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マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

第37話 漆黒の宇宙(うみ)の中から迫る悪魔(ミリア)後編

2017-05-18 22:22:31 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
桐原とジョニーは部下に他の機体を任せてマイクローンスパイを送り込んで帰還するミリアを追撃した。
スピード的には追いつけそうにない程であったがミリアが若干速度を落とし近づいた処を反転し桐原とジョニーに迫った。

ミリア「お前たちは私を楽しませる事はできるのか?出なければすぐに楽に殺してやる!!」

                 ビュビュビュビュビュビュビュ

ミリアは本気ではなくパルスレーザーで嬲りだすように迫る。
ラプラミズ司令の命令もあってかそんなに遊べる状態ではないので、早く済まして早く制すとミリアは思っていた。
もっともマイクローンが監察軍より本当に恐ろしい相手なのか見極める目的でもあるが・・・・・・・

桐原中尉「こんな攻撃など簡単に回避して見せる!!!」

と桐原とジョニーは楽々と回避してみせた。
ミリアは攻撃を回避した事を驚かない。
なんたって既に予測している事であるから・・・・・・・・・・

ジョニー「これでも喰らうんだな!!!」

                                  カチッ

                 シュバババババババババババババ ズドドドドドドドドドドドドド

桐原とジョニーはミリアに向けてミサイルとガンポッドの掃射を行う。
この距離ならば確実に落とせるか、できなくてもダメージを与える事ができるかと思ったが・・・・・

ミリア「なんだそれは?監察軍よりいいが私に当てる事ができないとは?情けないな!!」

ジョニー「あれを避ける?なんてパイロットなんだ!!!」

ミリアは圧倒的なミサイルとガンポッドの掃射による銃弾の雨を軽々と回避する。
この機動性を行うパイロットなんぞ中々いない。
奴は確実にエースパイロットだ!!!

いや・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの攻撃の雨の中で紙一重で回避する事はエースパイロットでも難しい。
エースパイロット中のエースパイロット・・・・・・・・・
・・・・ジョニーは天才故の感で実感する。

             シュバババババババババババババ ズドドドドドドドドドドドドド

ミリア「ふふふじっくりお前達の実力を見せてもらおうか、そう簡単に殺したら面白くないだろ・・・・」

ミリアはこの攻撃を受けて桐原とジョニーの様子を伺う事にした。
そう簡単にいい獲物を殺す気はなくした、じっくり能力を見極めてからじっくりいただく。
その方針で決めた。

桐原中尉「敵は反撃して来ないが何故なんだ?」

ジョニー「奴は俺たちの動きを見極めているんだろう、じっくり遊ぶために俺たちの能力を見極めてその後再戦する気だろう。」

桐原中尉「まさかそんなパイロットが・・・・・・・・・・」

ジョニー「あぁ奴はエース中のエース、本物のエースパイロット・・・・・・・撃墜王だ!!」

ジョニーはミリアのクァドラン・ローに向けて桐原に言う。
本物のエースはそう簡単にやらずに、敵の能力を見極めると言う事をする。
軍に入る前のジョニーはそれを勉強していたのか多少知識は知っている。

そして軍に入って実際にそれを行うパイロットが目の前にいる。
異星人にこれほどの腕前のパイロットがいるとは・・・・・・・・・・
ジョニーはこの事実に驚く。

桐原中尉「この前のオーキル・ウィザードを俺が勝手に呼ぶあいつ並に強い、こいつは・・・・・・・・」

桐原もこの事実を認めている。
以前戦った事のあるあいつ(ティモシー)に似ている・・・・・・
いやそれ以上の相手か・・・・・?
なんとも言えない不細工な機体だが、そこから圧倒的な静かな殺意が感じられる。

ミリア「片方のパイロットは腕は若干劣るが中々いいパイロットだな。」

ミリアは桐原の動きを見て誉める。
腕は劣るものの、食べ応えのある獲物・・・・・・
桐原はミリアが気に入るだけの実力があるという事が認められたが・・・・
ミリアから発せられる殺意に対し桐原は異常な疲れを覚える。

ー貴様は何者だ!!お前達は一体何故地球に・・・・・・なぜ襲う!!

なぜか今更感のある事を想う桐原・・・・・・・
これは圧倒的な静かな殺意に怯えてか?・・・今までの出撃の肉体的精神的疲労からか?
いや・・・・・・なんか意識が・・・・・・・・・・

ジョニー「桐原中尉?どうしたんですか?」

ミリア「!?何が起こっている?」

突然桐原のVF-1バルキリーが突然動かなくなった。
その光景にジョニーとミリアは驚く。

ジョニー「桐原中尉、応答してください何がありましたか?」

ジョニーは桐原に必死に連絡を取るが桐原の機体から返事がしない。
この時桐原は疲れが限界に達して気絶したのである。
かなりの疲れであり、そう簡単に体が動かせるような状態じゃない。

ミリア「何が知らんが・・・・・・・遊ぶ相手ではないようだな・・・・・・だったら・・・・・・・」

ラプラミズ「ミリア貴様!!」

ミリア「ら.ラプラミズ司令・・・・・・・・・」

ラプラミズ「いつまで時間を喰っている早く戻らないか?」

ミリア「申し訳ございません、これより帰還いたします。」

ラプラミズ「お前らしくないぞ、いつもなら冷静に対処しているはずだ。」

ミリア「・・・・・・・サ・・・・・・・・・・・・」

つまらない相手であるからミリアは本気を出し強襲しようとするが・・・・・
作戦に予想以上に時間をかけているミリアをしかるべくラプラミズが出てきたため断念する。
あいつに一矢報いてないのに・・・・・・・・
ミリアは唇を噛みしめながら悔しがった。

ミリア「あいつ・・・・・・・・・・いつか叩き潰してやる、それまで強くなって私を楽しませろ!!」

ミリアは笑顔で桐原の方向に向けて言う。
いくら敵とは言え動かない相手を倒すのはつまらない・・・・
元の力が出たら本気で殺す、それがミリアなりの優しさであった。

第36話 漆黒の宇宙(うみ)の中から迫る悪魔(ミリア)前編

2017-05-18 17:42:08 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
特別強襲部隊が出撃している頃。
ロイ率いる陽動部隊80機余がゼントラーディ軍の艦載機部隊を引きつけるために哨戒部隊をどんどん潰していった。
その報告を聞いたランドルは艦載機部隊を出撃させる。

ロイ「団体さんのお出ましか、全中隊。敵の大軍だ!気を引き締めながら行け!!!」

ロイは迫りくるゼントラーディ軍艦載機群をレーダーに確認すると伊集院義一などの中隊リーダーに伝える。
何時もながら圧倒的な兵力、目を驚かせんばかりの兵力。
精神的にも肉体的にも疲労している、ここを突破すれば多少は休めるし地球までもう少しだ!
と隊員達はロイの鼓舞に対しギリギリの限界の力を引き出す。

ギリギリの力を出してもらわないと困る。
それほどの力を出し切る覚悟でやってもらわないと作戦は失敗するは愚か。
実行部隊の隊員の命が無駄死にしてしまう結果になってしまうのだから。

                   シュババババババババババーン
     ズドォォォン ズドォォォン ズドォォォン ズドォォォン

地球統合軍側の飛行隊がゼントラーディ軍の艦載機群に向けてミサイルを一斉に斉射。
ゼントラーディ軍の艦載機群に多大な打撃を与えた。

「マイクローンが生意気だ!我らゼントラーディを舐め切った事を後悔させてやる!!」

ゼントラーディ艦載機群部隊の各指揮官は叫びながらバルキリー部隊に突っ込む。
視認できる位置になるとバルキリー隊は編隊を崩してドックファイトを開始する。
至近距離からのマイクロミサイルは危険なのでAMM-1対空対地ミサイル・アローで対処する。

その頃。

ラプラミズ艦隊では青い風の3人をマクロスに送り届けるべくパイロットスーツに着替えたミリアがクァドラン・ローに向かっていた。
これはボドルザー司令直々の命令を引き受ける責任とミリアのマイクローンに対する興味・・・・・
ミリアは心をドキドキさせながらクァドラン・ローの方へ向かう。

「クアドラン発進準備、完了しております。」

ミリア「ご苦労。」

女性兵士からクァドラン・ローの発進準備が完了したと確認するとミリアは愛機であるクアドラン・ローに乗り、出撃に備えた。
そうしている中モニタにラプ・ラミズが映る。

ラプ・ラミズ「敵艦の注意はわれわれが引きつける。あとは頼んだぞ。」

ミリア「エスケスタ(了解。)」

ミリアはクァドラン・ローのハッチを閉めるとラプラミズ艦から発艦する。
一瞬にして飛び出して行きマクロスとランドル代行のゼントラーディ艦隊の乱戦地帯に向かう。

デワントン「ミリア1級空士長・・・・・・・・・・・・」

メール「ミリア1級空士長は生きて帰られるそのお方だ・・・・・・・」

デワントン「そうだといいんだけど・・・・・・・・・・」

メール「そうだとか・・・・心配し過ぎだな・・・・・・」

デワントンは乱戦の中に潜り込んでマイクローンスパイを送り込む任務に従事するミリアを心配する。
乱戦に巻き込まれて不慮の戦死でもしないといいが・・・・・・・・
ただそれを祈るばかりのデワントンであった・・・・・・

                   ズドドドドドドドドドドドドド ズドォォォン

イェル「よし敵機撃墜!!」

ウォルター「背後より戦闘ポッド2機・・・・特別強襲部隊はまだか?」

桐原中尉「あと少し待てばいい、踏ん張れ!!」

桐原率いるノンバリケン小隊とジョニー率いるパープル小隊がゼントラーディ軍と交戦していた。
80機対数百機の戦いは毎度毎度疲れる。
滝田らが奇襲を成功させたら包囲網が突破され後は楽な戦闘だけをすればいい。
と感じていた・・・・・

だが・・・・・・・・・・・

「未確認飛行物体接近!!恐ろしく早い奴だ!!」

桐原中尉「早い奴?」

「すでに3機はやられたぞ!!」

と何処からかの声が聞こえてくる、それに3機がやられたという報告・・・・・・・
それは・・・・・・・・・・

ミリア「これが監察軍より危険な敵とはな。手ごたえのない連中だ。」

それはマイクローンスパイを送り込むためにやってきたミリアであった。
瞬時に迎撃に向かってきたバルキリー7機を撃墜する。
圧倒的な攻撃力の前に一同は驚く。
それに見たことのないアンノンエネミー

ロイ「どわっ! なんだ、いまのやつは…!」

圧倒的な強さにロイも圧倒される。
その強さはものすごい恐怖というか力強いと言うのか・・・・・・・・・
さすがに手に汗を湿らす程・・・・・・・・・・

そんな事も知らずか・・・・・・・・・・・

ミリアは乱戦の中マクロスに接近し、甲板のデストロイドを撃破。
装甲をこじあけて、なかにカプセルを放り込む。
任務を終えるとミリアはマクロスから離れる。

ミリア「第一空士長ミリアよりラプ・ラミズ司令へ。作戦完了、帰艦します。」

ラプラミズ「よろしい、よくやってくれた。こちらも戦線を離脱する。合流ポイントへ向かえ。」

ミリア「エスケスタ(了解)」

ミリアはラプラミズに帰還命令を受けて撤退する。
このまま終わりかと思ったが・・・・・・・・・

ジョニー「このまま好き勝手やって帰らせるか!!」

桐原中尉「生きて戻れると思うな!!」

と桐原とジョニーは部下に他の機を任せてミリアに挑む。
ミリアはそれを見るとニッと笑う・・・・・・

ミリア「退屈しのぎだ!相手になってやる・・・・・・・・・私に挑んだ事を後悔させると同時にな!!」

とミリアは若干狂気染みた顔をしながら迫る。
この時の戦闘は桐原と対戦したジョニーしか知らない・・・・・
歴史の裏に隠れた戦いが始まろうとする・・・・・・・・

第35話 アーマード・バルキリーズ

2017-05-17 22:33:23 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
ブルズアイ作戦で奇襲部隊として参加するメンバーが決まった。
隊長は滝田.そして滝田より上官であるはずのカール.そしてライナスとボリス。
敵包囲網を打ち破るための特別強襲部隊。
言わばカミカゼとも言うべき部隊・・・・・

滝田英史「もし作戦が上手く行かねば自分の命を捨ててでも敵艦にダメージ与える。」

滝田はもし作戦が効果的に発揮できなければ自爆攻撃(敵に突っ込んで撃破する事)をする覚悟をもっていた。
その際.一番先に狙うのが艦橋。
そこを狙えば敵艦1隻は沈める事ができる。

千葉軍曹「GBP-1Sプロテクターウェポンシステムは4機とも装着完了か・・・・・・・」

特別強襲攻撃部隊のバルキリーはアーマードバルキリーと呼ばれる高火力装備が施された。
A型とカールのJA型と様々な型があるが・・・・・・・

千葉軍曹「J型・・・・・・・・・・滝田の坊主より指揮官機に見えるじゃねぇか。」

ボリスのJ型を見た千葉は滝田より指揮官に見えるとぼやく。
それもそのはず当時SDF-1マクロスにはJ型は僅か10機しか配備されていない。
そのうち1機は一条輝やジョニー・ギルバートなどが乗っており、小隊長用の機体であるが・・・・・・・・・
なぜかボリスが1機受け取っている。

