マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

異空の遭遇戦 後編 ボドルオプション

2019-07-10 20:25:00 | マクロス短編
ミューズ・ジーナスとテレーズ・ジーナス。
マクシミリアン・ジーナスとミリア・ファリーナ・ジーナスの双子の娘であり・・・
二人は共に2022年生まれで、統合軍軍人である。

二人は容姿は違えど、考え方が違う。
テレーズは軍を一度去って、マリアフォキナ・バーロンズと名乗り・・・・
統合政府に潜む、地球至上主義者ラクテンスと戦う・・・

去る前に二人の双子を授かるが、テレーズは二人を姉コミリアに託し・・・・
ラクテンスとの戦いに投じた。

ミューズは軍人を続け家庭を持ち、幸せに暮らしている。

OP(読む前に必聴)


【アロー号.ブリッジ】

短時間の度重なる連戦で疲弊したカリーナ・・・・・
それを危惧したデイビットは艦長のサイアムにある作戦を提案しようとブリッジに向かっていた。

そのさる作戦とは・・・・・・・

ボドル・オプション

30年以上の前の昔の第1次星間大戦最大の決戦・・・・
ボドル基幹艦隊決戦で、フルブス・バレンスに乗るボドルザーを撃破し・・・・
1ヶ月間の過酷な地上戦がこの後あったとは言え・・・・

地球統合軍残存部隊と同調したゼントラーディ軍部隊の勝利の一因になった。

ボドル・オプションは敵中心部撃破を意味する言葉だが・・・・・
その由来になったのは・・・・

サイアム「まさか100年前のアメリカ軍によるアドミラル・ヤマモトの暗殺計画が由来になったヤマモト・オプションを軍人ではない君が立案するとはな・・・・・」

デイビット「ヤマモト・オプションではありません、ボドル・オプションです。今のバセット中尉は連戦に重ねる疲労で死に至るか廃人になる可能性があります、バセット中尉の余力があるうちにボドル・オプションを実行し敵を混乱させ・・・・救助艦隊と合流すべきです。」

ヤマモト・オプション

100年前の第2次世界大戦における太平洋戦線で日本とアメリカが戦争をしていた。
日本は最初は勝利していたが、ミッドウェー海戦やソロモン諸島の戦いなどから戦況が悪化した・・・・・

戦況が悪化していたとは言え、アメリカ軍が恐れ・・・復讐の対象にしていた日本軍の将がいた。

それがヤマモト・オプションの由来になった大日本帝国海軍山本五十六連合艦隊司令長官である。

アメリカ軍はヴェンジェンス作戦(復讐作戦)として人望の厚い山本長官の暗殺を計画
戦艦武蔵から発信した暗号を解読し、山本長官の前線視察を察知・・・・
チェスター・ミニッツ太平洋艦隊司令官に報告された。

しかし

ミニッツはある事を危惧した・・・・
山本長官を暗殺すれば、無能な敵将であれば生かしておくほうが味方に利益である・・・・
だが・・・山本長官の後に有能な将が出てくるのではないか?

と悩んでいたが・・・・・・・・

太平洋艦隊情報参謀エドウィン・レイトン少将は・・・・

「山本長官は、日本で最優秀の司令官であります。どの海軍提督より頭一つ抜きん出ており、山本より優れた司令官が登場する恐れは無いです」

と発言し、ミニッツは暗殺計画実行を決意し・・・・
1943年4月18日、日本時間昭和18年4月18日7時33分

「敵機接近!!機影はメザシ(P-38ライトニング.ペロハチとも言う)です!!」

「くそ・・・山本長官が乗っているのに!!護衛機しっかり頼むぞ!!」

アメリカ軍P-38ライトニング16機は一式陸攻2機と零式艦上機6機の編隊を襲撃・・・・・
30分もしないうちに、山本長官の乗る一式陸攻が墜落・・・・宇垣纒参謀が乗る一式陸攻海上着水・・・・・
攻撃側の被害は1機のみであり、アメリカ軍は山本長官の暗殺計画を成功させた。

