2021年の節分は、1897年以来124年ぶりの「2月2日」であった。通常、節分とは立春の前日にあたる「2月3日」をいう。この日は大寒の末日で冬から春に改まる日を意味している。この日には節分祭や追儺式を行う。これは、古代中国の、各季節の終わりに「儺」と言って悪気邪鬼を追い払うという行事が輸入されたものであり、室町時代以降普及し、ヒイラギの枝にイワシの頭などを刺し、魔除けとして玄関や門口や窓にさし、「福は内、鬼は外」という掛け声とともに「豆」をまいて鬼を追い払う行事となったのである。小生の幼少の頃にも毎年行ったものである。この豆を「福豆」と言い、厄除けに年齢の数だけ食べる習慣も存在したが、現在はどうなっているのだろうか。
さて、苗字研究の専門家である丹羽基二氏によると、鬼のつく「苗字(姓)」は、「鬼(おに、きさらぎ)」「鬼熊」「鬼目」「鬼勝」「鬼王」「鬼口」「鬼一」「鬼子」「鬼首」「鬼追(きおい)」「鬼極(おにぎめ)」「百鬼(なりき、ももき)」「百目鬼(どどめき)」など多様であるがこれも一例に過ぎない。
「鬼」が頭につくものは「145姓」、「九鬼」のように末尾につくものが「50姓」、「五鬼助」のように中にはいるものが「10姓」、あわせて「205姓」あるという。
最も多いのが「鬼頭」(東海に多い)が約1万人。次いで多いのが「鬼沢」(東日本に多い)、そして、「九鬼」(近畿中心)、「鬼塚」(九州中心)などがそれぞれ数千人という事です。
丹羽氏は、「鬼は霊意のある強運の文字。鬼姓の方々は鬼の強さにあやかりたいと願ったのだろう」という。
(2021年2月8日投稿)