ランニング再開


ヘルニア手術から70日。
まだ大きなコルセットをぎゅーっと締めていて苦しいし、坐骨神経痛はほとんどないものの、左脚のしびれは術後から変わらず。
でもしびれがあったって歩けるし、ペースは落ちたけどほとんどの行動ができるんだから、ランニングも出来るのかも?
そう思って、走ってみました。
しびれが取れるまでなんて言ってたら、何にもできない。

先日、入院中にお世話になった方に偶然再会したら、彼女のほうが私よりも2週間もあとに同じ手術をしているのに、すっかり元気で、目の前で前屈したり屈伸したりで、今週から仕事も再開するというエネルギッシュぶりでびっくりした。
「あなたは慎重すぎるのよ!もうなんだってできるよ!」
と、いつでもおっかなびっくりのビビリの私に、元気な笑顔で言ってくれたことにも、背中を押されている。

だけど実際に久しぶりに走ってみると、びっくりするくらい走れない。
文字通りにヨロヨロ、ヨボヨボの情けない有り様だけど、歩けなかったところから比べたら大進歩!
嬉しくなってしばらくゆっくり走っているうちに、自分は随分フォアフットで走っていたことに気がついた。そんなつもりはなかったけど、左脚の中指~小指側にかけてつま先までバッチリしびれているので、足をつくたびに自分が足のどの部分を使っているのかがよくわかった。



何日かヨロヨロ走るような真似事をして、とうとうホームコースの多摩川河川敷まで来ることができました!
今までもその開放感は気持ちよかったけど、今回は達成感も相まって梅雨空を感じないくらいの開放感を味わいました。
やはり不整地を走るのはものすごく快適。アスファルトの硬さに比べたら、土のやわらかな反発力はなんとも心地良くて、どこまでも走りたくなりました。
今はヨロヨロだし、速く走るのは夢のまた夢だな~と思っていたところに、後ろからトレランスタイルのお兄さんが走ってきて私を抜かしていきました。
リュックを背負っているあたり、随分上流から走ってきたのか、このあと河口のほうまでゆくのか、どちらにしてもかなりの距離を走るようにみえた。だからきっと、そんなに速いペースではないはずなのに、ああ今の私はそのペースにすら着いてゆくことができない。こんなことじゃ、今まで行ってた練習会に復帰なんて何年かかるのやらと思って久しぶりにつけていたランニングウオッチをみると「7'40"」。
こんなに必死に走ってんのに7'40"!がっかり。



走りながら、先月エベレストで亡くなった栗城史多さんのことを想った。
彼がまだエベレストに挑戦する前、ダウラギリのアタックの時は感動して、面白いなあと思って本を読んでみたり実際に会いに行ってみたりした。身長もちっちゃくて、握手してもらった手もちっちゃくてあたたかかった。あの手ももうこの世にはない。
エベレストを何回も敗退して世間から批判されてたけど、酸素使ってもいいから一度あの頂きに立ってほしかった。
著書のなかで「限界は自分で作った壁」というような表現があったと思う。いま思うように走れないと思っているのはビビリな自分が作っている「壁」なんじゃないのかな?と思って、もう随分離れてしまったトレランスタイルのお兄さんを追いかけてみることにした。

腰から胸まであるガッチリしたコルセットをつけたままだから、身体をひねることができない。
以前のようにポーンと地面を蹴れば、またいつ髄核が飛び出すかと思うとこわくて強く飛べない。
でも少しずつペースを速めてみる。かなりあげたつもりでも、お兄さんはどんどん離れていく。時計は「6'35"」マジデスカ。
左ふくらはぎに違和感が出てきて、ひゅっと怖くなった。張りがでている。でも1キロだけ!と決めてペースをあげていく。ふくらはぎに違和感がくるのは、やっぱりフォアフットすぎるんだろうか?
3月に倒れる前に重点をおいて取り組んできたフォーム改善の続きをまたここから実践してみる。フォームを確認して身体が楽になるポイントを見つけてあげると、急に加速するのがよくわかった。「6'04"」。
でももう限界~!
キロ5分台の数字はまた後日にお預けになったけど、そう遠くないうちに「5」の表示を見れるような気がした。
できない事ばかりじゃない。

多摩川、また来るね。

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第4回信州安曇野ハーフマラソン

6月3日(日)、今年も安曇野ハーフは快晴でした。
会場付近まで送ってもらい、北アルプスを確認♪
朝の北アルプスの稜線には少し雲がのっています。



田植えをしたばかりの田んぼが美しいです。
テンションあがる~。

今年はヘルニア療養中のため走れませんが、
せっかくAブロックのナンバーカードをもらっていたので、せめてスタートに立ちたいと思って参加しました。
スタートから、拾ヶ堰まで約250mほど。走って(歩いて?)、やめるつもりで。



