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マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

第22話 戦場の束の間

2017-01-22 22:43:43 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
          【マクロス.艦内軍事施設内 軍総合病院】
                痛て~

マリー「動かないでください中尉殿、ガラス片の後の傷口に消毒するだけですよ。」
看護兵マリー・ラミレス.准尉

桐原中尉「それが痛いんだって・・・・うが~

桐原は戦闘で負傷し2日間負傷していた。
2日間、看護婦に包帯を取り替えたり消毒したりしていたが。
あまりの痛さで絶叫する。
昔から傷口に消毒液を浸すのが嫌いである。
消毒液で傷口を消毒するのはかなりの激痛である。

桐原ではなくてもこれは痛いもんである。

ホレス軍医「桐原くん、君はサムライから大日本帝国陸軍・陸上自衛隊うんぬんの家系出身なのかね?それくらいは我慢してくれ。」
軍医ホレス・ホイットニー.大尉

桐原中尉「痛いもんはしかたがないだろ!!ゲーハー!!」

                   ガポン

桐原中尉「うがぁぁぁぁぁ」

ホレス軍医「誰がゲーハーだ!ゲーハー!!このクソガキが!!」

ホレス軍医にゲーハーと言って傷口を殴られる。
傷口を殴られたせいか物凄く痛い。
この世の物と思えない程の痛さのようだった。

桐原中尉「軍医が患者の傷口殴っていいのかよ!?」

ホレス軍医「うるせぇお前は銃弾を100発受けようとも死なない男だろ!」

マリー「ホイットニー軍医、やめてください傷口が開いてしまいますって!!」

お互い興奮した状態であった。
これが2日も連続として続いていた。

                     【艦長室】
ハリー議員「事前に報告していたとは言え、トランスフォーメーションにより市内の再建したばかりの家屋が損壊し苦情と損害賠償が寄せられています。今後の再建はトランスフォーメーションしても損壊しないような再建を進言します。」
上院議員ハリー・イノウエ

グローバル艦長「御苦労・・・・・」

艦長室ではハイマン・グエント.上院議員とブレット・ダルカン下院議員.映画プロデューサーである阿武秀昭などが集められた。
前回の戦闘での報告を兼ねてだが・・・・・・・映画プロデューサーである阿武が呼ばれたのはある計画を進めるためであった。

佐久間大佐「艦長、前回の戦闘でかなりの犠牲者が出ており若者の志願制を敷いていますが・・・・・マクロス避難民の若者をこれ以上志願させるのに限界と・・・・・」

グローバル艦長「資材だな・・・・・・・」

佐久間大佐「そうです、軍内部でもかなり問題視されており鎌倉より小惑星での資源採取が検討されています。スワイトフ大尉、書類をグローバル艦長に・・・・」

アイン「はい。」
佐久間大佐.秘書官アイン・スワイトフ大尉

グローバルはアインから書類の入った封筒を受け取り中身を見る。
パイプを加えながら書類に書いてある小惑星での採取計画を確認する。

グローバル「よろしい許可する。」

佐久間大佐「ありがとうございます。」

佐久間は礼をしてこの場から下がる。
続いては映画プロデューサーの阿武である。
これこそ本題である。

阿武「ミスマクロスはMBSの開局に合わせて行われます、書類による第1審査を進めており現在参加者の応募が殺到しています。」
映画プロデューサー.阿武秀昭

グローバル艦長「そうか・・・・・いつ頃になりそうか?」

阿武「火星を越えた時に開催される予定です。」

グローバル艦長「そうか・・・・・・・・・」

ミスマクロス・・・・・・簡単に言えば美女ランキングのような物。
本命は美人大物女優のジャミス・メリンであり、素人の場合はトップ5までが芸能界入りができる。
男女とも楽しめる祭りである。
主な出演者は女性であるが・・・・・・・・・・・・・

ハイマン議員「まぁ一般市民の関心を引き寄せるフェスティバルならばそれでいい、実行委員長であるこの私の名声があがるな。」
上院議員ハイマン・グエント

阿武「もしかして・・・・2012年の大統領選挙の土台にするのですか?流石の議員もピエロのようだ。」

ハイマン議員「ば.馬鹿を言え!!それに君映画監督風情が私をピエロだと!!!」

ハイマン議員は実行委員長としての地位を使い無事にミスマクロスを成功させて大統領選挙への土台を築こうと目論んでいた。
それを見抜いていた阿武に指摘され図星を疲れるが必死に否定する。
この時グローバルが思っていた事は・・・・・・・・

ー青ダヌキめ・・・・・

ミスマクロスの話は女性クルーの間でも話題になっていた。
女性兵士の何割かは出ようと思う人が大勢いた。

三浦佐枝子「ミスマクロス?」

ラーナ「最近他の課の女子の間では話題よ。」
第2艦橋オペレーター.ラーナ・ヴェリナ.少尉

当然女性士官である佐枝子にも降りかかってくる話題でもある。
既に佐枝子の所属する箇所では選考を受けた女性士官は14名いると言う。

ラーナ「佐枝子、美人だし出たらどうかな?」

三浦佐枝子「私は別にいいわ、むしろラーナが出たらいいんじゃない?」

ラーナ「冗談、スケベな男性陣の前で私の80%裸の水着姿見せるわけないじゃない。出ない。」

三浦佐枝子「そう言うなら私もパスね。」

ミスマクロスは誰もが出るわけではない。
男性兵士が嫌らしい目で見るとかで嫌がる女性兵士もいれば、出る気はないと言う人物もいる。
まぁ生真面目な女性兵が主であるが・・・・・・・

だがこのイベントは後に歴史の教科書に載る程の有名になる伝説の歌姫が生まれる重要イベント人ある。
それはまだ先の物語である。

第21話 奇策必殺ダイダロス・アタック

2017-01-21 22:42:49 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
SDF-1マクロスから発進した強襲部隊はゼントラーディ軍の艦載機群と交戦する。
ブリタイは自分たちの恐ろしさを知らしめるために更に増援部隊を派遣してマクロスの火力の差を引き離そうと目論む。

「中尉、テイゲール小隊・ムラ―ド小隊全滅しました!カスケード小隊やキャンベル小隊に被害拡大。」

桐原中尉「隊長や副隊長は生きているか?」

「なんとか生きていると思われます。」

桐原率いるSVF-64もかなり苦戦していた。
桐原率いるノバリケン小隊は3機で21機撃墜するなど善戦していたが部隊全体の被害は拡大していた。
これだけならばマシな方だ。
殆どの部隊員が戦死している部隊もある。

「マイクローンの艦載機如きに!」

桐原の上空に重攻撃機が迫ってきた。
攻撃は桐原の右翼に若干命中する。
損害は翼が多少かすれた程度で問題はない。

「少しは出来るようだが、これならばどうだ!!」

重爆撃機は桐原の背後につく。

桐原中尉「舐めるな!」

「ラック!?」

突然目の前でガウォークに変形し重攻撃機を掴みあげる。
ガウォークの下に収納してあった頭部を使い、頭部レーザー砲を向ける。
そしてレーザー砲のトリガーを引きコックピットを焼き上げる。
そしてバトロイドに変形し蹴り上げ、重攻撃機は爆撃する。

「隊長!?」

桐原中尉「心配をかけちまったな、俺は無事だ。それよりマクロスは・・・・・・」

「ハッ出てきました、敵艦隊も出てきましたし我々の任務はこれで完了です。」

「既にマクロスから直掩の命令が出ています、マクロス周辺に戻りましょう。今なら堂々と土星リングの上を通る事が出来ます。既に本隊は部隊を集結し、マクロスに向かうとの事です。」

桐原中尉「本隊がそう言っているか、敵艦隊が殲滅できれば後は雑魚のみだな。」

桐原はマクロスが主砲発射されるのかと思いその場の宙域から退避する。
そろそろかと思ったが何か様子がおかしい。
それは主砲がいつになっても砲撃しないのである。

桐原中尉「なぜ撃たないマクロス、今が攻撃のチャンスなんだぞ!」

マクロスの主砲を撃たないのはピンポイントバリアを展開したからである。
その影響からか主砲にエネルギーが溜まっておらず攻撃が出来ない。
今までやって来た事が無駄になってしまった。
こうしている一方で可変戦闘機乗りの犠牲者はどんどん増えていく。

「ぐはっ」

桐原中尉「石野!?」

ノバリケン小隊の隊員1名が敵の攻撃を受け爆発する。
とうとうノバリケン小隊まで被害が出るようになったのである。
このままでは部隊が全滅するその危機感に駆られた。

「マイクローンの部隊の戦力が低下したぞ、どんどん追い詰めていけ!!」

ゼントラーディ軍の艦載機群部隊がマクロスに更なる猛攻をしかける。
奇襲攻撃を仕掛けるつもりが逆に守勢に追い込まれてしまった。

ゼリル「今だ!敵艦を行動不能にさせるミサイル全門撃て!」

          シュボォォォン シュボォォォン

エマ「敵艦よりミサイル射出!こちらはピンポイントバリアで展開し迎撃します、パープル小隊少しでも数を減らして!!」

ジョニー「パープルリーダー了解!増援にフォッカー少佐を回してもらいたい。」

エマ「分かりました頑張ってください。」

ゼリル艦からミサイルが複数射出する。
マクロスはピンポイントバリアを展開しているが、これぐらいの数だとマクロスに何発も命中し防ぎきる事はできない。
エマはパープル小隊などの複数の小隊にミサイルの迎撃を指示する。

エディ「くそミサイルは何処だ!?」

ブルース「敵艦からの艦首から射出されている、敵艦とマクロスの間だ!」

二人は必死にミサイルの位置を特定する。
すると・・・・・・・・

ジョニー「ミサイル風情がちょこまかと!」

  ドドドドドドドド ドドドドドドドド ドドドドドドド

エディ「隊長一気に3機も・・・・・・・・・」

ジョニー「何お前たちも見ている、直ぐに片づけるぞこのデカイ怪物共をよ。行くぞ!!」

パープル小隊は記録によるとマクロスに向かうミサイル群の半数以上を掃討したと言う。
パープル小隊を指揮したジョニー・ギルバートの知性と勇猛さを加えた戦いぶりだと後セの記録所は伝える。
しかし彼らの奮戦は空しくミサイルがマクロスに命中した。

早瀬未沙「バルキリー・グリーン、ブラウン中隊全滅。ローズ中隊もかなりの打撃を被ってます、ブラウン中隊の伊集院義一少佐、負傷現在病院へ搬送されました。」

グローバル艦長「頼りはスカル隊のみか…!各残存機の部隊指揮権をフォッカー少佐に委譲する。」

他のバルキリー部隊は指揮官がそれぞれ戦死し、部隊としての機能を損失する。
そのロイも自機の背後にリガード2機に背後を取られるが。一条機が撃墜する

ロイ「輝、ありがとよ!

一条輝「先輩、なぜマクロスは主砲を撃たないんですか!?」

ロイ「分からんな・・・・・・・」

今まで善戦していた兵士たちもマクロスが主砲で撃たない事に不安がる。
むしろ苛立ちを覚える。

滝田中尉「少佐。」

ロイ「滝田か・・・・・お前がいると言う事は後詰と言うことか?」

滝田中尉「そうなります。」

ロイ「まったく厄介な事になっちまったぜ。」

既に全パイロットは疲労困憊であった。
そう桐原も・・・・・・・・・・・・・・・

「桐原機着艦、被弾しているぞ!」

「消化急げ!」

千葉軍曹「シゲ坊無事か!?」

桐原はリガードのミサイル攻撃で機体の半分をやられた。
疲れた隙の油断・・・・・・そこにミサイルが命中した。

「桐原中尉、外傷は右腕にガラスが刺さった程度。」

千葉軍曹「まったく悪運のいい奴だ・・・・・・・」

「消化が終わった敵の攻撃来る前に機体を収容しろ!」

桐原はガラスが刺さった程度での負傷と頭を強い衝撃による失神。
部下が持って帰ってこなかったら、危うく宇宙で遭難する事になっている状態。
だがミサイルが命中しその程度で済んだのが奇跡だった。

                 ズシーン

桐原茂義「けっ揺れてらぁ・・・・吉川.避難民の様子はどうだ?」

吉川元家「ハッ混乱はありません。」

桐原茂義「そうかい・・・・・」

桐原の弟茂義は部下と共に避難民の警護任務にあたっていた。
茂義も警務官と言う名の軍人であり部下の命を預かる若手将校である。
民間人も部下を守るのは当然の義務である。

            ボゴォォォン

桐原茂義「大きいな・・・・・・」

                プォン

劉紅花『報告します。』

桐原茂義「紅花相変わらず仕事が早いな・・・・状況はどうだ?」

劉紅花『ハッ、市街地内部に爆発は確認されずそこまでの被害は今のところ無しです。』

桐原茂義「兄貴達・・・・・・・よくやっている。」

茂義は兄達の活躍を褒める。
だがよくやっている代価に兄いや見知らぬ誰かの命が支払っているかもしれない。
チョコレートを取りだし一口食べる茂義はそう感じていた。

             ズドォォォォン

グローバル艦長「もはやこれまでか…。」

こうしている間にどんどん追い込まれていくマクロス。
土星で命運が尽きる時がやってきたのである。
すると・・・・・・・

早瀬未沙「艦長、ピンポイント・バリアのエネルギーをダイダロスの艦首に集中することは可能でしょうか?」

グローバル艦長「できると思うが。早瀬くん何をするつもりなのかね?」

早瀬未沙「いいからやってください!あたしに考えがあります。」

早瀬未沙は自分の考えている案をグローバル艦長に軽く説明する。
何かひらめいたようである。

グローバル艦長「よろしい、任せよう。」

早瀬未沙「キムにシャミー、デストロイドをダイダロスの艦首に、大急ぎで集めて!!」

キム「はい。」

シャミー「はい。」

早瀬未沙「クローディア、マクロスを敵艦に突撃させて。」

クローディア「わかった。 」

このようなやり取りの後マクロスは動きだす。
デストロイド部隊は艦内でゆっくり艦内のモニター映像で眺めているだけであったが、突然の招集で慌てるが数分後には無事にダイダロスへ集結が完了する。
まるでこの動きは特攻である。

「敵艦が突っこんできます。」

ゼリル「撃てっ! 撃ちまくれ!撃沈しても構わん撃て!!」

マクロスはゼリル艦に接近する。
ゼリル艦は砲撃する準備に入るが・・・・・・・・もう時既に遅い・・・・・・

早瀬未沙「ダイダロス…、アタック!」

マクロスは右舷の強襲揚陸艦ダイダロスの艦首にピンポイント・バリアを展開しゼリル艦首に突っこませる。
ダイダロスは敵艦の装甲をつき破り、司令室まで到達する。

ゼリル「なんだ!?」

ダイダロスの船首部がひらくと、なかにはデストロイド・トマホーク、およびデストロイド・モンスターが配置されている。

ゼリル「ああっ!!誰かこいつらを・・・・・・・」

「俺達の仲間を殺した鉛のご褒美だ!受け取れ!」

ゼリル「ぎゃ~!!」

「ぐわぁぁぁぁ!」

デストロイド隊はゼリルに向けてミサイル一斉射撃する。
攻撃終了後はハッチを閉めた。
ゼリル艦への攻撃は内部からどんどん誘爆し艦内は地獄絵図になった。
偶然艦内に迷い込んだ一条輝はハッチから脱出し幸い爆発に巻き込まれる事はなかった。

その直後、ゼリル艦は轟沈した。

「艦長、ゼリル1級指揮官が・・・・・・・・」

「マイクローンめこのまま我が艦を突っ込んででも沈めろ!」

「艦長、ブリタイ司令より撤退命令が・・・・・・・・」

「くそ・・・・・・舐めたままでは釈然としないが・・・・・・僚艦に伝えろ我が隊は本隊に合流するとな・・・・・・・・」

ゼントラーディ軍の艦隊は退却する。

ロイ「とうとうやっこさんは帰ったか・・・・・・・」

出智圭「でも被害は多きかったですね・・・・・」

ロイ「・・・・・・・・そうだな・・・・・生きている事は神に感謝だ。」

ついに地獄のような戦闘に終わりを告げたマクロス。
この戦闘で失ったバルキリー乗りは35名・・・・・・・・・・・それに優秀な指揮官の死亡と負傷付きであった。
多大な犠牲を払いながらもマクロスは火星への進路を確保した・・・・・・

第20話 カッシーニ空域R-18ポイント奇襲攻撃命令

2017-01-20 22:57:19 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
               【土星 衛星ディオネ宙域】
桐原中尉「こちらノバリケンリーダー(ノバリケン.カモ科のカモ)からガンサイド2へ、エネミータリホー.エネミースカウトプラトーン(敵偵察小隊)を発見したこれより攻撃を開始する。」