それから半世紀以上の統合戦争では・・・・
アメリカ軍の直系の末裔とも言うべき地球統合軍が反統合同盟の指揮官暗殺を密かに実行する・・・・
ヤマモト・オプションを実行し・・・・
特務隊により、反統合同盟勢力は有能な指揮官を多数戦死させるなど・・・・・

軍の戦術としては有効と考えられ・・・・・

このヤマモト・オプションは・・・・
第1次星間大戦におけるボドル基幹艦隊決戦でも使われ・・・・
ゼントラーディ軍に対しても同じようないやそれ以上の効果があると実証し・・
ボドル・オプションという戦術が正式に確立・・・・・

基幹艦隊決戦や・・・・・反政府組織の指揮官暗殺計画としての名称が使われている。

そのボドル・オプションを損害なくスムーズに行える機体として・・・・
VF-22とその競合機VF-19エクスカリバーが開発された。

話を戻す・・・・・・

サイアム「しかし、どうやって攻撃する?反応弾はないし、大型ミサイルはそもそもない・・・・VF-17は対空ミサイルしかないのだぞ・・・・」

デイビット「使うのはフォールド・ブースター。」

サイアム「フォールドブースター?」

デイビット「フォールドブースターは小型ながら莫大なエネルギーを使う事が出来ます。フォールドすると見せかけて・・・・切り離し・・・・そこでリミッターを起動させ爆発させます。」

デイビットのボドル・オプションにサイアムはどのようにやるのか疑問を持ったが・・・・・

その疑問に答えるかのようにデイビットはフォールドブースターを使い・・・・
フォールドすると見せかけて、爆発させる案を出した。

フォールド・ブースターのエネルギーは小型ながらも莫大であり・・・・・・
爆発させたら一つの都市を簡単に消滅させる程の爆発が起こる・・・程であり・・・・・
後にこのエネルギーを応用してフォールド爆弾通称次元兵器が開発される事になる・・・・・

デイビットはフォールド・ブースターの爆発力を知っており・・・・・・・
恐ろしさを知っていた。

その恐ろしさを今の状況を打開するのに・・・・利用させてもらう・・・・・

サイアムはカリーナの身を案じて反対したが・・・・・
これしか方法がないと渋々案を受け入れた。

無論・・・・・・

アリーナ「カークス上級技師長、姉いやバセット中尉に死にに行かせるつもりですか?」

デイビット「成功率は75%・・・・・生還率は・・・・」

アリーナ「そんな事を言っているんじゃない・・・・・姉は疲れているんです、確実に死にます。」

アリーナは反対した。
アロー号にいる軍のパイロットはカリーナしかいない。
だけど、度重なる連戦で機体も不安定かつ・・・・・まともに動ける確証はない。
パイロットであるカリーナも精神的に不安定になりつつある・・・・

妹であるアリーナは疲弊しきっている姉を心配しており・・・・・
危険極まりない任務に反対する。

デイビット「頼むこれしか・・・・」

アリーナ「だったら私がやります、行かせてください。」

デイビット「ならん、君は正規の軍人ではない!!我がゼネラル・ギャラクシーの社員だ!!」

アリーナ「この・・・・分からず・・・・・」

アリーナは自分が出撃すると言うが、デイビットに反対される・・・・・
それに納得しないのか、ゼントラーディ人の血によるのか激怒し・・・・デイビットに殴りかかろうとする・・・・

周りの整備士達はそれに気が付き・・・・・止めようとする・・・・

だけど、アリーナの拳がデイビットに当たろうとしていた。

カリーナ「アリーナ!!やめろ!!」

アリーナ「お姉ちゃん・・・・」

カリーナ「殴れば傷害罪になるぞ、だからやめろ・・・・・」

当たる寸前にカリーナが物凄い表情で怒鳴った。

怒鳴り声にアリーナはデイビットを殴る寸前に拳を止める。
今のカリーナはゼントラーディ軍の軍人のように鋭い目つきであり・・・・・・
どんどんこっちに寄ってきて、これ以上やったら傷害罪とか言って来る。