だが殆どがボリスに興味がなかったのかそれを気にする人はいない・・・・・
千葉軍曹は今さら気にしても無駄であろうからそのまま仕事に没頭する事だけを考えた。

グローバル艦長「ぬぅ・・・・・・・・」

グローバル艦長は困惑した。
地球アラスカ.地球統合軍総司令本部よりある命令が伝えられた。
それはできる限り地球帰還を遅らせ敵を引きつけろと・・・・

マイストロフ大佐「地球司令部め何を馬鹿な事を・・・・・」

佐久間大佐「こちらは兵士達や民間人の精神が疲弊しているというのに・・・・・」

会議室に集まった幹部たちは地球統合軍総司令部の命令に怒りを覚える。
パイロットは疲れているし、5万人以上の民間人も閉鎖空間でストレスがたまっている。
それなのに敵を引きつける陽動をやる。
総司令部は正気か!!と・・・・・・・・・・・

グローバル艦長はパイプを加えながら幹部の怒りの声を静かに聞いていた。
一刻でも早く敵中を突破し地球へ帰還したいと・・・・・・・・・・
その想いがグローバルにある決断をさせる事になる。

グローバル艦長「ブリッジに戻る、それと前方のブリタイ艦隊に対し全バルキリー陽動部隊を発進させる。」

                    ズドォォォォォォォン
「マイクローンめこんな偵察部隊にぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

SDF-1マクロスから陽動の部隊80機が出撃する。
総指揮官はロイであり、桐原・ジョニーなどの精鋭パイロットを率いている。
この攻撃はマクロスの物量を限界に出しているアルファストライクであり、もう後がない決断である。
マクロスには僅かな直掩機しか残されていない。

「艦長、マイクローンの艦載機接近!!」

ランドル「来たかマイクローンめ、こちらも艦載機を出すぞ!!」

ランドルは不在のブリタイに代わりに全艦艇の艦載機部隊に出撃の激を飛ばす。
それに応じて各艦艇から部隊が出撃する。
お互いに接敵すると激しいぶつかり合いが始まった。

滝田英史「陽動部隊が出撃したか・・・・・・・・今回のオペレーターは誰だ?グレンジャー中尉か?」

エドナ「いえ今回オペレートするのはガンサイト3主任管制官エドナ・エードリンヒ中尉です。」

滝田英史「ガンサイト3?」

エドナ「ガンサイト3です、それとグローバル艦長から命令です。特別強襲部隊は出撃せよとの事です。」

滝田英史「そうか・・・・・・・・作戦コードは?」

エドナ「ハードダーツです。」

滝田英史「よし・・・・・・・・各機発進するぞ、特別強襲部隊出撃するぞ!!」


滝田らの方もマクロス予備ハッチより密かに出撃した。
陽動部隊が引きつけている隙にゼントラーディ艦隊に強襲をしかける。
また通常の攻撃だけ行くつもりはない、反応弾と言う貴重な兵器の豪華装備。

滝田英史「全機状況を確認する、俺のコードはツルギリーダー、副リーダーはカールでツルギ2.ライナスがツルギ3.そしてボリスがツルギ4だ!」

カール「了解。」

ライナス「了解。」

ボリス「了解。」

滝田はコードネームを伝えると、それに答えて皆返事する。

特別強襲部隊はゼントラーディ艦隊に向けて接近する。
見つからないようにした対策が機内の温度を下げる事である。
宇宙であるためか機内の温度はー10、かなり寒い。

カール「フィランダー准尉。」

ライナス「どうしたんですか?」

カール「寒い中悪いがなぜお前はこの作戦に参加したんだ?」

とゼントラーディ艦隊に向かう中カールはライナスに質問をする。
すると何を思ったのかライナスはモニター越しでにこりと笑いながら・・・・・

ライナス「自分は居住区に好きな子がいるんですよ、今回活躍してみせればその子は自分の事を好きになるか持ってね。」

カール「馬鹿だなお前。」

ライナス「そうですか?」

と笑いながら話す。
ボリスはこの戦いの後ライナスに幸あれと思った。
後に彼は何らかの対価を無意識に期待していた自分に向けられて帰って来たのもだと感じたと語っている。

第34話 ブルズアイ作戦

2017-05-16 23:49:21 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
グローバル艦長以下SDF-1マクロスの軍上層部はバーミリオン小隊と早瀬未沙のMIAとパイロット達の疲労を考えてある作戦を採決を許可をした。
その作戦名はブルズアイ作戦
由来は牛の眼を射抜くという意味である。
文字通りであるがマクロスを包囲する艦隊に対し奇襲を行う作戦である。
陽動部隊を敵主力を引きつけ、奇襲部隊が包囲展開するブリタイ艦隊を奇襲し。
混乱している隙をついて包囲網を突破しようとする事である。

使われるのはアーマードパック火力が優れた奇襲に持ってこいの装備である。

しかし問題がある。

作戦は承認されたが奇襲部隊はどうするかであった。
奇襲部隊は実は陽動部隊より危険な任務であり、昔で言うならばカミカゼである。
対宙砲火にさらされながら近づかないといけないので死傷率が高い。

素直にハイと答える人間はそうそういない。
馬鹿正直に死ぬ可能性のある作戦を志願する人はいない・・・・・・・
と思ったが・・・・・・・・・

カール「奇襲作戦に志願してやってもいいぜ。」

と元輸送機乗りのカールが志願する。
死ぬ危険性がある作戦にわざわざ志願するカールの姿にロイを始めその場にいたパイロットは驚く。

ロイ「おいおいこの作戦は死ぬ可能性があるんだぞ?」

カール「そんなのは分かっている、でも誰かがやらねば作戦を折角立案したグローバルの親父さんに申し訳たたんだろ?」

ロイ「まぁそうだが。」

カール「なぁに俺に任せてくださいよ。冒険魂にふさわしい活躍して見せますよ。」

ロイに向けて豪快な笑顔で答える。
その顔を見たロイも豪快な笑顔になり握手する、これで2人だ。
既に滝田が志願しており残り2名である。

ジョニー「俺が志願します。」

滝田英史「駄目だ!!」

ジョニー「何故です?」

滝田英史「陽動部隊に精鋭がいなくなる。」

ジョニー「うへぇぇそれはないですよ!!!」

パープルリーダー.ジョニー・ギルバートはあえなく落選する。
なんで外されたのか理解できなかった・・・・・・・腕はいいのに・・・・・・・・
駄目だと即答されたジョニーは明日のジョーのように白くなった。

ロイ「おいおいジョニー、後で酒奢るから白くなるなよ。」

ロイは慌ててジョニーをフォローするがやはり白いまま・・・・・・
滝田はジョニーに外す事を言ったのはまずかったなと航海する。

ライナス「じゃあ僕が志願します。」
SVF-22.ライナス・フィランダー

手を挙げたのは大人しそうだが統合戦争で戦場に参加した事のあるライナス・フィランダー。
滝田や桐原と同時期から活躍したベテランパイロットである・・・・・・・・

滝田英史「フィランダー、お前を俺の特別部隊に入ってもらう。」

ライナス「よろしくお願いします。」

ライナスはいたって普通の敬礼をする。
そしてそろそろ最後のメンバーだが・・・・・・・・・・・

                            カツカツカツカツカツ

滝田が隊員達の中を通る。
周りは志願じゃないとかと思ったが、滝田はあるパイロットを最後の一人を決めていた。
そこに立ったのは左にボリス、右に桐原であった。

桐原中尉「(まさか・・・・・・・俺が選ばれるのか?)」

ボリス「(桐原中尉か・・・・・・・俺はどうせ・・・・・・・・・アーニャ早く逝けなくてすまんな・・・・レイア・・・・)」

とそれぞれすれ違った事を思ったが・・・・・・・
滝田は隣にいたある人物の肩を触る。

                             ポンッ
滝田英史「グリコフスキー少尉、俺の部隊に参加してくれ。」

ボリス「やはりか・・・・・・・・・・」

選ばれたのはやはりボリスであった。
桐原を始め周りは元反統合同盟の人間だから死なせるように選んだのだろうと思った・・・・

滝田英史「なんで選ばれたか分かるか?」

ボリス「元反統合同盟の人間だから死なせるためでしょだから・・・・・・・・・」

滝田英史「違うなぁ・・・・・・・いつもの事だけどマイナス思考で考えないでくれないか?」

ボリス「何が違うんですか?正直な事じゃないんですか?」

滝田が選んだ理由に対してボリスは帰ってきた返答に対し疑問に感じる。
反統合の人間だから死なせるのではなく、別の理由がある・・・・・・・・・
桐原も馬鹿なと思ったが、先日の滝田のボリスへの擁護する事を思い出した。
滝田の事だから何かあるのだろうと・・・・・・・・・・・

滝田英史「お前が娘を亡くしているのを聞いている・・・・」

ボリス「アーニャの事ですか?死んだ娘を引き出すとは卑怯な奴だな、ヤポンスキーは・・・・・」

滝田英史「そう捉えられたのは残念だが、それではない・・・・・もう一人娘がいたな。」

ボリス「レイアですが・・・・・・次女まで・・・・いくら上官でも許しませんよ滝田中尉。」

突然のボリスの亡き娘アーニャと今を生きるレイアに関して滝田は話し始める。
ボリスは声を荒くして滝田に抗議する。
流石にやり過ぎだと周りは感じ始めるが・・・・・・・・・・
だが言われっぱなしではない性格ではないのか滝田は・・・・・・・・・・・

滝田英史「理解してくれないのは残念だが・・・・・・・残された娘を守る気はないのか?」

ボリス「何!?」

桐原中尉「!?」

滝田英史「残された娘を脅威から守る気はないのかと言っている!!」

と反撃した。
突然の強気な滝田の反撃に一同はぐっと刺さるように怯んだ。

滝田英史「貴様は周りから軽蔑を受けようとも懸命に戦っている姿を見て立派な奴だと思ったが・・・・そこまで性根が腐っていたとはな・・・・たかが元反統合同盟と言う肩書で・・・・今は地球統合国民だろ!!」

ボリス「それは・・・・・・・・・」

滝田英史「その事を気にして目先の脅威に立ち向かわない、死の事しか考えない。まったく腐ったロシア野郎だ!!それに父親失格だ!!」

ボリス「俺は父親失格な男じゃない!!!俺は残されたレイラと妻を守る軍人だ!!」

滝田英史「その意気だな!!」

ボリス「!!」

滝田はボリスに好き勝手言うが、だんだんとボリスは耐えきれなくなったのか滝田に反論する。
怒るかと思ったが逆に滝田は喜んでしまう事になり、ボリスはぎゅっとする。
この一連の流れは滝田の策略である、それをまんまと乗った。
滝田はそのまま・・・・・・・・・・・

滝田英史「だったら来い!!ボリス・グリコフスキー少尉、ここでどんな扱いを受けようが・・・・俺はお前を信頼している。」

ボリス「!?」

滝田英史「だからマクロスに済む仲間そして全市民のために、貴様の命が欲しい。」

と止めの発言をする。
ボリスとロイを含めたパイロットを含めて狸にだまされたかのような表情をする。

ボリス「俺が必要なんですか?」

滝田英史「あぁお前はそのくだらない事を気にし過ぎて自分の力を発揮してない、だったらいっそ全てを出しきれ!!!」

滝田はボリスに最終通告をする。
それを聞いたボリスは・・・・・・・・・・・

ボリス「隊長がそこまで言うならば参加します、やはり俺は家族を守りたいです。」

滝田英史「そう言ってくれるか!頼むぞグリコフスキー少尉」

滝田とボリスは握手してブルズアイ作戦の奇襲部隊の戦友になるので握手する。
元々上官部下関係だが、それはいい。
これから共に戦えるからいいではないか。

ロイ「言うようになったな。」

ロイは二人の姿を見てつぶやく。
日系人の生意気坊主が指揮官風を吹かすようになって。

第33話 ミッションインテリジェンスオフィサー

2017-05-16 22:16:44 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
ミリアはティレノール記録参謀に呼び出されラプラミズの元に向かった。
直接呼び出されると言う事はあの”バカムジン”が何か命令違反を犯してと思ったが・・・・・今回は違い・・・・・
なんでもマイクローンの艦にマイクローンスパイを送り込むと言う。

まさか・・・・・・・・

ミリア1級空士長がマイクローンになってマイクローンの艦にでも潜入するのか?
あれほどのエースをマイクローンスパイなどに・・・・・・・・
ミリア隊の面々はひそひそと話し合う。

