へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

林芙美子とその時代

2020-09-16 06:35:58 | 本・映画・音楽


【放浪記とその舞台】
 先週借りてきた林芙美子の「放浪記」を読んでいる。
 林芙美子は知らなくても…
 映画化&ドラマ化された「放浪記」のコトは知っている人も多いだろう。

 私は、「放浪記」はドラマで流れていたのを知っているが、今も昔もテレビドラマは嫌いなので😅、「放浪記」は見ていない。←ドラマを見ない理由は、現実のほうがドラマ以上にドラマティックだから…デス😁😁😁


 では、なぜ今、「放浪記」なのか?
 というと…

 林芙美子の代表作だから👍

 では、なぜ林芙美子なのか?
 というと…

 門司の出身だから…😁


 公には下関出身…
 とあるけれど、実際には対岸の北九州市門司区小森江付近で生まれ育った。

 されど、出自は鹿児島県であり…
 行商を営む両親のもとに生まれた彼女は、門司、直方、長崎…といった九州各地をはじめ、尾道、下関…等各地を転々としている。

 自分の知っている街の記述を読むのは面白い😁
 特に直方に関しては…

 こんな記述をしている😁

 門司のように活気のある街でもない。長崎のように美しい街でもない。佐世保のように女の人が美しい町(なぜか、ここだけ街ではなくて町と記述されている)でもなかった。骸炭のザクザクした道を挟んで、煤(すす)けた軒が不透明なあくびをしているような街だった。

 直方も筑豊同様、炭鉱の街であったコトがうかがえる。
 それにしても…
 門司や長崎と比較されたら…
 直方もたまらんね😅

 

【大正という時代】
 花の命は短くて…
 というように、彼女の人生もまた、短かった。

 50年にも満たない人生の中で、史上最も短い年号である大正は、彼女の人生においてもメインとなる時代である。



 「放浪記」は、「放浪記」「続放浪記」「放浪記第三部」からなる三部作なのだが…
 この文庫本にその全てが収まっている。

 今読んでいるのは、第一部の部分で、生まれてから20代前半の…
 うら若き乙女?の時代の話である。

 「放浪記」は彼女自身の日記をもとに綴られており…
 従ってほぼ実話なのだけど…多少は盛ってある?😅

 まあ、小説だから…
 ソレもあり?

 リアルフィクション、ってヤツですかね?👍


 それにしても…
 この第一部は…
 暗い😷

 果てしなく暗い😷


 天井と壁があるだけマシ👍
 と言わんばかりの住まいに働く先と言えば…
 コレといった学校を出て資格も持たない者にとっては、女中や下女…遊女まがいの仕事しか無い。

 実際に彼女を取り巻く環境も…
 同様の階級の男女で溢れている。

 一方で、詩を書くコトで気持ちを紛らわしていた彼女は、僅かながらにも文人と交流が芽生えていた。


 明治維新によって四民平等が謳われつつも…
 貧困対策の失敗をそのまま受け継いだ大正という時代は、西洋文化が日本国内に、市民に浸透していった時代でもあった。

 その一方で、都会を中心に…
 モダンガールにモダンボーイ…

 モガ&モボ…
 というコトバを今の若者たちは知らないと思うけど…😅
 もちろん、私も見たコトは無いけど…😅
 よく、母が口にしていた。
 モガ、モボというコトバを👍

 今思えば、大正時代は大正ロマン…
 と言われるように…
 庶民にとっては憧れの時代の側面も持っていたんでしょうね👍


 貧富の差、都会と地方の格差…
 そして第一次世界大戦と第二次世界大戦のはざまの、世界的にもきな臭い時代…
 さらには当時流行したパンデミック…
 スペイン風邪によって、多くの日本人が亡くなっている…

 モガ&モボ…
 といった華やかな側面とは裏腹に…
 労働者層を中心に社会主義思想が広がっていく…

 社会主義化、共産主義化を恐れた時の政府は、治安維持法を制定して、極端な社会主義思想家を取り締まる方向に出た。


 なぁ〜んとなく…
 今の時代に似ているな🤔
 令和2年のこの時代に…



【ソーシャルディスタンスが邪魔をする?】
 大正時代は令和2年の今に似ている。
 違うのは、洋食が市民に浸透して…
 カフェやレストランでカレーやコロッケといった洋食?を口にする機会が増え、外食産業に活気があったコト👍


 そして…
 当時の林芙美子のように…
 コロッケを口にする機会も無いような貧困層には…

 貧困層同士での強い絆(きずな)、人と人同士の強い結びつきがあった👍
 

 うーむ🤔
 他人と結びつきたくても?
 ソーシャルディスタンス、という一言で片付けられてしまう?
 今の世の中は…

 ある意味、2つの大戦に挟まれていた大正時代より危険な?時代なのかもしれない。

 そんな中で…
 あらためて「放浪記」にあるような市井の人々の生き様が、この現在のムズカシイ?世の中を生き抜く知恵👍を与えてくれるのかも…しれない👍



 あれだけ暑かった夏も過ぎ…
 あっという間に彼岸花の季節デス👍

 水引(みずひき)を連想させるようなカタチのこの花は…
 神様の芸術品?♥

 
コメント
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