バスの乗客

高さのあるヒールの靴を履いていた長女が、バスから降りる1段目のステップでよろけて、そのまま地面まで落ちた。
脚も手もすりむいて痛々しかったけど、運転手さんも、ほかの乗客も、誰も救けてはくれなかったらしい。
聞いていて切なくなった。

同じ日。
今度は帰宅しようとして、また長女はバスに乗った。混み合っていて、長女は立ったままだった。
そこへ、腰の曲がった高齢のおばあちゃんがすこし大きな荷物をもって乗ってきた。
運転手さんが「お席の譲り合いをお願いします。」と車内アナウンスしたけれど、誰も立たなかった。

バスという乗り物は、電車よりも優先席の必要性を強く感じる。以前杖歩行だったときに、電車と違って左右に頻繁に揺られるバスは結構大変だった。

立っていた長女は、おばあちゃんに近づき
「お荷物、お持ちしましょうか?」
と声をかけた。
おばあちゃんは、大丈夫ですよ、と言ってそのまま立っていた。その間も、結局長女がバスを降りるまでも、誰も席を譲ってはくれなかった。

この話を長女から聞いていて、うちの子というのではなく、長女は思いやり深いひとなんだなと、
子どもではなくて、「ひとりの人」として初めて感じた。
私が高校生のときには、絶対にそんな行動はとれなかったと思う。
その年齢で自分のとっさの判断で、すっとすぐに声かけられるのかと、びっくりした。
大人になった今でも、わたしは出来る自信がない。座ってるひとたちー、誰か立ってあげてくださーいって、心のなかで念じるだけになりそう。

普段、家では毎日毎日同じことを注意され(自分の洗濯物たたみなさい、お弁当洗いなさいなど)、正直、高校生になってもこんなことで困ったものだと思う日のほうが多かったけど、社会のなかの長女はなかなか素敵なひとだ。やるじゃん、そう思った。嬉しかった。
オロナインを塗ってあげよう。

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BBQにお漬物



何事もなければオリンピックで盛り上がってたはずの連休。コロナ前の考え方のわたしにとって、個人的には、この4日間で山に行こうかなと思っていた連休。ゴールデンウィークもそうだったけど、連休になると遠出させまいとするような悪天候の連続に、やっぱり日本て天照大神に守られてるのかしらなんて思ってしまう。

コロナ中の私が山に行きたくなくなったわけではないけど、家族の時間は楽しいなぁとコロナ前よりも深く思うようになり、他に費やすのが勿体ないなぁと感じているため、山は好きだけどまた今度ねとさらっと思えるようになっています。

高校生と中学生ってもっと家族と出かけないらしいけど我が家の2人はまだ一緒に楽しんでくれるので、この連休は近場のビル屋上のバーベキューへ!
遠出しないし、密でもないし、これなら天照大神さんも許してくれそうかなと、いそいそと準備していると外が真っ白になるくらいの大雨。そうだった、ひろさんは雨男なんだった。以前家族で出かけた高尾山も鋸山も相当降られた。
でも今回のビル屋上のバーベキューは屋根もあるし風通しも良くて快適。なはず。と、食材を買い込んでいざ!

最近はまっているお漬物、今日はナス漬け。ナス漬けの素なる便利商品でつけたので失敗のしようがなく、美味しい夏の味♪焼きミョウバンも買ったので、しばらくはナスの研究が続きます。ナスを揉みこんで青く染まった婆ちゃんの手の節の感じを思い出したりしながら、暗中模索するのが楽しい。
知らない、分からないことを理解していく工程が好きなんだな。音楽でも、ランニングでも。

バーベキューが終わる頃にはすっかり酔っ払ってしまい、こうなると左脚が思うように動かせなくなるのにサンダルで来てしまったので、歩くのにすごく時間がかかってしまった。見かねた次女は「先に帰るね」とあるき出し、長女は「つかまりなよ」って腕を出してくれた。待たれるのが嫌ってことを知ってる次女。杖持ってくればよかったと思ってたのを察してくれた長女。どちらも、私のことをわかっててくれるんだなって嬉しかった。

さすがにお肉を買い込み過ぎたので全部食べきれなかったから、次回は少し穏やかに買い込もう。明日は焼き肉丼にするしかないかな?

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ほっぺで3割

在宅勤務が続いて、娘たちもずっと家にいる。
まあお互いストレスを感じてるのに、さらに土日はひろさんもいる。
そして動かずに食べ続ける。
コロナ以外の敵が多いし強いよー。

毎年、家族で近所の公園で夜にささやかに焼き鳥たべてお花見するのが、ここ何年かルーティンだったけれど、それも叶わなかった。
この「ルーティン」というの、私はけっこう気にする。
昨年はこうだったのにな、とか前と同じことをしたいと思う派。案外冒険しない派。
だから昨年できたことが今年できないということにストレスを感じる。
なかなか、諦めがつかない。物事によっては何年も引きづる。