その間にフォールドを行いある地点に到達する。
そしてしばらくするとミリアが戻ってくる。

ミリア「お前たち戻ったぞ。」

デワントン「で結果はどうだったのでしょうか?」

メール「ミリア1級空士長・・・・・・まさか・・・・・・・・・」

ミリア「そのまさかだ・・・・・」

そのまさかとはミリアがマイクローンスパイとしてマイクローンの艦に潜入する事か?
その場にいたデワントンとメールはぎょっとしたような顔をする。
これではミリア隊の損失・・・・・・
いやラプラミズ艦隊の大きな損失である。

デワントンとメールは静かな脅威に感じている中でミリアは・・・・・・・・・

ミリア「私は単機にてマイクローンの艦にスパイを送り込む。」

デワントン「へっ!?」

単機でマイクローンの艦に近づきスパイを潜り込ませる事を言う。
その発言には思わずデワントンもメールも拍子抜けしてしまう。

デワントン「では一体誰がスパイとして潜り込むのでしょうか?」

ミリア「ブリタイ司令の部下でマイクローンのカールチューンに初めて接触したコードネーム.青い風の3人だ。」

メール「偵察部隊として只ならぬ実績を持つワレラ・ロリー・コンダですね?」

ミリア「そんなもんだ。」

マイクローンの艦=SDF-1マクロスにスパイとして潜りこむのはコードネーム青い風と称されるスカウトソルジャーのワレラ・ロリー・コンダの3人だ。
つい先ほど早瀬未沙.一条輝.柿崎速雄の尋問を終え、3人はボドルザー司令の前でマイクローンスパイになって情報を集めると志願した。
スパイとして潜り込むために選ばれたのがエースのミリアこと、デワントンやメール達の上官であるミリア1級空士長である。
もっとも志願したのはミリアだが・・・・・・・・

ミリア「まぁ私は任務を引き受ける時面白い事を聞いた。」

デワントン「面白い事とはなんですか?」

ミリア「マイクローンはゼントランとメルトランが同じ場所にいる。」

デワントン「ヤック・デ・カルチャー。」

メール「本当ですか?ミリア1級空士長?」

ミリア「私が嘘をつくとでも思っているのか?」

メール「滅相もありません。」

ミリアから発言したのは男と女が同じ場所にいるという事である。
基本.プロトカルチャーによって自然繁殖しないよう、男と女を同じ場所にいないようにプログラムをした。
そのゼントラーディ人の常識を早瀬未沙.一条輝.柿崎速雄の3人(マックスは不在)によってぶち壊された。
ミリアは淡々としているが男と同じ場所にいる事を信じていないデワントンやメールはショックを受ける。
そんな表情を見てもミリアは冷たい表情のまま表情を変えない。

デワントン「ミリア1級空士長は驚かないのですか?」

ミリア「何をだ?」

デワントン「男と女が一緒にいる事に対して怖くないんですか?」

メール「他の隊員が聞いたら確実に混乱が生じます、それなのにミリア1級空士長は何故動じないのですか?」

副官のデワントンとメールは表情を変えないミリアに質問をする。
その質問に対しミリアはふっと笑い・・・・・・

ミリア「何を慌てている?私は問題行動を起こすカムジンをラプラミズ司令と共に諫めているんだぞ。男と女が同じ場所にいても動ずる事はない。それに指揮官が部下の前で慌てる姿を見せたら示しがつかないだろ?」

デワントン「なるほど・・・・・・」

メール「でも私達には恐怖の対象なんですが・・・・・・・・・」

ミリアはカムジンを諫める役目でもあるので男には耐性がある。
だけどデワントンやメールはラプラミズ艦隊や別の直衛艦隊との交渉役をしており同性としか交渉していないので男には耐性がない。

デワントン「しかし・・・・ミリア1級空士長、単機でわけの分からないマイクローンの艦に行くのは危険すぎます。」

メール「私達も同行させてください。」

デワントンとメールは単機でマイクローンスパイを送り届けるミリアに対し危険だと言って護衛僚機としてついて行くことを提案する。
だがミリアはふっと笑うと・・・・・・・

ミリア「気持ちは嬉しいが信頼できるお前達を危険な目に遭わせたくない。だから私だけで十分だ・・・・・・」

デワントン「ミリア1級空士長・・・・・・・・・・・」

とデワントンとメールの提案を丁寧に断った。
ミリア自身もマイクローンが監察軍より危険な相手だと言う事を聞いている。
そんな危険な相手に対し信頼できる2人を送り込む事はできない。

ミリア「言っておくが遊撃隊は出ないぞ。」

デワントン「なぜ?」

ミリア「さぁなラプラミズ司令が私を信用してか・・・・・・もしくは・・・・・・まぁ考えるのはいいだろう。」

遊撃隊・・・・・・・・
ナタルマ率いる遊撃隊である。
今回は支援する事はできないとと言うらしい・・・・・・
ミリアはもしくは・・と怪しい事を言うが・・・
既にミリアには理由は分かっている・・・・・・・・・・

ミリア「もっとも囮部隊はブリタイの艦隊だろうな・・・・・・・丁度いい駒として・・・・・」

それはミリアがマイクローンスパイを送り届ける囮はブリタイの第67グリマル艦隊だと推測したからだ。
また言うとなればラプラミズ艦隊以下直衛艦隊はマイクローンと交戦していない。
マイクローンがいつも相手しているのはブリタイなどの一般部隊だ。

ミリアを乱戦の中にもぎりこませても敵と認識するのは混乱が出る・・・・・・・・
と考えたのだろう・・・・・・・

それがミリアが出した結論である。
だからデワントンとメールが随伴する理由がないのだ。

第32話 メルトラン・ストレッサー

2017-05-15 22:05:10 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
バーミリオン小隊及び早瀬未沙のMIAと桐原がボリスに興味を持った頃。
ゼントラーディ軍第118基幹艦隊.通称.ボドル基幹艦隊.直衛艦隊の一つ.ラプラミズ艦隊は任務もなく停泊していた。
別名があるわけでもないので、戦闘種族であるゼントラーディ人である彼女達は暇で暇でしょうがなかった。

なんたっていつも戦闘しているのはブリタイの艦隊・・・・・
ラプラミズ艦隊も暇そうに言っているが所詮は1割未満。
その他の9割程の面々はもっと暇なのであるから。

これが普通と言うより少し上な状態である。

モーア「いつになったら監察軍を倒しにいくんですか?ミリア1級空士長?」

ミリア「私に聞くな!!全てを決めるのはラプラミズ司令ではない、ボドルザー総司令のみだ!」

モーア「それでも戦わせてください!!」

ミリア「だったら私とやるか?殺し合いで?」

モーア「それはいいですね、さっそくやりましょうか🎵」

モーアは戦闘がないので暇で退屈そうにしており、ミリアに駄々をこねる。
駄々をこねてまとわりつくモーアに対し承諾とお互いの命をかけた模擬戦をする事で承諾する。
その場にいたミリアの部下たちはぞっとしたが、モーアはむしろ喜び承諾した。
どちらにしろ模擬戦は殺し合いになってしまうのであるが・・・・・
このままではまずい副官の一人であるメールはビクッとした。

それを思っているのはメールだけではない、その場にいる面々。
ミリアとモーアはミリア隊で1位.2位を争うパイロットであり、どちらかが死ねば戦力は大幅に低下してしまう。
またミリアがモーアに殺されでもしたら指揮系統は大混乱に陥ってしまう。
メールは事態の収拾を図るべく・・・・・・・・・

メール「デワントン、あなたも協力して!」

デワントン「無論そのつもりです。」

同じ副官の地位にいるデワントンに協力を要請する。
二人は副官であるので上官(ミリア)と部下(モーア.メフィアなど)の調整役であり。
殺し合いにならないように静止する立場にある。
お互い強力なエースパイロットであるので二人で止めないといけない。

デワントン「ミリア1級空士長、戦闘がないからって殺し合いで模擬戦をするのはやめてください!」

メール「モーア、我儘はやめなさい戦闘をしたいのはモーアだけじゃないんですからね。」

と二人の間に入って静止する。
上手い連携で二人の間に割って入り、それぞれの担当する静止相手に抑える。
デワントンはミリア、メールはモーアと・・・・・・・

ミリア「私は生意気で我儘な部下を懲らしめようとしただけだが?」

モーア「私はミリア1級空士長がやる気だから乗ったんだ!!なんで戦ってはいけないんだよ?」

『駄目です!!隊の風紀が乱れます!!あのカムジンみたいな部隊と称されてもいいのですか?』

なおも言い訳をしようとするミリアとモーアに釘を刺す。
誰もが嫌っているようなカムジンの名を聞いた二人はドッとする。

デワントン「いいですか?上官であるミリア1級空士長が軍律違反をしたわけでもないモーアを模擬戦という名の消去刑をしたらエースのミリアから味方殺しのミリアになってしまうんですよ?」

メール「あなたは信頼できないのは事実だけど、こんなくだらない事で戦闘で楽しむ喜びを断つのは愚かである事は理解しなんですか?」

『ねぇミリア・ファリーナ1級空士長、モーア・カリダム3級空士長!!』

ミリア「うっ・・・・・・・」

モーア「エスケス・・・・・・」

お諫め役である二人の説得力のある話にミリアとモーアは黙り込んでしまう。
黙り込んだのはミリアとモーアだけではなく、その場にいたミリア隊の面々もそうであった。

エリアーノ「怖い・・・・」
ゼントラーディ軍第118基幹艦隊ラプラミズ直衛艦隊エリアーノ・ミフェス3級空士長

クラン「逆らわない方が身のためだな。」
ゼントラーディ軍第118基幹艦隊ラプラミズ直衛艦隊クラン・ノーズ3級空士長

その場にいたミリア隊の面々はいつもながらデワントンとメールに畏怖の表情を見る。
とにかくこの二人は怖い人物だと認識してしまう、毎度更新中のように。

デワントン「モーア・カリダム3級空士長・・・・・」

モーア「サ」

デワントン「もう少し我慢しろ時期に出撃命令は下る。分かったな?」

モーア「サ・エスケスタ」

ミリア「モーア・・・・・・・今日はここまでにしていいぞ。」

モーア「サ・エスケスタ」

モーアは敬礼しながら怒りながら制す副官デワントンに対し恐怖を抱く。
腕は自分より下だが精神的にしっかりしているデワントンは怖い。
言うであれば大人の女性に叱られる小学生みたいな感じ。
モーアの見た目は高校生ぐらいだが、精神年齢は低い。

デワントンはそれ以上にしっかりしている。
だからミリアは信頼する。
そんなもんである、それは誰もが分かり切っている事だが・・・・・・・・・・

モーア「エリアーノ・・・・・・・・・・」

エリアーノ「なんだ?モーア?」

モーア「デワントン2級空士長とメール2級空士長が怖い・・・・・・・・」

エリアーノ「・・・・・・・・・・・・・・」

やはり副官と言うのは怖いもんだ。
生意気なモーアも仔猫のように静かになっている。

ティレノール「ミリア1級空士長はいるか?誰かミリア1級空士長はいるか?」

デワントン「ミリア1級空士長ですか?それなら・・・・・・・」

ミリア「ティレノール記録参謀閣下、私はここにいますが・・」

ティレノ-ル「大至急ブリッジに来いラプラミズ司令から招集だ。マイクローンの艦にスパイを送り込む件についてだ。」

ミリアに伝えられたのはマイクローンスパイの件に関してラプラミズが呼んでいるという事であった。
ここからラプラミズ艦隊は歴史の裏側から表側に関与していく事になる。
そう人類史上初の星間結婚そして超長距離移民船団マクロス7に関して・・・・・・・・

第31話 孤独なエースパイロット。

2017-05-15 01:46:12 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
一条輝.マクシミリアン・ジーナス.柿崎速雄らバーミリオン小隊、そして女性士官早瀬未沙のMIAは多くの同僚達が悲しんだ。
実際の彼らは捕虜としてブリタイ・クリダニクのノプティ・バガニスに連行されたが、SDFー1マクロスの面々からしたら死んだ事に等しく悲しむ人が大勢いた。
早瀬未沙がオペレートを受けるスカルズなどのパイロット達は出撃の際にただならぬ事態だと騒いでいた。

桐原中尉「輝坊がいなくなるとはな。」

滝田英史「期待の新人3名とオペレートのリーダー的存在早瀬中尉がいなくなっのは痛いな。」

当然この話題は桐原や滝田も加わっている。
やはり鈍感な桐原もバーミリオン小隊と航空管制主任.早瀬未沙がいなくなっては大問題である。
何たって一条輝は期待の指揮官であり、マクシミリアン・ジーナスは無敵のアタッカーである。(柿崎はどうし?)
いなくなっては寂しいし虚しさもある。

無論嘘だって思いたい。
桐原は彼らの行方不明を悲しむ。
毎度の事だがこの前まで飯を共にしていた仲間がいなくなるのは胸に痛むほどの苦しさがある。
今まで多くの同僚が死んで逝ったが自分たちより若干若い若者が行方不明になるのは物凄くいつも以上に痛い。

桐原はそう考えていると....

