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暴走金融の恐怖②

2010年08月23日 | 金融の経済問題
暴走金融の恐怖

3)金融派生商品による国の破綻問すが米英の2大財閥

財閥等の余剰資金が市場を無視したデリバティブ等の金融博打でさらなる資金増加
を計る金融派生商品について、世界一解りやすい経済入門より抜粋してみます。
『LTCM破綻について、
1998年8月17日、ロシアは金利の支払いができずに、デフォルトを宣言しました。
「ロシアはIMFに救済されるからロシアはデフォルトしない」と予想して、
大量のロシア国債を買っていたヘッジファンドはとてつもなく大きな損失を被りました。
ポンド危機や、アジア通貨危機では大儲けしてきたヘッジファンドでしたが、
「IMFがロシアを見捨てる」ということまでは予想できなかったのです。

こうしてロシアはデフォルトし、ヘッジファンドは大変な損失を被りました。

そして、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者二人をメンバーに持つ
大手ヘッジファンド「LTCM」が破綻の危機を迎えました。

LTCMは、ノーベル経済学賞を受賞した、マイロン・ショールズ氏と
ロバート・マートン氏によって設立されたヘッジファンドです。
後に、元FRB副議長のデビッド・マリンズ氏もLTCMに加わりました。
ショールズ氏とマートン氏の二人は、「ブラックショールズ式」という、
金融派生商品の価値を理論的に算出する数式を発明した功績により
ノーベル経済学賞を受賞しました。そして、
世界中の金融商品の理論価格を正しく算出し、
実際に市場で取引されている価格が理論価格よりも安ければその金融商品を買い、
市場価格が理論価値よりも高ければ空売りする、
という「ロング・ショート」という投資手法での運用を始めました。

1994年に運用を開始した時点で1000億円ものお金を投資家から集め、
1998年までの4年間で投資によって4倍にまで増やしたといわれています。

金融市場のパニック
LTCMは、1998年の時点では、金利の高いイタリア国債やスペイン国債を買い、
金利の低いアメリカ国債やドイツ国債を空売りしていました。
こうすることでイタリア国債やスペイン国債から高い金利を受け取り、空売りしている
アメリカ国債やドイツ国債の低い金利を支払うことで、
金利差を収入源としていたのです。しかし、1998年にロシアがデフォルトすると、
状況が一気に変わります。金融市場が世界的なパニックを起こし、
世界中の投資資金が、安全な国の安全な資産へシフトしたのです。

最初に資金流出が起きたのは新興国でした。
「ロシアの次にデフォルトする!」と心配されたブラジルやアルゼンチンの
国債を持っていた投資家が、これらの国債を売却し、
手に入れたブラジルやアルゼンチンの現金をアメリカドルへ交換し、
アメリカ国債を買ったのです。アメリカ国債は、
「世界で最も安全な資産」と考えられていたのです。ちなみに、
現在でもアメリカ国債は「世界で最も安全な資産」と見なされています。

そのため、今でも金融市場でパニックが起きると、
世界中の投資家はリスクの高い資産を売り、アメリカ国債を買います。
こうすることで、投資家は自分のお金をアメリカ国債に避難させているのです。
ブラジルとアルゼンチンから投資家が逃げただけでは、事は治まりませんでした。
デフォルトの心配がそれほどなかったスペインやイタリアの国債からも、
投資資金が逃げ始めたのです。もちろん、避難先はアメリカ国債でした。
こうして、LTCMが保有していたスペイン国債やイタリア国債が、
世界中の投資家が売却したために市場価値が暴落し、
逆にLTCMが空売りしていたアメリカ国債が、
世界中の投資家が買ったために値上がりしたのです。LTCMは、「買い」と「空売り」
の両方が裏目にでる格好となり、破綻寸前の大損失を抱え込んでしまいました
(このとき既に破綻状態にあったという説もあります)。

機能不全となった「ブラック・ショールズ式」LTCMの投資理論は、
「金融商品の市場価値は、一時的に理論価格よりも高くなったり安くなったりする
ことがあっても、いずれ理論価格へ戻る」という前提に成り立っていました。

そして、市場価値が理論価格より安いイタリア国債やスペイン国債を買い、
市場価値が理論価格よりも高いアメリカ国債を空売りし、
それぞれの市場価格が理論価格へ戻るまで待っていたのです。