エマ中尉「こちらガンサイト2、本艦の位置を知られるわけには参りません。1機も残らず殲滅してください。」

桐原中尉「了解、これより殲滅を開始する。」

桐原率いるノバリケン小隊などを始めとるするは土星付近に展開するゼントラーディ軍に対し遊撃戦を開始した。
小規模の偵察部隊ばかりを狙いマクロスの位置を知らせる監視目を殲滅した。
稀にはなけなしの反応弾を搭載して小規模艦隊に対し攻撃し撃沈していった。
問題児と称された一条輝と出智圭は初陣ながらも華々しい戦果をあげた。

いきなり初戦で2機以上撃墜したのである。
一条輝は上官である早瀬未沙に反抗的な態度を取るが気配りができ。
出智圭は同じ年齢の同僚とつるんでお互いに自分の活躍を語り合っていた。

そんな坊主には負けていられない桐原はノバリケン小隊を率い敵を撃つ。

「隊長、バックアイです大物です。」

桐原中尉「緑色の妖怪かついているぞ。」

バックアイと呼ばれたのはケルカリアと呼ばれるゼントラーディ軍の偵察艇である。
貴重な兵器であり1個基幹艦隊ではレアな機体である。
この前1機の無人のケルカリアが回収され、上層部はバックアイと言うコードネームをつけた。
だが容易に相手できる相手ではない、護衛には重攻撃機らしき奴がいる。
そいつを排除しなければ・・・・・・・・・

桐原中尉「ノバリケン2-3へ仕掛けるぞ!散開(ブレイク)!!」

           キォォォォォォォォォン

ノバリケン小隊は桐原の掛け声と共に編隊を解除し左右と中央の急降下するかのようにしかけた。
バックアイで得られたレーダー探知圏内に入る前にミサイルを数発とガンポッドを一斉に攻撃する。

重攻撃機にはコックピットやエンジンに命中し大破し、バックアイはガンポッドの銃弾が当たる。
だがバルキリーより大きい機体であるためガンポッドごときでは落ちなかった。

桐原中尉「一度目は聞かないのは当然だ、ミサイルで撃墜する。お前らは陽動をしかけろ!」

「了解」「了解」

桐原は一回散り、残りの機はケルカリアの背後を追撃する。
ドアが開いてしまい敵兵士の姿が見えたが銃弾で殺害する事はできなかった。

桐原中尉「よし射程に入ったぞ!消えろ!!」

    シュボーン ズドォォォン

ケルカリアは桐原の放ったミサイルは破損したドアを突き抜けコックピッドの中に直撃する。
内部から大爆発を起こしケルカリアは撃墜された。

               オォォォォォォォォン
「主機の廃熱システムシステム作動、外部冷却機に接続させろ!」

ノバリケン小隊は任務終了後、空母プロメテウスに着艦し機体の整備を受ける。
桐原以下3名のパイロットは休憩所に向かうため人員用エレベーターに乗る。

千葉軍曹「シゲ坊と子分達やったな、大型機と重攻撃機とは大した戦果じゃねぇか。」

桐原中尉「そんな事はないですよ、自分の部下が優秀なだけです。」

エレベーターで合流した千葉軍曹の出迎えと戦果に対するお褒めるの言葉にこう答える。

桐原中尉「一条と出智の奴はどうですか?」

千葉軍曹「対する存在だが優秀な奴だ、一条軍曹は機体を負荷をあんまりかけずに余裕だし出智は負担はかけているが全機撃破するなど優秀さ。」

どうやらあの問題児共は元気にしっかりと仕事をこなしているようである。
あいつらは仕事だけは上手くやるようだ。
まぁあいつらならば少しは信頼はできそうだな。

エレベーターから降りた4人、空気のある区画なのでヘルメットを取る。
すると・・・・・・・・・・

富士見雪「中尉殿!」

桐原中尉「どうした富士見軍曹?」

富士見雪「スカル中隊がピケットライン完成させたのとECMを作動させたので当分次の戦闘はお休みです。」
SDF-1マクロス整備兵富士見雪.軍曹

桐原中尉「やっとか少しは束の間の平和を楽しむ事が出来るのか・・・・」

整備兵の富士見雪が桐原にスカル中隊がセンサーポッドを投下しピケットライン(監視線)を設置した事を報告した。
当分、遊撃戦と偵察戦を行っている航空隊の面々は束の間の平和を掴む事ができた。
仕事をきちんとやった神様からのご褒美かのように思えた。

                 【SDF-1マクロス第1艦橋】
ピケットラインを展開しECMを作動させた。

早瀬未沙「艦長、ECM(電子妨害装置)を作動させました。しばらくは敵艦に所在地を知られないと思います。今後の対策は?」

早瀬未沙は艦長のグローバルにすべて作業が完了した事を報告する。
このまま休息しこのまま地球を向けて移動(途中火星を経由する。)するかと思われたが・・・・・・
グローバル艦長はある衝撃な発言する。

グローバル艦長「いずれにせよ発見されるだろう、ここは奇襲をかける。」

早瀬未沙「奇襲!?」

クローディア「奇襲?」

艦橋にいたグローバル以外の人物はショックと衝撃を一度に受けた。
このまま休息を受けるのかと思っていたがそうでもなかった。

早瀬未沙「艦長!」

グローバル艦長「土星を抜ければどうせまた追われる身だ。思いきって奇襲をかけ、活路をひらいてみたいのだ。」

クローディア「でも艦長…。」

グローバル艦長「危険は承知の上だ。」

グローバル艦長は不安がる一同に説明する。
クローディアはグローバル艦長が冗談ではなく本気だと悟り・・・・・・・・・・

クローディア「わかりました。斉動をかけて、臨戦態勢・・・第1級戦闘配備に入ります。」

グローバル艦長「うむ!」

クローディアは艦内の軍施設に第1級戦闘配備に移行する。
第1級戦闘配備発令を確認したグローバル艦長はブリッジから退出し他の幹部に説明しに行くが・・・・背の低いブリッジ出口の天井に額をぶつける 。

グローバル「んん、いってえ…。」

クローディア「はあ…。」

早瀬未沙「ああ…。」

そしてグローバル艦長は佐官クラスの人間を集めこの後の作戦会議を行う。
多少は揉めたが話し合いの結果、全員一致で納得奇襲作戦を開始する事が決められた。
会議の後、グローバル艦長は移動する事をハイマン・グエント議員に報告した。
奇襲作戦に参加するバルキリーのパイロットたちが一堂に集められる。
桐原や滝田などの精鋭兵や機種転換したカールを始め、一条輝.出智圭などの新兵.ディーやマリアなどの女性兵もいる。
更に遊撃戦時に加わった第2期の新兵を含め総勢120名余である。

スワノフ大佐「明日、我々は敵艦が土星リングに入り次第、ただちに奇襲をかけることになった。今回の奇襲任務は死ぬ人数は多いかもしれんが・・・・・・・・・・今更私は何も言えん。。ただ、君たちのパイロット魂を見せてほしい。それだけだ。会っておきたい者がいたら、今夜のうちに別れを惜しんでこい。以上だ。」
人事課イワン・スワノフ大佐

一同はスワノフ大佐の簡単な説明を聞いた後一堂敬礼する。
桐原はこの戦いが人生最後の戦闘になるかもしれないと思った。
土星リングは障害物が多く飛行するのが難しい。
それに奇襲すると言っても相当なリスクを負わなくてはいけない。

もし最後になるかもしれないから、妹の明美と茂義を呼んだ。
二人は偶然にも非番であり桐原の元へ来た。

桐原明美「兄さん話って何よ。」

桐原茂義「俺はデートの予定だったのに・・・・・・」

二人は若干不満であった。
特に茂義は紅花とデートする予定であり今回の話のために明日に変更する事になったと言う。
明美は桐原に話かけるが・・・・・・

桐原中尉「・・・・・・・・」

桐原は暗い表情である。

桐原明美「兄さん、その顔何か重大な事を伝える気ね。」

桐原中尉「そうだ・・・・・・・・明美・・・・茂義聞いてくれ!!俺は次の作戦死ぬかもしれない・・・・・・・・・・・」

「えっ・・・・・・・・」

桐原の一言がその場の空気を重くした。
突然この後死ぬかと言うような発言・・・・・・一番ショックを受けたのは・・・・・・

桐原明美「兄さん、まさか・・・・・死ぬ気じゃ・・・・・・」

桐原中尉「そんなんじゃない・・・・・・・・俺は祖父母を殺した反統合同盟の兵士を殺すまでは死ぬわけにはいかないし・・・・・・・・・むしろ次死ぬかもしれないのは・・・・・生存するのに難しい任務だからだ・・・・・・」

桐原だって死にたくはない・・・・・・
こんな所で死ぬ気なんてハナからない・・・・・・・・
だが軍の作戦説明書では・・・・・・・・・・・・・

____________________________________________

・土星カッシーニ宙域に存在する影のゾーンから突入し強襲攻撃を食われる。
・途中で砲撃はあるが、その際は攻撃の命中を気にせずそのまま前進せよ。
・敵は圧倒的な兵力ではあるが敵艦隊を目的地まで誘導されたし。
・死亡率の高い作戦ではあるが上手く作戦を成功されたし。

____________________________________________

桐原は無茶な作戦だと分かっていた。
上がこれしか作戦がないのは知っていた。
正直死ぬ可能性のある戦いは正直嫌だが、このまま逃げるわけにはいかない。
俺がやらないでどうなるんだと・・・・・・・・・・・

桐原明美「兄さんの部隊も行くのよね?」

桐原中尉「そうだ・・・・・・・」

桐原明美「・・・・・・・・・」

明美は桐原が出撃する事を肯定すると聞いた途端顔色を悪くした。

桐原中尉「すまん・・・・・・・・俺より若い連中だけに危険な目に遭わすわけにはいかん、なんたって上官だからな。」

桐原はショックを受けて顔色を悪くしている明美に言う。
すると茂義は・・・・・・・・・

桐原茂義「兄貴・・・・・・・曾祖父は大戦中のエースだ、それに恥じずに戦果をあげ生きて帰ってこい。死ぬとか生きるとかじゃなくて、未来の目標のためにな・・・・・それに独身のままで死なれたら亡くなった祖父母も泣くぜ。」

桐原中尉「こいつ・・・・・味な真似をする・・・・・・・・・・・」

茂義は桐原に未来の目標に進めと言う。
遠まわしな事を言えば生きて帰ってこいである。
茂義も先輩の軍人である兄を尊敬している。

桐原中尉「もしもの事があったら・・・・・・・・・」

桐原茂義「分かっているその時は・・・・・・・父さんと母さんそして月に愛理によろしく言っておいてやる。安心して行ってこい、生きて帰ってこいよ!」

お互いに敬礼する。

桐原茂義「姉貴は兄貴に何か言う事はないか?もしかしたら・・・・・・・・」

桐原明美「言う事はないわ・・・・・・・・・・もしさよならとかの言葉を言ったら・・・・・」

桐原中尉「そうか・・・・・・・・・・・・じゃ頼んだぞ、この艦の未来のために・・・・・行ってきます。」

桐原は自分の兵舎に戻る。
桐原の後姿はまるで死地に向かうかつての大日本帝国陸軍の軍人かのようだった。
二人は桐原の後姿を見つめる。
そして・・・・・・・・・・・・・

早瀬未沙『各飛行隊に告ぐ。奇襲作戦は、カッシーニ空域において遂行する。各部隊を7班に編成し、氷塊のなかで待機せよ。敵艦をカッシーニ宙域に誘導。繰りかえす。奇襲作戦はカッシーニ空域において遂行する。』

アナウンスが艦内に流れ全バルキリー搭乗員は空母プロメテウスに向かう。
パイロット達は自分の愛機に乗り込み出撃の準備をする。
そして先遣部隊が逐次発進する。
次は桐原が所属するSVF-64である。

千葉軍曹「シゲ坊、御武運を。」

桐原中尉「行ってくる、もしもの場合は任せた!」

千葉軍曹「馬鹿野郎!もしもはねぇんだ、生きて帰れよ!」

桐原中尉「了解、ノバリケンリーダー発進!!」

             ドビュゥゥゥゥゥゥゥゥン

桐原のバルキリーはプロメウスの甲板から発艦する。
各バルキリー部隊は勢いよく飛び出して行く。
これが最後の戦いになるかもしれいない、だったら華々しく散るのもいいだろう。
だが生き残るためにも全力でやらせてもらう、桐原は心の中でそう思った。

ロイ「輝!寝不足で足手まといになるんじゃないぞ!」

一条輝「御心配なく!」

一条輝は編隊から離れ勢いよく飛び出す。
バルキリー部隊は影のゾーンと呼ばれる宙域に突入する。
その中にうまく潜伏しつつ強襲する

一方その頃、ブリタイ艦のブリッジのモニタにゼリル艦長が映しだされる。

ゼリル「お呼びですか、ブリタイ司令官殿。」

ブリタイ「ゼリル1級指揮官。第5惑星内に入りこみ、艦を捕獲してほしい。」

ゼリル「はっ!」

ブリタイ「できれば無傷でな。」

ゼリル「エスケスタ」

ゼリルはブリタイとの通信を切る。

ゼリル「各員に告ぐマイクローンを捕獲する、至近距離に近づき陸戦部隊を投入する。」

「艦長、砲撃の準備ができました。」

ゼリル「各砲門撃て!マイクローンを痛めつけろ!!」

ゼリル艦長は砲撃主に命じ主砲を発射する。
放たれた戦功はマクロスに方面にそのままに向かう。

「隊長、敵艦より熱源です。」

桐原中尉「お前ら砲撃に巻き込まれるなよ!」

「了解」「了解」

桐原中尉「来るぞ!」

        ズドーン ズドーン ズドォン

一条輝「うわあ!」

一条機の近くで爆発が起きる。
損害機はなかったが、今至近距離で爆発したことにより部隊の士気が下がる。
そして影のゾーンを抜けるため砲撃の中進む・・・・・・・・・

ロイ「全機攻撃開始!」

惑星の影のゾーンから出てきたバルキリー隊が、ロイの号令を元に奇襲を敢行する。
両者はミサイルを発射しながら戦闘を開始する。

                 ビュゥゥゥゥゥゥゥン

エディ「リングから出ればこっちのもんだぜ!ブルーⅡ行くぜ!」
SVF-1スカルズ.パープル小隊エディ・ユーティライネン

ブルース「張り切りすぎて油断するな!」
SVF-1スカルズ.パープル小隊ブルース・ルーデル

お調子者のエディは編隊から離れ突撃しようとしていた。
それを見ていた真面目な性格のブルースがエディを静止する。
正反対のコンビである。

エディ「エディ様に任せな!」

ジョニー「こら調子に乗り過ぎるなパープル3。」

エディ「隊長!?」

調子に乗っているエディを鎮めたは隊長のジョニー・ギルバートである。
若干エディの機の前に出てこれ以上前に出ないようにさせる。

ジョニー「戦場はいつ突然死ぬか分からないのだぞ、そんな油断しきっている様子では直ぐに死ぬいいな?」

エディ「ハッ申し訳ございません。」

エディはジョニーの説教に対し直ぐに反省する。
が・・・・・・彼の性格からして・・・・・・・・・・

エディ「しかし・・・・・隊長一番乗りは俺に任せてください!」

ジョニー「懲りないなお前・・・・まぁ死に急がないのが条件だが?」

エディ「そいつはガッテンだ!」

一番乗りを要求するエディ。
やっぱりそうなるのかとジョニーとブルースは思う。
ジョニーはエディに条件を課すがエディはそれで満足する。

ジョニー「ならば許可する行け!ただし俺達も一番乗りも狙っているんでな勝負だ!」

エディ「えっ!?そんなのは無しですよ隊長!?」

結局小隊で一番乗り競争をする羽目になる・・・・・・・・
各バルキリーは圧倒的な数を誇るゼントラーディ軍艦載機群に挑む。
帰れるかどうか分からない戦場の中に入りながら・・・・・・・

第19話 新兵入隊

2017-01-18 13:32:38 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
マクロスが冥王星からフォールドしてから2ヶ月くらいがたった。
マクロスとゼントラーディ軍の戦闘は散発的な小規模戦闘だけであった。

       ズドドドドドドドドドド チュドーン

桐原中尉「撃墜スコア1機追加、やっほー!!」

ゼントラーディ軍の嫌がらせ攻撃でありマクロスの相手にもならないような戦力ばかりであった。
どれも連戦連勝を重ねており、ゼントラーディ軍は何割かを失うと脱兎の如く撤退して行った。
目的地である土星リング状にマクロスは到達、トランスフォーメーション形態で待機し補給と修理を行い。
再び地球への帰還への準備を始めていた。