桐原中尉「うん?」

ボリス「・・・・・」
SVFー13ブランジャーズ.ボリス・グリコフスキー少尉

滝田英史「ボリス もっと輪に入れよ。」

ボリス「おれはひとりでいいんで。」

滝田英史「おい!」

無口で周りの輪に入れないパイロット。
彼の名はボリス・グリコフスキー、滝田の部下だ。
桐原は周りに入れず少しだけ距離を置くボリスの事が気になる。
いつも周りの輪に入れない、なんでだろうか?
いや入らないと行った方が正しいか。

滝田に入るように誘われても断る。
何かあるのだろうか?
これはこれ限りじゃない、南アタリア島が冥王星に飛ばされて以降ずっとそうだ。
何度も気になっていたが近寄りがたい雰囲気だったため、話しかけず存在を忘れていた。
これではいじめを見過ごすダメな子じゃないか!!

だが彼はなんで仲間に入れないのだろうか?
それに仲間はボリスの事を気にする様子はない。
桐原は滝田にボリスが過去に何をしていたか聞いて見る事にした。

滝田英史「ボリスは元敵国出身者だ。」

桐原中尉「敵国って?反統合同盟か?」

滝田英史「正確には亡命者だ、父親が技術者でな地球で新兵器開発に携わっている。ボリスも恭順を示すため軍に志願している。皆は避けているようだが。」

反統合同盟
祖父母を殺した反統合の人間・・・・・・・町崎隊長や同僚を殺した元敵国民。
桐原は無意識に拳を握り締めていた、仇が近くにいた一番憎むべき相手が・・・・
今すぐに殴りかかりそうな勢いであった。
むしろ他の仲間もボリスを殴りかかればいいのにと、集団リンチ的な事を思いつくが・・・

滝田英史「桐原中尉、あなたは反統合同盟を嫌いなのは知ってますが。彼も嫌いです。」

桐原中尉「何?」

滝田英史「彼と彼の父は日本無差別空襲に反発し迫害を受けて亡命した身です、それに彼の幼い娘の一人を亡くしてます。」

滝田が語り出したのはボリスの家族が地球統合政府に亡命した理由。
それは桐原が反統合同盟に家族の命を奪われ激しい怒りをぶつけた人道を無視した日本無差別空襲に反対した事。
結局反統合同盟の上層部に目をつけられ裏切り者扱いされ、やり方についていけなかったボリスの父親が自身の妻とボリスや妹.そしてボリスの妻と二人の娘をつれて亡命した事。
亡命はしたがいいが、冷たく扱われ父は地球統合軍の新兵器開発 ボリス本人は統合軍に入隊する。

だが悲劇はすぐに起こる。
かつての同胞である反統合同盟による空襲の際に長女が飛び出して暴走車に激突し死んだ事である。
元敵国国民であるから同僚に疎まれながらも耐えていたボリスは娘の死を悲しみそれ以来無口になる。

そしてマヤン島事件がきっかけで統合戦争が終わりボリスはマクロスに配属され家族共に南アタリア島に住んだ。
周りの環境は良くなったが偏見の目はあんまり変わらない。
そしてマクロスが冥王星から帰還する事になった道中も。

桐原中尉「・・・・・」

滝田英史「と言う事です。」

滝田からのボリスの過去を聞いた桐原は驚きに隠せなかった。
反統合同盟の中にもこのように考えている人がいるとは。
今までの反統合同盟に対する意識を揺るがすかのように。

滝田英史「だからできる限り優しく接してくれ。」

桐原中尉「ぜ.善処する。」

滝田の話を聞いた桐原はマヌケな返事をする。
信じられないような話を聞いたからだ。
いつの間にか反統合同盟と聞いて出てきた怒りの感情がスッキリと消えていた。
同情しているからなのか?分からん。

桐原はボリスの事を見ていた。

ーいや信用できん、反統合同盟の奴など信用できん。

やはり反統合同盟の奴は信用できないと思った。
いくら亡命兵であろうと、どんな利用があろうと。
それで家族を失った悲しみや怒りの感情を納得させるわけがない。

そんな生温い事が出来るならば戦争は起きない。
家族だって死ぬ事はなかったんだ。

桐原は心の中に叫んだ。
他の同僚たちも同じで気持ちであろうと。

そんな感情を抱いていた桐原だが、その後ゼントラーディ軍の嫌がらせ攻撃に対処する。
その結果、パイロットのローテーションがブラック企業級になり精神的に乱れが出てきた。
桐原などの一部は無事だが、女性陣は出撃を休ませてくれといい出撃を拒否する始末である。
このままではとグローバル艦長などの幹部は悩んでいた。

精神的に無事な者がいるがゼントラーディ軍の執拗な嫌がらせ攻撃と人数不足によるローテーションの不完備でいつ航空戦線が崩壊するか分からない。
なんとしても早く戦線を維持しなければ、そして地球への帰還を果たさなければならない。
グローバル艦長らは考えた末にある作戦を完成し実行準備に入る。

第30話 早瀬未沙とバーミリオン小隊遭難事件

2017-01-31 16:41:57 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
ゼントラーディ軍ブリタイ司令は青い風の3人組からマイクローンに関する情報の奪取に成功した。
3人の報告を聞いたブリタイとエキせドルは衝撃を受け、マイクローンの奪取を目論む。

一方マクロスはゴーストの件もあってか地球統合軍総司令部とコンタクトが取れた。
一時は喜んだが・・・・・・・・・・・だが突き付けられた現状は非常だった。
まるでマクロスを囮にするようにと言う命令であった。

そして数時間後、ゼントラーディ軍小規模部隊と接触した。
スカル隊のみ出撃し大した損害もなく終わった。

更に数日後にはマクロスに対する砲撃。
これはマクロスを追い詰め拿捕するためのブリタイの戦術である。
その証拠にこんなのが届けられた。

______________________________________________
我が艦隊はゼントラーディの名のもとに、貴艦の降伏を命ずる。
さきほどの攻撃はただの威嚇にすぎない。
沈められたくなければすみやかに降伏せよ。
______________________________________________
当然売れ入れるはずもない、グローバル艦長はこの勧告を黙殺した。
そしてバーミリオン小隊とパープル小隊の2チームの偵察部隊が出撃する。
それぞれの小隊に護衛されているキャッツアイには1番機に早瀬未沙.2番機にはエマ・グレンジャーが搭乗していた。

ブリタイ「やはり黙殺したか・・・・・」

エキセドル「どうしますか?ブリタイ司令?」

ブリタイ「偵察機を配置し空戦ポッド部隊.いつでも回収艇も出撃準備。」

エキセドル「エスケス。」

ブリタイは捕獲作戦を展開するため偵察部隊と囮部隊、そして回収艇を出撃させた。
マクロスの拿捕よりもまずは狙える獲物を狙わないといけない。
そう簡単に戦争と言うのは進められないのである。
それをブリタイとエキセドルは理解していた。

そして事件が起こる。

ジョニー「早瀬少佐とバーミリオン小隊の面々が消息不明?」

シャミー「そうなんですよ、通信が途絶したまま・・・・・・・・見つからないと・・・・」

ジョニー「MIAか・・・・・・・・」

バーミリオン小隊と早瀬未沙を乗せたキャッツアイが消息不明になった。
パープル小隊とは別の区画の索敵を担当していたはずであった。
するとジョニー達パープル小隊はある事を思い出した。

エマが乗るキャッツアイを敵の回収ポッドらしき物が拿捕しかけた事である。
なんとかジョニーらの活躍により奪還に成功する。
もしかしたら早瀬未沙は敵軍に拿捕されたのか?いやバーミリオン小隊がいたはずだが・・・・・・・
ジョニーは険しい顔をする。

当然、1機の偵察機と3機の可変戦闘機の行方不明は上層部でも話題の的になった。

桐原中尉「ヴァーミル軍曹、上は何か言ってないか?」

ディー軍曹「今のところ・・・・・・・・・」

桐原らバルキリーパイロットは一条たちの処置について心配していた。
MIA・・・・・・・・行方不明・・・・戦死が確認されたらKIA・・・・・・
そのどちらかである、多くのパイロットはこの二つのどちらかだと思っていた。
だがその中で異を答える人がいた。

ジョニー「俺はPOW(捕虜)だな。」

桐原中尉「ジョニーなんで堂々と言える?」

ジョニー「俺達は目の前で敵がキャッツアイを奪う所を見たからだ。」

現に上記のとおりエマが乗るキャッツアイがゼントラーディ軍に拿捕されそれをパープル小隊に奪還されている。
それを見る限り戦死と判断するのは難しい、それにバーミリオン小隊も行方不明になったのも早瀬未沙がゼントラーディ軍の母艦に収容されるのを見てそれを奪え返しに行こうとしたがそのまま連れ去られたのだどジョニーは説明する。

滝田中尉「だが行方不明になったのも同然だろう、それに異星人の軍救出は不可能だろうな・・・・・・4名は今後上層部に戦死同然の扱いを受けるだろう。」

捕虜になっている早瀬未沙達は救出は不可能である。
救出に向かえば救出部隊はおろかマクロスの身が危なくなる。
ここは勇気を出して助けに行くことも可能であるが、そんなのは感情論だ。
時にはどうしようのない事もあるのである。

その頃

                         【第67分岐艦隊】
ランドル「ブリタイ司令は現在ボドルザー総司令の元にいる、帰還されるまで私が指揮を執る。マクロスの航行予定エリアに戦艦10隻配備せよ!」
第67分岐艦隊副司令官ランドル・オルカ

現在第67分岐艦隊はブリタイとエキセドルはボドルザー基幹艦隊の旗艦フルブス・バレンスに向かっているため不在である。
ブリタイはランドル・オルカ艦隊副指令に代行指揮を任命していた。

ランドル「マイクローンの捕虜か・・・・・・・・」

ゲルメドフ「副指令、マイクローンの捕虜に興味があるのですか?妙にうれしそうですが?」
ゲルメドフ・フォル.ゼムー2級記録参謀

ランドルはマイクローンの捕虜に対し強い好奇の目で見ていた。
マイクローンの捕虜の話は司令官であるブリタイから聞いていたのである。
その話を聞いたランドルはわっと笑顔になったという・・・その理由は・・・・・

ランドル「少しばかりな、ブリタイ司令の話ではゼントラン3名とメルトラン1名と言う構成と言っていた。驚くなよ、ゼントランとメルトランが同じ場所にいると言うのだ。興味を持たないほうがむしろ可笑しい。」

ゲルメドフ「はぁ・・・・・・」

見た目に反しまるで子供のように興味津々なランドルに対し記録参謀ゲルメドフは呆れる。
だがこの人物はブリタイからも一目置かれるほどの名将である。
だからこうして第67分岐艦隊司令官の代理をしている。

ランドル「まぁ俺たちの任務はマイクローンの船の捕獲だ、こいつを捕獲すればブリタイ司令が得た捕虜より有力な情報を得られるかもしれん。連中は主砲や艦をぶつける戦術を取る、油断せずに行け!並列陣形。」

ランドルの指揮により本隊から離れているマクロス包囲艦隊に並列陣形の指示を出す。
これによりいつでもマクロスを回避させずに主砲を撃つ構えを取ることができた。
そして・・・・・・・

ランドル「さてマイクローン、お前たちはどこまで耐えれるか俺と勝負しようじゃないか。」

第29話 VFーX3 スター・クルセイダーの悪夢

2017-01-30 22:29:29 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
ミスマクロスが終わって何時頃経ったのか?
マクロスは敵の攻撃を受ける事なく順調に航海を続けていた。
ゴーストを生存している事を地球統合軍総司令部に手紙代わりとして放出する。
これが功を奏し地球統合軍総司令部はマクロスが生存している事を知る事になる。
そして・・・・・・・・・・・・・・

千葉軍曹「地球からこっそり持ってきたVF-X-3の設計した完全宇宙用要撃機が完成ね・・・・・・・・」

マクロスは独自にVF-X3スター・クルセイダー.通称メデューサと言う機体を製造していた。
VF-1バルキリーの3倍の性能を誇る試作機であり成功したらエース用に配備する計画らしい。
完全宇宙専用ということでファイター形態は主翼を持たず、変形後に両腕となる大型のビームランチャーを両翼に装備しておりさながら空飛ぶ円盤の姿をすると言う。
OTM由来の慣性制御システムを搭載することで負荷を軽減するらしい、まぁ大量生産向きではなくエース用だがな。

優秀な兵器ではあるが大量生産はできない、まぁ噂ではこの機体は癖があるので並の人間では扱えないそうであるとの事。

桐原中尉「うわぁ・・・・・・」

桐原はVF-X3のファイター形態をプツンと見る。
だが目はいつもの目ではなくジト目である。

桐原中尉「・・・・・・・・・」

千葉軍曹「なんだシゲ坊、まさかお前この機体に乗りたいと言うのか?」

桐原中尉「そうでもないが・・・・・・・・好きになれないなこの機体。」

VF-1バルキリーにお熱である桐原は千葉軍曹にVF-X3を好きになれないと言う。
理由はF-14トムキャットに類似したVF-1バルキリーと違ってVF-X3は空飛ぶ円盤のような姿であるためだ。
可変戦闘機は元はF-14トムキャットがご先祖様であり、VF-1バルキリーはVF-0フェニックスの頃よりその先祖の血を受け継いでいる。
だがVF-X3は別物だ、完全宇宙要撃機と設定しかつて地球で主流だった戦闘機の面影がない。
このような機体を好きになれと上官に言われたら流石に無理がある。