しかし実際には、イタリア国債とスペイン国債はさらに安くなり、
アメリカ国債はさらに高くなってしまったのです。
なぜ、LTCMの理論通りにならなかったのでしょうか。

LTCMの理論のどこに欠陥があったのでしょうか。LTCMの理論は、
「投資家が冷静に行動し、安くなった資産を買い、高くなった資産を売るという、
合理的な行動をとる」ということが前提になっていたのです。しかし、
ロシアのデフォルトによってパニック状態になった投資家は、
売られて安くなったイタリア国債やスペイン国債を買うという合理的な投資行動を
とるのではなく、「もっと安くなるかもしれない!」という不安感から、
先を争うように売却したのです。そして、
投資資金が殺到しアメリカ国債が高すぎる水準まで値上がりした時でも、
投資家は安全なアメリカ国債へ避難したい一心で、高い値段など気にせず
アメリカ国債を買ったのです。LTCMの投資理論には、
「市場は常に理論的に正しく動くのではなく、時には感情的になり、
間違った方向へ動くこともある」という人の観点が抜け落ちていたのです。

つまり(金融工学の確率論では人間のパニック状態の行動心理までは
読み取れなかった)のです。

避けられた「LTCM発の世界恐慌」LTCMの大損失が明るみにでると、
アメリカ金融界は大パニックになりました。LTCMの破綻は、
LTCM一社だけの問題ではなかったのです。

LTCMは、顧客から出資してもらったお金だけを
運用していたわけではなかったのです。そのほかにも、
アメリカ等の銀行から1000億ドル(1ドル=100円換算で、約10兆円)ものお金を
借りて運用することで、より大きな投資収益を得ていました。
また、アメリカ等の銀行や投資銀行は、LTCMにお金を貸すだけでなく、
多額のお金を出資していました。これらの銀行は、
LTCMに融資して利子を受け取るだけでは飽き足らず、
LTCMのファンドに出資することで莫大な投資収益を受け取っていたのです。
LTCMが破綻すると、銀行がLTCMに融資したり出資していたりしているお金が、
戻ってこなくなる可能性があったのです。

そうすると、破綻する銀行が出てくる恐れがあります。銀行が破たんすれば、
銀行から融資を受けている他の企業にも破綻する所が出る可能性があります。
こうして、LTCM一社の破綻が、銀行や他の企業へと波及していき、
「世界恐慌」にまで発展する恐れがあったのです。もう一つ問題がありました。
LTCMはデリバティブとよばれる金融取引契約をたくさんの銀行や投資銀行と
結んでいたのです。その総額は1兆ドル(1ドル=100円とすると、100兆円!)とも
言われています。LTCMが破綻すると、この1兆ドルの
金融取引契約が全て消えてなくなることになります。

銀行はLTCMとのデリバティブ契約によっても、
大規模な損失を被ってしまう可能性がありました。こうした懸念から、LTCMの損失が
世間におおやけになると、アメリカの金融機関の株が一斉に売られ、下落しました。
FRBは1998年の9月、10月、11月と、3ヶ月連続で利下げを行いました。
3ヶ月連続の利下げはとても異例なことです。
投資家は、FRBがLTCM問題に対し迅速に対応したことで安心し、
一旦は株式相場の下落は止まりました。

FRB(正確にはニューヨーク連邦準備銀行)は10行以上の大手銀行の幹部を
一度に集め、LTCM問題を話し合いました。このままLTCMを破綻させると、
ここに集まっている銀行は皆大きな損失を被ってしまうのです。とはいえ、
単独で緊急融資をしてLTCMを助けようと考える銀行はありませんでした。
追加融資をした挙句に破綻してしまったら、損失が膨らむだけだからです。

そこで、大銀行が集まったこの会議の場で、
「全部の銀行がLTCMに協調融資をして救済する」という
約束が取り付けられたのです。こうしてLTCMは融資を受けたことで
破綻の危機を乗り越え、LTCM発の金融危機と世界恐慌は食い止められたのです。

