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麻生氏の単一民族発言は確信犯:神聖天皇主権大日本帝国政府の超国家主義(ウルトラナショナリズム)の信奉者

2024-03-05 19:06:11 | 日本人

 麻生太郎氏は2020年1月13日、福岡県直方市での国政報告会で「2千年の長きにわたって一つの場所で、一つの言葉で、一つの民族で、一つの天皇という王朝が続いている国はここしかない。良い国だ」と述べた。

 しかし、14日の閣議後会見で、「誤解が生じているのなら、お詫びの上、訂正する」と発言した。

 この発言をどのように理解すべきであろうか。麻生氏は「誤解が生じているなら」としているが、おそらく国民の多くは、麻生氏の報告会での発言について、「誤解せず」に「正しく」理解しており、麻生氏こそが「誤解した歴史認識」を有していると理解している事と思う。強いて言えば、彼は意図的に虚構の歴史認識を述べて国民を刺激し、その反応を見ようとしているのかもしれない。

 なぜなら、麻生氏の今回の発言は、2005年の発言とまったく同質の内容だからである。05年には「一文化、一文明、一民族、一言語の国は日本のほかにはない」と発言していたからである。彼は「単一民族」という言葉に「優越性」の意味を込めているとともに、今日の日本国家は神聖天皇主権大日本帝国政府が異民族を征服しその領土を併合し、文化の同化を強制して成立した「複数民族国家」であるという事実を隠蔽して使用しているのである。この価値観や歴史認識は敗戦までの神聖天皇主権大日本帝国政府が国民に押しつけ教化した価値観や歴史認識と同一のものである。そして、敗戦後の新憲法の下の自民党政府においても、つい最近まで、「公式見解」としていたものである。

 1986年9月の中曽根康弘首相の発言にも表れた。彼は「知的水準発言」についての謝罪会見の際に「アメリカは多民族国家だから教育が容易ではなく、黒人、プエルトリコ、メキシカンなどの知的水準がまだ高くない。日本は単一民族国家だから教育が行き届いている」という発言をしたのである。そして、国会での釈明で「日本は単一民族だから手が届きやすいという意味だ」「日本国籍を持つ方々で差別を受けている少数民族はいない」と発言したため、同年10月、アイヌのウタリ協会などから「単一民族発言はアイヌ民族の存在を無視するものだ」という抗議を受けているのである。

 麻生氏はこの事を教訓としていなかったため、05年の発言を引き起こしたのである。そして、中曽根氏と同じく彼も、北海道ウタリ協会からの抗議を受けているのである。しかし、その経験から学ぶ事もなく、今回再び同様の発言を引き起こしているのである。彼はその発言に表れた自己の歴史認識の誤りを自覚せず、中曽根首相や自己の経験から学ぶ事もせず、発言を聞いた者に責任を擦り付け、あくまで自己を正当化しているのである。また、「訂正」すると言いながら、その「訂正」を明らかに示さずに済まそうとしているようで言語道断の態度であり、故意の確信犯である。

 麻生太郎氏は、父親の太賀吉吉田茂の娘との間に生まれた子である。太賀吉の娘は皇族寛仁親王と結婚した。麻生太郎氏の鈴木善幸氏の娘である。

(2020年1月17日投稿)


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