外資系企業で働くある人の日記

外資系企業に勤務しているある人の日記。景気に左右されず、モティベーションを高く維持して頑張り続けます!

外資系企業 日系企業 働いていて感じた文化の違い

2007-03-25 23:59:21 | Weblog
数多くある日本と外国の文化の違いで、その相違点に最も大きく影響を与えているものはなんであろうか。私は、それを言葉だとおもっている。当たり前のことと言われたそれまでなのだが、なぜそう痛切に感じるかというと、それは日本語は、他の主要言語にはない、『上下関係』をある意味自然に規定してしまうからだ。ほとんどの日本人が、相手の年齢あるいは年次を常に意識している。そのため初めて話しをする際に、相手の年齢を直接的あるいは間接的にきいてくる。特に役所、そして銀行の人にはその傾向が顕著だ。 

この背景は日本の歴史、文化というしかないのだが、現時点で私が感じる大きな要因の一つに義務教育があげられる。感受性の強い中学生になったときには、ほとんどの生徒が、学年が1つ違うだけで先輩、同期、後輩という関係を意識することとなり、それぞれの格に応じた言葉を使い分けることが期待されてくる。クラブ活動では活動内容と同時にこの上下関係も叩き込まれる事が少なくない。 従って、就職する年にもなると、相手の年に応じて言葉を使い分けることが、なによりも当たり前になっているのではないだろうか。

理由は別にしてもこの言葉による『上下関係』は、ポジティブな面とネガティブな面がはっきりしている。ポジティブな面としては、この関係は居心地をうむ。あうんの呼吸で話し進む。大抵の場合何も考えずに『上』と『下』が決まりある程度良識の範囲で『上』をたてていれば話しはまるくおさまる。ネガティブな面としては『下』はなかなか否定的なことをはっきり伝えずらい、ということだ。しっかり否定してあげないといけない『上』がいた場合が非常にやっかいだ。 yes あるいは no とはっきり断言すると、『上』がヘソを曲げることになってしまい、物事がうまく進まないことになってしまう。「あいつは生意気だ」などと言われていじめられることも多いのではなかろうか。こういう『上』に職場で出逢ったらそれは不幸としかいいようがない。 次の人事異動の内示がくるまでジッと耐えるか、という話しも多いのではないだろうか。 

戦後から1990年ごろまでは、日本は経済的に大成長していて、個々がそれほどそれぞえれの能力を発揮しなくてもうまくやっていけた。敗戦により全てを失った時代から東京の時価でアメリカ国土が買える時代が到来したのだから素晴らしいの一言だ。この時代においては言葉による『上下関係』は非常にうまく機能した。 逆説的にいうと、この言葉があったから、世界でも類をみない発展を遂げたのではないだろうか。勤勉さをうりにしながら、下手に内部で争うことなく、日本丸は世界のレースで優勝できた。

ただしその優勝話は過去の逸話になってしまった。成長は止まり、この成熟した社会のレースにおいては、新たな競争に常に臨み続けないといけない。能力による『上下関係』が当たり前の国際社会で、年による『上下関係』による果実を得た日本がどこまでやっていけるか、大変興味深い。