閉じ込められ生活が続いてた長女、先日の夜ふらっと家を出ていった。
「散歩してくる」
そっかそっか、と思って仕事を終えて買い物にも行かずそのまま夕飯づくりに突入した。
ひろさんが帰るまでになんとかご飯の用意をしとけるようになったのは、在宅勤務のよいところのひとつ。
日が長くなって、夜になるのも遅くなってきたとはいえ、夜に出歩くのは心配だけど、、、。

そろそろ夕食ができるかもという頃、長女が帰ってきた。ひろさんもいっしょに。
おお、お父さんといっしょで良かったねというどころか
実はお父さんを駅までお迎えにいき、その足でファミチキを買い、ジュースも買い(買ってもらい、だ)、
お父さんとふたりでいつもの夜のお花見を、歩いてしてきたらしい。
「座ってお花見できないもんね」

長女もお花見がずっと気になってたんだな。
夜の香りといっしょに、はいお母さんのファミチキもあるよって、
ベッタベタになったコンビニ袋を差し出す色白の長女のほっぺが桜色で、
ああ、、今年もお花見した気分になれたかも。
ひとつ、やり残しが消えたようで嬉しかった。

ずっとさみしがりで、だけどカギっ子にしてきた長女と、在宅勤務でずっといっしょにいられるのはとても貴重でやり直す時間をもらえたような、ありがたい時間。
「ハグすると、不安が3割減るんだよ」と言って、ストレスに弱い私がいらいらしていると、ぎゅっとしてくれる長女。
どっちが親かわからなくなるけど、ぎゅっとしてくれる間、ちっちゃい頃と変わらない長女のにおいにホッとする。
3割、減ったよ。
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しみこむ



ひじきの煮物、今回作ってみた組み合わせがなかなか良かった。
ひじき、にんじん、糸こんにゃく、鶏なん骨。
味がよくしみ込むうえに、鶏なん骨の適度な油とコリコリが、時間が経つほどおいしい。
味付けはビミサン。

朝ごはんの時、テレビみてゆっくりしていたら次女が
「お母さん、だいじょうぶ?」
とのぞき込んできた。
はて、何かまた忘れていたっけ?と思っていると
「ぐあい悪いのかとおもって。お母さん鶏レバー食べてるから」

たしかに少し貧血気味かもと、鶏レバーの甘辛煮も食べてたんだけど、そんなふうにわたしの朝ごはんを気にかけてくれていたとは。
朝はただスマホでゲームしながら紙兎ロペ見てるだけかと思ってたのに、次女の気づかいはとても嬉しかった。

ほっこりしたよい朝だと思ったのもつかの間で、
先に出た長女から、定期券Suicaがない!とLINEがきた。
どこにあるのかもわからない、らしい。
部屋は探す気になれないなと思っていたら、運よく洗濯かごの中から見つかったので、鷲掴みにして
もちろんまだスッピンのうえ髪も結わず、さらには上半身はパジャマかなという格好のまま、裸足でランニングシューズを履いて駅までダッシュ!
10月というのに暑い朝。
遅刻して単位落としたら大変、とすごく慌てたのに
駅から来た長女は、片手にスマホいじりながらのんびり歩いてきた。

のんびり屋「あ、来てくれたぁ\(^o^)/」

そ っ ち が 走 っ て こ い !!

一瞬イラッとしたけど、なんか長女の「来てくれたぁ」ていうことばに
10年以上も前になるのに保育園のお迎えのときの長女を思い出して、なんだかほっこりしてしまった。
いやほっこりしたけど、また家まで全力短距離走で帰ったんだけど。

三つ子の魂、百まで。
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年末の川崎大師

長女の受験勉強もいよいよ大変そうで、家族もそわそわ。
こんな時こそどっしりした母ちゃんでいたいのに、自分でもびっくりするくらい落ち着かない。
色んなことがうわの空だし、お返事返せてないメールとかありそうで困る。

出かけるヒマがあるなら勉強したほうが良いんだけど、今日は家族で川崎大師へ。
七五三や厄除けなど何かあるときはうちはいつもお大師様です。
クリスマスイブにお護摩炊いてもらって祈願するのもなかなかいいでしょ。
家族の都合があうのが今日だけだったんだけど、長女が高校生になればきっともうこの先こんなクリスマスイブはないでしょう。



合格成就をお願いするつもりで行きましたが、入試など学校受験は「入学成就」になるんだそう。
受付で、合格成就は資格試験取得に使うと教わりました。へぇ。

受付を済ませて本堂へ。いよいよお護摩祈祷です。
読経のあいだ鳴り響く大太鼓の迫力がすごくて、足がしびれるのも忘れてお祈りしました。
お護摩のあとは本堂のなかをとおり、学業成就の御本尊・稚児大師さまを参拝。
七五三で来たときよりも長女もずいぶんしっかりしてきたんだなあと改めて感慨深いものがありました。
木札を頂戴して本堂をあとにします。



みんなでひいたおみくじが小吉、末吉、末吉、凶(笑)。
それぞれが少しずつ良いほうに向かうといいね。

家に帰ってからは、まだ重たいものが持ち上げられない私に代わって、タイヤ交換のためスタッドレスタイヤを運んでくれた娘たち。
勉強したいのにー!とか言いながらもお手伝いしてもらえて、嬉しかった。


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