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東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

元塾生に数学の問題を説明して感心したこと

2014-05-21 11:15:56 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

久しぶりの雨で朝からしっかり降っています。予報では次第に回復し晴れるようですが、明日は晴れから雨になるようです。

昨日から将棋名人戦の第四局で羽生三冠が勝てば久しぶりの名人復位になります。森内名人に頑張って貰ってもう少し観戦したいですけど。

先日の土、日曜日と昨日、卒塾した高2生が中間試験の勉強に来塾しました。三角関数、不等式、世界史、古代ギリシャ哲学などいろいろな分野です。

今回は、その中で不等式の問題を紹介します。

問題は、「-1<a<1、-1<b<1、-1<c<1 のとき、abc+2>a+b+c を証明せよ」 というものです。

実はこの前に、
ab+1>a+b  式(1)
を証明する問題があって、これを利用する仕掛けになっています。

式(1)は、ab-a-b+1>0 を証明すれば良く、左辺を見ると因数分解したくなるので、(a-1)(b-1)とします。

すると、-1<a<1 と -1<b<1から、a-1<0、b-1<0 なので、
(a-1)(b-1)>0 となり、式(1) の証明ができました。

次に、最初の問題に戻って、
abc+2>a+b+c  式(2)
ですが、左辺の “2” が、式(1)の左辺にある “1” と重なって、式(1)を2回使えば解けそうな感じです。

そこで、式(2)の左辺の abc をa(bc)と考えて、式(1)を使うと、式(2)の左辺は、
a(bc)+1+1>a+bc+1  式(3)
となり、さらに、bc+1 に式(1)を使うと、
式(3)の右辺>a+b+c
となります。

まとめると、
abc+2>a+bc+1>a+b+1
で式(2)の証明ができました。

では、式(1)を利用しない場合(ヒントがないとき)はどうすれば良いかと言うと、オーソドックスに式(2)を次のように変形し、
abc+2-a-b-c>0  式(4)
を証明する戦略を採ります。そこで、式(4)の左辺を次にように変形します。

式(4)の左辺=(a-1)(bc-1)+(b-1)(c-1)  式(5)

ここで、-1<a<1、-1<b<1、-1<c<1、-1<bc<1 ですから、
a-1<0、bc-1<0、b-1<0、c-1<0 より、
(a-1)(bc-1)>0、(b-1)(c-1)>0 となり、
従って、式(5)の右辺は、
(a-1)(bc-1)+(b-1)(c-1)>0
です。

まとめると、abc+2-a-b-c=(a-1)(bc-1)+(b-1)(c-1)>0 で式(3)が証明できました。

この問題を説明していて驚いたのは、1年少し前まで中学生だった元塾生が、この問題を自力で解けないまでも説明を聞いてすらすら理解するということで、感心したと同時にとても嬉しいことでした。中間試験、頑張ってください。

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