ないので、危険は極力避けるそうです。まあ、当然といえばそうなのですが。
それにしても、手術自体が危険なので、やや矛盾していますが、そういうものだそうです。
「安心せい!」と一言で終わった時代は「終わった」のでしょうね。

ムンテラとインフォ-ムドコンセントの違い

2012年01月31日 | Weblog
写真のように、右臀部の腫瘍の摘出手術を受けた部分は大分毛が生えて、ほぼ隠れてきました。寒い日が続くのでよかった!
身内が手術を受けるので、ここ数週間「病院」で担当医師からの説明を受ける機会が多いのです。
説明のときには、ドアに「ムンテラ中」と表記されますが、ムンテラとインフォームドコンセントはどう違うのかふと分からなくなりました。

調べました。微妙に違うのですね。

ムンテラとは、医師が患者に病状や治療法などの説明を行うことを指します。ですからここで、治療法について同意するかあるいわ選択するとかいうことはないのです。

インフォームドコンセントとは、医師が患者に現在の病状や、これからとる治療方法の詳細な内容、治療にかかる費用などについて説明をし、その上で患者から同意を得ることを指します。この段階では、内容を理解した上で、選択された検査や治療を実施することに同意するかと言う段階になります。

つまり、患者は概して医療の知識が乏しい存在です。病状や治療法の説明を受けても、すぐに判断するのはなかなか難しいものがあります。
そのため、まずは医師から現状に対する説明を受け、理解し、その後患者側から医師に質問をするなどして現状に対する理解を深め、今後の方針を決めていく、ということが大変望ましい方法であると考えられているのです。

いや、どうりで同じような説明を2度聞かされ、最後に同意書にサインしたのかが、その理由がやっと理解できたのです。

ムンテラとインフォームドコンセントの違いにやっと気づいた次第です(恥)。

鉄の手袋

2012年01月30日 | Weblog
野良猫を扱う中で、凶暴な猫に引っ掻かれたり、齧られたりすることが多いものです。
専用の皮の手袋もありますが、鋭い歯や爪は貫通してしまうこともあります。
私も野良猫に指の真ん中を引っ掻かれて、正中神経を痛めて1ヶ月くらい指が痺れていたことがあります。
専用の皮の手袋は高いのですが、完全に防げません。
しかし、ヘックス アーマーという特殊な手袋は完全に防げるようです。

以下は、HPからです。

■特徴
・特殊生地を手全体から二の腕にかけて使用
・手の平は3層構造、手の甲は2層構造(ナックル部分に補強あり)
・漂白剤等で洗濯でき、清潔に使用できる
・耐突刺性に優れ、注射針、ガラスの破片、ワイヤーなど細く鋭利な物から手を守ります。

■適応職種
・医療関係を取り扱うクリーニング業
・医療関係廃棄物処理業
・廃棄物処理業
・下水処理業
・リサイクル仕分け業
・清掃業
・ホテル
・病院
・獣医(危険動物捕獲など)
・警察関係

と物凄く狭い専門分野で使われているようです。
値段も約4万円と高いですが、これで完全に防げるならいいですね。
こんど買おうかなぁ・・・・・でも4万円はさすがに。


癌治療と東洋医学

2012年01月27日 | Weblog
「寒い!」が挨拶になっています。
 明日は雪のようです・・・・

東洋医学で「癌」がどういう証で捉えるのかは不明ですが、かなり以前から癌治療の補助として、病院でも鍼灸や漢方を中心に取り入れられています。

 東洋医学的ながん治療の基本的考えは、体にがんがあってもまずがんという病人にならないことです。がんと仲良く共存し、がんの発育スピードを遅くして、できれば発育を止められればということになります。消失はしないでしょう。

 癌の外科的切除以外の治療、つまり「抗がん剤」の効く癌は、白血病とか、睾丸腫瘍などとのことです。

 抗がん剤で治まあまあ効果があるがんは、乳がん、卵巣がん、多発性骨髄腫、小細胞肺がんなどだそうですが、これらのがんを抗がん剤単独で治すことは難しいようです。

 症状の緩和は期待できるが延命に多少なりとも効果があるのは、胃がん、大腸がん、食道がん、子宮頚がん、膀胱がん、前立腺がんなどとのこと。

 脳腫瘍、腎がん、膵がん、肝がん、甲状腺がんなどは厳しいらしいですね。

 抗がん剤でのがん治療は限界が見えてきているため、新しい抗がん剤治療とがんとの共存を目指す東洋医学的治療や代替療法が注目されるのです。

抗がん剤は癌の完全消失を目指していますが、中々そこに到達するのは難しいようです。東洋的価値観で癌と「共生」することも選択の一つです。できてしまったがんは仕方がないので可能な限り大きくならないように、転移しないように、抗がん剤を使用しがんと仲良く共存する東洋医学的治療もこれからもっと進歩してほしいものです。

新しい考え方として癌が小さくなったからといって生存期間が伸びわけではなく、それより癌の増殖を抑えていく、すなわち「がんと共存」し、QOL(生活の質)を保つという考えも必要です。人間はいつか死にますから、永遠の命を約束するのでなく、納得のいく生活の質を確保することは重要でしょう。

 癌細胞に限らず、一般に細胞が死んでいくには壊死とアポトーシスいう大きく二つの過程があります。がん治療もこの二つによって区分できます。前者型はがん細胞を殺す治療、後者型は自然に死なせる治療といえます。アポトーシスを利用したものが東洋的治療法といわれています。

  癌は血管新生し、その血管も利用し栄養や酸素を取り込み浸潤したり転移したりします。血管新生を抑えられれば、癌は栄養失調になり増殖が止まり、自然と死滅していきます。アポトーシス的が東洋医学的治療です。

もう一つは、自己治癒力を高める方法です。自己治癒力を高める代表的生薬は、朝鮮ニンジンや霊芝、マイタケ、アガリクスなどのキノコ類です。キノコ類にはβ‐グルカンというタンパク多糖体やゲルマニウムが多量に含まれていますが、β‐グルカンやゲルマニウムは体内のインターフェロンを増加させ、その結果がんを直接攻撃すると考えられているNK細胞が増え、がんを死滅させます。それで、これらの成分を直接抽出して投与する治療も試みられましたが、それだけではどうなのか?

漢方薬では補中益気湯や十全大補湯が代表的薬剤だそうですが、自然の成分で治療する方がより効果があるように思えますよね。

自然にできた、不自然な細胞「癌」は、古代の時代にもあったのでしょうが、現在になり増えたのは、やはり環境と食生活、精神生活が影響していることは容易に想像できますが・・・・・