会場の芝生がふかふかで歩きやすくて(*^^)v。
屋台で食べ物を買うひと、木陰で休むひと、スタート前だけど安曇野らしいゆったりさがあります。
シャトルバスがどんどん到着して、公園はランナーさんたちでいっぱいになっていきます。
ランニングチームの仲間も参加してくれているので、会場で合流。都内で一緒に走っている仲間が、わたしの故郷を走ってくれるなんてありがたいことです。

幼なじみのテントへ遊びにいったり、シューズ円陣に混ぜてもらったりして、スタートまでの時間はあっという間に過ぎていき、スタートブロックへの整列。
AブロックとBブロックの間に入り、信濃の国を歌う。
つらかった3月と4月を思ったら、今ここでスタートブロックに並んでいることがすごいと思った。
またこんな風に、立てるようになるとは思えなかった。もう杖も持ってない。
毎日お見舞いに来てくれた家族、友達たち、病院の先生、看護師さんたち、スタッフさん、いろんなひと達を思い出したら泣けてきたので日よけのために持ってたタオルでぐいっとぬぐって、スタートの合図で走り出す。
混雑でゆっくり動き出して、動いてる身体に感謝して念願のスタートラインを踏みました。

でもまあ予想通り走れるわけがなく(笑)、転倒したら危ないので早々に歩道へ避けて、応援側にまわりました。
スタートしてすぐゼッケンつけて見送っているわたしに「もうあきらめたのか!」と知らないランナーさんから叱られましたけど、笑顔で全員をお見送り。



田んぼのむこうを、カラフルな一列がすぎて行きます。
調子がよければ、このまま自転車ひろばまでいって応援しようかと思ったのですが、幼なじみの参加するファミリーランを応援しました。親子で走るっていいですね。すごい熱の入ったおとうさんとかたくさんいて、ちょっとびっくりました。

ラスト1キロくらいのところで、ランナーさんを全力で応援!
ものすごい暑い中、日陰もまったくないところを走ってくるランナーさんをみて、思わず応援もヒートアップ。
ヒートアップすると方言が出ますけど気にしない。
「暑い中ありがとう!」っていって頂いたり、もう声もでないほどギリギリで走ってるランナーさんと目で「がんばって」が伝わる瞬間が何度かあって嬉しかった。うなづくだけでも充分に。

ゴールした仲間と合流して、暑かったねー!と何度も言い合う。
完走賞は今年もお米(5合)!おにぎりにねぎ味噌、トマト、マシュマロ、たまねぎスープなどが振舞われました。
こんなに暑いのはランナーさんも応援も運営陣も本当に大変だったと思います。今後は大きな総合体育館ができる予定もあり、雨天での心配も減るので、また安曇野ハーフマラソンに参加しようと思ってくれるランナーさんが増えるといいな♪


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私の愛のすべて


安曇野ハーフマラソンで帰省したので、今年のお楽しみは美術館めぐり。
レース後は瑞祥でさくっとお風呂に入り、松本市美術館へ。
現在開催中の
「草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて」を観賞しました。
(2018年3月3日(土)〜7月22日(日)松本市美術館)

今回草間彌生さんの作品を初めて鑑賞しました。
今まではあの水玉のひとかあ、あのデザイナーさんにも似てるなあくらいしか知識がありませんでしたが、作品の背景や彼女の人生は知れば知るほど、そのあとに惹きこまれる魅力が作品に感じられて、見入ってしまいました。
水玉も気になるけど、網柄のほうがなんだかずずっとその網にかかってしまいそうな感覚になり、ファンが多いこともよくわかるきがしました。

後日、テレビ番組で戸倉上山田温泉のアメリカ人の旦那さんが旅館を切り盛りしていて、頭に草間彌生さんの「かぼちゃ」のような柄の手ぬぐいを巻いていた。世界に愛される彼女だから、こんなに今作品に愛があふれているだろうなあ。
インプットされないものは、アウトプットのしようがないもの。

前日にみた高橋節郎さんといい、作品に「ふるさとにかえる」という言葉が出てくるものがあって、世界をかける芸術家のお二人でも、ふと、この松本や安曇野の風景を想う日があったんだなぁと思うと、胸がきゅっとなりました。
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