【放浪記とその舞台】
先週借りてきた林芙美子の「放浪記」を読んでいる。
林芙美子は知らなくても…
映画化&ドラマ化された「放浪記」のコトは知っている人も多いだろう。
私は、「放浪記」はドラマで流れていたのを知っているが、今も昔もテレビドラマは嫌いなので😅、「放浪記」は見ていない。←ドラマを見ない理由は、現実のほうがドラマ以上にドラマティックだから…デス😁😁😁
では、なぜ今、「放浪記」なのか?
というと…
林芙美子の代表作だから👍
では、なぜ林芙美子なのか?
というと…
門司の出身だから…😁
公には下関出身…
とあるけれど、実際には対岸の北九州市門司区小森江付近で生まれ育った。
されど、出自は鹿児島県であり…
行商を営む両親のもとに生まれた彼女は、門司、直方、長崎…といった九州各地をはじめ、尾道、下関…等各地を転々としている。
自分の知っている街の記述を読むのは面白い😁
特に直方に関しては…
こんな記述をしている😁
門司のように活気のある街でもない。長崎のように美しい街でもない。佐世保のように女の人が美しい町(なぜか、ここだけ街ではなくて町と記述されている)でもなかった。骸炭のザクザクした道を挟んで、煤(すす)けた軒が不透明なあくびをしているような街だった。
直方も筑豊同様、炭鉱の街であったコトがうかがえる。
それにしても…
門司や長崎と比較されたら…
直方もたまらんね😅
【大正という時代】
花の命は短くて…
というように、彼女の人生もまた、短かった。
50年にも満たない人生の中で、史上最も短い年号である大正は、彼女の人生においてもメインとなる時代である。
「放浪記」は、「放浪記」「続放浪記」「放浪記第三部」からなる三部作なのだが…
この文庫本にその全てが収まっている。
今読んでいるのは、第一部の部分で、生まれてから20代前半の…
うら若き乙女?の時代の話である。
「放浪記」は彼女自身の日記をもとに綴られており…
従ってほぼ実話なのだけど…多少は盛ってある?😅
まあ、小説だから…
ソレもあり?
リアルフィクション、ってヤツですかね?👍
それにしても…
この第一部は…
暗い😷
果てしなく暗い😷
天井と壁があるだけマシ👍
と言わんばかりの住まいに働く先と言えば…
コレといった学校を出て資格も持たない者にとっては、女中や下女…遊女まがいの仕事しか無い。
実際に彼女を取り巻く環境も…
同様の階級の男女で溢れている。
一方で、詩を書くコトで気持ちを紛らわしていた彼女は、僅かながらにも文人と交流が芽生えていた。
明治維新によって四民平等が謳われつつも…
貧困対策の失敗をそのまま受け継いだ大正という時代は、西洋文化が日本国内に、市民に浸透していった時代でもあった。
その一方で、都会を中心に…
モダンガールにモダンボーイ…
モガ&モボ…
というコトバを今の若者たちは知らないと思うけど…😅
もちろん、私も見たコトは無いけど…😅
よく、母が口にしていた。
モガ、モボというコトバを👍
今思えば、大正時代は大正ロマン…
と言われるように…
庶民にとっては憧れの時代の側面も持っていたんでしょうね👍
貧富の差、都会と地方の格差…
そして第一次世界大戦と第二次世界大戦のはざまの、世界的にもきな臭い時代…
さらには当時流行したパンデミック…
スペイン風邪によって、多くの日本人が亡くなっている…
モガ&モボ…
といった華やかな側面とは裏腹に…
労働者層を中心に社会主義思想が広がっていく…
社会主義化、共産主義化を恐れた時の政府は、治安維持法を制定して、極端な社会主義思想家を取り締まる方向に出た。
なぁ〜んとなく…
今の時代に似ているな🤔
令和2年のこの時代に…
【ソーシャルディスタンスが邪魔をする?】
大正時代は令和2年の今に似ている。
違うのは、洋食が市民に浸透して…
カフェやレストランでカレーやコロッケといった洋食?を口にする機会が増え、外食産業に活気があったコト👍
そして…
当時の林芙美子のように…
コロッケを口にする機会も無いような貧困層には…
貧困層同士での強い絆(きずな)、人と人同士の強い結びつきがあった👍
うーむ🤔
他人と結びつきたくても?
ソーシャルディスタンス、という一言で片付けられてしまう?
今の世の中は…
ある意味、2つの大戦に挟まれていた大正時代より危険な?時代なのかもしれない。
そんな中で…
あらためて「放浪記」にあるような市井の人々の生き様が、この現在のムズカシイ?世の中を生き抜く知恵👍を与えてくれるのかも…しれない👍
あれだけ暑かった夏も過ぎ…
あっという間に彼岸花の季節デス👍
水引(みずひき)を連想させるようなカタチのこの花は…
神様の芸術品?♥