千葉軍曹「だけどよ、どうせ戦闘機もマクロスが落ちて来ないだろうがこうなっていたぜ。かつてナチ公が空飛ぶ円盤を開発していた噂があるし。」

かつてナチス第3帝国は空飛ぶ円盤を開発していたらしい写真が残っている。
事実円盤型の戦闘機は誕生した事があった。
まぁ世界初のジェット機を開発した国だ、別に驚く事ではないだろうが。

桐原中尉「だが俺はそんな説明してもテストパイロットにはなりませんから、俺にはVF-1があれば十分だ。」

千葉軍曹「それは分かってんだよ、それにテストパイロットにするために説明したんじゃないからな。」

桐原中尉「・・・・・・・・ど言う事だ?」

千葉軍曹「もうテストパイロットは決まっているんだよ、お前以外にな。」

VF-X3のテストパイロットになりたくない桐原にお前をテストパイロットにするために説明じゃないという千葉軍曹。
その理由は既にテストパイロットが決まっているということである。
既に2機完成はしているが、1機だけ試験を行い残りの1機は予備として保管する。
それで秘密裏にテストパイロットをくじ引きで決めて、VF-X3テスト機に乗せるのだ。
桐原はテストパイロットではないという千葉軍曹の発言から既にテストパイロットは航空隊の誰かに決まっている。

桐原中尉「それはいったい誰なんだ?」

千葉軍曹「ライル・ハスケード少尉って奴だ、しらねぇか?」

桐原中尉「あいつか・・・・・・・・・ミスマクロスのあった日にあったひろみと言う恋人のいた奴だな。」

ライル・ハスケード少尉・・・・この前ミスマクロスで話しかけたパイロットである。
恋人のひろみとはミスマクロスに出場した佐伯ひろみ。
この前ライルに憧れてパイロットとして軍に志願したらしい。

桐原中尉「リア充め・・・・・・・」

千葉軍曹「何か言ったか?シゲ坊?」

桐原中尉「いや・・・・・・・」

最近の奴らは本当にリア充が多すぎる一体どうなっているのやら。
桐原は呆れかえってしまうが、千葉軍曹に見透かされており可愛い子は自然によってくるしその方がモテない奴に比べたら・・・・リア充だと。

そしてテストが開始される。

ライル「こちらライトバロン、試験続行中快適だぜ!」

エマ中尉「ライトバロン、先導機を追い抜かしてください。」

ライル「了解。」

             ドビュゥゥゥゥン

出智圭「くっ・・・・・・・一気に飛び出しやがった。」

VF-X3はVF-1の3倍ほどのスピードを誇る性能を持っている。
当然と言えば当然の結果でもある。

佐伯ひろみ「ライル~頑張ってね~」
訓練兵佐伯ひろみ

ミスマクロスに出て敗退してしまった佐伯ひろみ。
ライルに憧れて地球統合軍へ入隊している。
そんな彼を閲覧モニターで応援する。

ジーナ大尉「そろそろ加速を開始してもらうわ、やって頂戴。」

ライル「ハッ。」

ライルはVF-X3の加速強化装置起動ボタンを押す。
VF-X3はどんどんスピードが速くなってきた。
人間が耐えられるだけのGで限界近くまでの機動性である。
これは常に発動するのではなく一時的である。
使い続けたら暴走する危険性がある。
なので目的が達成したら加速強化ボタンをもう一度押して止めるのである。

ジーナ大尉「そろそろいいわ、加速強化装置起動ボタンを押して。」

ライル「ハッ。」

ライルは予定通り加速強化ボタンを押す。
だがここであるアクシデントが発生する。

ライル「エマージェンシー.エマージェンシー。」

エマ中尉「どうしましたか?」

ライル「加速装置停止しません、コンピューターをいじりましたが言う事を聞きません。」

ジーナ大尉「なんですって!?」

加速強化装置が止まらない。
このままでは暴走する危険性が出てきた。
その悪夢の予感は不運にも的中うする事になる。

       ブッー ブッー ブッー ブッー ブッー ブッー ブッー ブッー

暴走警告だ。
既にVF-X3は暴走状態に入った。
このままでは機体は真空分解(空中分解)してしまう。
ジーナ大尉はライルに機体を放棄し脱出するように求めるが・・・・・・

ライル「駄目です脱出装置言う事聞きません。」

ジーナ「出智少尉追いついてコックピットを引き離せる?」

出智圭「無茶言うなVF-1の3倍だぞ追いつけない。」

脱出装置の故障。
加速の影響により脱出装置が壊れてしまったのである。
コックピットのキャノピーを引き離して助けようとする案もあったが・・・・
VF-1が追いつかない事もあり断念。
ライルの救援は絶望的になった。

ライル「助けてくれぇぇぇぇぇ、助けてくぇぇぇぇぇぇ」

脱出装置が壊れてしまい生存を絶望したライルは発狂する。
暴走はどんどん続き機体を蝕んでいく。
機体はどんどん破損が増えていく。

ライル「ぐぼがぁぁぎゃぁぁぁぁぁぁぁ」

          ズドォォォォォン

とうとうVF-X3のエンジンが火を噴き爆発した。
まるで遠くの惑星が爆発するかのように・・・・・・・・
エマは目の前の爆発を真実と受け止められず止まり、ジーナは指揮棒を無言で落とす。
その中でも一番驚いていたのが・・・・・・・・・・

佐伯ひろみ「うそ・・・・・・うそよぉぉぉぉぉぉぉ」

ライルの恋人で憧れて軍に入隊したひろみであった。
モニターで恋人ライルの死ぬ姿を見たのである。
結果VF-X3は開発中止、ライル・ハスケード少尉は2階級昇進で戦死判定を受けた。

桐原中尉「VF-X3が爆散?ライルはどうした?」

マルコス「死んだよ・・・・・・・爆死してな。」
SVF-13ブランジャーズ.マルコス・マイヤー中尉

今回の事件で多くのパイロットに衝撃を与えた。
ライルはそこそこいいパイロットであり気配りの出来る事もあり事故死するのも衝撃であった。
ただでさえ優れたパイロットがどんどん少なくなっているのに・・・・・・・

後にVF-3の系統はVF-3000クルセイダーに引き継がれるが・・・・・VF-X3の遺伝子は受け継いでいない。
もしかしたらこの事件が影響しているのかも知れない。

第28話 ミス・マクロスの影に隠れたバイクレース

2017-01-30 00:07:58 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
MBSマクロス放送局開局記念「ミス・マクロス・コンテスト」
応募総数400名のなかから書類選考で残った28名の美女が出場するマクロス航海史上最大のイベントである。
当然女性兵士たちもこの400名にいたが流石に28名の美女には入れなかったようである。
一番注目の的がジャミス・メリン、ハリウッドで有名な女優である。

ウォルター「隊長~こんな所で何をしているんっすか?」

桐原中尉「見れば分かるだろ、VFー1の動きをよくするために改造しているんだよ。」

ウォルター「へ~でもミスマクロスに行かないんですか?」

桐原中尉「行くわけねぇだろ。」

桐原はVF-1に乗って以降、凄い愛着が湧いておりよくプロメテウスに出入りしていた。
それに今日は前々から決めていたVF-1の動きをよくするためにコンピューターを改造しており、ミスマクロスなんて眼中にはなかった。
するとイェルが・・・・・・・

イェル「隊長ってホモなんですか?」

桐原中尉「ほっホモ!?」

ウォルター「うははははは、隊長がホモとか笑える。」

桐原中尉「笑うな!」

イェルの桐原へのホモ発言。
そうとう心底に傷がつくほどのダメージがある威力を受けてしまった。
別に女には興味がないわけじゃない、ただ可変戦闘機VF-1が好きなだけである。
だが・・・・・ホモじゃない、男は好きじゃない女も好きである・・・・
そんなはずがない・・・・・

桐原中尉「そんなお前らはどうなんだよ?その格好は私服だし。」

イェル「そうですよ私たちもミス・マクロスコンテストに行きますから。」

桐原中尉「なぜ・・・・・肩を寄り添っているんだ?」

ウォルターとイェル「あ・・・・・・・

ウォルターとイェルは最近、恋人同士かのように見えてきた。
元々は別の立場であったが・・・・・・・
いや・・・・・・恋人がいない自分としては見ていて恥ずかしくなる・・・・・

イェル「それじゃあ行ってきますね~」

桐原中尉「あぁ・・・・・」

羨ましい姿のようにミス・マクロス・コンテストに向かう二人。
まだ恋人がいない桐原が残された。

ライル「どうしたんすか?中尉?」
バルキリーパイロット.ライル・ハスケード少尉

桐原中尉「なんでもねぇよ、ってお前もミス・マクロスかよ?」

ライル「そうですよ、僕の恋人のひろみがミス・マクロスの28名に選ばれたので行くんです。」

桐原中尉「そうかい・・・・・恋人がいていいね~

越えかけてきたテストパイロット出身.ライル・ハスケード少尉。。
ーこいつも恋人がいるリア充か・・・・・・・
マクロスは恋人同士が多い、それ故恋人がいない桐原は肩身が狭く感じる。
そんな桐原は顔はいいが何故か恋人ができないまぁそんな男である。

コンダ「第1、第2エンジン、24から36へ上昇。」

ロリー「よし、発進する。」

ロリー「旗艦所属第8強行偵察隊099、乗員3名。任務、敵艦の艦内通信の傍受およびその記録。コード・ネーム「青い風」。これより作戦を開始する。」

「青い風作戦の成功を祈る。」

ブリタイ艦からケルカリアが発進する。
コードネームは青い風。
この出撃は後の大きな影響を及ぼすフラグになる。

            ブォォォォォォォォン

桐原は街の中をバイクを飛ばす。
遠くからミスマクロスの会場の人の声が聴こえてくる。
始まったんだなと。

            ブォォォォォォォォン

桐原中尉「なんだ俺をついてきている後続車は?」

桐原の後に付いてくるバイクの姿がミラーに映し出されていた。
それにヘルメットをつけている。

桐原中尉「くっ。」

桐原はハンドルを握り猛スピードで走る。
ミスマクロスに集中しているため車は通ってないので前回で走る事が可能である。
俺の走りならば追いつけまい、と思っていたが。

             ブォォォォォォォォン
桐原中尉「何。」

後ろのバイクも急にスピードを出し桐原と並行するように走る。
ヘルメットが桐原の方を向きふっとバイザー越しに笑う姿が確認できた。
胸が大きい・・・・・・・・女か?

桐原中尉「くそ女でこんなスピードが出るのかよ。」

桐原は可変戦闘機以外にもバイクも上手かった。
当然、マクロス一の走り屋は自分だと思っていた。
ー面白い最後まで勝負してやるよ!
この女ライダーに舐められるのは嫌だ、だったら自分の力を最大に見せてやる。
どうせ彼女のいない身だ、徹底的にやってやる。
桐原は更に限界スピードで走りだした。

そして・・・・・・・・・・

桐原中尉「ここならば振り切っただろな・・・・・・」

桐原はバイクのレースの後、ビルの物陰に隠れた。
ここならば見つかるはずはないと・・・・・・
すると・・・・・・・

三浦佐枝子「よっ中尉殿、いい走りだったわ。」

桐原中尉「三浦!?なんでここに?それにその格好・・・・・」

三浦佐枝子「ちょっとね~中尉がバイクを乗っている所を見て勝負仕掛けたくなってね。」

ライダースーツを着ている佐枝子が現れた。
まさか先ほど追撃したバイクの運転手は佐枝子なにか?
そう思っているとその思いが本当かのような発言をする。
こいつ・・・・・いつの間にバイクに乗っていたんだ~
桐原は以外な事実を知り頭が混乱した。

桐原中尉「であんな走りを?」

三浦佐枝子「そうよ文句ある?」

桐原中尉「いや~・・・・・・・・・・・」

三浦佐枝子「あなたは知らなかったと思うけど最初の配属先でバイクに乗っていたのよ。案外バイクは得意なのよ。」

佐枝子は軍に入隊して最初に配属された時からバイクに乗っている。
それで佐枝子は好奇心からバイクで車両を通り抜けるなど無謀な運転を何度もしていた。
それが快感となり、バイクの腕が上達した。

まったく女性兵士の件で強気な態度で泣くしどっちが本当の佐枝子やら。

ー女とやらは分からない。
ー妹の明美や弟の同僚で彼女の台湾美人の紅花も・・・・・・
ーと言うか不思議だ、どんな感情を持っているかも・・・・・
ーいや女から言わしたら逆な事を言われるか・・・・・・・

