果実酒の瓶

入院中に仲良くなった女性と会ってお話するのがすごく楽しくて。
彼女はいま87歳。
あの暗い、消灯前の廊下でお互いに歩行器なしでは歩けなかった夜から、そろそろ半年が経ちます。自分の体調と同じように、お互いの体調を気づかい、色んなことを語れて嬉しい。
彼女はヒザを、私はヘルニア、と症状はまったくちがうけど、
こんなに歳が離れても、すんなり仲良くなれることもあるんだ。

人とのご縁の不思議を感じます。

おうちでいただいたカレーが美味しかった。
私が作るのとも、実家の母や祖母が作るのともちがうカレーの味。
まるまるりんご1つ、すりおろして入れてるんだそう。
具は色んな夏の野菜たち、ナス、レンコン、パプリカ、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、お肉が少し。あとは何が入ってたのかな。
真似をして作るようになりました。

今年は梅干しを作ったけど、梅酒まで作ることが出来なかったという話をしたところ、
処分に困っているという梅酒を頂くことになった。
納戸から出てきた果実酒のびんが3つ。
さすがに一度に持てないので、お邪魔するたびに少しずつ運ぶことに。
「平成9年」のラベルのびんが、持ち手が味わいがあって好きになり、瓶ごと頂いた。

彼女がこの梅酒を作っていた頃、私は仕事が楽しくて仕方ない頃だった。
コンクールバンドで吹奏楽の色んな曲が吹けて嬉しくて、のめり込んでいたなぁ。
懐かしい。

同じ東京にいながらも、そのときは会うこともなく、いや会っても仲良くはならなかったと思う。
今のわたし、今の彼女だからこそ、話して楽しいと思う。
それぞれの時間を、ちょっと思う。

あの廊下での時間、すごくつらくて痛くて嫌な時間だったはずなのに、
彼女のおかげでよい思い出になってくる。

頂いたびん、うちで大切に使っていきます。

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