こども未来賞入賞作品

こども未来財団・読売新聞社主催のこども未来賞に、私の書いたエッセイが入賞しました。

少々長いですが、たくさんの方に読んでいただければ幸いです。
(C)未来財団・読売新聞社

「きらきら」

 今年の春、第二子を出産し、毎日子育てでてんてこまいになった。今が一番忙しく、だけど充実した日々なのよ、と母は私を励ましてくれたが、充実感をゆっくりかみしめる暇も無く、子供に振り回されて、ただただあっという間に一日が終わってゆく。疲れた、と言う暇さえない。
 上の子は二歳。のんびり、おっとりした性格で優しく、面倒見がいい。それでも、核家族で、夫は帰りが遅く、お風呂や寝かしつけまで全部私がこなさなければならない。子供たちと戦争のような一週間を過ごすと、週末にはへとへとになる。ストレスもたまり、イライラする日も多くなった。
 考えた末、とうとう週に一日、上の子だけを託児所に預けることにした。たった一日。されど一日。預けるときは上の子はいつも泣くが、この日があるおかげで、私は下の子の予防接種にいったり、免許の更新にでかけたりできる。この一日を有意義に使えるおかげで、物理的にだいぶ楽になった。
 先日、下の子の予防接種があり、上の子を託児所へ預けてでかけた時のことだった。託児所へのお迎えの時間があるので、私は早めに会場に並び、順番を待っていた。
 すると、私の後ろに大きなベビーカーを押して、一組の親子が並んだ。よくみるとそれは双子用のベビーカーで、やんちゃそうな笑顔を浮かべた二人が、窮屈そうに乗っていた。
「双子ですか?」
 と私が声をかけると、きれいな身なりをしたお母さんがハキハキと答えた。
「そうです。でも、この子たちが予防接種を受けるわけではないんですよ」
 話を聞くと、この双子の下に年子で男の子がいて、今日はその子が予防接種をうけるとのこと。しかも、この双子は、うちの上の子と同じ二歳児だった。
 自分は、手がかかるから、といって託児所に上の子を置いてきたのに、彼女は三人も連れてきていて、しかも手作りの小さなおにぎりを子供に手際よく食べさせている。かばんからは、次から次へと子供のおやつやお茶が出てくる。すごいなあ、と感心していると、彼女はさらに、
「この子たちの他にお兄ちゃんもいて、今年小学生になったんですよ」
 とあっさり言った。もう、参りましたとしか言い様がなかった。
 少子化が叫ばれる中で、4人の子宝に恵まれ、忙しいようだけれども、疲れもみせない彼女はとてもきらきらとして見えた。そしてそれとは逆に、私は自分にスモッグがかかったように、くすんでいるように感じた。
 彼女は両親と同居しているとはいえ、子供が4人いるとは思えないほど、おしゃれもして、腰には小さなファー付バッグ、髪もきれいに整えてあり、背筋もしゃんとしてステキだった。
 私はといえば、髪はぼさぼさ、下の子を猫背におんぶして、大きな荷物を肩にかけ、さも「大変なのです」というような大げさな格好をしていて、少し恥ずかしかった。
 彼女の話を聞き進むにつれ、どんどんと自分の甘さが見えてきた。忙しくて大変なのは、みんな一緒。大変と思うことを、どれくらい大変と思わずに頑張れるかの差だと思った。家庭によって、家族の協力体制も違うだろうけれど、「お母さんの忙しさ」は世界共通だ。それなら、大変な部分も楽しまなくては。そう思ったら、なんだかどんどんとやる気が沸いてきた。
 二人の子供の面倒くらい、彼女にくらべたら、何ということはないはずだ。今までは、私のまわりには子供が一人だけ、というお母さんばかりだったせいか、「二人も子供をつれた自分は大変なんだ。とても忙しい」と思い込んでいたようだ。
 でも、今日からは違う。実際に目の当たりにした4児のお母さんは、忙しさの中にも輝きをきちんと持っていた。私もあんなふうにステキなお母さんになりたい。
私の負けず嫌いな性格も手伝って、帰り道では自転車をこぐ力も強くなった。
 託児所で待っていた上の子は、迎えにゆくといつものように泣き出した。泣き顔をじっと見つめているうちに、くしゃくしゃの泣き顔も、耳をつんざく大きな声もかわいく思えた。そうか、今まで大変だと思っていた事は、私の気の持ちようひとつで、どうにでも変わるものなのだ。
 子供と毎日泣いたり笑ったりして、大変なのは私だけではない。ずっと昔から、そしてこれからも、世界中でたくさんの「お母さん」が一生懸命がんばっている。
今は私もその中のひとり。いつまでも、忙しい中でも頑張るお母さんでいたい。そうすれば、いつか、彼女のようにきらきらと輝くお母さんになれるだろうか。
 母が言っていた「充実」という日々が少しだけ、わかったような気がした。



