日本男道記

ある日本男子の生き様

打ちのめされるようなすごい本

2007年04月19日 | 読書日記
打ちのめされるようなすごい本

文藝春秋

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【一口紹介】
◆出版社 / 著者からの内容紹介◆
5月に逝った著者、渾身のがん闘病記を収録する週刊文春連載「私の読書日記」と1996年からの書評を編んだ読書好き必読の1冊
2年8カ月にわたる壮絶ながんとの闘いに終止符を打たれたのです。その克明な闘病記が「週刊文春」の「私の読書日記」に綴られていました。
もうパソコンに向かえなくなる直前まで、最後の力を振り絞って書かれたものです。
「最初で最後の書評集」となってしまったこの本には、最後の3回を含む2001年からの「読書日記」と、さまざまな媒体に書かれた書評(1995~2005)のすべてを収録しました。
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
米原万里全書評1995‐2005。絶筆となった壮絶な闘病記(「私の読書日記」週刊文春)を収録した最初で最後の書評集。
◆内容(「MARC」データベースより)◆
2006年5月にがんで他界した著者の、『週刊文春』に連載された渾身のがん闘病記である「私の読書日記」と、1995年から2005年までのほぼ全ての書評を収録する。井上ひさしによる解説付き。

【読んだ理由】
書名に惹かれたのと著者の訃報に接して。

【印象に残った一行】
『犯罪を防止する抑止力として、コミュニティー住民の縄張り意識と当事者意識を重要視するのが、「割れ窓理論」である。窓ガラスが割れたまま放置されているような地域の住民には、縄張り意識と当事者意識が希薄である。「割れ窓」に象徴される秩序の小さな乱れが無数に蓄積された地域においてこそ、人は犯罪に走りやすい。(G・L・ケリンス/C・M・コールズ著「割れ窓理論による犯罪防止-コミュニティの安全」文化書房博文社)』

『「一頭の子牛が必要とする約三十kgの乳の二十五倍の七千五百キロもの乳を出すように改良されたのが現在の日本の乳牛で」、搾乳最優先で妊娠、出産を間断なく繰り返させられ、「本来二十~三十年ある寿命を全うすることはなく」「わずか五~六歳で廃用牛とされされる」しかも、牛舎に繋がれたままお化けのように巨大な乳から絶えず乳を搾り出される乳牛は極端なカルシュウム不足に苛まれる。これを解決するために考え出されたのが肉骨粉。以前から草食獣の牛に死んだ羊や牛の内臓や骨を砕いて食べさせるのを奇異に思ってきたが、これで謎が解けた。(野原由香利著「牛乳の未来」(講談社)』

『とくに、印象的なのは、画一化するメガメディアと並んで、技術革新によってインターネットやケーブルテレビなど小規模の多様な情報提供が視聴可能になったことによって、それぞれの市民が自分が視聴したい報道や娯楽のみを視聴するようになったために、敵対する、あるいは異なる社会グループがお互いの意見や情報を共有できなくなり、ひとり一人の市民が得る情報は逆に狭くなるというパラドクスを指摘するところだ、市民社会の崩壊に繋がる由々しき事態である。(原真著「巨大メディアの逆説--娯楽も報道もつまらなくなっている理由」(リベルタ出版)』

【コメント】
ゴルバチョフやエリツィンが名指しで依頼してくるほどのロシア語同時通訳の第一人者だった著者の膨大な知識と知見に打ちのめされた。
 



Daily Vocabulary(2007/04/19)

2007年04月19日 | Daily Vocabulary
3821.fuzzy(けば状の、微毛のある、不明りょうな、不鮮明な、ぼやけた、あいまいな、はっきりしない)
This photograph is too fuzzy to pick out any details.
3822.rank and file(一般人、一般大衆、庶民、一般社員)
The prime minister doesn't try to understand the sentiments of the rank and file.
3823.exclude(~を排除する、締め出す)
Who are you going to exclude from the invitation list?
3824.ointment(軟膏)
I put ointment on the burn.
3825.subordinate(部下)
One of the colonel's subordinates gave the order to fire.
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