このように、規模の大きな運用会社や金融機関は、
他の金融機関とも密接につながっていて、一社の破綻は金融システム全体に
深刻な影響を与えます。そのため、
大手金融機関は簡単に潰してしまうわけにはいかないのです。
このことを、大きすぎてつぶせないといいます。LTCMが破綻したら、そ
の影響で銀行が破たんしたり経営が苦しくなり、銀行からお金を借りている他の企業
にも影響が出て、世界恐慌になる可能性があったのです。

このように、大手ヘッジファンドや大手金融機関は他の金融機関と密接に
つながっていて、一社の破綻だけでは終わらず、金融システムや経済システム全体
に問題が波及します。
結局、LTCMは、1兆ドルのデリバティブ契約を徐々に清算した後、
解体されてしまいました。大銀行たちによる協調融資によっても生き返ることは
できなかったのです。そもそも、銀行が協調融資をした時点で、
融資が返ってこないことを銀行は覚悟していたふしもあるのです。

とにかく何が何でも、LTCMが突然破綻して、
金融システムが大混乱に陥ることだけを避けたかったのです。
LTCMが一つずつデリバティブ契約を解約していき、
LTCMと金融システムのつなぎ目が一つ一つほどかれ、
LTCMをつぶしても金融システムに影響は少ない状態になってから、
LTCMは解体されたのです。』と述べています。

しかしこの市場を無視したアメリカの大きくて潰せないという行為は、
その後金融取引の見せかけだけの規制はしたのですが、
実質の規制や改善を伴ないませんでした。


その為、約10年後また同じように、金融デリバティブ取引で、
リーマン・ブラザーズやAIGがサブプライムローン問題をきっかけに、
ヨーロッパで、アイスランドやギリシャ等の国家破綻等、
世界を巻き込んで問題を引き起こしてしまいました。

このように企業がリストラや利潤追求で蓄えたお金や資産家のお金、
マネロンダリングされたマフイア等の余剰資金は、大規模な余剰資金となりました。
それがヘッジファンドなどの異常な、合法的ではあるが不正に近い
大規模資金投資家を生みました。

そして大資本家だけで形成しているグローバル化という、
まだ、未熟な世界市場をヘッジファンドや金融機関等狭いグループで勝手に
リスク回避という国家を巻き込んだ保険市場を作り上げてしまいました。
その結果、大規模資金は、狭いグループ同士だけではなく、国を超えて、
世界の一般市民を犠牲にし、今も世界の自由市場を荒らし続けています。

図 世界の金融資産規模

ちなみに国際決済銀行(BIS)が公表したデリバティブ(金融派生商品)の
全体の市場に関する報告書によると、市場規模は2007年下期に596兆ドル
(6京5,774兆円)です。2008年世界のGDPは116カ国の合計で、
58兆9,781億ドルですから、なんと世界GDPの10倍に達しています。

空売りやレバレッジ等裏付けのない信用取引も
ここまで拡大すると異常だと思います。

簡単に述べればデリバティブ等売りと買いの差益取引では
博打と同じ仕組みですから、売りと買いを合計すると0になるはずです、
いくら金融工学を駆使してもインフレ、デフレ、暴騰、暴落も含め
必ず損する人がでるはずです。全員が儲かること等とても考えられません?

胴元、デリバティブの場合は手数料を取る金融機関だけが確実に儲かると
言うことです。こんなものに国民の金を使って政府自身が手を出すことが
大変な問題だと思いますが?

金融機関同士で、自分達の余剰資金の範囲で、奪い合う博打をしている分には
構わないのですが、国や一般人民を巻き込んでの一般市場を荒らす、こ
の異常な状態を皆さんは何とも思いませんか?

これを許し続けた世界や国の政府は、今まで何をしていたの?
といわれても仕方がないのではないでしょうか?
上記LTCMは1兆ドルのデリバティブ残高でアメリカ政府から救済されたのですが
リーマンは計7000億ドル超のデリバティブ(金融派生商品)の取引残高で
見捨てられました。日本の国家財政規模に匹敵する程度の巨額ですが、
LTCMから約10年後の世界全体のデリバティブ残高からすると、
微々たる額と判断されたようです。ちなみに正確な数字は不明ですが、
デリバティブ取引である世界のCDS残高は2007年末時点で62兆ドル強
(当時約6500兆円)と膨張肥大化しました。