流石のアリーナも落ち着きを取り戻し・・・・後ろへ下がる・・・・・・

カリーナ「ボドル・オプションの実行の件は遠くから聞いていました、ぜひ私にやらせてください!!」

アリーナ「お姉ちゃん!!」

デイビット「いいのか?」

カリーナ「私は新統合軍の正規軍人です、要請あらば命をかけてお守りするのが義務・・・それが果たせるならばやります。」

カリーナはボドル・オプションの一連の流れを聞いており・・・・・・

これしか方法はない、生き残る方法がないならばデイビットの言うボドル・オプションを実行してやる・・・・
既にカリーナは覚悟を決め、デイビットの案に乗る・・・・・・

アリーナは・・・・・

アリーナ「お姉ちゃん・・・本気・・・・」

カリーナ「本気よ、アリーナのような民間人を守るのが軍人としての役目・・・・・」

アリーナ「でも・・・・・・・」

カリーナ「大丈夫よ私は結婚し子供が生まれる前に死ぬような真似はしないから・・・・」

ボドル・オプションに志願するカリーナを心配する・・・・
今の精神状態で上手く行けるのか・・・・それが心配だった・・・・

カリーナは・・・・

カリーナ「大丈夫、お姉ちゃんを信じて・・・・」

と言うのであった。
さっきの怒っている顔の姉の表情じゃないいつもの優しい姉の顔であった。
アリーナは涙を流し、姉カリーナがボドル・オプションの実行する事に賛同した。

それからすぐ・・・・・
カリーナのYVF-22の整備と補給が行われる。

精神と肉体の疲労を和らげる栄養ドリンクを飲ませ・・・・・
フォールドブースター2基を装着させた。

デイビット「リミッター解除の装置だ・・・生き残りたければ遠い距離で実行するんだ・・・いいな。」

カリーナ「はい」

デイビット「それと生きて帰れ、妹の為・・・故郷の家族の為にもな・・・」

カリーナ「はい。」

出撃する寸前にデイビットから生きて帰れと言われた。

心配してくれる家族、故郷に残した家族・・・・・それらを悲しませないように・・・・・・
デイビットの生きて帰れの意味をカリーナは上記のように解釈した。

確かにアリーナは泣いていた。
体やYVF-22の状態を見て、死んでしまうのではないかと心配してくれていた・・・・・
これ以上アリーナを悲しませないためにも・・・・・・・・

生きて帰る

カリーナはそう決心し、長い緑色の髪を上にあげてヘルメットを被った。



フォールドブースターを搭載したカリーナの乗るYVF-22は敵艦隊のいる方向へ向かった。
カリーナの表情は疲れきっているが、目の奥の闘志は燃えなかった。

自分は多分死ぬ・・・・・死ぬだろう・・・

まだ22歳であり、若い女らしく生きたかっただろう・・・・

だけど・・・・・・・死ぬつもりはない・・・・・・・・

この場に母がいれば・・・・・・・

常に人間は何かを求め戦う、戦う意思を失えば人間はその時・・・死ぬだろう!!
どんなに苦しい時も死にそうな時も・・・・抗えば・・・・活路は多少たりとも見えてくる・・・・
カリーナ・・・・軍人を目指し戦場に出て苦しい戦場でも・・・・諦めるな・・・・私の娘なら・・・