そんな頃・・・・・・・・

「諸君らの訓練は本日を持って終了とする、今後は地球統合軍の軍人として規律を守り勤務に励んでもらいたい。以上。」

訓練を受けていた新兵の訓練がついに終わった。
まだ10代のまだまだケツの青い連中ばかりである。
その中にはオペレーターから転身したディーとマリアも含まれている。
まぁ彼女らは相当の覚悟の持ち主なので話は別であるが。

その中で一番警戒すべきなのは一条輝と出智圭である。
一条輝はエンジェルバーズ隊(現在状況全機生存中)のアクロバット飛行を妨害した民間人である。
この事からエンジェルバーズの面々を始め一条輝と言う新兵に対する評価は低い。
訓練はまじめにやっているようだが・・・・
次に出智圭だが、訓練課程で女癖が悪いと言う噂で持ちきりだ。
この場合は女性兵士と上官クラスの面々からの評価は低い。

桐原中尉「録でもない奴が来たな、滝田。」

滝田中尉「しょうがないですよ、どれも恋人を守るためとか女にモテるとかで入隊した人が多いですし。」

休憩室でコーヒーとチョコレートを食べながら愚痴混じり談笑する桐原と滝田。
この新兵の中には後輩もしくは部下になる面々がいるかも知れないからだ。
特に飛行隊長になってしまった滝田は問題は深刻、配属予定の4割はこの新兵から配属されるのであるから。
新兵の扱いはそう簡単ではない、現場勤務にも早く慣れてもらわなくては困るからである。
部隊長としての滝田の責任は重大である。

一方の桐原はへらへらしている。
既に部隊員は補充済みであり、機種転換組の面々である。
彼からすればまだまだヒョッコであるが、元往来戦闘機パイロットとあってかまだマシである。

滝田中尉「中尉、戦闘でどんどんベテランは死んでいくしろくでなしが増える一方。地球に帰れるまではぜいたくは敵だと思いますよ。」

桐原中尉「それはそうだが・・・・・・・」

桐原は若干認めたくなかったが現実なので・・認めざるおえなくなった。
どんどんヒョッコばっかりで言う事の聞かない生意気な連中しかいなくなる。
こいつは死ぬのが恥ずかしくなるな・・・・・心の中で思った。
だが桐原にはまだ希望の星は残っていたそれは・・・・・・・

桐原中尉「まぁ一条輝のような問題児だけではなく期待のニューフェイスがいるから安心だ。」

滝田中尉「ニューフェイス?」

桐原中尉「ジョニー・ギルバートの親戚のマクシミリアン・ジーナスと言うやつだ!」

マクシミリアン・ジーナス
北欧出身、イギリス系の少年である。
ジョニー・ギルバートとは親戚であり、元々パイロット志望だったので軍に推薦した。
やる事がなかったマクシミリアン・ジーナスであったがせっかくなので入隊してみたそうだ。
だがこれが彼が後に伝説のパイロットになる決定的出来事になった。
マクシミリアン・ジーナスの訓練成績は優秀、まるで天才であった。
その噂は桐原が聞きつけ、彼が戦線に参加する事を楽しみにしていた。
それを聞いた滝田は・・・・・・・

滝田中尉「おいおい天才の新人って危機じゃないのか?」

桐原中尉「なんでだよ!?」

滝田中尉「出番とられるんだぞ、一気に出世されたらどうするんだよ!?」

桐原中尉「あっ・・・・・・」

よく考えたらそうだった。
会社とかでよくある光景ではあるが、優秀な新人が一気に出世して肩身が狭くなる事がある。
それはこの世界でも同じであった。
軍隊は縦社会であり生きていれば普通にある程度は出世する。
もしマクシミリアン・ジーナスが桐原より出世されたら彼が上官になる可能性も出てくるのである。

ロイ「よぉお前ら何話しているんだ?」

フォッカー少佐!!

いきなり二人の会話にロイが乱入してきた。
二人は慌てて立ちあがり敬礼する。
するとロイは更の中に入っていたチョコレート菓子を鷲掴みにしてスナック菓子を食べるかのように食べてしまう。
皿は空っぽである。

ロイ「シゲ坊、マックスの話していたじゃねぇか。」

桐原中尉「はいしていました。」

ロイ「ふっ後輩に追い抜かれビビったのか?」

桐原中尉「ビビってませんよ!!」

ロイはマックスに追い抜かれるかネタで桐原をからかう。
桐原は必死になってロイのからかいを否定する。
すると桐原は・・・・・・・・

桐原中尉「少佐、一条輝と言う男はどんな男ですか?」

桐原はロイに問題児の一条輝について聞く。
話によるとロイと一条輝は先輩後輩の関係であるらしい。
ー少佐ならば何か知っているかもしれない・・・・・・・
ー前もって情報を知っておこう。

ロイ「はっきり言って女には鈍い男だな。」

桐原中尉「女に鈍い?」

ロイ「そう女に鈍くて積極的ではない言わば草食系に近い男だ。」

ロイが一条輝に対して語った事は女に鈍くて積極的ではないと言う事。
エンジェルバーズのアクロバット飛行を妨害した一条輝が積極的ではない・・・・・
むしろ草食系に近い男だとロイは語った。
この発言は桐原にとって以外であった。
ロイは話を続けた。

ロイ「まぁ俺からすれば実の弟のような存在だよ、奴も親父さんがなくなって天涯孤独の身になり各地のアマチュア大会を転戦し、賞金稼ぎで暮らす悲惨な生活を送っていたんだ。」

滝田中尉「そんな事があったのか・・・・」

ロイ「まぁ優秀な飛行機乗りだからなんとか食えたが、優秀な飛行機乗りじゃなかったら悲惨な生活をしていたと思うぜ。」

ロイから語られたのは一条輝が天涯孤独であり生活のためにアマチュア大会での賞金を稼いでいたと言う事実である。
桐原は祖父母は戦争で失ったが父と母2人の妹と1人の弟と言う家族がいたが、多くのパイロットからすれば問題児の一条輝には家族がいない。

ロイ「奴は早瀬中尉には反抗的にはなるが・・・・・・まぁ奴は優しい男だ、危険も恐れず勇敢さはある。お前らも輝と一緒に勤務しはじめたらそれが分かる、俺が今言った事を覚えておけよ!」

ハッ

ーいや一条輝と言う男を決めるのは一緒に勤務しての態度を見てからでいいまだ決める時じゃない。
桐原は一条輝と言う男をどのように扱うかはある程度共に勤務してからにしよう。
人間は初対面だけで判断するもんじゃない、中身を見ればいい。
そこから決めれば後はどうにでもなる。
そう思いつつ心に決めた。

第18話 地球までの道のりは何マイル?

2017-01-16 21:10:29 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
鎌倉中佐とヘルベック中佐は地球への帰還するための作戦立案のプレゼンテーションの準備に取り掛かった。
これはあくまでもこれは基本中の計画であり、戦況の状況では変化する可能性のある作戦である。
二人は黙々とグローバル艦長を始めとする高級将校達に説明する。

鎌倉中佐「土星を通過し、次に我々がなすべき事はかつて火星開発のために設営され廃棄された火星サラ基地で物資の回収をする事です。」

ヘルベック中佐「この基地には火星からの撤収の際に放棄された非常食や補給資材が残されています。これを確保すれば、地球までの帰還の際までは心配なく敵の襲撃なしであれば安心して帰れます。」

彼らが中継地点として定めているのがかつて火星開発を行っていたサラ基地である。
統合戦争が激化し地球へ帰還したが・・・・途中地球帰還船団は反統合ゲリラの攻撃で全滅した。
そこで初めて反応弾が使われたと言う記録が残っている。

地球への帰還の際に余分な食料と物資を大量に放置しており、地球への帰還の際は食料不足と補給資材不足にならずに済むと言うのである。

朴中佐「君たち、補給云々の話をしているが戦闘の方はどうなんだね?」

ヘルベック中佐「当然考えていますが、正体不明である異星人についての戦術は偵察の報告でいろいろ修正させていただきます。最初から敵を想定した戦略を立てすぎると、想定外の出来事は多く発生するかと思っています。」

朴中佐の指摘の通り、さすがに敵に対しての作戦は立てていなかった。
無理もない、正体不明の異星人の軍(ゼントラーディ軍)の全貌が分からない今無理に作戦を立てることはできない。
無理やり押し込んでも実戦で想定外の事が頻発し、せっかく前もって立てた作戦が無意味に終わってしまう。

鎌倉中佐「今回キャッツアイスカウト部隊の情報を元にした作戦ですが、敵艦は少なくとも50隻以上いると思われ艦はマクロスと同等であり艦載機部隊は1000機は超すかと思われます。」

「1000機」

これを聞いた一同は1000機の数に驚く。
1000機と言う数はかつての中国が保有していた戦闘機の数と同等である。
小国の軍が大国の軍に挑むかのような感覚であった。
正面で戦えば数で劣るマクロスは一たまりもない。

マイストロフ大佐「勝算はあるのかね?」

鎌倉中佐「勝負するには月面の宇宙軍総司令部の艦隊と合流する事です、そのためにも敵艦隊との正面衝突を避けるため土星リング周辺を迂回します。若干遠回りになりますが、それしか道がありません。」

朴中佐「遠回りだと?その方が危険が長引くだけではないのか?」

鎌倉中佐「無謀に強行突破して多大な犠牲を出すよりかはマシです朴中佐!!!」

鎌倉中佐と朴中佐は激しく言い争いをする。
確かに危険は長引くが正面突破して多大な犠牲を出すよりかはマシである。
正面突破は下手したらマクロスが撃沈される危険性も出てくる。
お互いに譲らない様子だったが・・・・・・・・・

張大佐「朴そこまでにしろ!」
地球統合空軍元南アタリア島副司令官.大佐張用徳

朴中佐「しかし。」

張大佐「鎌倉中佐の言う通りだ、それに最終判断するのはグローバル艦長だぞ。」

朴中佐「艦長・・・・どうするんですか?」

朴中佐はグローバル艦長に判断を仰ぐ。

グローバル艦長「鎌倉中佐とヘルべック中佐の案を採用しよう。」

朴中佐「艦長・・・・・・」

グローバル艦長が選んだのは迂回して土星リング周辺を迂回する事である。
土星のリングならば潜伏するのもいいし、敵に発見される可能性はかなり低くなる。
そこを通れば、なんとかなるかもしれない。

その後は土星迂回潜伏ルートを取った。
そこで補給し一気に火星方面を突破するのである。

そしてマクロスは天王星を越え目標の土星付近に到達しつつあった。
そんな時であった。

桐原中尉「うひゃぁお前、俺達と同じ世界に入ったんだな。」

カール「ごもっとも所属していた輸送機が使えんじゃ、俺の仕事はなくなるんでな。可変戦闘機乗りにならんと俺は軍人の皮を被った無職さ。はははははは。」

機種転換組の訓練が終わり、それぞれの部隊に配属されていた。
そんな中には輸送機乗りのカール・レーガーがいた。
相変わらずグラサンをつけワイルドな笑顔をするカール。
桐原はそんなカールには親近感が覚えていた。

桐原中尉「大尉殿の機体はどんなのですか?興味あるんすけど?」

桐原はカールにどんな機体に乗っているのか質問をする?

カール「俺の機体を見たいのか?」

桐原中尉「当然じゃないですか、機種転換を果たした大尉殿がどんな機体に乗っているのか興味ありますよ。」

桐原の質問にカールは首をかしげるが桐原は目をキラキラさせながら自分の事を見ている。
当然興味を持っているのは桐原だけじゃない、後ろにいた佐枝子と滝田も乗っかってきた。

カール「しょうがない、全員ハンガーへ来るんだ!パイロットスーツ着こみでな。」

カールは圧力に負けたのか3人を自分の機体を見せる事にした。
そして4人でプロメテウスのハンガーへ辿り着いた。
彼が配属されたのはSVF-37レッドブルズと言う部隊に配属されたと言う。
すると目の前に青い機体が見えてきたこれが彼のバルキリーである。

桐原中尉「このマークはなんだ?」

三浦佐枝子「牛のようね。」

桐原と佐枝子は牛のようなエンブレムを見た。
まるで普通の穏やかな牛ではなく怒っているような感じであった。

カール「レッドブルだ、部隊名にある通りのエンブレムだよ。」

桐原中尉「それじゃあこいつはA型か?」

カール「それは違うな。」

桐原中尉「違う?」

カール「JA型だよ。」

「JA型?」

一同はJA型の単語に驚く。
普通バルキリーは基本A型・D型・J型・S型の4機種を思い浮かべる。
だがJA型じゃない、カールはJA型について説明する。

カール「こいつはA型ではあるが、実質的にはJ型に近いようになっている。」

滝田中尉「まさかだが、こいつは日本で造られた奴じゃないのか?」

カール「まさにその通りだよ、こいつは日本でA型を検証するためには作成された機体だ。」

VF-1バルキリーのJ型は日本で製造されている。
日本の技術者が北米で製造されたA型を元に作れるように練習として作成したのがJA型である。
これが成功しJ型は配備され、その1号機はロイ・フォッカーが予備機として持って行ってしまった。
お役目ごめんとなったJA型だが、その後なぜか南アタリア島にありフォールド後マクロスに回収された。

それが偶然カールの元に回ってくた。

桐原中尉「大尉殿俺の機体と交換してくれ!」

カール「なにぃぃぃぃ!?」

桐原中尉「レアな機体だろ、俺も乗り・・・・痛ててててて・・・・」

三浦佐枝子「やめなさい。」

佐枝子はJA型の交換を強請る桐原のケツを引っ張る。

桐原中尉「冗談、冗談だっての。」

三浦佐枝子「ならばよろしい。」

カール「まったく・・・・・」

カールは桐原と佐枝子の漫才の様子に若干呆れる。
よく考えたら今まで付き合った彼女とはこんな事はしなかったなと・・・・・・

カール「まぁ今後共にやる仲間だ、その時は一緒に頑張りましょうや。」

桐原中尉「あぁよろしくな。」

滝田中尉「こちらこそ。」

三浦佐枝子「よろしくね。」

カールは握手を求めるかのように手を差し出す。
桐原.滝田.佐枝子はそれに答えるかのように一人一人握手し、カールを歓迎した。
戦争中とは思えないような笑顔を浮かべながら。

第17話 統合進行会議

2017-01-16 17:43:17 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
桐原が女性パイロット候補生と会ってから2日後。
SDF-1マクロスの会議室では士官クラスの会議が行われていた。
このままどうやって地球へ帰還するかである。

通常航行しているので少なくとも半年以上地球に帰れない計算であり、それまでどうやってゼントラーディ軍の追撃を逃れるか協議した。

食糧と水は何とか南アタリア島から回収した分を含めて2年ぐらいの備蓄でなんとかなるが。
防衛の面は別である。
戦闘で稼働可能な戦力は実質的に30機程度、この前の戦闘で23名のパイロットが戦闘で死んでいる。
機体の予備と、艦内で製造できる分はあるがなんせパイロットが足りない。
相手は平気で50機・100機を全力で投入できる程の連中だ。

人員不足であり防御する分足りない。
なんとしても機種転換をする人員を早く投入しないといけないのである。

グローバル艦長「これより統合進行会議を始める。」

それらの問題に対しグローバル艦長は佐官クラスの士官を集め会議する。。
階級は少佐から大佐までの佐官でありその中には大谷三穂大佐.ダーリヤ・イリイニチナ・トルスタヤ中佐.スワート・ホーンベリー中佐など計7名の女性の将校も会議に参加していた。
そしてまず最初の問題から入る基礎中の基礎。

グローバル艦長「佐久間大佐、各員の再編成は出来ましたかな?」

佐久間大佐「陸海空宇の4軍と海兵隊の混合で配備完了しました、混乱はありましたが幸い直ぐに慣れて普通に勤務しています。」
地球統合軍大佐佐久間昌盛

グローバル艦長「そうか・・・・・」

既に艦内の配置も完了した。
様々な部署があり1万人以上の正規軍人がいて案外混乱しそうだったが。
佐久間大佐の手腕でなんとか直ぐに配置転換が完了した。

朴中佐「しかし、あれほどの人員を纏めるとは流石は佐久間大佐だな。」

佐久間大佐「配置作業を協力をしてくれた早瀬中尉.グレンジャー中尉がいなければ一周間はかかりましたよ。」

佐久間大佐の艦内の配置の作業を手伝っていたのは早瀬未沙とエマ・グレンジャーとその他の将校であった。
1万人近くの人員の作業を数千単位を寝る間も惜しみ作業を手伝ってくれた。
本来1週間はかかる作業をわずか数日で終わらすことが出来たのである。