邦銀も2008年夏以降、金融市場が動揺する中、投資リスクを回避する狙いから、
こぞってCDSを購入しています。デリバティブ取引の会計基準は、
一般の会計基準を知っている人からすればめちゃくちゃと言ってもいいような
粉飾基準のようです。例えば30年のデリバティブ取引をすれば、
最初の契約年に30年全部の手数料収益を計上できるのだそうです。
29年分は国債発行の国はデリバティブ取引で損するか得するか解らないのに、
証券会社の手数料だけは30年分計上できそれに応じて、
役員報酬や報奨金や配当金が支払われるのだそうです。

それですから世間を騒がせる経営者や担当役員や営業担当の高給取りが生まれる
のがあたりまえだと思います。こんな粉飾会計制度を政府が通すのも
政・官・業癒着による金融機関の圧力で出来た法律なのでしょうか?
ちなみに前記2007年世界CDS残高6500兆円の手数料を1%で単純計算してみると、
金融機関に入った手数料は65兆円で一つの国の予算規模です。

4)余剰資金による裏社会金融の増殖肥大化の問題、ですが
余剰資金がさらなる収益を求める為、裏社会である、マフイアやテロリスト等
に流れ闇核開発などの武器資金、テロ活動資金、麻薬生産資金、不正賭博等の
不正な裏社会を増殖させていきます。

国家安全保障等の大義名分でアメリカのCIAやロシアの旧KGB、
イスラエルのモサド等のスパイ(その行為が世界をかき乱していることも気づかず)が
利害関係の為、裏で、武器売買や石油確保競争、麻薬の黙認、偽札の黙認、
マネーロンダリングの黙認、マフイアの殺し合いの黙認等、悪を利用して、
自国の利権や安全を計ることは、米ソ冷戦時代からよく行われてきたことです。

例えばアメリカはどこかの国が共産化したら困るので、
ソ連はどこかの国が資本主義化したら困るのでと、
その反対の勢力に資金援助したり、武器を供与したりすることは日常茶飯事でした。

その際自国の予算にも限度がありますから、麻薬を黙認をしたり、
偽札の発行を黙認をしたり、マフィアや暴力団を利用したりしました。
その事によって得た資金をアメリカは資本主義に賛成の勢力へ肩入れし、
ソ連は共産主義に賛成の国へ肩入れしたのです。

そしてある国家の転覆を諮ったり、ある国家を守ったりしたのです。
言うなれば、資本主義と共産主義が愚かな陣取り合戦をしていたわけです。

その対象になったのは、朝鮮半島であり、ベトナムであり、アフガニスタンであり、
東欧諸国のソ連の軍事介入によるプラハの春問題、アフリカのソマリア問題、
南米のチリのアジェンダ政権の崩壊とその後のピノチェト政権の大量虐殺問題等
で、全世界殆どすべての国が巻き込まれてしまいました。

そして1990年代ソ連の崩壊が始まり、思想の対立は
余り意味をなさなくなっていきました。しかし、その国家的スパイ組織の暗躍による
資金援助や武器供与、マフイア等闇ビジネスの黙認等は色々な、
弊害を世界に残してしまったのです。

アフガニスタンのソ連侵攻の時アメリカが肩入れしたビンラディンはその後
アルカイダの首謀者としてアメリカに反旗を翻しました
そしてアメリカの9・11テロを引き起こしたとされています、
しかし9・11テロ組織資金提供していたのはパキスタンの国家情報組織ISI
(長官がタリバンと通じていた)であることを最近アメリカは掴んだようです。

北朝鮮はキム親子という手に負えない独裁者を生みだした上に朝鮮半島は
韓国と朝鮮という2つの国家に分割されてしまいました。
そしてイスラエルはどさくさにまぎれてユダヤ系銀行やヘッジファンド、
マネーロンダリングされたマフイア資金等の豊富な資金力とその資金供給者に
対する見返りとして、パレスチナの土地の徹底的な侵略という暴走を
今も犯しています。

このように冷戦時代の火種をあちらこちら残してしまいました。
またマフイア等の闇社会は麻薬ビジネスや賭博による大きな資金を
冷戦時代に獲得し、力の強い裏社会を形成してしまいました。

その大きな資金がマネーロンダリングされてヘッジファンドやテロ資金や
不正ビジネス等に流れ、現在の金融市場を荒らす一因にもなっているようです。
こう見ていくと、全て人間の馬鹿な戦争や秘密主義の国家情報組織等の暴走が
原因であり、諸悪の根源は国家間トップの権力闘争という強欲の身から出たさび
であるようです。因果応報ということですかね?