行ってらっしゃい

と言うだろう・・・・・・・・

そうか、人間は何かを求めながら戦いながら生きているんだ・・・・・
戦う意思を失えば死ぬ・・・・・・・戦う意思がなければ・・・・・・・・・・

カリーナ「父さん、母さん・・・・アリーナ・・・・・私は戦う・・・・今後の未来のため・・・・・・・・・・・・」

未来を求めて戦う・・・・・・

カリーナはそう決意した・・・・・・どんなに苦しくても生きるため・・・・・・戦って未来を勝ち取る・・・
この手が敵兵士の血に染まろうが、なんだろうが・・・・・・・

そう思っていると・・・・

カリーナ「ゴースト部隊これは?」

アリーナ『直接戦場へ行けないけど、私たちも戦うよお姉ちゃん。私たちが整備した偵察用ゴースト全機発進させるわ!』

カリーナ「アリーナ・・・・・・・・・みんな・・・・・・・」

アロー号から残存していた偵察用ゴーストを出してくれた。
ここまで支援してくれているのだから、絶対に成功させなければならない・・・

いや生きて帰らねばならばい・・・・・
カリーナを涙を流していたが、ヘルメットのキャノピーで涙を拭き・・・・・・
戦場へ出る。

挿入歌

カリーナ「敵め少数戦力の波状攻撃・・・だけどこれが終わればこの戦いが終わる邪魔をするな!!」

いつもの波状攻撃部隊6機がやってきた・・・・・

カリーナはバトロイドに変形し、クァドラン・ローのような戦術を取り・・・・
残骸を蹴って、バトロイドにおける機動性と旋回性をあげた・・・・・

レーザー砲でまず1機撃破し・・・・・・・・・・・・
近くを通りかかろうとしたもう1機をピンポイントバリアパンチでコックピットを叩き割る。

カリーナの反応に驚いたのか・・・・・
未確認飛行物体はバトロイドに変形し残りの4機はカリーナを囲むように展開・・・・・・
普通のパイロットならば苦しい状況だが・・・・

この時のカリーナは渡っている・・・・

カリーナ「囲んだ所で勝てると思うなよ!!」

とカリーナはそう言いながら、近くに浮遊していた不発のミサイルにレーザー砲を撃った。
レーザーに当たったミサイルは爆発し、2機の未確認機に被害を与えた。
2機は被弾し怯み、残りの2機は動揺・・・・・

カリーナはその隙をついて離脱、斜めに後ろ向きバックで移動しながら・・・・
未確認機の背後を銃撃、2機撃破・・・・・

被弾した2機もようやく元の態勢に戻ったが時すでに遅く・・・・
カリーナが背後に接近しYVF-22の腕に掴まれ・・・・
胴体を握りしめて切断・・・・・
もう1機は振り返るがコックピットにレーザー砲の銃口が向けられ銃撃され潰される。

カリーナ「邪魔者は消えたそろそろ起動させないと・・・・」

敵編隊を殲滅したカリーナはフォールドブースターのリミッターを解除・・・・
臨海爆発まで残り60秒となった。

リミッター解除は一見、フォールドするように見えるが・・・・
実際はフォールドせず、ただ大爆発を起こすだけである。
この大爆発を利用し敵母艦を沈めようとするのが・・・
今回のボドル・オプションの目的である。