アルーノ少佐「自分から報告しますが、訓練を受けていた機種転換組は後3日後に訓練を終了し各部隊へ配属される予定です。」

グローバル艦長「何名配属されるか?」

アルーノ少佐「最低でも1個飛行隊分は配属される予定とこちらは見積もっています。」

グローバル艦長「16×2=32名か、それでも足りんな・・・・・・・」

アルーノ少佐「足りないと申されますと・・・・・・・?」

グローバル艦長「せいぜい後1個飛行隊分の補充は欲しかった、VA-3インベーダーの搭乗員の分もな。」

今回配属されるのは32名(正確には37名)である。
グローバル艦長は数としては少ないと嘆いていた。
乗せるのは可変戦闘機だけではなく可変攻撃機に乗るパイロットも含まれていたのである。
主力たる可変戦闘機がこうでは、このまま戦闘に耐えられるかどうか・・・・・

ロイ「大丈夫ですよ、60機ぐらいあればなんとか俺たちでも迎撃は可能です。」

伊集院少佐「既に実戦を経験したパイロットが大勢います、彼らがいればいい指導になります。」
航空隊指揮官.少佐伊集院義一

ロイ「それにこいつはいいほうだ、これからくるパイロットはヒョッコだぜ。機種転換したのは純粋な戦闘機乗り、それに統合戦争を生き抜いたエース揃いだ心配なさんな。」

パイロット代表として会議室にいるロイ・フォッカーと伊集院義一の両指揮官。
60機もあればなんとかなると豪語する。
事実機種転換した大部分のパイロットたちはF-14トムキャットやホーネットなどを乗って統合戦争を戦い抜いた精鋭兵である。
後から新規として入隊するヒョッコ連中よりかはマシなのである。

              ガチャ

早瀬未沙「失礼します。」

マイストロフ大佐「どうした早瀬中尉?今会議中だぞ?」

グローバル艦長「いや私が呼んだ、例の報告が届いたのかね?」

早瀬未沙「はい、キャッツアイ1番機から12号機までの偵察撮影が届いたので報告します。」

早瀬未沙はグローバル艦長の所まで来てキャッツアイが撮影した偵察中の撮影を渡した。
グローバル艦長は写真をそれぞれの将官に渡す。
映し出されていたのはゼントラーディ軍艦隊(ブリタイ艦隊)の全貌であった。
早瀬未沙は写真と観測資料を提出し終えると会議室から退出した。

マニング大佐「かなりの大規模な艦隊だな。」
地球統合軍SDF-1マクロス.統合作戦課主任大佐マニング・ホフスナー

マイストロフ大佐「この艦隊が全力でマクロスを襲撃すれば、マクロスはすぐに撃沈される。」

グローバル艦長「だが敵はすぐに撃沈しようとしなかった、まるで何かを探るかのように。」

ゼントラーディ軍との戦闘状態に入ってから敵は全力で攻撃してこない、この前の戦いの時だって敵艦隊はマクロスに近い大きさの艦であり主砲を撃とうと思えばマクロスを撃沈が可能であった。

だが敵はそれをしなかった。

それを裏付けるかのような事があった。
今回の偵察任務で偵察機部隊の1機は誤って敵防空圏内に入ってしまった。
不思議なことに敵艦隊は砲撃してくるどころか艦載機も出して迎撃してこなかった。
まるで自分を好きなだけ撮ってくれと言わんばかりの態度であった。

マイストロフ大佐「しかし連中は戦闘を仕掛けてきます、もしかしたら・・・・・・」

グローバル艦長「我々を拿捕し情報を得るために戦力をすり減らし降伏させる、大した連中だな。」

敵の態度からしてマクロスの拿捕である。
事実、地球統合軍衛星軌道艦隊が使用した反応弾はブリタイやエキセドルは失われた超兵器として注目していた。

スマイリー中佐「そうならないためにも地球への脱出ルートを確保し、月面の我が軍の宇宙艦隊に出迎えてもらいましょう。」
地球統合宇宙軍SDF-1派遣中佐スマイリー・ヘルベック

鎌倉中佐「既に我々はそのための作戦を立案しています。」
地球統合軍SDF-1マクロス作戦課中佐鎌倉重政

若い青年佐官であるヘルベック中佐と鎌倉中佐が意見する。

グローバル艦長「既に作戦を立案しているか?」

鎌倉中佐「暫定的であり今後の戦況によっては変化がありますが基本の軍事作戦は完成してあります。」

鎌倉中佐とヘルベック中佐は立ち上がって画面に立つ。
鎌倉中佐がコンピューターを起動させてプレゼンテーションの準備を始めた。

第16話 戦場の厳しさと女性の戦場への進出

2017-01-15 15:15:01 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
マクロスはゼントラーディ軍の追撃から逃れつつ地球への帰還を目指していた。
初のトランスフォーメーションを果たした海王星海戦以降、対して戦闘もなく海王星と天王星の間に達していた。

この間にも戦力不足を補うべく志願制と機種転換と配置転換を望む兵士の訓練を行っていた。
女性もパイロットとして採用する案が採用され少しではあるが女性兵も訓練生として姿が見られた。

桐原中尉「結局、残ったのは変人ばかりだな。」

滝田中尉「あんたも十分に変人だけどな。」

桐原と滝田はババ抜きをしながら雑談をしていた。
お互い戦闘で同僚を失っていた。
慣れない可変戦闘機の戦闘で手間取って死んでいった・・・・・・

桐原中尉「そちらの状況はどうだ?」

滝田中尉「酷いですよ、グリコフスキー少尉.キム准尉などの6名しか生存してないさ。階級が一番上であった俺が飛行隊長さ。」

滝田中尉「そうかこっちはロードン大尉が飛行隊長だよ。」

戦闘で死ぬのは一般隊員だけではない、指揮官も死んでいる。
指揮官を失った部隊は大隊長の指揮下に入るが、混乱による戦死も見られた。
桐原の部隊は幸い副隊長であるロードン大尉が飛行隊長になっていたが、滝田の部隊は飛行隊長や副隊長も戦死していた。
一番階級が高い滝田が飛行隊長になり数多くの部下を指揮する事になった。

「すいません見学に来た者なんですが入ってもいいでしょうか?」

ドアの前で女の声がした・・・・それに若い女の子だ。
佐枝子が来たのかと思ったがあの性格では来ないだろう。
そう言えばスケジュール帳に訓練兵が来ると聞いていたな。
桐原と滝田はトランプをしまい席につく。

「入れ!」

                シューン
                 カタッ

ディー「失礼します、私は機種転換中の候補生で見学中のディー・ヴァーミ・・ミル曹長であります。」

マリア「同じくマリア・フラート曹長であります。本日は見学しに参りました、よろしくお願いします。」

部屋に入って来たのは若い女性兵士であった。
桐原と滝田と違う日系の女ではない、欧米系の若い女だ。
キリッとした敬礼と笑顔は一生忘れられない程の美しさであった。

滝田中尉「俺はSVF-13の指揮官.滝田英史中尉だ。」

桐原中尉「同じく飛行隊SVF-64ダックハンター小隊長桐原茂人中尉だ、よろしく。」

「よろしくお願いします。」

二人の若い女性兵士は敬礼する。
その時であった。

三浦佐枝子「茂さんオッハー!!」

桐原中尉「三浦少尉!?」

滝田中尉「三浦さん!!」

「佐枝子先輩」

佐枝子だ!一応軍人ではあるが、今日は非番らしく遊びに来たようである。
当然の佐枝子の訪問に驚いた桐原ではあったが・・・・・・他の人は普通に知り合いが遊びに来た感覚で挨拶する。
それにディーとマリアは佐枝子の事を先輩と呼ぶ。

滝田中尉「三浦さん、例の資料は終わりましたので処理お願いします。」

三浦佐枝子「はいは~い♪」

非番ではあるが、きっちり仕事をさりげなくこなす佐枝子。
滝田は引き出しから資料を引き出し佐枝子に渡す。
そして佐枝子はディーとマリアに挨拶の握手をする。

桐原中尉「知り合いか?」

三浦佐枝子「軍学校時代の後輩よ、ディーとマリアは豪州方面軍のタウンズビル基地で管制官として勤務していたのよ。それが非番中に訪れた南アタリア島の進宙式の式典に来ていたけど、その後は知っているので略。」

ディーとマリアは佐枝子の後輩である。
タウンズビル基地で元々管制官として働いていたが、マクロスの進宙式の式典を非番に見に来て戦闘に巻き込まれ民間人の避難誘導して南アタリア島がマクロスのフォールドに巻き込まれマクロスにそのまま乗艦する事になったのである。

桐原中尉「三浦少尉ちょっと来い・・・・」

三浦佐枝子「なんでしょうか?桐原中尉殿。」

桐原は佐枝子を物陰に誘う。
なぜ佐枝子を物陰に誘い込んだのかのかと言うと一つ気になっていた事があったからである。
それは・・・・・・・・・・・・

桐原中尉「彼女たちはなぜ俺達と同じ世界にいる!!」

三浦佐枝子「へっ!?」

桐原中尉「へっじゃない、なぜ元々管制官をしていた娘がヴァリアブル・ファイターパイロットに志願しているんだ!!」

元々ジェット戦闘機乗りには女性パイロットは少ない。
第2次世界大戦ではソ連にリディア・リトヴィクとエカテリーナ・ブダノワなどと女パイロットは複数人(記録によると164人は少なくともいたらしい。)はいた。
だがGによる悪影響から女性が戦闘機パイロットになる事はできなかった。
可変戦闘機が開発されると体にかかるGの影響が軽くなり、女性のパイロットの志願も許可し始めた所である。

既にマクロスは人員不足もありこの際は女性パイロットも可となり彼女のような人員は出た。
それだけならば桐原は問題にしないが問題は別である。

桐原中尉「管制官ならば危険な最前線に出る事はない、態々パイロットになる必要なんてないだろ!」

三浦佐枝子「最低ね女性差別よ、男から守って貰う程女は安くないわ。敵機の1機や2機撃墜できるわ!」

桐原は管制官として元々勤務していたからいつ誰か分からない最前線に行く必要になる戦闘機乗りになる必要はないと言う。
それに対し佐枝子は女性差別発言と答え、更に男から守って貰う程女は安くないと答えたばかりか敵の1機や2機を撃墜してやると豪語する。

桐原中尉「敵機の1機や2機を撃墜できるだと?」

三浦佐枝子「そうよ。」

                 ドン

三浦佐枝子「ひっ・・・・・・・・・・」

桐原中尉「三浦少尉・・・・お前・・・・・・戦場はどんな所か知っているのか?この前の戦闘では俺の部隊ではかなり死んだんだ。それを理解して言っているのか!!?」

三浦佐枝子「それは・・・・・・・」

桐原中尉「自分は生き残っても同僚は死ぬ、俺の尊敬していた町崎隊長だって統合戦争の時死んだからな。その軽い言葉はそれを覚悟して言っているのか!!?」

三浦佐枝子「うぅぅ・・・・・」

桐原は佐枝子に抑え込むようにして言う。
彼は戦場の厳しさを知っていた軽い言葉で言う佐枝子に初めて怒鳴った。
佐枝子は初めて見る桐原の怒鳴りに対し思わず目から涙を浮かべる。

三浦佐枝子「ごめんなさい。」

佐枝子は等々泣き出してしまう。
桐原は流石に不味いと思ったのか・・・・頭を撫でる。

桐原中尉「怒鳴ってすまん、つい熱くになった。彼女たちに覚悟を聞くよ、三浦少尉。俺は女性を差別しているんじゃない、女が最前線で死ぬのは見たくないんだ・・・・・最前線で死ぬのは俺達男で十分なんだ・・・・・・分かってくれ・・・・。」

桐原はそう言って物陰から出る。
佐枝子は若干震えていた・・・・戦場の認識を舐めていた。
ー最前線で戦った事のない私が何を言っているのやら・・・・・・
ー生死を分ける戦闘に出た事のない私が何を軽く言っているのやら・・・・・・・
自分の甘ったれた認識に反省の心が芽生えた。

滝田中尉「終わったか。」

桐原中尉「別にやましい事はしてないよ。」

桐原は滝田に言うと二人の前に立つ。
なぜ二人の前に立ったのかと言うと一つ確かめたい事があった。

桐原中尉「二人を代表してヴァーミル曹長。」

ディー「はいなんでしょうか?」

桐原中尉「戦闘機パイロットとして戦場で死ぬ覚悟や同僚を失う覚悟はあるか?」

桐原は二人に問いかける。
最初は動揺するかと思ったが二人は落ち着いて答える。

ディー「中尉殿・・・・・・・・・・・自分は命を捨てる覚悟があって志願しました。当然戦場で死ぬ覚悟や命を捨てる覚悟はあります。」

マリア「自分も同じです。入隊時に死ぬ覚悟と敵を殺す覚悟はない軍人は軍人の資格のない屑だと思っています、私たちは既に軍人としての修羅道を歩いている身であります。」

ディー「私たちは男には劣るかもしれませんが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。」

二人は桐原に頭を下げる。
彼女たちは本音では戦場で死にたくないと言う気持ちはあった。
しかし最前線で戦うパイロットが不足しており、護ってくれる人が誰かがならなけれ戦場で死ぬと言う以前に全員死んでしまう。
仲間や恋人は死ぬかもしれないが覚悟して臨まなければもっと大きな物を失う。
彼女たちは既にパイロットになると決めた以前に覚悟を決めていたようである。

滝田中尉「覚悟は本物だな。」

桐原中尉「ふっ俺も考えは古かったかな、女も戦う時代も変わったもんだな。三浦少尉。」

三浦佐枝子「は.はい。」

桐原中尉「さっきは悪かった、すまん。」

桐原は佐枝子に小さな声で謝った。
素直じゃなそうな謝罪だったけど、佐枝子はそれが安心した。
時代は変わりつつある。

まだ桐原には女性を最前線に出す事を完全に許してはいない、少しは抵抗がある。
しかし、桐原の女性の戦場進出に対して完全に意識を変えさせる出来事はこの先に待ち受けているがそれはもっと後の歴史の話。

第15話 ゼントラーディアンスカウトアタック

2017-01-13 22:19:46 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
          【南米.地球統合軍南米方面軍総合統括軍司令部】
ここは地球統合軍南米方面軍の地下基地がある。
異星人の攻撃があっても耐えられる地下基地であり、南米のアマゾン川の地下に造られている。
耐久性の強さは核兵器でも耐えられる程である、共に居住する家族を含め6万人が住んでいる。
そんな将校室・・・・・・・・・

桐原大佐「マクロスの情報は入ったか?」
南米方面軍参謀付き大佐.桐原茂政

「不明です、御子息である桐原茂人中尉を初め・・・・・・・・・」

桐原大佐「もういい皆まで言うな!!馬鹿息子二人と高飛車娘一人がいるんだ、そうそうくたばらんよ。月基地に勤務している末娘が一人しか残ってないが・・・・・・・・」

桐原茂人の父、桐原茂政大佐は家族の安否を確認しようとアラスカ総司令部に確認する。
が今だに連絡は届いていない。
公式の発表ではマクロスと南アタリア島の住民は反統合同盟の攻撃で死亡が発表されている。

だが今だにマクロス乗員と南アタリア島の住民が死んだとは思ってもいない人がいる。

桐原大佐「子供達よ・・・・・・・・・親より先に逝くもんじゃないぞ。」

そんな風に思っている桐原茂政もマクロスの人々の生存を信じている一人だった。

  第15話 ゼントラーディアンスカウトアタック

ラプラミズ艦隊が監察軍艦隊掃討に向かった頃。
第67グリマル級分岐艦隊に動きがあった。
スカウトタイプのリガードが撮影した映像と画像を解析したと言うことであった。
さっそく記録参謀であるエキセドルが早速報告しにきた。

エキセドル「ブリタイ司令、異星人の記録の解析が出来ました。

ブリタイ「なに、異星人の母星の記録が!?」

エキセドル「はい、撮れました。ごらんください。偵察用リガートから撮影したものです。」

ブリタイ「んん。」

モニタに南アタリア島での市街戦の様子が映しだされる。
地球統合軍とゼントラーディ軍の激しい戦闘である。
ブリタイと戦闘の様子を確認をする。
すると一つの映像にブリタイはモニターに釘付けになる。

ブリタイ「な、なに!? んん…。この異星人はマイクローンなのか。」

エキセドル「は、わたしもこれを見たときは…。」

ブリタイ「んん~!」

釘付けになった映像は逃げ惑う民間人と避難誘導をする統合軍の兵士達であった。
そしてリガードに吹き飛ばされる民間人の姿も・・・・
ブリタイがこの映像が注目したのはこれらの人々のサイズであった。
身長がとてつもなく低いのである。
ブリタイはこれらの人々をマイクローンと言う。
マイクローンとは非巨人族の事を言う。
巨人族であるゼントラーディ人はプロトカルチャーから作られた人種であり、プロトカルチャーのようなサイズの人間をマイクローンと読んでいることが多い。
するとエキセドルがある事を言い出した。