読んでくださって、ありがとうございました。


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桜、共有

桜の季節になったので、メールを書くときに桜のマークをたくさん使えて嬉しいです。

本物ってこういうマークみたいなピンクじゃなくて、もっと白に近いみたい。
なのに、はなびらが重なっているところはどんどんピンク色になっていく。

近くの人が、
桜をみあげるときは、青空じゃなくて曇りっていうイメージだし、実際そうだよね、という話をしていたのを聞き、ああまったくその通りだなあと思いました。
桜は、はなびらがハート(心臓)の形をしているから、みていてこんなにどきどきするのかな、と考えながら、曇り空をみあげました。
だから、ほろほろと泣くように散るのかもしれません。

咲いている短い期間のうちに、こうして見れてしあわせ。
やっぱり日本人なんだな。
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100円ショップではなくて

100円ショップが閉店セールをしているというので、いってみました。
なんと!全品2割引!
じゃあ80円ショップじゃん!
うっほほーい!とアラレちゃん状態でお買い物です。
マメコとこつぶが使うお風呂スポンジを大量に買い占めてしまった。
うふふー。ごっ機嫌! 

なんでもないようなものを、ついつい買ってしまうのが100円ショップ。
子供もやっぱりそういう雰囲気を察しているのか、
「マメコね、これ買うことにしたから。」
と、勝手にプーさんのシールをかごに入れていた。
親に似たのね。。。

そして帰ってきてから、一番買おうと思っていた玄関用のほうきを
買っていないことに気づいた・・・。
私のおばか

大きいから、一番あとに買おうと思っていたのに。ああ、ショック。
結局、どうでもいいものばかり買ったということですよ。

今からでも遅くない、もう一度買いにいこうかなと思いつつ、
寒くてこたつから出られないのでした。





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働くお母さんを分析

新しくまた働く先を探しています。
自分に無理がないって、どれくらいなのかわからないけど、
通勤時間もあるお母さんもいるし、
残業してくるお母さんもいるし、
やっぱり少し頑張らないことには、仕事はできないんだな。

頑張れないなら、うちで専業主婦していればいいんだよね。

自分がどんなひとなのか。考えます。
まず、
ゆっくりうちにいて家事をするタイプなのか、
忙しくても働いて社会と関わりを持ちたいタイプなのか、
まずはその2択。
もちろん私は後者なのですけど。

そしてその後、
家庭に影響するほどの仕事がしたいのか、
収入に重きを置くのか、
家庭と両立する程度でいいのか、
などと自分の考えをまとめてみる。

そうやって自分がどんなお母さんなのか分析してから、
派遣会社などにその意志を伝えて、仕事を探してもらっています。

その分析を間違えてしまうと、
お母さんとしても、社会の一員としても、つらくなってしまう。

自分のことだけ考えていればよかった頃とは、
だいぶ違うことにとまどいもするし、
準備に時間も必要だし、
何より、ひとりではなにも進まなくなってしまったけど、
自分がどんなお母さんなのか、いつも少しだけ頭においておくと
ちょっとだけ楽になる。
ちょっとだけ頭を整理しやすくなる。

月曜には、仕事の連絡がくる予定です。
すごくこだわって仕事内容を交渉しているけど、
長く続けたいから、いい連絡がくるといいなあ。



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I'm lovin' it.

てりたまが発売されてるというので、無性に食べたくなってしまい、マックへ。
この手のものにめっぽう弱いのです。
秋は必ず月見バーガーを食べてしまう。
マックの思うつぼです。

マメコにはハッピーセットのハンバーガーにして、
家に持ち帰ってたべました。
でも、マメコはあんまり食べずにじーっとこっちを見ていました。

「たまご・・・ないな・・・」

そうなのです。
私のてりたまには、たまごが入ってるのですが、
マメコのハッピーセットにはたまご、ないのです。
ものすごく、しょげているマメコ。
ごめん。。たまご、すきだもんね。

ハンバーガーを放棄して、ポテトを食べていたマメコですが、
気がついたら、その放棄したハンバーガーを、
こつぶがわしづかみにして食べていました。
わー!!!こらー!!
と怒ってもすごくうれしそうなこつぶ。^-^;
まあいいか・・・。無駄にならなかったし。
マックを貪る10ヶ月児。おそるべし。
まだ早いと思うよ、お母さんは。

マメコには、今度はたまご入ってるの、頼んであげよう。
でも、カロリーとタンパク質とりすぎが心配。
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