温存していたアクティブステルスを起動させ、ゆっくりと敵艦隊へ接近する・・・

カリーナ「!?・・・・機体はもうだめかもしれない・・・・あと少しだけ力を貸して・・・・これが終われば最後なんだから・・・・頼む・・・・」

今までの戦闘のさっきの遭遇戦で高機動戦を行った結果・・・・
YVF-22は限界を越えてしまう寸前になっていた。

もうこのままでは終わってしまう・・・・・カリーナはそう感じた。

カリーナ「よし敵艦隊確認・・・対空砲火を迎える前に切り離さないと・・・・・」

ようやく敵艦隊が目の前に現れた。
目的の母艦や護衛艦がたくさんいるし・・・
これからアロー号へ攻撃に向かう機影がたくさん・・・

カリーナは喜びながらフォールドブースターリリーススイッチを押す

が・・・・

カリーナ「やばい・・・リリースボルトが・・・・」

慌てていたのか、機体の歪みからか・・・・・
リリースボルトが起動しない・・・・・

このままではフォールドブースターの爆発と共に消えてしまう・・・・

焦りの色を見せ始めるが・・・・
敵艦隊は対空攻撃が始まり・・・・光の矢がかすめる・・・・

カリーナ「父さん・・母さん・・・アリーナ・・・美穂・・・・ミューズ・・・・テレーズ・・ライト先輩・・・御免・・・・・私帰れそうにないや・・・・・アリーナ・・・皆どうか生きて・・・・・」

もうリリースできないなら命と共に敵艦隊を道ずれをする・・・・・・・

そう考えるようになった・・・・
22歳の若い命を散らす・・・・・・
正直嫌だ・・・・でも大事な人を失うのはもっと嫌だ・・・・
カリーナは穏やかな顔をして・・・・死を覚悟する・・・・

カリーナ「ん?これは・・・・」

と覚悟を決めていたカリーナはある物を見つける・・・・・
YVF-22が搭載しているリミッター・・・・
かつてYF-21試作2号機のパイロット.ガルド・ゴア・ボーマンが・・・

シャロン・アップル事件で暴走したゴーストバードX-9に対し・・・
リミッターを解除して機体の必要外のパーツをチャージし・・・・
機体を軽くし人体に耐えられる限界以上の機動力を出す禁断の扉・・・

結果的にガルドはGに耐えられず、ゴーストバードX-9を撃墜したが・・・
死に至る結果になっている・・・・・

カリーナ「これも危険だけど・・・・ないよりかは・・・・」

そんないわくつきの禁断の扉をカリーナは開いた。

禁断の扉の開放により主翼・垂直尾翼・手脚が吹き飛び・・・
YVF-22は半分の質量になり・・・・
吹き飛んだ反動によりカリーナの乗るYVF-22は吹き飛んだ。

吹き飛び艦隊をすり抜け、艦隊上方に到達・・・・・

この時カリーナが到達した時には爆発2秒前で・・・
到達直後、フォールドブースターが臨界点を超え爆発した。

「艦長・・・・想像以上の空間衝撃波が・・・・・」

サイアム「やったか・・・・」

アロー号の観測では経験した事のない衝撃を体感した。

それもそのはずグランド・ゼロでは艦隊が艦載機と共に消失・・・・
後に残ったのは無残な残骸のみと言う結果になった・・・・・

ただ・・・・・・

「バセット中尉・・・・ロスト・・・・・」

「同時にマクロス7船団の艦隊とマシューズ艦隊接近・・・・・」

カリーナのYVF-22をレーダーから見失ってしまった。
皮肉な事に救援艦隊の到着がカリーナロストの報があがった直後・・・。
サイアムは制帽を深くしながら、厳しめな表情を浮かべる。

戦闘から・・・・数時間後・・・・

「こちらマクロス7船団所属ルーネンバーグ、僚艦ハリファックスと共にYVF-22を捜索・・・・YVF-22を発見・・・・」

カリーナの乗っていたYVF-22が救援に来たマクロス7船団所属の・・・
ノーザンプトン級ステルスフリゲート.ハリファックスとルーネンバーグに発見された。
その報を聞いたアロー号はすぐさま、現場に急行した。