 これらの金融危機の解決策に共通していることは、ある人の言葉によれば、
『何らか国家や世界を揺るがす損失が発生し、その損失の処理が決まらないうちは
危機が再燃し続け、最終的にその損失を引き受ける人が具体的に決定することで
危機が沈静化するという流れです。損失を好んで引き受ける人はいないため、
損失を引き受ける人は最後の最後まで決まりません。
巨額の損失が残ったうちは市場に疑心暗鬼が広がり続け、
最終的にシステムの破綻寸前まで突き進んだ末に、
政府または中央銀行が損失を引き受けざるをえなくなるという構図になるようです。』

ギリシャ問題は金融システムを改善できるかどうかの分かれ目?
以上のように金融問題は多くの弊害と難題を抱えていますが、
今後世界が為替や国々の違った通貨を材料にした
異常なデリバティブ取引等をなくし、
今後改善の方向に向かうかどうかは、通貨の共通化に取り組んできた
ヨーロッパ圏がうまくいくかどうかに、掛っているような気がします。

これが成功しないとまた、各国で通貨行政を行うことになり、
ヘッジファンド等の実体のない国家と金融機関だけによる金融博打等を
増長することになり、資本集中による格差が激しくなり、貧富の差は拡大し
先が見えなくなる一方でしょう。
そいう意味でギリシャ問題は何十年後か何百年後に世界の通貨が一つになり、
の金融問題が改善されているかどうかの大きな分かれ目のような気がします。

ギリシャの市民の怒りの問題は、溺れる者はわらをも掴むのことわざの通り、
債務超過に悩んでいる政府首脳に、債務が忽然と消える魔法のような方法があると
言うことで、CDSを持ちかけられた政府が民間の金融機関である
15の証券会社とデリバティブ取引であるスワップ取引を締結した事に
端を発しているようです。

この時の契約をまとめた中心の民間証券会社が国の100億ドル(約1兆円)の支援で
2010年また蘇り大きな収益を上げたアメリカのゴールドマンサックスです。
何故短期で収益が回復したのでしょう?

それはゴールドマンサックスが、サブプライムなどのジャンク証券を金融商品として
販売する一方、クレジットデフォルトスワップ(CDS)という破綻保険をAIGから買い、
リスクヘッジしていたことにあるようです。

アメリカ政府は9月金融大手のリーマンブラザーズの救済せず破綻させ、
金融危機に発展しそうになった為.その翌日、公的資金850億ドル(約8兆5千億円)
でAIG救済するという方針転換をおこないました.これにより、
ゴールドマンサックスは、AIGから130億ドル(約1兆3千億円)の
債権を100%回収することができた事が大きな要因のようです。

つまり結果として国が多額の税金でゴールドマンサックスを助けて
大きな収益を上げさせたということです。
これはAIGやゴールドマンサックスを国有化したのと同じなのではないでしょうか?
金融は自由市場ではないようです。

2010年2月26日(金)グローバル経済の次のような報道をしています。
『米国連邦準備制度議長が議会で、
「公的債務問題に苦しむギリシャをデリバティブ取引に引き込んだことに関して
ゴールドマン・サックスを調査している」こと、また強制捜査権を有する
「米国証券取引委員会も本件に関心を寄せている」という趣旨の証言を行った。

ニューヨーク・タイムズは、その見出しで、
「銀行は、不良債権を束ねて売って、逆張りで大もうけ」と一連の動きを
うまく要約している。同議長が問題としているのは、
このゴールドマン・サックスが使用したクレディットデフォルスワップト(CDS)という
手法である。これは今次のリーマンショックに象徴される金融崩壊の原因の一つ
となったデリバティブであり、すでにドイツはこの手法を禁止する提案をG20に
提出する方針であるとの未確認情報をフィナンシャル・タイムズが伝えている。