エキセドル「我がゼントラーディ軍の古い記録にこのようないい伝えが残されております。」

ブリタイ「なんだ?」

エキセドル「はい。マイクローンの住む星には手を出すなと。」

ブリタイ「ふむ、「マイクローンの住む星には手を出すな」か。」

エキセドル「これ以上、あの星には関わらないほうがよいと思われますが…。」

ブリタイ「ふむ。」

マイクローンの住む星には手を出すな・・・・・・・・
それはプロトカルチャーに反抗しないようにするためのゼントラーディ人の遺伝子に組み込まれたプログラムであった。
プロトカルチャーが絶滅後もなおもゼントラーディ人の脳裏にはそれが埋め込まれているのである。

エキセドル「今後は例の戦艦だけを追うことに徹したほうが得策かと…。」

ブリタイ「わかった。すぐにフォールドして奴らを追う。」

エキセドル「はい。」

その事もありエキセドルはマクロスだけを追撃する事をブリタイに進言する。
ブリタイも同様な事を思っており、エキセドルの意見を採用する。

ブリタイ「デフォールドと同時に戦艦を1隻、調査に向かわせろ。敵の出かたを見たい。」

エキセドル「その件ならば、ガサード1級艦指揮官を推薦します。」

ブリタイ「うむ、ガサードならばうまくやってくれるだろう。全艦フォールド準備、目標マイクローンの戦艦付近。」

第67グリマル級分岐艦隊の全艦隊は準備を完了次第デフォールドをする。
フォールド後はガサード1級艦指揮官が指揮するスヴァール・サラン級1隻でマクロスの調査し、更なる情報を集める作戦に出る。
既にブリタイとエキセドルの頭の中には今後のシナリオが出来上がっていた。
そしてマクロスの近くにフォールドインする。

「6時の方向にデフォールド反応!」
「ブリッジに報告、敵の来襲と・・・・」
「了解」

レーダー探知班はゼントラーディ軍艦隊を探知、ブリッジに報告した。

ヴァネッサ「レーダー探知班より入電。後方に未確認飛行物体、かなりの数で急速接近中。」

早瀬未沙「敵艦隊です既に艦載機多数、大部隊です!!」

グローバル「来たか…。早瀬くん、ただちに応戦態勢だ。」

早瀬未沙「了解。敵機襲来、敵機襲来。バルキリー隊、全機スクランブル。繰り返す。バルキリー隊、全機スクランブル!全艦第1級戦闘配備、繰り返す第1級戦闘配備!」

グローバル艦長の号令と早瀬未沙のアナウンスで戦闘体制が敷かれた。
兵舎にいた桐原を含むバルキリー乗りはプロメテウスの格納庫やマクロスの格納庫へそれぞれ向かう。
桐原の部隊はプロメテウスに移動していたためジープに乗りプロメテウスに向かう。
そしてプロメテウスの連絡通路の前の更衣室で止まり降りる。
更衣室に入ってパイロットスーツに着替え連絡路を再びジープでプロメテウスの自分の機体のある格納庫へ向かう。
桐原たちは格納庫にたどり着き、自分の搭乗機に乗り込む。

千葉軍曹「シゲ坊、機体壊すんじゃねぇぞ。」

桐原中尉「分かっている、地球から遠い宇宙で死んでいられるかよ。」

千葉軍曹「その意気だ!行ってきな!!」

千葉軍曹は出撃して行く桐原に激を飛ばす。
桐原は激の礼にと甲板に出る際に敬礼する。

            ドビュゥゥゥゥゥゥン ドビュゥゥゥゥゥゥン ドビュゥゥゥゥゥゥン

プロメテウスの甲板からバルキリー部隊が出撃していった。
地球から遥か遠い暗い宇宙と言う名の海の中を進んでいく、いや海と言っても太陽の光の届かない深海である。
地球に帰れるまでに何人の仲間が死に、何人が地球に無事に帰れるのだろうか・・・・・・・・・兵士たちは不安を抱きながら進む。
どうせ逃げ場はない、だったら全力を持ってやるしかない・・・・・今の兵士たちに出来ることはそれくらいである。

「こちらジャガー小隊、前方にエネミータリホーこれより戦闘を開始します。」

前衛のバルキリー部隊がゼントラーディ軍の戦闘ポッド部隊と交戦を開始する。
桐原の目の前に飛び込んできたのは戦闘の爆発の光である。
既にあの中で殺し合いが始まっているのである。

                シュババババババババババーン ズドドドドドドドドド

ロイ「全機に告ぐこれより戦闘空域に突入するぞ、ムザムザ落とされるような真似はするんじゃないぞ!!!マクロスの周辺に近づいている敵機を蹴散らしてやれ!!」

ロイ・フォッカーの号令で桐原を含む編隊は戦闘宙域に突入する。

桐原中尉「予想はしていたが・・・・・・激しい戦闘だ。」

ドックファイトは桐原の編隊が突入した時には激しさを増していた。
味方が敵の攻撃に火達磨になり、敵の兵器が銃弾の直撃を受け機体の面影を残さないで爆発などを頻繁に起こっていた。
敵部隊は前衛と主力部隊を突破しマクロスと直掩部隊との戦闘が開始される。

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ」

桐原中尉「ジョナサンどうしたジョナサン!?応答しろ!」

桐原の後方に位置していた僚機ジョナサンとの通信とレーダーの反応が同時に消えた。
背後から空戦ポッドジナールが襲撃してきた。
ジョナサンの通信とレーダーの反応が消えたのはこいつのせいだと・・・・・・
桐原は反転しジナールを攻撃する。

攻撃は見事命中しジナールは撃墜する、残りは2機である。
桐原は僚機と共に背後に回る。

桐原中尉「カイン、そっきの機を任す。」

「了解。」

            ズドドドドドド ズゴー
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ」

カインは突然横からの攻撃であっけなく戦死する。
突然横から攻撃したのはゼントラーディ軍指揮官用兵器グラージである。
そして周り今度は桐原を襲ってきた。

「マイクローンめ死にやがれ!!」

グラージは桐原に猛攻をしかける。
桐原は銃弾が当たるすれすれまで回避する。
この腕はエース級である。

桐原中尉「俺はここで死ぬわけにはいかないんだよ!!!!」

                  ガコン
「ぐぉぉぉぉぉ」

桐原中尉「てぇぇやぁぁぁぁぁ!!」

桐原はバトロイドに変形しグラージを蹴り上げる。
怯んだ所にガンポッドをコックピットらしきところに密着させる。

桐原中尉「落ちろ!」

グラージに密接していたガンポッドのトリガーを引いた。
弾はガラスを撃ち砕き中に乗っていたゼントラーディ兵の頭を砕く。
そして再び蹴り上げるとトドメの銃弾を喰らわす。
桐原が得た戦果は2である。

ロイ「喰らえ!」

ロイ・フォッカ-も部隊を率いて善戦していた。
次々の部下の反応が消えていく・・・・・・

ロイ「くっそう。地上とちがってなんてすばしこいんだ! こいつはちょっと、手ごわいぜ、うっと。」

ロイ・フォッカーは機を左旋回する。
流石のフォッカーも慣れない宇宙戦にはきつい。

「先行艦、有効射程圏内突入。」

エキセドル「おかしいですな、主砲を撃ってこないとは。」

ブリタイ「マイクローンめ、いったいどういうつもりだ。」

エキセドル「もう少し痛めつけて、反応を見てはいかがかと…。」

ブリタイ「うむ、それもよかろう。先行艦に発砲許可を。敵艦を撃破せぬていどに痛めつけろ。」

ブリタイはガサードの前衛艦隊にマクロスに対し艦砲射撃の命令を下す。

「ブリタイ司令より指令、発砲を許可敵艦を撃沈させないように傷めつけろです!」

ガサード「そうか期待通りに働くぞ、一斉砲撃開始撃て!」

ガサードの号令の元スヴァール・サランはマクロスに向けて砲撃する。
マクロスは今の砲撃でかなりのダメージを受けてしまった。

「中尉マクロスが・・・・・・・・」

桐原中尉「一度でここまでとは、次にダメージを負ったらマクロスの乗員7万人は死ぬぞ・・・・・・」

発言の直後第2時の砲撃がマクロスに命中する。
だがマクロスはかすり傷程度であった。

桐原中尉「敵の様子がおかしい、なぜ直ぐに沈めない?」

「さぁ自分に言われましても分かりません。」

桐原中尉「まさか連中はマクロスを拿捕する気じゃ?」

「そんな馬鹿な・・・・それはないだろ。」

桐原の予感は仲間から否定されるが奇しくもあっていた。
ブリタイ達はマクロスを戦闘不能にし拿捕しようと考えていた。
ゼントラーディ軍からしてみればマクロスには軍事的に重要な価値の宝庫だった。

その時だった。

早瀬未沙「全バルキリー隊に告ぐ、これよりトランスフォーメーションを開始します。
主砲射線軸に入らないようにしてください。」

マクロスの管制官である早瀬未沙がバルキリー全機に呼び掛けていた。
だが多くのバルキリーパイロットはトランスフォーメーションと聞いて頭の中に「?」が浮かんできた。
すると第2艦橋から通信が入ってきた。

エマ「ガンサイト2のエマ・グレンジャーです。私が早瀬中尉に代わって説明します、トランスフォーメーションとはマクロスの主砲のエネルギーを確保するために強引に変形させます。市街地への被害は出ますが、これもこの戦況を乗り切るための苦渋の決断です。」

ガンサイト2のオペレーター.エマ・グレンジャーが早瀬未沙をフォローするかのようにトランスフォーメーションについて説明する。
聞きとりやすく落ち着いているエマ・グレンジャーの説明は全パイロット達に納得させた。

早瀬未沙「エマの言う通りです、射線軸に注意しつつマクロスの変形完了まで護衛をしてください。」

ロイ「全機に告ぐ聞いての通りだ、マクロスのトランスフォーメーションを成功させるため防衛任務を開始する。なんとしても作戦を成功させようぜ!!」

未沙とロイの呼びかけでマクロストランスフォーメーション変形防衛任務が開始させた。
その光景を前衛艦隊でマクロス攻撃指揮官ガサ-ドは違和感を覚える。

ガサード「連中の様子がおかしいな?」

「何か我々に対して反撃する事を思いついたのでしょう。」

ガサード「マイクローンめ、第2攻撃部隊を発艦させろ!邪魔なマイクローンの艦載機を殲滅する。」

「サ.エスケスタ」

ガサードは第2次攻撃部隊を発艦させた。
ガサードの艦だけではなく随伴していた僚艦からも出撃している。
その数は140機かなりの大部隊である。
人命を考えない人海戦術である。

桐原中尉「連中め気色悪いほどの数を出しやがって!!」

桐原は圧倒的に数に勝るゼントラーディ軍に苛立ちを感じた。
マクロスがトランスフォーメーションが完了するまでにこいつらと戦わなければならない。
一体何機撃墜すればこの大群を追い払う事ができるのか?
このまま戦闘が続けば、いくらなんでも耐える事は難しい。

滝田中尉「遅いぞ!」

SVF-13ブランジャーズの臨時指揮官になった滝田が一歩間違えたら死ぬ可能性のある危険な方法でゼントラーディ軍の相手をする。
複数の敵を挑発し自分を追撃させる、敵がミサイルが一斉発射したとたん変形しミサイルをガンポッドで迎撃する。
ゼントラーディ軍のパイロット達は滝田を撃墜したと思っていたが・・・・・・・・・・・

                  シュババババババババババーン 

爆風の中からミサイルが突っ込んできた。
既に密集で迫って来たゼントラーディ軍の兵士達の周りには回避するスペースと回避する時間はなく、一気に火薬庫に火をつけたかのように爆発する。
その爆風に紛れほかのゼントラーディ軍のバトルポッド部隊の編隊を次々にやる。

ロイ「流石は滝田だ、戦場のギャンブラーの名が相応しいぜ。」

ロイは滝田の活躍と見て滝田の異名を戦場のギャンブラーと命名する。
統合戦争から戦い続けている滝田であったが、自分の趣味であったギャンブルの能力をこの圧倒的物量に勝るゼントラーディ軍に発揮する。
ほかの兵士達も滝田の今の働きには驚かされた。

次に活躍したのはジョニー・ギルバートである、コールサインはスカル7。
南アタリア島での戦闘が初陣となったバルキリー乗りである。
こいつも中々の腕前だ、後輩に負けるわけにはいかん。
桐原は自分も華々しい戦果をあげるしかない、と一つの編隊を見つけた。
そいつらを血祭りにあげてやる。
ぐっと操縦桿を引いて編隊の上空に回り込む。

桐原中尉「俺だって!!」

まるで零戦が対空砲火を放つ爆撃機の迎撃を掻い潜るかのように銃撃を加える。
ケルカリアと呼ばれる兵器は編隊飛行を続けていたが桐原の銃撃で撃墜され混乱が生じた。
編隊に入りこむとバトロイドに変形しケルカリアに掴みかかる。

「マイクローンはこのような戦術を取るのか?」

ケルカリアは桐原を振り落とそうとするがしつこく掴まれており中々落ちない。
しっかりと猛スピードの中しっかりと捕まる。

桐原中尉「今だ!」

当然ケルカリアから手を離す。
その直後にやってきたのは・・・・・・・・・

             ドボォォォォォン

敵の対空攻撃であった、ケルカリアは対空砲火のレーザー砲にのみ込まれ消滅する。
桐原は敵の対空の位置を読み相手を誘導していたのである。
残り1機のケルカリアはミサイル一発放ち撃墜する。

桐原中尉「これで後輩達に馬鹿にされないだけの戦果をあげたな。あれは・・・・・・・」

マクロスがトランスフォーメーションを開始する。
どんどんマクロスが戦艦ではなくまるでロボットかのような感じに変化しつつあった。

ガサード「マイクローンの戦艦に動きだと!?」

「ハッ。」

ガサード「だが動きあれば逆に好機だ!マイクローンの艦を砲撃しろ!今が攻めどきだ!」

「しかし、ブリタイ司令は撃沈するなと・・・・・」

ガサード「構わん撃て!言い訳は後でどうにでもなる。」

ガサードの独断専行でマクロスに対し砲撃の準備をする。
今の攻撃を加えるとマクロスは完全に撃沈する。
そうなれば桐原達は帰る場所を失いそれぞれ戦死する事になる。
その時・・・・・・・・・・・・

             ドビュゥゥゥゥゥゥン

桐原中尉「あれは?」

ロイ「あれか?切り札だとよ。」

桐原中尉「切り札!」

突然目の前に6機の可変戦闘機VF-1とは違う機種が目の前を通り過ぎる。
ロイ曰く切り札である。

「全艦攻撃準備完了しました。」

ガサード「撃て!!」

 ボゴォォォォォォォォン ボゴォォォォォォン

ガサード「うぉ!?何があった?」

「主砲に攻撃、主砲が撃てません。」

ガサード「予備の主砲に切り替えろ!急げ!今の奴らを撃ち落とせ!」

              ドビュゥゥゥゥゥゥン

今の攻撃を加えたのはVA-3インベーダーである。
グローバル艦長が密かに出撃させた強襲攻撃部隊である。
マクロスがトランスフォーメーションの最中に隙をついて攻撃されないように主砲にダメージを与える任務を帯びて出撃したのである。

ガサード艦隊が予備の主砲に切り替えた隙にマクロスはトランスフォーメーションを果たす。
その異様は超時空要塞と言うべき姿をしている。

桐原中尉「すげぇな。」

この光景に思わず桐原は凄いと言ってしまう。
そう思っているのは他のバルキリー乗りも同様である。

ガサード「マイクローンめ戦艦を変形させただと・・・くっなんとしても鎮めろ!奴に主砲撃たせるな!残りの部隊を出せ!」

ガサードのスヴァール・サラン級などの艦隊からジナール戦闘ポッド・リガード全機が出撃する。
その数は50機である。

グローバル「かまわん。主砲発射!」

グローバル艦長は艦載機群に気にせず主砲を発射する。
主砲の光はそのまま直進し艦載機群を消滅させていく。
その先には敵の艦隊である。

ガサード「回避しろ回避!」

「駄目です間に合いません。高エネルギー体来ます!」

ガサード「なんだと!?おわああ…!!」

マクロスの主砲はガサードを含む前衛艦隊を撃破する。
主任務部隊である前衛部隊を失ったゼントラーディ軍艦隊は退却した。
こうしてマクロスに対する危機は脱したのである。
だが退けた半面失った犠牲者の数は多い、マクロスが無事に地球に帰還できるのか・・・・・
それはまだ判断をつけるのは難しい。

ただ進むしかない、マクロスの長い長い地球への帰還はまだ始まったばっかりなのだから。

第14話 監察軍掃討作戦前の決意

2017-01-08 15:02:44 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
ラプラミズは出撃準備に入る前ボドルザー司令から通信である事が伝えられた。
ブリタイ・クリダニク率いる第67グリマル分岐艦隊がもし苦戦するような事があれば、第109分岐艦隊と共にマイクローンの船との戦闘に参加せよと言う事であった。
だがこれはあくまでも苦戦した場合の話であり、ラプラミズはあんまり乗り気じゃないように了解と答えた。