桐原は身近な女性の意外な姿を見てそう考えた。

三浦佐枝子「そう言えば一条輝少尉が出撃して言ったわよ。」

桐原中尉「一条が?なんで?」

三浦佐枝子「なんでも敵の偵察機バッグアイが防空圏内に入り込み暇な一条少尉が出撃と・・・・・」

ミス・マクロスの開催している最中、防空圏にバッグアイが侵入した。
現在待機中で連絡を取れる状況にいた一条輝がJ型アーマードパックで出撃した。
現在迎撃している所である。
桐原に出撃する要請がなかったのは機体の整備が万全ではなく、待機中ではなく仕事終わりであったため。
唯一待機中と言うことになっていた一条輝が出撃することになったのである。

三浦佐枝子「でどうしますか?中尉?」

桐原中尉「なんのことだ?」

三浦佐枝子「ミスマクロスですよ、これから行きませんか?」

佐枝子が言い出したのはミスマクロスに行かないかと言う事。
ハナから行く気のない桐原、何度も断りを入れるが佐枝子は熱心に勧めてくる。
結局根負けしたのか二人でミスマクロスに行く事を承諾した。

その頃一条輝は青い風の三人組の罠に引っかかりバッグアイの爆発に吹き飛ばされ気を失う。
当の青い風の三人組は無事に脱出に成功無事に母艦に帰還する事に成功した。

そしてミスマクロスも女王はジャミスや期待の新人ジーナを跳ね飛ばしリン・ミンメイに決定した。
だがまだ多くの人は気がついていないが、ここは歴史の重大な分岐点になった。
歴史は伝説の道へと走り出す。

第27話 二人のエースパイロット

2017-01-27 22:52:59 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
火星から脱出したマクロスは再び地球への帰路に戻った。
しかしマクロスの目の前に立ちはだかったのは小惑星帯であり、残り少ない資材を無駄に消費してしまう事を意味していた。
バルキリーによる攻撃が決定されたが、バルキリーの装甲では宇宙塵と衝突するのは危険である。
そこでグローバル艦長はエミール大佐に追加装備であるGBP-1Sが使えないか打診した。

エミール大佐「バルトロウ大尉、宇宙塵をくぐり抜け岩塊を壊すためにGBP-1Sが使えないかどうか言われたが君はどう思う?」
マクロス技術課長エミール・ラング大佐

ジーナ大尉「それならば大丈夫です、宇宙塵程度ならばGBP-1Sのエネルギー転換装甲で防ぐ事は可能です。ただ・・・動きが鈍いのでプロメテウスのリニアカタパルトで飛ばさないといけません。」
マクロス技術課秘書ジーナ・バルトロウ大尉

エミール大佐「リニアカタパルトか・・・・・・・」

エミールはすぐさまグローバル艦長に連絡し作戦の詳細を伝えた。
選ばれたパイロットは・・・・・・・

柿崎速雄「嫌だ~なんで俺がそんな任務をやらないといけないんですか?」

柿崎速雄.新潟県柿崎の生まれの若者である。
家族と共にマクロスを見学に来たが、そのままマクロスに乗る事になり。
無職が心配だと言う事で軍に入隊したと言う大食漢。

ロイ「だからお前も新人なんだから・・・・・・よっし俺が飯を奢ってやるそれならどうだ?」

柿崎速雄「なんですと!?それじゃあ特上のステーキを奢ってください。」

ロイ「分かった分かった奢るっての。」

柿崎はどんな嫌な任務でも好きな食べ物『肉』をホイホイ餌にぶら下げればついてくる。
調子のいい感じの男であるが・・・・・・・・・・・・

マリア「少佐とあのデブが帰ってこない!?」

ディー軍曹「しっ聞こえるでしょ、作戦は成功したんだけどあのデブが馬鹿をやって帰ってこれないらしいわよ。」

マリア「いや~馬鹿ね~」

「お~い少佐達が帰って来たぞ~!」

3日後、柿崎とロイは戻ってきた。
腕は優秀なのは確かだが、馬鹿であるため何処か失敗する。
だが、以前いた工藤シンよりは腕前は優秀である。
まぁ女性兵士からは嫌われているが・・・・・・
柿崎が乗り捨てたバルキリーは無事に回収されたと言う。

そして数日経った。
時々開催されている統合軍チタニウム章の授与でジャスティン・ボーグナイン少尉.滝・ロスマン少尉.ヤン・ルー中尉.マルコス・マイヤー中尉.一条輝軍曹らが選ばれた。
そして一条輝は少尉へ昇進し新たに創設されたバーミリオン小隊長に任命された。

ジョニー「伍長。シミュレーション、320時間。飛行時間、50時間。成績評定A・・・・・マックス、お前・・・・この前まで航空機はまだまだ初心者だったのに凄いな。」

マックス「いえいえジョニーさんには及びませんよ。」
SVF-1スカルズ.バーミリオン小隊マクシミリアン・ジーナス伍長

パープル小隊隊長ジョニーと話している少年マクシミリアン・ジーナス。
親戚の子供であり彼の招待で南アタリア島に来ていた。
昔から不思議っ子でもあり文武両道の天才。
フォールド後は地球統合陸軍に入隊、デストロイド部隊に最初所属していたがこれを見ていたロイがスカウト引き抜いた。

ジョニー「お前の武勇伝は聞いているよ、初陣でいきなり4機撃墜だってな。」

マックス「それほどないですよ、いきなり7機以上撃墜したジョニーさんの方が凄いですよ。流石にかなわないな。」

マックスはエースパイロットの才能が芽生えていた。
ロイがスカウトするのも無理はない。
上記の2名は一条輝が指揮する事になったバーミリオン小隊へ配属される事になるのである。

三浦佐枝子「バーミリオン小隊ね、平凡とイケメンとデブの3拍子。まるで男の顔判断機みたいだわ。」

桐原中尉「おい三浦、柿崎に失礼だぞ。柿崎はあれでも工藤シンより技能は上なんだぜ。」

三浦佐枝子「でも顔は彼が上だと思うわ、遺影の写真見た事あるけど・・・まぁ男は生身と顔よね~」

佐枝子も柿崎の事を酷く言う。
桐原は柿崎の女性陣からの扱いに対し不憫と感じる。
そして思った柿崎は永遠にチェリーボーイだと・・・・
と言える自分でもないが・・・・・・・・

そして定期便の例の連中がやってきた。

カムジン「マイクローンめ!今日こそ引導を渡してやる!!」

カムジン率いるゼントラーディ軍部隊が襲撃してきた。
マクロスも防戦態勢を取る。

桐原中尉「いつも通り肩凝るような連中だな。」

桐原率いるノンバリケン小隊はいつものように戦闘を開始する。
部下のウォルターとイェルは既にこつがつかめたのか順調に撃墜する。
まぁいつも通りの戦果だが・・・・・・・・・・

イェル「隊長!?」

桐原中尉「ノバリケン3どうした?」

イェル「あれ・・・・・・・・」

桐原中尉「な・・・・・・・・・あれが新人の動きかよ。」

見せ弾を撃って、敵が回避した方向にもう一度発砲し、リガートを撃破・

マックス「おとり撃ち。なんちゃって。ん、もう1回。」

さらにリガート隊が攻撃してくるが、マックスはまたたく間に撃退する。
あれが新兵の動きとは信じられないまるでエース・・・・いや化け物級のエースの動きだ。
しかし何処かで・・・・・・・・・・・

桐原中尉「ジョニー聞こえるか?」

ジョニー「うぉっすなんだ?こんな忙しい時に?」

桐原中尉「あいつまさか・・・・・・」

ジョニー「俺の親戚の子供だ、なんか文句あっか?」

やはりだ・・・・・やはりジョニーの親戚か・・・・・
桐原はジョニーの親戚の子供と言う言葉を聞いて納得する。
天才ジョニーの親戚であれば文句なしだな・・・・・・・と桐原思った。
その後、ゼントラーディ軍は突如退却し、今回の戦闘は終了した。
まぁ何時も通りの展開である。

『さてそろそろ開催されるな・・・・・・・・マクロス航海で最大のイベントが・・・・・』

第26話 火星サラ基地防空戦

2017-01-27 14:20:18 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
      ズドドドドドド ズドドドドドドド ズドドドドド

桐原中尉「くそ敵さんめしつこ過ぎる!」

ゼントラーディ軍はマクロスに対し執拗な追撃を開始した。
毎日連続した戦闘で多数の死者を出していた。
だが毎日のように出現する敵はある程度したら撤退する事を繰り返していた。

イェル「貰ったよ!」

               ズドォォォン

イェルがリガードを機銃でうち火達磨にさせる、火達磨になったリガードは真っ直ぐ下に落ちて爆発する。
桐原やウォルター.イェルの3人のノンバリケン小隊はスカル隊と共に善戦している部隊だが。
戦況を好転させるほどの力にはなっていない。
どんなエースでも大きな力と大きな力との戦闘の前では無力。
それに抗うには自分達の部隊以外の連中と上手く協力して戦う事である。

戦争はそう単純じゃない、戦争は想定外のつき物のアブノーマルな世界である。
常識で想定外だらけのアブノーマルの世界に抗うのは難しい。
己もアブノーマルにならなきゃ、生きてはいけない。

               キィィィィィィィィン

そんなアブノーマルの世界から帰ってきた桐原たちノンバリケン小隊。
彼らは既にいつもどおりの日常だと考え気にしなくなった。

そしてマクロスは火星軌道上に辿り着く。
すると火星サラ基地に謎の信号を確認。
ただちに偵察としてキャッツアイ207番機を出撃させた。

「こちらキャッツアイ207番機、基地周辺に異常なし。クリア。」

偵察機はそのまま飛び立つ。
だがその様子を除く物がいた。

ゲラオ「スカウトリガート、ゲラオよりカムジン隊長へ。偵察機がそちらへ向かいました。」

大地の裂けめにグラージとリガートの大部隊がひかえているが、偵察機は気づかずに上空を通過してゆく。
その中にいたのはカムジンである、ブリタイが呼びだしたマクロスへの刺客である。
その後偵察機の後にマクロスがサラ基地に降下してくる。

ゲラオ「敵艦降下中。着地。着地しましたが、重力機雷が有効範囲からはずれています。」

カムジン「慌てるな。そのうち敵は基地に近づく。そうすれば重力機雷の作動エリアに入る。それで二度と飛びたてなくなるはずだ。 じっくりとやれ、じっくりとな・・・・」

カムジンの悪意に気がつかないマクロスは火星サラ基地に降下し物資の搬送を開始した。

桐原中尉「基地周辺異常なし。車両の護衛にあたります。」

桐原の部隊も護衛の任務に就く。
補給物資を受け取るまでの辛抱である。

ディー軍曹「中尉殿、お久しぶりです。」

桐原中尉「久しぶりだなヴァーミル軍曹。」

以前会った事のあるディーだ。
相棒であるマリアも健在であり、共に活動していた。

桐原中尉「お前も見ないうちにパイロット乗りの面だな。」

ディー軍曹「以前言った覚悟の通りですよ、いつまでも弱弱しいオペレーター娘ではありませんよ。」

ディーはマリアと共に何度も戦闘を経験し成長してきた。
以前見た弱弱しいオペレーターであったが今では何処にでもいるベテランパイロットに近い面になっていた。

ディー軍曹「それより三浦少尉との関係はどうですか?」

桐原中尉「三浦少尉との関係って?」

ディー軍曹「とぼけちゃって、今噂ですよ。」

今女性兵士の間では桐原と佐枝子との関係が噂になっていた。
事実、桐原と佐枝子は友人以上恋人未満のように仲がいいため、恋愛に飢えている女性兵士では噂にされるのは当然である。
桐原と佐枝子は恋人関係と肯定する意思がないのにも関わらずだが・・・・・・・

ディー軍曹「まぁ今後の進展に期待しますね、失礼~

桐原中尉「お.おい待て!!」

ディーは別のエリアの警護のため行ってしまった。
桐原は今の話で自分が噂の種になっている事を知ってしまった。
だが・・・・・・・・・・

カムジン「まだか!」

ゲラオ「はっ。カムジン隊長、重力機動効果最大です。獲物は罠にかかり釘づけです。

カムジン「よおし、野郎ども! 攻撃開始だ!」

カムジンの部隊が一斉に飛び出してきた。
これにより空がゼントラーディ軍の戦闘ポッドで埋め尽くされた。
その数は1000機、これは地球で言う一つの地域をカバーできるほどの大戦力である。

ウォルター「隊長・・・・・・」

桐原中尉「くそ数がいつもより多い・・・・・・・・行くぞ!」

              ググググググ
桐原中尉「なんだ!?」

重力機雷が発動しマクロスを抑え込む。
バルキリー部隊も一瞬フラッとするが慣れると機首を戻す。
桐原たちは地上へ降下し地上戦に備える事にした。

ズドドドドドド ズドドドドドドドド ズドドドドドドドドドド

桐原中尉「キリがない・・・・・」

桐原達は建物の影に隠れながら銃撃戦を開始する。
上空からの攻撃は別の部隊に任せればいい。
はぐれないように小隊を一か所に集結させる。

イェル「いいんですか?飛行隊長命令に従わなくて?」

桐原中尉「上からの命令重視では戦場では死ぬぞ、細かい戦場は小隊長である俺で判断しお前らに指示しないといけないんだ。」

ズドドドドドド ズドドドドドドドド ズドドドドドドドドドド
ビュビュビュビュ ビュビュ シュババババババーン ビュビュ

バルキリー・デストロイド両隊は1000機を越すゼントラーディ軍の前に苦戦を強いられていた。
バトロイドに変形していたバルキリー部隊は怯えるかのように建物の影に隠れて必死の抵抗をする。
が・・・圧倒的兵力の前に犠牲者が増えていく。

