たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

「坊がつる讃歌」(再)

2024年05月12日 18時58分13秒 | 懐かしいあの曲

gooブログの「アクセス解析」の「アクセスされたページ」欄を、時々覗くことがある。「アクセス数」を気にしてでのことではなく、すっかり忘れてしまっているような、随分前に書き込んだ古い記事にアクセスが有ったりするのを、楽しみにチェックしている風なのだ。
そんな記事に目に止まった瞬間、「エッ、こんな記事にアクセス?」と驚くと同時に、「そう言えば・・・・」、記憶が蘇り、つい、自分もクリックし、改めて読み返してみたりしているのだ。
「gooブログ」「記憶力がまるで無くなっている爺さんの自分のための記憶補助ツール」と決め込んでいる爺さんには、「アクセス解析」もまた、便利で有難いツール、大いに活用しているという次第。
先日、7年前に、ブログ・カテゴリー「懐かしいあの曲」に書き留めていた記事、「坊がつる讃歌」にアクセスが有ったことに気が付いた。
「おお!、懐かしい!」・・、早速、コピペ、リメイクすることにした。
そんな古い記事を、クリックひとつで引っ張り出して読んだり、加筆、訂正、修正、コピペ、リメイク等が出来るのも、ブログのメリット。従来の紙ベースの日記、日誌、備忘録、懐古録、雑記録の類では、絶対考えられないことであり、ブログを始める前までは、想像も出来なかったことである。今、出来ることは、やってみる・・、長生きした分、その時代を少しでも享受したいものだ等と、つぶやきながら・・・。


「坊がつる讃歌」

今から9年前、2015年5月に、当時はまだ、時間的余裕、精神的余裕の無い自営業を続けていた頃だったが、どうしても1度は訪れてみたいと思っていた九州の「九重山」を、妻と二人で訪れたことが有った。
すでに、「その内いつかなんて言ってられない」歳になっており、「今でしょ!」と 清水の舞台から飛び降りる思いで、訪れたものだったが、今となっては、「九重山」もまた、二度と訪れること叶わない思い出の山となっており、あの時、思い切って訪れて、本当に良かったと思っている。
ギリギリの日程だったため、九重山の一角、平治岳、大船山、坊がつるを、日帰りで巡り歩いただけではあったが、天候にも恵まれ、それなりに満足して帰ったような気がしている。

「九重山」と言えば、「坊がつる讃歌」、
あの四面山なる「坊がつる」を、「坊がつる讃歌」を口ずさみながら歩いたことが思い出される。
「坊」とは、鎌倉時代に開かれた「九重山法華院白水寺」を指したもので、明治時代に「法華院温泉山荘」となり現在に至っている。
「つる」とは、川の有る平らな土地を意味している。
つまり、「坊がつる」とは、「法華院近辺の湿地帯」ということになる。

今更になってネットで調べてみると
「坊がつる讃歌」の原曲・元歌は、広島高等師範学校山岳部の第一歌「山男の歌(広島高師の山男)」なのだそうで、これを、九州大学の学生が、「坊がつる」を題材にして替え歌にしたものなのだという。その替え歌がその後、主に九州の山岳愛好者の間に広まり、さらに、1977年には、歌手の芹洋子が、野外コンサートで阿蘇山麓を訪れた際に、宿舎で若者達に、この替え歌を教えてもらったのがきっかけで、翌年には、NHKの「みんなのうた」でも紹介され、シングルも発売され大ヒット、全国的に知られるようになったのだという。
芹洋子のイメージで、抒情歌?の雰囲気の曲に聞こえるが、歌詞や旋律には、旧制高校時代の寮歌の匂いも漂っているような気がして、初めて聞いた時から、お気に入りの曲のひとつになってしまっている。

「坊がつる讃歌」・芹洋子 (YouTubeから共有)

「山男の歌 (坊がつる讃歌の元歌、広島高等師範学校の山岳部歌)」・緑咲香澄


振り返り記事
古い写真から蘇る思い出の山旅
「九重山」
👇️
こちら


 

