野村克也の人生論『この一球』を読む。
野球には試合が終わった後に『あの一球』がゲームの流れを変えた、などという一球があるようだ。
私の一日にも、あの時という、瞬間が毎日ある。失敗ばかりで情けなくもなるが…
この一瞬は、真剣勝負というものだろう。この瞬間を野村克也は『切羽詰まった状況だからこそ、選択と集中が必要』という。この瞬間でうまく行かなければ、それを失敗といわずに成長という監督の言葉は失敗ばかりの私には重く響く。
野村克也氏は自分の育った境遇について書いていた。彼は3歳で父を亡くし、母は癌の手術を2度もする程でとても貧しい環境で育ったようだ。兄が大学進学を諦めてまで弟である克也氏を高校に行かせたようだ。そこで野球で生きていこうと決め、どうやって稼いで母を食べさせていこうか大いに考えていたようだ。相当な覚悟がこの時期に出来たに違いない。その覚悟が彼の運命、人生を決めた。あの時のあの瞬間を私も子供に持たせたい。