カムジン「ははあ、どんどんかかってこい!」

カムジンは襲撃してくるゼントラーディ軍の兵士の中では強力な存在であり、白兵戦の構えを取ったバルキリー部隊とデストロイド部隊を次々に破壊していく。
その姿はまるで鬼神。

「くそ・・・・・・化け物め・・・・」

バトロイド形態でカムジンのリガードに攻撃を仕掛ける2機のバルキリー。
だがカムジンはそこらのゼントラーディ人とは違う・・・・・・

                 ズシュゥゥゥゥ
「おわっ!?」

カムジン「おせぇんだよ!!」

カムジンは2機のバルキリーが潜む物陰に入りこんだ。
とっさに迎撃しようとするがカムジンが乗るグラージの大口径インパクトキャノンに同時に撃ち込まれ乗っていたパイロットの命の日を消す。

そして戦闘から10分経ちグローバル艦長はある奇策を思いつく。
それはサラ基地の地中深くに設置された反応炉を暴走させ、重力制御から脱出すると同時にそこら辺にいる敵の大軍を全滅に近いほどの損害を与えようというのだ。
当然、味方部隊を巻き込むことはできない。

『反応剤注入過剰。危険です、危険です。保安システム、オールレッド。反応炉は暴走をはじめました。爆発臨界まで、あと15分です。総員待避、総員待避。 まもなく基地は自爆します。』

とうとうサラ基地の反応炉が暴走し始めた。
味方を巻き込まないように全部隊にアナウンスで伝える。

「総員、ダイダロスへ撤退しろ!爆発に巻き込まれるぞ!バルキリー隊援護を頼む。」

ロイ「任せろ!」

上昇の出来ないデストロイド部隊が後退を開始する。
バルキリー部隊は上空と地上の二面からデストロイド部隊を支援する。

ウォルター「隊長、上手く退避する事はできますかね?」

桐原中尉「陸軍と海兵隊の連中だ上手くやる、地球まで近いのにここで死んだら洒落になんねぇだろ。」

ウォルター「それもそうですな。」

桐原とイェルとウォルターは3機で固まりゼントラーディ軍を迎撃する。
その後、ディーとマリアなどの女性兵士と合流し、防御性を高めた。

マリア「もうきりがないですよ。」

ディー軍曹「撤退命令はまだなの?」

地球統合軍側はどんどん後ろへ後ろへと後退する。
デストロイド部隊は既に完全撤収しており、残るはバルキリー部隊のみである。

『総員、まもなく臨界点突破自爆します。総員退避せよ!』

とうとう全バルキリーパイロットが待ち望んできたアナウンスが出た。
これで戦闘は終了するともしくは助かったと・・・・

桐原中尉「全機、上昇しろ巻き込まれるぞ!」

ウォルター「2了解」

イェル「3了解。」

ノンバリケン小隊は桐原の指示で他の部隊と共に上昇する。

「逃げるのか!?待ちやがれ!!」

1機のリガードが上昇してきた。

イェル「こいつ死ぬつもりか!?ここは・・・・・・・」

                      シュバーン
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ」

イェルのミサイル攻撃で追撃してきたリガードは爆散する。

桐原中尉「安全圏離脱・・・・・・・・・時間だ・・・・・・・・・・・・・」

              ズドォォォォォォン

火星サラ基地は反応炉の暴走で自爆した。
自爆によりマクロスの重力制御から解放され浮上し離脱、ゼントラーディ軍部隊は自爆に巻き込まれ大被害を被った。
幸いノンバリケン小隊は自爆に巻き込まれずに全機生還、サラ基地に最後までいた早瀬未沙も一条輝により救出に成功した。
その後、サラ基地は2013年に再編されるまで放置される事になる。
マクロスは地球へ向かう我らの故郷へ。

第25話 桐原茂人VSティモシー・ダルダントン 後編

2017-01-25 13:02:10 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
小惑星で資源回収をしていたマクロス。
そこにティモシー・ダルダントンを伴っているスヴァール・サラン級がマクロス付近に近づき強襲した。
つたのような物をマクロスの航空戦力の拠点空母プロメテウスに絡みつきバルキリー部隊の動きを封じた。
発進しているのはノンバリケン小隊と一部のみである。

グローバル艦長「今回の敵は中々の切れ者だな・・・・・・敵ながら天晴れ。」

グローバル艦長は今回の敵の動きを切れ者であり褒める。
今回の指揮を執っているのはスヴァール・サラン級の艦長であるが実質は特派員であるティモシー・ダルダントンである。
表向きは一般部隊の兵士ではあるが、特派員であるティモシーのほうが権限が上である。

                             ダンッ

ウォルター「くそ俺たちしかいねぇじゃねぇかよ!」

航空隊は出撃できず実質的に戦力になるのはすでに護衛に出ていた3個小隊12機のみである。
大して敵は40機程度。
いつもより数は少ないがいつもとはあんまり変わっていない。

イェル「隊長、3機見知らぬ敵がいます。」

桐原中尉「人型兵器?連中も人型兵器を所有していたと言うのか?」

イェルが指した人型兵器はティモシーら特派員が乗るシュルケル・ウーの事である。
今までリガードやグラージ.空戦ポッドで戦い慣れたがこのような人型の兵器にはまだ慣れて折らず戦力は未知数である。
こいつは只者じゃないと・・・・・・

                        ズゴォォォォォン

等々敵の攻撃がマクロスに対して行われた。
唯一の戦力であるデストロイド部隊が応戦するし、小惑星で資源を回収していた部隊は撤収を開始しマクロスで防戦を開始する。

「くそ動きがきかねぇ、溺れていやがる。」
「くそっくそっく・・・・・・・・・・・・・」

地球統合陸軍の主力兵器で陸戦を想定して開発されたデストロイドは宇宙での運用は想定しておらず宇宙で溺れる。
兵士たちは恐怖に怯えながらもマクロスに向かうが途中で撃破される機が続出した。
この時の戦いを生き残った兵士はマクロスに向かうまで不安と恐怖に支配されていたと語っている。

桐原中尉「ノバリケンリーダーから2.3各機へデストロイド部隊の救出作戦を展開する、それぞれの意思を持って敵を迎撃する。俺はあの緑色の人型をやる!!」

ウォルター「隊長一人でですか?」

桐原中尉「あぁもしかしたら奴はエースかもしれないからな。部下であるお前らを死なすわけにはいかん・・・・・・・」

桐原は部下のウォルターとイェルにマクロスに溺れながらも移動中のデストロイド部隊の救出を命じる。
自身は初めて見る敵兵器であるシュルケル・ウー3機と退治しようと試みる。
3機しかいないとなるとこいつはエースである。

しかし部下がそう簡単に言う事を聞くとは思えない。

イェル「私たちは離れません、私は隊長の部下なんですよ?隊長だけ危険な目に遭わすわけには参りません。」

ウォルター「死ぬことは上等、隊長デストロイドならば他の連中がやってくれます。俺たちも隊長に同行させてください。」

桐原中尉「お前ら・・・・・・」

桐原は新人とは言え度胸のある二人の態度に感動する。
その感情に浸っていた時・・・・・・・

「人型が来るぞ!人型が来るぞ!ぐあぁぁぁ」

ティモシー「主戦力が既に出ていたか、ワームがいつまでも敵の航空戦力が出るか・・・・・」

ティモシーのシュルケル・ウーが移動中のデストロイド部隊を強襲した。
圧倒的な速させ多くのデストロイド部隊員が戦死していった。

桐原中尉「あの野郎、無防備である奴をやるのか!?」

   ドダダダダダダダ ドダダダダダダ ドダダダダダダ

ティモシー「なんだと!?」

ファイターでシュルケル・ウーに銃撃を加える。
突然の攻撃に拍子抜けしたが回避コースに直ぐに移行するティモシーだが、右肩を被弾した。
自分の体を傷つける程度じゃない程の被弾であるが・・・・・

ティモシー「腕の立つ相手がいたか、まぁ今回は予定通り時間稼ぎだけはやらせてもらうもっとも拿捕はしたかったが・・・・・・・・・・せいぜい楽しんでから・・・・・殺す!!

両手をグァと上げてレーザー砲のある右手を前に出す。

   ビュビュビュビュ ズキュゥゥゥン ズキュゥゥゥン

桐原中尉「うぉっ」

桐原は間一髪回避する。
狙いは他の敵兵(ゼントラーディ人)より正確射撃である。

ティモシー「奴・・・必ず当たる俺の攻撃を回避するとは面白い奴だ、ますます遊びがいが出てきた。こいつはどうだ?」

ティモシーは桐原に急接近し、右腕のレーザー砲で殴りつける。
ファイター形態であるため、直ぐに回避された。

桐原中尉「くそなんて危ない奴なんだ!?ウォルター・イェル無事か?」

ウォルター「なんとか。」

イェル「無事です。」

桐原はティモシーの攻撃を回避しながら叫ぶ。
部下二人は他のシュルケル・ガーと交戦はしていたがなんとか生きていたようである。

桐原中尉「そうか・・・・・・近づくな!!」

当然桐原が叫んだその先には・・・・・

ティモシー「獲物が2匹増えたか?まぁ俺の相手ではないが、更に遊びが面白くなる。」

ティモシーが二人の側面をつこうとしてした。
二人はイェルはガウォーク.ウォルターはバトロイドになり回避する。
が・・・・・・・・・・・・

イェル「いやっ!?」

「隊長、やりましたよ。」

ティモシー「まぁ艦ごと捕獲しなくても・・・・・兵器の一つを捕獲すればマイクローンの事は何か分かるだろうでかしたお前は後退しろ!」

「エスケスタ」

桐原中尉「イェル・・・・・」

ティモシーの部下がガウォーク形態のイェルを捕獲しそのまま艦へ帰還しようとしている。
このままではイェルは連れていかれてしまう。
桐原は助けようとするが下手に動いたらイェルを殺してしまう事になっているので動けない。

イェル「あちゃ~ゼントラーディの奴、やってくれたわね。」

イェルははっちゃけた顔をしながら捕まった感想を言う。
するとパソコンらしき物を取り出す。

イェル「このままで済むと思わないでよ、こいつを喰らってもらうわ。」

               ピッピッピッ

『自爆シークエンスに入りました、本機はまもなく自爆します、解除不能。カウント20分。』

イェルは密かに機密をばらさないようにする自爆装置を作動する。
コックピットのキャノピーを開けて脱出し宇宙空間に漂う。

「隊長!?」

ティモシー「構うな・・・・・・メルトランのマイクローンだ、そいつは捕獲する暇はない・・・・見ろ!」

つたからがスパルタン隊の手によりやっと解放され、バトロイドになっているバルキリー部隊がぞろぞろと出てきた。

                ズドーン

ケンゾー「スコアは6機、前回よりも増えたぜ。」
SVF-1スカルズ.スカル15ケンゾー・ダイソン少尉

「あっ・・・・・・・」

ティモシー「もう十分に作戦の役目は果たした退却するぞ。」

「エスケスタ・・・・・・・・」

あっけなくバルキリーを持ってティモシー達は帰還する。
・・・・・・・・

桐原中尉「・・・・・・・・終わったのか・・・・・・・」

ウォルター「いいのかよバルキリー持っていかれたぜ。」

桐原中尉「しょうがない・・・・・・・部下の命さえ無事であれば・・・・・・」

桐原はバルキリーを持っていかれた事に対し、捕獲されたと素直に報告した。
上はかんかんに怒り数日小隊隊員自宅謹慎命令が下された。
だがそのバルキリーは・・・・・・・・・・・・・

ティモシー「貴重なマイクローンの資料が入った、ブリタイ司令にいい報告が出来る。」

イェルのバルキリーはゼントラーディ軍に捕獲された。
ティモシーは上にいい報告が出来ると微笑んでいた。

          ズゴォォォォォォォォン

ティモシー「何があった!?」

「格納庫で爆発、死者が多数出ました。」

ティモシー「なんだと!?」

突然格納庫が爆発した・・・・・それはイェルが乗っていたバルキリーであった。
爆発によりリガード10機と多数の死者が出た。

「ブービートラップだ、あのマイクローンのメルトランめ・・・・・・・・」

イェルは自爆装置をしかけていたそれが爆発した。
それを回収したゼントラーディ軍はうまくはまった。
つまりブービートラップである。

ティモシー「まさか・・・・・・な奴らは・・・・・・・・・」

ティモシーはある予感がする、とてつもなく・・・・不吉な・・・・・・・
そう思っているとティモシーはある事を呟く。

ティモシー「マイクローンの船の・・・・・・・」

第24話 桐原茂人VSティモシー・ダルダントン 前編

2017-01-24 23:05:57 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
                【スヴァール・サラン級】
ゼントラーディ軍主力戦艦スヴァール・サラン級。
この艦はある特別な命令を帯びて行動していた。