ティレノール「本当に了承の返事をしてもよろしかったのですか?」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊記録参謀ティレノール・ナリフェーノ

赤い小柄な少女のような体系をしている記録参謀ティレノールがラプラミズに問いかける。

ラプラミズ「当たり前だ、他の艦隊に手柄を奪われる。了承するしかないだろティレノール記録参謀。」

ティレノール「はぁ・・・・しかし、昔からのいい伝えではマイクローンは恐ろしき存在と・・・・・・・」

ラプラミズ「それは分かっているが・・・・・・・・・いずれはぶつかる相手であろう。」

不安そうに答えるティレノールではあるが、ラプラミズはそこまで深く考えていなかったようである。
当面は第109分岐艦隊が全面的に支援するだろうし、直衛艦隊の一つである自分の艦隊がそう簡単に監察軍以外の戦線に配備される事は滅多にない。
ラプラミズにとってマイクローンの船と言うのはそこまで重視する必要のない存在である。
すると一つ気になっていた事があった。

ラプラミズ「第109分岐艦隊と言えばカムジンの坊やが所属している艦隊であったな。」

ティレノール「第7空間機甲師団長カムジン・クラヴシェラまたの名を味方殺しのカムジンが所属する艦隊でありますが何か?」

ラプラミズ「奴は暴走するがマイクローンの船に打撃を与えると思うが・・・・・・」

ティレノール「私としてはむしろ足を引っ張るかと・・・・・・・」

カムジン・クラウヴシェラは有名な問題児のゼントラーディ軍の軍人であった。
喧嘩沙汰や協調性の無さ仲間同士の殺傷の噂が絶えず、他の部隊はカムジンの部隊と行動を共にするのが嫌であった。
記録参謀であるティレノールはカムジンが味方の足を引っ張ると読んでいた。
彼の経歴は彼女の頭に入っており、共闘後の状況を予想していた。
後に新統合軍の参謀になり退役後に彼女が編集した著書【第1直衛艦隊の真実】によれば、カムジンの性格の荒さは他のゼントラーディ人には見れない程の元であり。
扱いづらい・・・・・・・だが彼を従う部下からすればいい上官であると書かれていた。
他の部隊からの信用はないが、部下から信用されており一定のカリスマがあると見ていた。
だが彼と深く行動を共にしなければ信用できずむしろ自分に不利益な存在だと一般のゼントラーディ軍の指揮官からそう思われていた。

「ラプラミズ司令、ミリア1級空士長以下3名が参られました。」

ラプラミズ「通せ。」

「サ・エスケスタ。」

ブリッジのドアが開きミリア以下3名が入室する。
パイロットスーツ姿であり、制服ではない。
ラプラミズもちょっと驚いたが、ミリアの心構えを見た。

ラプラミズ「準備はいいのだな。」

ミリア「奇襲攻撃戦隊が出撃しない以上、直ぐにでも監察軍の艦隊を殲滅させるつもりです。」

ラプラミズ「そう言うと思ったよ、ミリア。」

ミリアはいつでも出撃が可能なように出撃前はパイロットスーツを着る。
他の部下にも厳命されており、デワントンやメールも同じようにしている。
今回奇襲攻撃戦隊を出撃させないのもラプラミズがミリア以下の機動部隊員達を信頼しているが故であった。

ミリア「今回の作戦を確認したいのですが・・・・・・・」

ラプラミズ「あぁティレノール頼む。」

ティレノール「ハッ第209分岐艦隊所属の偵察リガードが別のエリアに逃亡中の小規模の監察軍の艦隊の殲滅である。第1目標敵逃走経路の遮断し艦は撃破せず、艦内乗員を殲滅。廃艦になった後、我が艦隊の砲撃で殲滅する以上だ。」

ティレノールは簡単に今回の任務内容を説明する。
監察軍の艦隊は艦数は12隻である、地球人からすれば中規模艦隊だがゼントラーディ軍からすればかなりの小規模艦隊である。
それを殲滅するだけである。

ミリア「なんだ簡単な仕事か・・・・・・・つまらん。遊び相手にはならないな・・・・」

デワントン「ミリア1級空士長!?」

ティレノール「ミリア1級空士長、無礼であろうラプラミズ司令の前で!!いくらエースのミリアでも艦隊司令への無礼は消去刑物だぞ!!」

ミリアはラプラミズ司令の前で今回の作戦をつまらないと言い捨てる。
デワントンとメールは青ざめてしまい、ティレノールは無礼な態度を取ったミリアに怒りをぶつける。
ミリアの態度は当然である、たかが12隻の艦隊数なんてたかが知れているのである。
だが上官への無礼な態度は重罪である、ティレノールもそれが分かってミリアに怒りをぶつけた・・・・・・

だが当のラプラミズは・・・・・・・・・・

ラプラミズ「ふふふふふ・・・・・・ふははははははははははははははははは。」

大きな声をあげながら笑う。
ミリア以外の一同は驚きの態度を取った。

ラプラミズ「流石だなエースのミリアがそう言うならば、この戦いも勝ったな。」

ラプラミズの放ったエースのミリアがそう言うならば、この戦いも勝ったな。の発言。
つまりミリアがつまらないと言えば戦闘に勝てる、ラプラミズはそう確信したのである。

ティレノール「しかしミリアの無礼は・・・・・・・」

ラプラミズ「別に構わん、無礼な態度で有能な人材を処刑すれば我々の戦力が大幅に減るだろう・・・・・もう構わん下がれミリア。」

ミリア「ハッ、ウサリス・ガミドラ。」

ミリア以下3名はラプラミズに敬礼して去る。
それを見送るラプラミズはほほ笑む、ミリアの無礼な態度を許すラプラミズに呆れたのかティレノールは脹れっ面をする。

ミリアは部下とブリーフィングを行うため格納庫へ向かう。
今の作戦説明をどうするかであるデワントンは、ミリアの背中を何も考えずに見る。
いやここはただ従おう、ミリア隊の一員としてミリアに忠を尽くす。
デワントンはそう決めた。

ミリア「デワントン、お前ボートしているな。」

デワントン「はい?私は・・・・・・・・・」

ミリア「言うな、正直私の無茶をお前たちに押しつけてしまった・・・・正直心配をかけさして申し訳ないと思う。」

メール「ミリア1級空士長・・・・・・・」

ミリアも正直、自分の無茶を部下に巻き添えにしてしまった事を反省している。
下手したら自分の部下を殺す・・・・・・・ミリアは責任を感じた。
だが責任しようが反省しようがそれはしょうがない、これはラプラミズ艦隊司令の命令であるから・・・・・・・・・

デワントンとメールはミリアの今の発言を受けて・・・・・・・・・

デワントン「ミリア1級空士長、それは言わないでください。我々もミリア1級空士長の苦労を考えず軽薄な発言をしてしまいました、謝るのはこちらの方です。」

メール「我々はミリア1級空士長についていきます、他の隊員達もミリア1級空士長が適切な説明をすれば、納得するでしょう。その時は我々も支援します。」

ミリア「お前たち・・・・・すまんな・・・・・・・」

ミリアはデワントンとメールの言葉に感謝する。
自分が戦ってこれたのは自分についてくれている部下がいるからである。
ミリアはそれに感謝する。

その後のブリーフィングで部下達は別に構わないと答えた。
むしろ大歓迎と答えた。
そして戦闘本番、無事に戦死者は出さずに監察軍の敗走艦隊を撃破した。

この結果はミリア隊の団結の強さがエースのミリアの印象を一般部隊に更に強くしているのである。

ただ出番を更に奪われたキヨラ隊は更に嫉妬心を強め、さらなる団結を強めたらしい。

第13話 メルトラン・インサイド

2017-01-08 12:45:50 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
【ケルタ・ガーラルト・メルバ宙域】
SDFー1マクロス艦内に市街地が出来た頃
ケルタ・ガーラルト・メルバ宙域に展開する約500万隻規模のゼントラーディ軍基幹艦隊ボドル基幹艦隊。
500個所在するの直衛艦隊のラプラミズ艦隊は監察軍掃討のため出撃準備をしていた。
監察軍は銀河系での戦闘で敗退が続いており、別の銀河へと脱出を測っていた。
ラプラミズ艦隊は別の銀河から撤退中の監察軍艦隊に強襲をしかける作戦である。
これでボドル基幹艦隊の周辺から監察軍は消え去るのである。

ミツル「隊長、我々がミリア隊と共同作戦とは本当ですか?」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊3級空士長ミツル・ファレット

キヨラ「その通りだ。」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊1級空士長キヨラ・テキーヴァ

ラプラミズ艦隊の艦載機群の中の一つであるキヨラ隊のミツルと隊長のキヨラは母艦ザーカルダで会合していた。
キヨラはラウラ・ベルタリアなどの隊員を率いる猛者の一人である。

ミツル「まさか我々がミリア隊と共同作戦とは・・・・・・このような状態は久しぶりですね、キヨラ隊長。」

キヨラ「ミリアかあいつには何度も喰わされている我々がミリア隊より戦果を挙げねばならぬ。分かっているな、ミツル・ファレット?」

ミツル「エスケス、キヨラ1級空士長。ただ一番乗りは私にお願いします。」

キヨラ「ラウラとコンビを組むのが前程だぞ。」

ミツル「それでも構いません、ラウラもミリア隊には激しい敵意を持っています。私とラウラならば必ず・・・・・・・・・・・・」

ラプラミズ司令に気に入られているミリア・ファリーナの部隊のライバルの中で一番のライバル.キヨラ・テキーヴァの部隊は作戦前から闘志を燃やしていた。
いつもいつもミリアを始めとする部隊構成員にいい所を取られている。
日頃からミリア達に嫉妬している。
キヨラ隊の全隊員は同じ目標を元に決意を固めていた。

ミツル「ウサリス.ガミドラ(失礼しました。)」

キヨラ「アリー2級空士長。」

アリー「なんでありましょうか?」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊2級空士長アリ―・ファロ

キヨラ「ミリア隊と通信を繋げろ。通信は直接私がする。」

アリー「エスケス、しかしそれは私の・・・・・・」

キヨラ「それは分かっているが、私が直接ミリアに話をしないといけない。分かったな?」

アリー「サ・エスケス、理解しました。」

ミツルは作戦の部隊と合流するため敬礼して去る。
キヨラは副官に命じてミリア隊と通信を取る準備する。

                  プォン

「こちらシー・ザルダ(ラプラミズ艦艦名)、通信を確認した。コード・ザーカルダ(キヨラ所属艦名)、どうぞ。」

キヨラ「私だ、ミリアはいるか?」

「はぁ現在は作戦中のため不在でありますが・・・・・・・もうすぐ・・・・・」

キヨラ「いないか・・・・・・通信は以上だ。」

「ちょっと待って・・・・・・・・」

                   プツン

「切ってしまった・・・・・・ミリア1級空士長にどう報告を・・・・・・」

通信を行ったが肝心のミリアはいなかった。
ミリアがいない以上、通信は不要かと思ったのか通信を切る。
通信兵の女性兵士は何かを伝えようとしたが間に合わなかった。

ラプラミズ「ミリアの帰還だ、ハッチ開けろ!」

「エスケスタ」

ミリア率いるミリア隊(総数約30名)が帰還した。
監察軍の別の艦隊を見つけ掃討したのである。
作戦は見事に成功戦死者ゼロ、ミリア隊が精鋭と呼ばれるだけの仕事はこなしている。

デワントン「今回の作戦は成功しましたね、ミリア1級空士長。」

メール「戦果もやはり1番で・・・・・・・・・・」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊2級空士長メール・ナリフェーン

ミリア「獲物が少なかったらあんまり味の無い戦いではあったがな。」

ミリアはデワントンとメールと言う2人の副官を従えラプラミズ司令と謁見するためブリッジに向かう。
すると4人組の女性兵士が前に立ちはだかった。

デワントン「ナタルマ1級空士長、貴様ミリア1級空士長がラプラミズ司令と謁見するそこは邪魔だどけ!!」

ナタルマ「副官、お前はひっこんでいろ!」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊奇襲攻撃戦隊長ナタルマ・フィーアンジュ

デワントン「ラック・・・・・・・・・・・」

ナタルマは1個直衛艦隊には一つは配備されている奇襲攻撃戦隊長
デワントンはナタルマに抗議するかのような目つきになる。
だが・・・・・・・

ミリア「そこまでにしろデワントン2級空士長。」

デワントン「しかし・・・・・・」

ミリア「ここは私と・・・・・・・目の前にいるナタルマ・フィーアンジュとの間の問題だ。」

今にでもナタルマに突っかかるデワントンを諌めるかのように前に出るミリア。
デワントンとメールはそんなミリアを心配そうな目で見る。
二人のエースが目の前でどんな事をするのか、最悪は殺し合いになる。
そんな風に思ってしまった。

ナタルマ「次の戦闘では監察軍の掃討を行うのだな。」

ミリア「そうだが・・・・態々それを言うためか?」

ナタルマ「そうよ・・・・・・・そして言うが今回の戦いには私たちは参加しない。」

ミリア「ラック!?」

ナタルマから言われたのは自分の部隊は出撃しないと言う事である。
いつも出撃している事だが・・・・・・
なぜか次の戦闘に出撃はしない・・・・・・奇襲攻撃戦隊が出撃しない宣言で指揮官は怯むのだが・・・・・・・

ミリア「それはいい・・・・・戦果は十分に増えると言う事か。」

ミリアはむしろ出撃しないと言う事を歓迎しているかのような発言をする。
強い相手と危険行為を好むミリアにとって歓迎すべき事である。

ナタルマ「ミリア・・・・・・・貴様らの活躍は我ら奇襲攻撃戦隊の影の活躍があった事を忘れるなよ。」

ミリア「それは忘れないぞ、ナタルマ。だが貴様ら無しでも私たちは出来る。」

ナタルマ「ふっ言わせてくれる、楽しみに戦果を待っているぞ。」

二人のゼントラーディ人はお互いを笑顔交えて睨み合う。
そして奇襲攻撃戦隊は別の通路から去った。
ゼントラーディ人社会では当たり前の事である。
なぜ仲が悪いのかは地球人にはよくわからないが・・・・・・彼女たちには互いに譲れない物があるが故だろう。

デワントン「あっさり終わった・・・・・・・」

デワントンは内心ほっとした。

メール「よろしいのですか?奇襲攻撃戦隊の支援がなければ我々の部隊の隊員が損失する危険性は高まります。既に創設以来8名の死者が出ていますが、ここで過去に稀にでない死者が・・・・・・・・」

ミリア「メール、お前たちは死を恐れているのか?」

メール「言えそんなわけはありません、いつでも戦場で死ねる事を名誉と心得ています。」

奇襲攻撃部隊は戦場を混乱させその隙に機動部隊が敵を掃討する役目がある。
その奇襲攻撃部隊の支援を受けられないと聞いたデワントンとメールは不安になった。
他のメンバーが聞いてもいつも戦闘狂のモーア以外不安になるだろう。

ミリア「私は危険と承知しているが、お前たちがそう簡単に敗残している監察軍ごときにやられるとは思ってもいない。それにキヨラ隊がいる、数と質でも優れている。」

ミリアは不安がる二人に答えた。
なんとも納得のいかない顔をする二人・・・・・・・・・
これからどうなるのか想像がつかない。

第12話 三浦佐枝子

2017-01-07 23:06:46 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
ゼントラーディ軍の哨戒艦隊を殲滅しプロメテウス・ダイダロスと接続したマクロスは、南アタリア島に収容した民間人のために艦内に街を建設した。
マクロスは巨人サイズの異星人が作った軍艦であるため、サイズに余裕があり民間人の生活空間に十分なサイズがあった。
収容された地球統合陸軍の設営部隊が協力し数日には5万人が住めるような街が完成した。
人々はマクロス艦内の街の完成に喜び、何事もなく生活をし始めた。

だけど、人々の心の底には地球へ帰還したいと言う思いがあった。
その思いがこのマクロスの艦内の街に住む心の支えであった。

桐原中尉「ふぅ・・・今日は車の数が少ないから空いているな。」

               ブォォォン

桐原はマクロス艦内の街の道路をバイクで駆ける。
せっかくマクロスの艦内に街ができ道路があるならば、バイクで走ってみたいと言う願望が出来た。
今それを実現している。

