【内容(「BOOK」データベースより)】
育ての親だった祖母の入水自殺、父親の再婚相手から受けた虐待。
実の母親を頼って上京するも、すでに私の居場所はどこにもなかった。
自身も離婚し、再婚した夫も介護の末、癌で亡くした。
傷だらけで、好んで振り返りたい人生ではなかった。
それでも、今は自分なりに精一杯生きて来た日々を愛しく思う―。
江戸川乱歩賞作家による自伝的エッセイ。
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
山崎/洋子
1947年京都府宮津市生まれ。
1986年『花園の迷宮』(講談社)で第三二回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
横浜を舞台にした作品を多く手掛け、ノンフィクションなど活動の幅を広げている。
【読んだ理由】
新聞の書評欄を見て。
【最も印象に残った一行】
こんな境遇に置かれなければ、彼女は鬼になることなどなかったに違いない。そんな邪悪なものが自分のうちにあることさえ、知らずにすんだであろう。
しかし、たいていの人の心の中には、神も悪魔もいる。その時々の状況に応じて、どちらかが出現する。いつ、何がどんなかたちで出てくるか、自分でも予想がつかないところが恐ろしい。
老いることは孤独になることだ。死ぬまで活躍し、社会から求められる人ももちろんいるが、それは知力、体力、努力、環境と、何拍子も揃ったごく一部の人だけ、たいていの人は、社会的な居場所をなくし、異性からは求められなくなり、気力も体力も細り、老いの孤独と直面することになる。
【コメント】
老いの孤独か?出世作である「花園の迷宮」も読んでみよう。