「流石に生きているのでしょうかね?」

「分からん、とりあえずコックピットを確認しろ!」

ルーネンバーグに回収されたYVF-22に整備員や士官らが集まる。

医療班も待機しており・・・・・
カリーナが生きているのか死んでいるかの確認をコックピットを開いて直ぐに行う。
医療班を含むルーネンバーグの乗員は息を飲む。

しかし

この直後、思いもがけない出来事が起きる。

カリーナ「ふぁぁぁぁよく寝た、漂流してたおかげで寝れたよ・・・」

「バセット・・・中尉・・・・・」

カリーナ「ちょうどいいや・・私の戦闘に関する事について記録してくれない?」

「わ・・・分かりました・・・・記録します。」

カリーナ「・・・・最初の出撃の時にさ・・・・・」

能天気な顔をしながら、元気よく今回の戦闘に関しての考えなどを語りだした。

デイビットや妹アリーナらはルーネンバーグに乗艦し、心配しながらカリーナの元へ向かうが・・・・・
元気よく、今回の戦闘に関しての考え方やダメージの対処の仕方や戦術に関しての事を語っていて・・・
口をポカーンとあげながら唖然としていた・・・・・・

カリーナ本人からすれば、テストパイロットとしての仕事を忘れずに・・・
いろいろと研究しながら戦っており、折角の考えを忘れないように技術者にいろいろと自分の考えを言った。

デイビット「流石は君の姉だね、記憶力もいいしタフ・・・・」

アリーナ「回復力早い・・・・・・とは言え、生きててよかった・・・・」

呆れる程の体力の回復の早さだったが、生きていてよかった。

生きていてよかった。

その後、アロー号はマシューズ艦隊に護衛され惑星マシューズへ寄港した。

カリーナと護衛艦の兵士、負傷した職員らは寄港してすぐ軍病院へ入院した。
後に分かった事だが、カリーナが撃墜した正確な数は48機と軍艦数隻であったと言う。
今後更に数は増えるだろうが・・・・

以前から流れていたVF-22の稼働率の低さの噂を払拭させ・・・・
VF-17の頑丈さのセールスポイントを獲得するいい機会になった。

マックス「なるほど謎の艦隊か・・・悪い事は本当になったな。」

バートン「カリーナ・バセット中尉の実力すさまじく、謎の艦隊を撃破したとの事・・・・」

マックス「恐ろしいが頼もしい、敵に回したら不気味なエースパイロットだ・・・・流石はかつて私とミリアの前に立ちふさがったゼントラーディ軍の女性エースの娘だ・・・・・」

救助艦隊から報告を聞いたマックスはVF-22の情報とカリーナの戦闘記録を読んだ。

中々いい戦闘記録であった為マックスは喜んだが、カリーナの力に対し畏怖を覚える。
味方では頼もしい敵だと厄介・・・・
天才マクシミリアン・ジーナスとは言え怖い敵はいるもんである。

怖いものと言えば・・・・妻のミリア・・・そして・・・・

バートン「救助艦隊よりこれを・・・・・」

マックス「ミューズか・・・・惑星マシューズ自治軍所属で、バセット中尉と美保少尉そして妹のテレーズとは同期だ・・・・パパへ、元気でやってます。せいぜい女性オペレーターにはあんな事やこんな事になる展開になってママを悲しませないでください・・私はそんな事をしない。」

バートン「あの恥ずかしいプライベートな事を堂々と口で言うのはどうかと・・・・」

娘・・・・・・
この前ミランダが船団から離れたばかりで、近くにいるのはミレーヌのみである。
そのミランダやミレーヌを含め、マックスに対し愚痴を言うので・・・・
マックスからすれば怖い相手であり・・・・・

十分成長したコミリアからテレーズまでの20代は特に怖い相手である。
その怖い娘の一人から怖い内容の手紙が来て・・・

マックスは思わず口に出して読んでしまった。

とは言え、マクロス7船団は・・・・
半年後、カリーナらを襲った未確認集団いや・・・・・
プロトデビルンに洗脳された軍事集団バロータ軍と戦う事になるのだが・・
それはまた別の物語。