ロイ「よぉ茂坊主。」

桐原中尉「フォッカー少佐!?」

バイクで駆ける桐原のとなりにジープに乗ったロイ・フォッカーの姿があった。

桐原中尉「少佐殿、どちらに行かれるんですか?」

ロイ「あぁ俺の後輩に会いに行くんだ、なんでも艦内に男女で閉じ込められたから少しからかいにな。」

艦内に閉じ込められた男女、それは一条輝とリン・ミンメイの事である。
それにロイ・フォッカーの言う後輩は一条輝の事である。

ロイ「そんでお前はどうなんだ茂坊主?もしかして女に会いに行くのか?」

桐原中尉「まさか、自分にはそんな人はいませんよ。」

ロイ・フォッカーのからかいに桐原は普通に流される。
桐原は普通の顔をしているが恋には無縁であった。
むしろ女の友人はいたが友人以上恋人未満の関係が多かった。
桐原はフォッカーと別れると統合軍の軍事施設のある所に辿りつく。

「証明書を定時してください。」

桐原中尉「あぁこれね。」

「確認しました、どうぞお入りください。」

桐原は証明書を証明した後、そのまま施設内に入っていく。
すると施設内の廊下を歩いていると・・・・

三浦佐枝子「あら桐原中尉じゃないですか、またバイクですか?」
地球統合宇宙軍SDF-1マクロスセンサー担当三浦佐枝子少尉

桐原中尉「悪いか?」

三浦佐枝子「別に~」

ボーイッシュなショートカットの女性は三浦佐枝子少尉。
桐原が新兵時代の付き合いのあるウェーブ(士官)である。
恋人のような関係ではなく、ただの友人である

年齢は2歳年下であるが面倒見のいい感じである。
また彼女は優秀な軍人であり、主計課に属している。
まぁ幼馴染のような関係である。

三浦佐枝子「街はどうでした?」

桐原中尉「信じられないようなスピードで建築が進んだせいか、既に南アタリア島の街があったかのように賑わっているよ。」

三浦佐枝子「そんなに!?それなら友達とお買い物とか出来そうだな~」

マクロスの市街地の話を聞いている佐枝子はいまどきの乙女のような反応を見せる。
地球から遠く離れた冥王星にフォールド以降、娯楽が不足している軍人や民間人にとってマクロスに市街地が出来たと言う事は神が与えたもうた奇跡的な事であった。
マクロスの市街地と言う存在は1万人規模の地球統合軍軍人のオアシスが出来たと言う事である。

桐原中尉「ところでさ・・・・・・・サエ・・・・・・気になったんだが・・・・・」

三浦佐枝子「何?」

桐原中尉「お前の今の部署の主計課はどうだ?南アタリア島航空基地時代より環境は大幅に変わったようだけど・・・・・・・不安ごとはないか?」

三浦佐枝子「えっ!?」

佐枝子は元々南アタリア島航空基地に所属していた空軍の女性士官である。
空戦時は所属していた部署が被災し民間人の避難誘導を行い完了後は他の職員と共にシェルターにて民間人を守っていた。
だが結局、SDF-1マクロスのフォールドに巻き込まれて部署は消滅した。
部署が消滅した佐枝子などの非マクロス所属軍人はSDF-1マクロスに配属された。
当然ではあるが、同じ所属であった同僚たちはバラバラに配置されている。

急に慣れない環境に放りだされたら誰でも不安になる。

三浦佐枝子「それって私を心配してくれているの?」

今のやりとりで佐枝子は桐原が自分の事を心配してくれるかのように受け取った。
桐原は何も答えないが、今のやりとりは悪い気はしない。
だったら答えてあげましょうか・・・・・・・・

三浦佐枝子「別に不安ごとはないわよ、女性兵士は結構多いし不安じゃないわ。」

佐枝子はこう答えた。
SDF-1マクロスの女性士官は若い人間が多く、若い女性である佐枝子が不安になる事はない。
直ぐに現場に慣れてしまっている。

三浦佐枝子「でも中尉が格下である私を心配してくれるなんて珍しいですね。私は感動してしまいました。なんでですか?」

桐原中尉「なんでってそれは人間として当たり前だろ、三浦。昔から言われていなかったか?」

三浦佐枝子「確かに言われていましたね、私たちの子供の頃から。でも実は・・・・・」

桐原中尉「皆まで言う前に言うが、お前の事を好きで心配しているわけじゃないからな!!!」

三浦佐枝子「はいはい。」

桐原は佐枝子の実に対し恥ずかしながら答えた。
佐枝子はそれも分かっているらしく、はいはいと軽く受け流した。

桐原中尉「ってもうこんな時間か、三浦。ここで失礼する、そっちも頑張っていけ。」

三浦佐枝子「分かっています、そっちも周りの環境に負けずに頑張りなさいよ。」

桐原中尉「おう!!!」

桐原はここで航空隊に戻るために佐枝子と別れる。
佐枝子は笑顔で敬礼しながらバイクに乗り航空隊の兵舎に戻る桐原を見送る。
姿が見えなくなると佐枝子はある一言を寂しげな笑顔で言った。

       いつか両方が佐枝子・茂人と呼び合えるようになれないかな・・・・・・

第11話 敵哨戒艦隊強襲命令.後編

2016-12-01 22:56:31 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
                            【暗礁宙域】
ロイ・フォッカー率いる強襲特別攻撃隊は暗礁宙域を進んでいた。
かつてマクロスが落ちる前の人類が行くことの出来なかった宇宙。
それを今こうして敵の哨戒艦隊を全滅させるために進んでいる。
20世紀の宇宙開発者が見たらなんていうだろうか・・・・・・・・
いやまだ生きているか・・・・・・
かつての人類がたどり着けなかった宇宙・・・・・・俺達はそこを進んでいる・・・・・・・・・

ウルフガング「現在冥王星の衛星カロン.から距離1万km地点を通過しました。」
SVF-43グライムウルブス隊員ウルフガング・バレット少尉

強襲特別攻撃隊は衛星カロンから距離1万kmの地点にある暗礁宙域に進んでいる。
残骸は見るからに地球製の軍艦ではない、連中の軍艦と同じだ。
見慣れぬ頭のない人型兵器・・・・・・・連中の古戦場跡のようらしい。

桐原中尉「連中は俺達に近い距離でこれほどの戦闘を・・・・・・・・・」

桐原が地球人が普通に日本だったりアメリカなどの国家の枠組みで独自の文化を形成していた時代にこれほどの戦闘があった事に驚く。
俺達が今戦っている異星人の物だろう・・・・・・・俺達がもし南アタリア島の戦闘やマクロスがブービートラップで主砲を発射しなくても、いずれは異星人同士の戦闘に巻き込まれてその時は人類は壊滅していたかもしれない・・・・・・・・

ロイ・フォッカー「全機止まれ!バトロイドに変形!」

突然、部隊長であるロイ・フォッカーから停止しバトロイドに変形するように命令される。
一同は何かと思っていたが・・・目の前にはゼントラーディ軍500m級斥候艦3隻が航行していた。
遠目からではゼントラーディ軍の200m標準戦艦スヴァール・サランに間違えることはあるが、まだスヴァール・サラン級を知らない彼らは今は間違えることはない。

伊集院義一「予定通り3隻いるな・・・・・・・・」

ロイ・フォッカー「マクロスとの推定接触時間まで3時間程度ぐらいだ、連中がのろのろと航行してくれたおかげで仕事がやり易くなるな・・・」

戦闘の決着時間は3時間、哨戒艦隊を全滅させるまでのタイムミリットと言うわけだ。
しかし、普通に攻撃をしかければ哨戒艦隊にマクロスの位置がばれる可能性がある。
そんなことは既に想定済みなのである兵器を使う。

ロイ・フォッカー「そろそろ突撃するぞ、桐原と滝田は前方の艦を狙え!ギルバートとバレットは中央・後方の艦を狙え俺と義一で露払いする。」

部隊は3チームに分かれる。
攻撃目標は3隻であるが、前方の艦を集中攻撃し撃沈させジョニーとウルフガングは中央・後方の艦を撃沈する。
ロイ・フォッカーと伊集院義一はある兵器を使用した後露払いをする・・・・・・・
そのある兵器とはジャミング弾とステルス発生弾である。
こうすればレーダー主導の兵器と敵本隊への通信を遮断することが出来る。

これがグローバル艦長が立てた作戦である。

ロイ・フォッカー「そろそろ行くぞ!!!!アタック!!!!」

            ドビュゥゥゥゥゥゥゥゥン

ロイ・フォッカーの号令の元、ロイ・フォッカー率いる通称レッドチームが敵哨戒艦隊の前方を突っ切る。
まるで敵を挑発するかのような飛行である。

「艦長、敵マイクローンの艦載機です。」

「近くにマイクローンの艦がいるんだな・・・・・・ブリタイ司令の本隊へ報告せよ!」

ゼントラーディ軍の哨戒艦隊司令はロイ・フォッカー率いるレッドチームの挑発的な飛行を見て近くに母艦(マクロス)がいるのだと思い後方にいる本隊へ連絡をしようと試みるが・・・・・・・・
ある異常がここで確認される・・・・・・・

「通信ができません。」

「なんだと!?だったら、艦載機で迎撃しろ!通信が使えないならば、マイクローンを殲滅し直接本隊に報告する。」

ジャミング弾の効果が発揮された。
これで敵本隊との通信をシャットダウンする事が出来た。
通信手段を失ったゼントラーディ軍の哨戒艦隊は直接報告する方針を取り。
まず最初にロイ・フォッカー達の強襲特別攻撃隊を撃滅すべくリガード部隊を発進させる。

ロイ・フォッカー「おらおら!!!」

            ズドドドドドド ズドーン

ロイ・フォッカーと伊集院義一の2機のVF-1Sは哨戒艦隊から出撃した艦載機を奔走する。
その様子を見ていた哨戒艦隊司令官は・・・・・・

「何をしているたかが2機なんだぞ!直掩部隊も前にだせ!」

ロイ・フォッカーと伊集院義一の奮戦と挑発的攻撃方法の誘いに乗り直掩部隊まで前に出す。
結果、哨戒艦艇に残された護衛機は無になった。
作戦通り、反応弾で撃沈する条件が一致した。

桐原中尉「ブルーチーム出るぞ!」

ジョニー「イエローチームも続いて出る!」

桐原率いるブルーチームとジョニー率いるイエローチームが小惑星の影から一斉に出てくる。
ステルスも働いていると言う事もあってか、哨戒艦隊に察知されていないようである。

桐原中尉「敵艦にロックオン・・・・・・・・・・弾は一発しかないんだ・・・・・・」

桐原は反応弾のトリガーを持ち構える。
僅か1回しかないチャンス、もし命中し損ねたら作戦は失敗だ・・・・・・・
なんとか当たってくれ・・・・・・・・・・

                  カチッ
         シュボォォォォォォォォォォォォン

反応弾が発射された。
反応弾はまっすぐ哨戒艦隊に接近し・・・・・・・・・・

「艦長、何か来ます?」

「ラック!?」

         ズガァァァァァァン

桐原中尉「命中だ、レッドチーム支援に回る。」

斥候艦の1隻に命中する。
丁度よく真ん中に命中し、斥候艦は二つに割れて撃沈する。
あれを地球上の艦艇に命中させたら生存者は一人もいないような死の光であった。
桐原は艦載機群と交戦しているロイ・フォッカー率いるレッドチームの支援のため離脱する。

「くそマイクローンめ別働隊もいたのか・・・・・主砲マイクローンの部隊に向けろ!絶対に殺せ!!!」

「サ.エスケスタ!!!」

哨戒艦隊は1隻が反応弾により撃沈された事により別働隊の存在が分かり主砲で反撃しようとする。
次正確に反応弾を撃ち込むのは難しい。

ジョニー「敵が気がつく前に一気に叩くぞ!!!」

ウルフガング「いや一時艦隊上空へ退避したほうがいい、来るぞ!」

         ズドォォォォン ズドォォォォン

艦砲射撃の連射が来る。
正面から反応弾を撃ちこむのは難しい・・・・・・・・・

滝田英史「単純な攻撃だな。」

滝田は敵の砲撃を紙一重に回避する。
まるで生か死を賭けるかのようなギャンブラーのように。
滝田はそのまま敵艦隊へ突っ込んでいく。

ジョニー「馬鹿野郎!敵艦隊に突っ込んで行ったぞ!」

ウルフガング「死ぬ気なのか?」

滝田の無謀な敵艦隊への突撃を非難するウルフガングとジョニー。
その直後・・・・・・・・・・・・・・・

          ズガァァァァァァン

斥候艦の1隻が撃沈した。
まるで内部で爆発したかのようだった。
すると爆発から戻ってくる1機の機体があった。

滝田英史「こちらSVF-13ブランジャーズ.滝田英史、敵艦1隻を沈めた後は自由にやってくれ!少佐のレッドチームを援護する。」

滝田はそのまま離脱して行った。
残るはジョニーとウルフガングの2機である。
この2機が完璧に決めないとこの作戦は無意味になる。
緊張していたためか、

ジョニー「くっ・・・・・・・・・」

ウルフガング「そ・・・・・・・・・・」

      くそったれぇぇぇぇぇぇぇ

二人はやけくそになり敵斥候艦へ向けて突撃する。
そして彼らが握る反応弾のトリガーのボタンを押す・・・・・・・・・・・・

             1時間後・・・・・・・・

デワントン「これは・・・・・・・・・・・・」

監察軍の敗残兵掃討が終わって帰還途中のデワントンは帰還する6機の機影を確認する。
それは哨戒艦隊を全滅させた桐原を含む奇襲特別攻撃隊の面々である。

エリンシャ「デワントン・・・・・・・・、今なら追撃が可能ですどうする?」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊.エリンシャ・デルメ1級空支援長

第2特殊支援隊長エリンシャ・デルメがデワントンに追撃するかどうか判断を仰ぐ。
今ならば追撃し撃墜が可能である。

デワントン「いや別にいい、今はミリア1級空士長に合流する・・・・・。今の連中は監察軍じゃない、そのままにしておけ。」

デワントンは今見た光景を見なかった事にする。
今はミリア隊の本隊と合流するのが第1だ・・・・・・・・・・
そうエリンシャに言って、そのまま離脱する。
ラプラミズ司令の命令以外のことは絶対にしない、命令に忠実なデワントンは追撃する気はない。

ただ・・・・・・・・・・・

デワントン「あの連中は一体・・・・・・・・・・・」

未確認の6機の飛行物体・・・・・・・
あれは一体なんだろうか?
監察軍でも我が軍の兵器ではない、連中は一体何者なんだろう・・・・・・・・・・
デワントンはこの時は何も分からないままその場を後にする。

彼女がこの飛行物体の正体を知るのは後の話である。

第10話 敵哨戒艦隊強襲命令.中編

2016-11-30 22:52:19 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
ゼントラーディ軍哨戒艦隊強襲作戦Uボートアタックはロイ・フォッカーのパイロット推薦もあってかなんとか可決される。
ロイ・フォッカーはそのパイロット達がいるある場所へ向かう。

                       【航空課兵舎】
SDF-1マクロスの艦内の兵舎。
可変戦闘機部隊の精鋭たちが住む兵舎でもある。
パイロット不足もあり部屋は結構ガラガラに空いている。

桐原中尉「ジョニーくんこれで俺の勝ちだなっと!!」

                  パシュ

ジョニー「くそったまジョーカーかよ、ババ抜き俺の負けか・・・・・・・賭け金です、受け取ってください中尉。」
SVF-1スカルズ.コールサイン.スカル7.ジョニー・ギルバート少尉

桐原中尉「悪いなジョニー君。」

桐原は各地の可変戦闘機乗りとコミュニケーションを取るためにババ抜きをしていた。
普通にやるのはつまらないので兵士たちは賭け金を出しながら勝負していた。
桐原とトランプ遊びをしていた男はジョニー・ギルバート。
まだ新人だが、南アタリア島上空の空戦で華々しい戦果をあげたエースの卵である。
腕前はいいのだが、ギャンブルに弱い弱点がある。

「おいまた桐原の一人勝ちだぜ。」

「日本人なのにやるな~」

多くの隊員達は桐原のギャンブルの強さに驚きを隠せない。
すると・・・・・・・

滝田英史「中尉殿、多くの兵士から金を巻き上げているようですね。ここは俺が相手しましょう。」

桐原中尉「いいだろう、丁度相手を探していた所だ。」

SVF-13ブランジャーズの滝田英史である。
戦場のギャンブラーと呼ばれている滝田だが、実際のギャンブルの腕もいい。
その場にいた大勢の将兵はこれはいい勝負になるぞと期待した。

     ちょっとその勝負は待った!!!!!

後ろから大きな声が聞こえる。
一同はなんだと振り返ると・・・・・・・・・

ロイ・フォッカー「その勝負はこれからの出撃の後にしろ!お前ら!!!!