「特別強襲作戦か・・・・マイクローンの艦が補給のために衛星に接近するため強襲するつまり嫌がらせか・・・・・」

ブリタイ司令は配下にマクロスの嫌がらせ攻撃する事を結構した。
任務の目的は火星に先回りしカムジン艦隊と合流するためである。

そのためにもマクロスの移動スペースを遅らせある作戦を成功させようと考えていたのである。

「しかしまさか、貴様も我が隊に配属されるとはな・・・・・・ティモシー・ダルダントン

ティモシー「これはブリタイ司令の命令なのですよ、艦長。」
第122機甲大隊所属ティモシー・ダルダントン

昔の中国風のゼントラン(男性)の名はティモシー・ダルダントン。
後にブラックレインボーを率いて新統合政府に反旗を翻した男である。
この時はまだゼントラーディ軍第67分岐艦隊第122機甲大隊に所属する一兵士である。
とは言え、周りと比べたらまったく異質な雰囲気のある感じがある。
人を寄せ付けないようなもの寒い感じのするような・・・・・・何かが・・・・・・・・

「ふん一般兵士風情が大口を叩くな・・・生意気な奴め・・・・」

ティモシー「私は一般兵士風情?まさか・・・・・ブリタイ司令から派遣された特派員である事をお忘れなく。」

「ぬぅ」

ティモシーは一般兵士でるのは表向きでありブリタイ司令が送り込んだ特派員である。
(ゼントラーディ軍の特派員は精鋭兵士の一つであり特殊兵器を愛機にしている。)
こうして一般部隊に混じっているのは嫌がらせ攻撃に必要だとブリタイが判断したためである。
ティモシーは特派員の中では一番階級の高い指揮官であり、特別の権限がある。

それは・・・・・・・・・・・・・・

                    【SDF-1マクロス 病院】
桐原中尉「今までありがとうございました。」

桐原は傷もある程度直り退院し原隊へ復帰する。
部下も補充されノンバリケン小隊の指揮官として勤務を再開するのである。
正直傷はヒリヒリするがこれくらいの傷程度で弱音を吐いている隙なんてない。
部下に情けない姿が見られないように精一杯勤務しなければ・・・・と心の中で思っていた。

ロイ「茂坊、退院おめでとう!」

桐原中尉「少佐!なんでここに?」

ロイ「義さんのお見舞いのおまけだよ、偶然お前を見かけたからな。」

ロイ・フォッカーである。
伊集院が入院していて全マクロス航空隊の最高責任者になっている男。
相変わらず酒臭い男である。

桐原中尉「少佐、プロメテウスに行ってもよろしいでしょうか?」

ロイ「あん?お前まだ傷の方はいいのか?退院してゆっくり休んでいてもいいんだぞ、看護婦のスカートのヒップラインを眺めながらな。」

桐原中尉「俺は少佐のようにスケベじゃありません!!・・・・俺はただ新しく入った奴の顔を確認したいだけで・・・・」

ロイ「けっお前も案外いい指揮官しているな。まっ頑張って行ってこいよ。」

桐原中尉「ハッありがとうございます。」

桐原はロイに感謝の言葉を聞きバイクに乗りプロメテウスまでに向かった。
既に配属されたパイロットが待っているプロメテウスに向かう。

             ガショーン

「こちらファンクス小隊資源を回収中、目標の30%。後62時間後に作業を完了する。」

ヴァネッサ「くれぐれも遅れのないようにお願いします。」

「了解。」

マクロスは火星と木星の間にある小惑星帯で鉱物資源の回収を行っていた。
宇宙には豊富な資源がありいつでも回収できるほどの数であり、宇宙全体で言えば取りきれないほどがある。
地球帰還中のマクロスにしてみれば嬉しい話であり、デストロイド部隊を使い回収をおこなっていた。

イェル「快適ですね可変戦闘機って。」
ノンバリケン3.イェル・フォルタン

ウォルター「おいおい女が乗っていいのかい?イェル嬢?」
ノンバリケン2.ウォルター・ハレンス

イェル「はんあたしを舐めているの?」

桐原中尉「お前らおしゃべりが過ぎるぞ。」

「申し訳ございません。」「申し訳ございません。」

桐原はウォルター・ハレンスとイェル・フォルタンと言うなの女性兵士と言う名の女性兵士を部下に迎えた。
特にイェル・フォルタンは不思議な女性士官だ、まるで地球人とは違うようなオーラが漂っている。
ウォルターは機種転換したパイロットである、不良パイロット.ケンゾー・ダイソンと並ぶ機種転換組の問題児だが以外にも真面目な奴だ。
これが新たな桐原の部下である。

桐原中尉「しかしお前らはこうして飛ぶのは始めてなのか?」

イェル「私は始めてです、軍に入ってまだ間もない身です。」

ウォルター「俺は元の所属の時にこうして飛んでいました。」

それぞれ出身の違う二人。
案外これからの軍隊生活が楽しくなりそうな面々でもあった。

キム「大変です、フォールド反応です。敵の襲撃に備えてください!」

突然ゼントラーディ艦がマクロスに接近する。
すると突然蔦のような物で空母プロメテウスが絡みつかれてしまいバルキリーの発進ができなくなってしまった。

ティモシー「さてマイクローン、お遊びの時間を始めよう。貴様らの主戦力を封じさせてもらった。行くぞ!」

艦載機がゼントラーディ艦から発進する。
その中に異様な機体が出てくる。
この機体の名はシュルケル・ウー、バトルポッドである。

ティモシー「お前たちは外にいる連中を叩きつぶせ、このまま後続部隊の到着を待ちできたら拿捕する。」

自らシュルケル・ウーに搭乗し部下に適切な指示を出すティモシー。
歴史の教科書に載らない小さな戦いが今始まる。

第23話 メルトラン達の近況。

2017-01-23 23:10:06 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
     【ゼントラーディ軍第1直衛艦隊”通称”ラプラミズ艦隊】
「ミリア.メール.デワントン定期パトロールから帰還します。」

デワントン「着艦を許可しろ!」

「エスケスタ」

定期パトロールから戻ってきたミリアの部隊。
ボドル基幹艦隊の旗艦周囲の警護ではなくパトロール任務についていた。

メール「私はティレノール記録参謀閣下の所へ行きます。」

ミリア「頼む。」

メールは上へ報告する担当であったため艦橋に向かう。

ミリア「詰まらんな・・・・・・・・」

ミリアはつまらないと言う・
デワントンらゼントラーディ軍第1直衛艦隊”通称”ラプラミズ艦隊は最近出撃はなかった。
監察軍の出現頻度が減少しずっと艦隊で待機している状態であった。
出現している部隊は分岐艦隊の分でも十分であり、直衛の精鋭が出る幕ではないような連中だ。

モーア「ミリア1級空士長の言う通り暇だよ~暇、最近敵がいなくて暇だよ~」

最近出撃が出来ない事で一番ストレスが溜まっている緑色のボブカットをした女性モーア・カリダム。
彼女はエースのミリアことミリア・ファリーナに次ぐ実力の持ち主であり、一番の能天気かつ戦闘狂である。
この前の監察軍艦隊掃討戦以降、大規模な戦闘がないため暇で暇でしょうがなくいつまでも艦内に閉じこもっておるためストレスが溜まっていた。
それはモーアだけじゃない他のメルトランはおろか全然出撃していない他の一般部隊も同様のストレスが溜まっている。
戦闘種族ゼントラーディ人は戦闘が出来ないのは大変苦である。
それにパトロール如きでエクスタシーを感じることはできない。

ミリア「モーア、当分待てブリタイ司令の第67分岐艦隊がマイクローンの艦の追撃作戦が終わったら監察軍のいる別の銀河に向かう。それまでの辛抱だ。」

モーア「それはいつも言っているけど、いつになったら終わるんですか?話によればたかが1隻・・・・簡単に殲滅できるでしょ。」

ミリア「まぁそれはそうだがな・・・・・・・・・ははははは。」

ミリアは血気盛んなモーアを諭すが逆に文句言われる事になり苦笑する。
既に全艦隊にマイクローンの艦の話は伝わっており、ブリタイはいつまでも捕獲にこだわり沈めようとしないため第67分岐艦隊の名声はどんどん落ちていった。
態々捕獲に拘らずにさっさと撃沈すればいいものを・・・・・・・と他の分岐艦隊司令官や将兵が言う始末である。

デワントン「ティレノール記録参謀閣下曰く、失われし兵器や噂ではマイクローンの艦にはゼントラン(男)とメルトラン(女)が一緒に暮らしているとかで捕獲して調査するらしいからそうは出来ないらしいですが・・・・・・」

モーア「ハッゼントランとメルトランが共存・・・・・・・・冗談にも程がありますな、デワントン二級空士長。あなたはもし同じ立場なら直ぐに沈めますよね?」

デワントン「私はブリタイ司令の判断は適切だと思う、マイクローンが失われし兵器の製造方法を知っていれば監察軍を簡単に叩ける、戦術面では優れている。」

デワントンとモーアは意見が食い違う。
直ぐに沈めるか沈めず調査する丁度いい感じになった。

デワントン「ミリア1級級士長はどうなんですか?」

モーア「当然沈めますよね?」

二人はミリアに意見を求める。
どちらが正しいのか指揮官であるミリアに求める。
そんなミリアが出した答えは・・・・・・

ミリア「私は面白い相手がいなければマイクローンの艦には興味はないな・・・それだけ。」

面白い相手がいなければマイクローンの艦(マクロス)には興味はない。
ミリアらしい答えである。
ミリアは強い相手が戦場にいて遊べるような相手がいれば監察軍であろうがマイクローンだろうがなんでもいい。
それがミリア・ファリーナと言う女であった。

メール「失礼します。」

ミリアのもう一人の副官のメールが部屋に入って来た。
さっきはティレノール記録参謀との作戦の情報を聞きに行ってきた。
何か反応でもあったのだろうか?

ミリア「メールか?出撃の要請でもあったのか?」

メール「それが・・・・・」

ミリア「それが・・・・どうした?」

メール「それが・・・・・・・第109分岐艦隊のカムジン・クラヴシェラ師団長率いる第7空間機甲師団がブリタイ司令の要請によりマイクローンの艦追撃の増援として出撃して行きました。」

ミリア「何!?」

カムジン・クラヴシェラ、通称.味方殺しのカムジンと呼ばれている基幹艦隊では知らぬ者はいない有名人である。
ミリアを始めとする第1直衛艦隊の面々はカムジンを毛嫌いしている。
生理的に嫌い顔を見るだけでムカムカする。
いつもカムジンと行動する際はミリアがカムジンを対処する。

モーア「カムジン・・・・あいつ・・・・絶対に殺るな・・・・・可愛そうに第67分岐艦隊の連中・・・・・・・・」

デワントン「奴は味方を殺しかけない危険な性格しているからね。」

カムジンは味方殺しの異名の如く平気で気に入らない味方を殺す。
自分の部下以外は味方だとは思っていないただの捨て駒。
所詮カムジンの他の一般兵士に対する価値観はそんなもんである。

メール「ミリア.空士長・・・・・ブリタイ司令は何故カムジンなんかを・・・・・・・・・」

ミリア「分からんな・・・・・いや奴らならば何か変化でも得ようとしているのではないか?」

メール「まさか・・・・・・・・・」

ブリタイがカムジンを呼んだ理由はマクロスに対する捕獲作戦に何か変化つけさせようと言う事。
だがどのような変化を得られるのかはまだ未知数である。
だがエースとは言え一応一兵士であるミリアが結果的にどうなるのかは分からない。
ミリアはメールと共に何処かへ行ってしまう。
残されたのはデワントンとモーアの二人である。

モーア「味方殺しのカムジンも落ちたもんだね、たかがマイクローン艦1隻の増援にこき使われるなんてね。ってデワントン2級空士長・・・どうしたんですか?」

デワントン「なぜだろう・・・・・凄く嫌な予感がする・・・・・」

モーア「嫌な予感ですか?」

デワントンはいつも優秀なブリタイが援軍を要請する事を怪しんでいた。
包囲とは言え、敵艦1隻相手にそんなへまをするはずがない・・・・・・・
もしかしたら監察軍より恐ろしい敵なのではないだろうか?
まるで物凄い恐怖に包まれそうな嫌な予感・・・・・・なんだろうか・・・・・

デワントン「いや・・・私の思いすごしだろう。とにかくブリタイが上手く任務を終わらせ、監察軍との戦いに備えましょう。」

モーア「そうですね♪・・・その時は敵を狩りまくります。」

デワントン「お前らしいな。」

どうせ私たちはマイクローンと対峙することはない。
とデワントンは勝手に自己完結してしまった。
この時はまだマイクローンと対峙する事はまずありえないと思っていた。

しかし・・・・・・・まさか数ヵ月後にマクロスと戦う事になるとはデワントンを始めとするメルトランの女性兵士たちは想像もつかなかったのである。