【惑星マシューズ.星都.マシューズシティ.第1軍病院】

カリーナらはマシューズの第1軍病院へ入院した。
入院しカリーナは何不自由なく養生していたが・・・・

病院食の味の悪さに不満に思っていた。

アロー号は一足先に惑星エデンに戻った。
アリーナも当然その一人であり、離れ離れになったが・・・
別れ際に病室に訪れお見舞いに来た。

そして今日・・・・

ミューズ「驚いたよカッチー、パパの船団に訪れて・・・帰還中に襲われて負傷とはね。」

カリーナ「ミューちゃん・・・・でも頑張ったんだよ、なんとか敵を撃退しました。」

ミューズ「分かっているわよ、カッチーが戦場でヘマをしないくらい知っているわ・・あの地獄・・・スピカの戦いを生き抜いたのだから。」

カリーナ同期で父マックスに激しいダメージを与える手紙を書いた・・
ミューズ・ジーナスが果物を手土産にやってきた。

親友の中ではミューズとテレーズと仲良しで・・・
美穂を含めた親友達で団体旅行に行くほどの仲良しである。
見舞いに来るとカリーナと楽しく談笑・・・・

いろいろ冗談を言って楽しんでいた。

ミューズ「怪我なおして、いつかおいしい物を食べよう!!」

カリーナ「ミューちゃんの奢りで!」

ミューズ「13回奢らすな!次はカッチーが奢るんだよ!」

カリーナ「ケチッ!!」

と和やかな雰囲気のまま解散・・・・・
ミューズは笑顔のまま帰っていった。

カリーナ「さて私も怪我を直し一か月休暇でマシューズ名物食べようっと!!」

ミューズが退室した後・・・・
カリーナはのんびり自分の欲望について考える・・・
この前激しい戦闘を経験したのが嘘なくらいに・・・・

その後、カリーナ・バセットは養生有給休暇1か月の後・・・・
オリンピア船団出航までの間GG開発センターに出向継続・・・・
アリーナと仕事したり・・・・・
次世代機開発プログラム参加後

クラーキン・プライズ章を獲得・・・・
軍からはロイ・フォッカー章を授与し、階級を大尉に昇進し・・

オリンピア船団の飛行編隊隊長に就任・・・
オリンピア船団の安全保障を維持している。

YVF-22は修理不能になったが、社の保管庫に眠っている。

ED

エピローグ

【惑星ピースミリオン】

第2次シェルバン大戦の激戦区であり・・・・
シェルバン共和国とその同盟国と激しい死闘を繰り広げていた。

その基地の宿舎で・・・・・・

ライト「フォールドブースターを利用した作戦・・・・か・・・・」
新統合軍ライト・インメルマン中尉

一人、ニュースを見ていたライトは・・・
カリーナがフォールド・ブースターを起爆した作戦に関するニュースを見ていた。
新統合軍がシェルバン軍とその同盟国に関するプロパガンダであり・・・

統合軍が停戦するカードだろう・・・・
ライトは一人テレビを見ながら、じっと眺めていた・・・・

もしこれが軍事兵器になれば核兵器・・・反能弾に次ぐ・・・
最終兵器になるだろう・・・・・とライトは思った。

吉野朝灯「ライト、何しょげてテレビ見ているのよ。」
新統合軍衛生兵吉野朝灯軍曹(後のアサヒ・インメルマン)

ライト「なんでもない、そっちは?」

吉野朝灯「負傷兵の治療は交代要員に変わったわ、今はお休み。」

ライト「そうか、二人で何か食べないか?」

吉野朝灯「それはいいわね、食べに行きましょう。」

今では恋仲になった朝灯がやってくるとライトは優しげな表情を浮かべる・・・・
朝灯の前では暗い表情は浮かべない・・・・・

ライトはテレビの前から離れ、朝灯を連れて食堂へ向かう。

この時まだ知らない・・・・
15年程後、第1次ウィンダミア独立戦争にてライトは・・・
VF-22に搭乗し遠隔操作により、次元兵器を使用し・・・
自身の命と多数の統合軍やウィンダミア国民を死地へ送る事を・・・・

朝灯がライトの死に悲しみ自殺未遂してしまう事を・・・・
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