ロイ・フォッカーだ、隣にいるのは伊集院義一少佐である。
伊集院もこの作戦に参加する一人である。

「出撃って・・・・・・・・・おい・・・・・」

ロイ・フォッカー「おめぇら全員出撃するわけじゃねぇぞ、これから呼ぶ者はハンガーへ来い!桐原.滝田.ギルバート.バレットお前ら4名はハンガーでバルキリーに乗れ!!!」

桐原中尉「俺!?」

桐原は他の呼ばれたメンバーと共に驚く。
無理もない何の理由もなくハンガーへ行き、そこでバルキリーに乗れと言われのだから。

一体俺達に何をさせる気なんだ?

と思いながらも逆らえるわけでもないので、ジープに乗り空母プロメテウスの連絡路
まで向かう。

                 【空母プロメテウス】
           キィィィィィィィィン

「反応弾各機1基ずつ搭載完了。」

桐原が到着した頃には既に整備員が反応弾の搭載を完了していた。
これらの愛機の姿を見た桐原はこれはろくでもない任務だなと直ぐに分かった。
そして・・・・・・

ロイ・フォッカー「今日貴様らに集まったのは他でもない、俺達はこれより敵の斥候艦隊を全滅するために出撃をする。敵艦は500m級であり、ミニッツ級空母の2倍程の大きさなため、特別に反応弾の使用が許可された。」

やっぱりか・・・・・・・・・・
なんか胡散臭い任務であると思ったらこのような仕事か・・・・・・・・

ロイ・フォッカー「俺達6人は、この哨戒艦隊がマクロスを見つける前に叩きつぶす。
連中の進行エリアはマクロスの進行エリアと重なる。もし見つけられたら地球帰還前に俺達は死んでしまうか捕まるかだ。そうなる前に敵艦隊を撃滅するぞ!!!各員搭乗せよ!!!敬礼!」

ロイ・フォッカーの号令の元一同は敬礼する。
胡散臭い任務ではあるが、マクロスの危機ならば見逃すわけにはいかない。
桐原は自分の使命を自覚しながらマクロスへ搭乗する。

千葉軍曹「よぉ茂坊。」

搭乗した直後、南アタリア島の警備兵である千葉軍曹が話しかけてきた。
彼もマクロス艦内に避難していたため生きており、プロメウスの生存者と共に機体の整備を行っていた。

千葉軍曹「お前さんのバルキリーのOSは俺が少しいじったから反応弾の命中率を格段と向上した。うまく一発で仕留めていってくれ。」

桐原中尉「分かった、一発で仕留める。OSの改良サンキューなシゲさん。」

桐原は一瞬の会話ではあるが、千葉軍曹の期待を受けて可変戦闘機に乗り込む。
キャノピーを占めエレベーターでプロメテウスの甲板に出て発進準備が完了する。

            ドビュゥゥゥゥゥゥゥゥン

桐原のバルキリーは暗黒の宇宙へ飛び立つ。
攻撃目標.敵哨戒艦隊・・・・・・・・
守るべき者の未来を確保するために6人の戦鷹は飛び立つ。

      【ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊第1直衛艦隊.通称ラプラミズ艦隊】
ラウラ「ミリア、我々キヨラ隊の方が優秀だ!その事は覚えておけ!!!いいな!!!」
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊第1直衛艦隊キヨラ隊.ラウラ・ベルタリア3級空士長

                 プォン

ミリア「馬鹿な子が・・・・・・」

太陽系から退却する監察軍の敗残兵全滅作戦のため作戦を協議していたのだが、いつものようにラウラとミリアの衝突が起こる。

デワントン「ミリア1級空士長、またキヨラ1級空士長の部下ラウラと喧嘩したんですか?」

ミリア「私が仕掛けたのではない、馬鹿なラウラが挑発に乗ってきたから遊んでやったまでだ。それと言うより喧嘩ではない。」

デワントン「なるほど」

ミリアはデワントンの指摘をこう返事する。
・・・・・まだ製造されてまだ若いラウラをいとも簡単に遊び道具にする。
デワントンはミリアの好戦的な性格には若干引く。
しかし、逆にそれが魅力的でありデワントンはミリアを尊敬する・・・・・・・・

デワントン「そう言えばミリア1級空士長はブリタイの艦隊がマイクローンと戦闘をしたのを知ってますか?」

ミリア「知っている、まだどうせマイクローンだ直ぐに壊滅できるだろう。私の当分の相手は監察軍だ、私は興味はない。」

デワントン「そ.そうですか・・・・・・・・・」

ミリアはマイクローンの事には興味はない。
そんなミリアがマイクローンと交戦し敗北し、そのマイクローンのマクシミリアン・ジーナスと結婚するなんてこの時思いもしなかっただろう。

そのデワントンもいずれは・・・・・・・

第9話 敵哨戒艦隊強襲命令.前編

2016-11-30 13:28:51 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
南アタリア島から冥王星までフォールドした事件から1週間後。
マクロスは通常航行で地球への帰還を目指していた。
マクロスの艦内には5万人の一般市民のために、街が建造されていった。
人々は最初不安がっていたが、どんどん立ち直りを見せて行った。

                 【機種転換訓練所】
南アタリア島に駐留していた戦闘機パイロットやヘリパイロットそして輸送機のパイロット達が機種転換の訓練入隊のため並んでいた。
軍人だけではない、飛行機の操縦ライセンスを持っている一般市民も入隊のために並んでいた。
後に行われた2次募集ではリン・ミンメイと一緒に救助され話題になった一条輝もいた。

ディー曹長「なんで駄目なんですか?」
SDF-1マクロス第3管制室オペレーター.ディー・ヴァーミル曹長

「オペレーター出身者は駄目だ!一般募集に並べ次。」

女性兵の姿があった。
彼女はディー・ヴァーミル・・18歳。
友人のマリア・フラートと共に機種転換のため訓練所に訪れていた。
元々彼女は戦闘機の操縦経験もないために跳ねられてしまった。

ディー曹長「なんなのよ、あのくそ野郎。」

マリア「はははは、2次の募集があるから今度また受ければいいじゃない。」

ディー曹長「それもそうね。」

女性も戦闘機に乗るような時代になった。
可変戦闘機はOTMの技術によりGの負担が減らされた。
その結果2009年からまだ少数ではあるが女性パイロットの採用が始まったのである。

                   【哨戒宙域】

『こちらキャッツアイ4号機、敵哨戒艦隊を確認。数は3隻です。危険回避のため、離脱します。以上』

SDF-1マクロスが出撃させたキャッツアイの一つが敵の哨戒艦隊を発見した。
マクロスの消息を見つけ出すためにブリタイが派遣した部隊である。
敵は小規模であり一瞬大した事のないように見えるが実はそうでもない。
もし哨戒艦隊にマクロスが発見されれば敵本隊に通報され包囲される。
実働可能艦載機数の少ないマクロスからすれば絶体絶命の危機である。

キャッツアイの報告を受けたマクロスはこの哨戒部隊にどう対処するかの作戦会議が始まる。
1時間ほどの会議で出た結果は・・・・・・・・・

           【Uボートアタック】

発案者はSDF-1マクロス艦長のグローバルだ。
攻撃潜水艦プリンス・マルコ艦長経験のあるグローバル艦長はイタリア海軍士官時代ドイツのUボート並びに戦術を研究していた。
敵艦隊を損害少なく強襲するには隠密で強襲し、援軍呼ぶ暇なく殲滅することである。
しかし、巨体の大きいマクロスが強襲するわけにはいかない。

グローバル艦長「強襲は2個小隊単位の可変戦闘機部隊で行う。」

可変戦闘機だ。
小型で小回りの利く可変戦闘機であれば、今の現状のマクロスの隠密強襲作戦に有効な唯一の兵器である。
2個小隊=可変戦闘機:6機、数は少数であり隠密作戦に必要な適切な戦力であり。
実質30機しか運用できないマクロスの戦力としてはありがたい数である。

斥候艦とは言え推定500m級クラスの大きさである。
地球統合海軍の空母ニミッツ級航空母艦の2倍程度の大きさである。
6機程度の火力では3隻の斥候艦に対抗するのは火力不足である。
多くの将校たちが苦渋の末に許可をしたある兵器を使用する。

それは・・・・・・・反応兵器

反応兵器=反応弾

世界の核兵器所有国の核兵器を宇宙空間用に改良した決戦兵器である。
放射性物質を半減させた、開発者曰く綺麗な核兵器である。
初の実戦は火星からの帰還中の帰還船団を全滅させた反統合同盟軍に対する報復戦である。
綺麗な核兵器とは言え、大量殺戮兵器であり日本の自治体を一発撃っただけで数千人が死亡する威力である。
後に第1次星間大戦と呼ばれるこの戦争の序盤に実戦投入し、これらの兵器の製造方法を失ったゼントラーディ人に大きな衝撃を与えた。
地球統合軍や冥王星にデ・フォールドしたマクロスは決戦に備え温存する方針であったはずだが・・・・・・・・・


グローバル艦長「2個小隊6機のうち、4機は反応弾を搭載し強襲する。」

マクロスが所有する反応弾の0.5割程度の反応弾を搭載し強襲するプランである。
当初は大きく荒れたが、マイストロフ大佐の意見もあり僅か0.5割の反応弾で強襲することに纏まった。
残りの2機はジャミング弾を搭載し、散布後反応弾搭載可変戦闘機部隊の護衛機になると言う。

大体作戦プランもまとまり、後はそれを実行するパイロット集めと部隊の編成である。
すると・・・・・・・・・

ロイ・フォッカー「部隊の編成は各飛行隊の腕のいいパイロットで編成する、当然指揮官は俺が勤め副官はSVF-13ブランジャーズの滝田を連れていく。」

その場にいたロイ・フォッカーは自ら志願する。
副官として名前は呼ばれたのはSVF-13ブランジャーズの隊長滝田英史である。
統合戦争時代はVF-0フェニックスを駆り、戦場のギャンブラーと反統合同盟軍の将兵から恐れられるほどの腕前を持っていた。
これらの腕前もあってかロイ・フォッカーからの信頼は厚い。

マイストロフ大佐「しかし2名は決まったが残りの4名はどうするのかね?」

マイストロフ大佐はロイ・フォッカーやグローバル艦長に質問をする。
ロイ・フォッカーと滝田英史が決まっているが、残りの4名が決まらなくては作戦の実行はできない。
明らかに戦力不足である。
するとロイ・フォッカーは笑顔で・・・・・・・・・

ロイ・フォッカー「いますよ俺がお勧めする腕のいいパイロットがね。」

ロイ・フォッカーの進める腕のいいパイロット。
一条輝はまだ入隊はしてないので入らないが、フォッカーにはこの作戦を上手く成功できる腕のいいパイロットを知っている。

果たして・・・・・・・・・・・・・

第8話 SDF-1マクロス再編成

2016-11-29 20:40:42 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
南アタリア島上空でフォールドし冥王星へ到達した地球統合軍戦艦SDF-1マクロス。
地球ではその事実を知らないまま、南アタリア島の住民は反統合同盟残党によるテロで全員死亡と発表した。
マクロスは空母CVSー101プロメテウスと強襲揚陸艦SLVー111ダイダロスを接続する。

そして・・・・・・・・・・・・・・・

                                   【空母プロメテウス】
「どうだ?」

「あぁ生体反応レーダーが反応しているんだ、この先なんだが・・・・・・・・・」

接続を完了したプロメテウスとダイダロスの水密区画に生存者反応が確認された。
グローバル艦長はプロメテウスとダイダロスの乗員の生存者がいると確認し、救出部隊を派遣した。
救出部隊がたどり着いた先は水密区画。
プロメテウスとダイダロスは潜水も可能であり、水密区画が存在する。
ここならば生存者がいてもおかしくない・・・・・・・救出部隊は空気が漏れないように通路を接続し救出を試みようとした。

                            ウィィィィィィィン

「救出部隊です、あなた方を助けにきました!!」

通路を接続し、水密区画のドアを開けて救出部隊が生存者のいる区画に到達する。
生存者達は震えながらもやっと来た救出部隊の来訪に歓喜する。
1時間もしないうちにプロメテウスとダイダロスの両艦の生存者の救出が完了する。
生存者はプロメテウスとダイダロス合わせて4000名弱、半数以上は亡くなったがこれほどの人命が生きている事は奇跡である。
生存した統合軍海兵隊員曰く寒さと死の恐怖から解放されて凄く安堵したとの事。

しかし、マクロスには深刻な問題が発生していた。

グローバル艦長「パイロット不足?」

ロイ・フォッカー「あぁ搭乗する前に異星人の攻撃を受けて戦死した乗員がいて、全体的に欠員が出ているんだ。」

バルキリーのパイロット不足。
マクロスにはマクロス直属の航空隊のために可変戦闘機が納品されていた。
しかし、パイロットが届く前に戦闘が始まってフォールドしたばかりか。
機体に乗る前に戦闘に巻き込まれて戦死したと言うケースがあった。
実質的マクロスが運用できる艦載機の数は、僅か30機程度であった。

マイストロフ大佐「陸軍のデストロイド部隊はなんとか定員に間に合っていますが・・・・可変戦闘機が不足になると・・・哨戒警戒が出来なくなりますな。」

可変戦闘機の不足によりキャッツアイの護衛に必要な機数が足りなくなり、最適な策敵活動ができなくなる。
いつ連中が襲来してくか分からない状況下に置かれたら、マクロスが地球の帰還前に撃沈されるか拿捕される可能性がある。
このままどうするか・・・・・・・・・・・・・・

          自分に案があります!!!

一人の青年将校が手をあげた。

マイストロフ大佐「ハーカナ少佐なんだ?」

アルーノ少佐「南アタリア島に駐留していた地上用戦闘機パイロットや輸送機やヘリのパイロットを機種転換と臨時志願兵による補充はいかがでしょうか?」
空母プロメテウス.航空課主任アルーノ・ハーカナ少佐

機種転換・・・・・・・
南アタリア島に戦闘機のパイロットや輸送機やヘリのパイロットが所在していた。
彼らを可変戦闘機に機種転換させればなんとかなるかもしれない。

ただ・・・・・

朴徳昌「志願兵による訓練は論外だ、採用には反対だ!!」
SDF-1マクロス.人事課.朴徳昌.中佐

いきなり志願兵に可変戦闘機を乗らせる事に反対な朴中佐だ。
可変戦闘機の1機分のコストはデストロイド中隊が創設出来る程である。
これほど高価な機体を素人に任せるわけにはいかない・・・・・・・

アルーノ少佐「今は議論を噛ましている場合じゃない!一刻も早く戦力を拡充し、地球帰還できるようにするべきだ!」

朴徳昌「いや機種転換のみでいい!!」

二人は言い争いをする。
他の将官達もお互い分裂して言い争いをするが・・・・・・・
艦長であるグローバル艦長の一言で決着する。

グローバル艦長「志願兵による戦力拡充を許可をする。」

朴徳昌「何!?」

志願兵による戦力拡充の許可を正式に下した。
反対派は一斉に反論したが・・・・・・・・

グローバル艦長「今は錬度どうこうではなく、なるべく戦力が必要だ。戦力不足のまま、地球へ帰るのは不可能だ・・・・・・・分かってくれ・・・・・・」

反対派の将校も黙りこむ。
賛成派も反対派は考え方は違うが地球へ帰還する気持ちは同じである。
反対派の何人かも次々に志願制の賛成に回る。
最後まで反対を続けていた朴中佐も折れ賛成に回る。

そしてこの会議から数日後。

桐原中尉「こちら2、敵小型艦のダメージを確認。敵は後少しで撃沈が出来ます。」

早瀬未沙『了解しました、トドメのミサイル攻撃をするので退避してください!』

桐原中尉「了解。」

ゼントラーディ軍の斥候艦がマクロスの防空エリアに侵入し12機の4個小隊が迎撃線を展開した。
多少被弾したものの、斥候艦であるためあっけなく撃退に成功した。
桐原の小隊は戦死者なく、無事に帰還する事が出来た。

             コォォォォォォン

千葉軍曹「よぅ派手にやってくれたな。」

帰還しプロメテウスの甲板に張り付いている桐原のVF-1バルキリーを触って言う千葉軍曹。
彼も南アタリア島の戦闘から生存していた。

桐原中尉「数が少ないから派手にやらないと人員不足分の仕事量は補えないからな。」

桐原も感じるように人員不足により正規バルキリーパイロットの仕事量が増加していた。
派手に機体を動かして敵を迎撃しないとその分の仕事量が減らない。

千葉軍曹「文句言うな、そろそろ補充の兵士の訓練が始まるそうだ。彼らが配属されれば解決される。」

桐原中尉「解決か・・・・・・・・・そいつらは使えればいいんだが。」

まず最初に機種転換組が来月配属される予定である。
それまでは正規バルキリー組が重労働並の任務を強いられる事になる。

その頃、マクロス艦内では一条輝とリン・ミンメイが救出される。
運命の歴史の歯車は少しずつ動き始めていた。