ゴールドマンは、為替のスワップ契約を利用してギリシャ政府の公的債務を簿外化、
EUが加盟国に課している対GNP債務比率の制限から、見かけ免れるように幇助した
と非難されているのである。そして同社はその取引から数百億円に上る手数料収入
を得ていたこともあわせて糾弾されている。ゴールドマンなどの金融大手は、
サブプライムローン危機の際も、このCDSを使って大きく稼いだ。

市場の信用度の低い債権(debt)を、複雑にパッケージ化した新規の流動化証券
として仕立て売り出す。そして、ゴールドマンなどの金融会社は、
債権債務にはまったく関係のない第三者にいわば債権の破綻保険である
CDSを別途売り出すのである。そしてここからが圧巻であるが、
破綻を予測して逆張りし、空売りを大量に仕掛ける、

そして予測どおり証券の値崩れが起こって巨利を得るという自作自演を行った。』

このようにギリシャ問題は公務員や一般の労働者より、ギリシャ政府や詐欺同然で
だました証券会社の経営者を含めたトップ販売グループや裏社会に問題がある
と思いますが、そのグループはいち早く、手終いし、
取り敢えず大量の資金とともにギリシャ国外に逃亡したようです。

国外に逃亡できないギリシャに残された権限の無い、まじめな労働者達だけが、
増税や年金削減のひどい目に遭うという
何とも納得のいかない状況に陥ったようです。

ゴールドマン・サックスのCDS営業にひっかかるような行政スタッフを選んだことが
国民の悲劇と思いますが、行政は自国の本当の財政内容を把握し、
ユーロ圏に入るのを控え、国民とともに自力再建にまい進するべきだった
のかもしれません。このことは関西方面の自治体や大学法人等でデリバティブ取引に
引っかかっている日本も含め他の国も他人事ではないと思います。

またギリシャ暴動で低所得の金融機関の権限の無い従業員が暴動に巻き込まれ何人か亡くなったそうですが、
的外れの暴動のように思います。金庫のデリバティブ証券等を燃やせば別ですが?すいません過激な発言でした。
ギリシャは戦後政治のトップをパパンドレウ、カラマンリス両家が交互に握り
数十のファミリーが経済的特権を維持してきたそうです。

貧富の格差が大きいところに、国民は増税と歳出削減を
強いられることになるようです。ギリシャの一般国民の平均年収は
世界36位21.721米ドル、約200万(USBという国際金融系の会社が、
3年ごとに行っている2006年の「世界の主要都市の賃金調査による」)です。

これが削られる訳ですよね?ちなみに日本は8位の46,571米ドル、約460万です。
これらのことを見ていくと金融は豊富な資金を武器に、自由市場のルールを破
り、市場を荒らしまわっている強盗団の様相を呈しています。

この暴走金融を世界や国や市民がコントロールできないと、
人類はまた今まで通り争いの渦の中かもしれません。
自分だけは安全なところで、陣取り合戦等の采配を楽しむ、
弱肉強食を好む弱い人達には願ってもない時代かもしれませんが?


天は人の上に金を作り、人の下に金を作らず
政・官・業の、談合による、財閥の為の政治、(詠み人知らず)
飲み友達AとBの会話
A「国と金融機関で行う、デリバティブ取引ってなんだい?」

B「うまく説明できないけど、国債の交換取引(CDS)という
国の生命保険みたいなもんだね。」

A「え?じゃギリシャは国家破綻したのだから保険金が下りて、
ギリシャ国民は助かるのじゃないの?」

B「うーん、それが難しいところなんだけど、
その生命保険に条件が付いていたということなんだよ」

A「条件ってなんだよ?」

B「契約の詳細は不明だけど、ギリシャ自国が安定していること、破綻しないことで、
破綻したら支払(清算)われないらしい、
戦争が起きたら生命保険が支払われないだろう、それと同じ。」

A「嘘!そんなことある!デリバティブがきっかけで、破綻したんだろう?」
B「よくわからないけど、元々ギリシャは多額の債務を背負っていた、
それをデリバティブでリスク回避する為金融機関と契約をしたんだ。
ギリシャが破綻すると金融機関が大もうけすることは金融機関自身は
知っていたのではないかと思うけど、
契約では国自体が破綻することは想定していなっかたということらしい。」

A「じゃ、リスクを回避する保険じゃないじゃない、ギリシャは騙されたっていうこと?」

B「金融工学者に聞いて-----???」
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