コメント (4)

藤原緋沙子著 「花の闇」

2024年05月12日 15時28分21秒 | 読書記

図書館から借りていた、藤原緋沙子著 「花の闇」(廣済堂文庫)を、読み終えた。本書は、著者の長編時代小説、「隅田川御用帳(すみだがわごようちょう)シリーズ」第2弾。
「第一話 虎落笛」「第二話 かがり火」「第三話 春萌」「第四話 名残の雪」の連作短編4篇が、収録されている。
「隅田川御用帳シリーズ」は、縁切り寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」の女主人お登勢(おとせ)に雇われた、元築山藩藩士の浪人塙十四郎(はなわじゅうしろう)が、「慶光寺」の寺役人近藤金吾や、橘屋の番頭藤七等と共に、縁切りを求めて「橘屋」に駆け込んでくるいろいろな女達の様々な事情を探り、絡み合う悪事や謎を解明、愛憎乱れる 女と男の深い闇を、人情と剣とで見事に解決していく、悲喜こもごもの物語である。

「第一話 虎落笛(もがりぶえ)」
▢登場人物
杢助(もくすけ)・おこう、岡野左源太、加納喜平次、近江屋清太郎、
▢あらまし
評判の大福餅を振り売りする醜男の杢助と美貌のおこうは、仲睦まじい夫婦と聞かされていたが、そのおこうが、橘屋に駆け込んできた。何故?。行方不明だった杢助の弟、岡野左源太が見つかり、顔を合わす内、惹かれてしまったというのだが?、単なる夫婦のもつれではなさそう?、お登勢、十四郎等が調査開始するが、杢助が殺害される。
元築山藩で十四郎と同輩だった加納喜平次と近江屋が浮上してくる。
不義の罪を着て、逝ったおこう、

  「なんてことを・・・・」、お登勢は襦袢の袖を引き出して、
  おこうの顔についた泥を払った。
  俄に冬の風が立ち、おこうの白い顔をなでた。
  虎楽笛が・・・、十四郎の耳には聞こえた。

「第二話 かがり火」
▢登場人物
鉄心、日照、伝七(元霞の伝蔵)、波江、華枝、柳庵、相模屋徳兵衛、竹次郎、
▢あらまし
光臨院の若い僧鉄心が、橘屋に駆け込んだが、男は受け入れられないと 断わられる。その鉄心が水死体となって発見された。鉄心は、何かの薬を飲まされて死んだ後に川に投げ込まれた疑いがあり、お登勢、十四郎、藤七達が、探索開始、真相究明に取り掛かる。さらに、独身の金吾が乗り気になった縁談の相手、華枝が、懐剣で自害。何故?、光臨院は、将軍側室お多摩の方ゆかりの寺、扱いが難しく、十四郎は、楽翁に相談、暗示させるアドバイスを受ける。
  「日照は、今宵、神隠しに遭った。よいな」
  十四郎が念をおす。
  「十四郎、今夜は華枝のために飲みたい。付き合ってくれるか」
  遠くのかがり火を見詰めて金吾の声には張りがあった。

「第三話 春萌」
▢登場人物
お秋、小太郎、お艶、兵吉、長次郎、向井達之進、亀屋鶴蔵、
▢あらまし
お秋は、3年前に古着屋を営むお艶所有の裏店に入り、お艶の店で働き出し、同じ裏店に住む下駄職人兵吉と所帯を持ったが、兵吉が博奕、女、喧嘩をするようになり、夫婦別れをしたいと橘屋に駆け込んできた。お秋は、8年前には、花屋敷の水茶屋にいて錦絵にもなった看板娘だといい、無役の旗本向井達之進が甲府勤番を申し付けられたのについて、甲府へ行ったはずだという。
何故、江戸に?、なにか裏が有る?、十四郎達が、探索開始、真相究明に乗り出す。
向井達之進が江戸に舞い戻り、美人局(つつもたせ)?
  「つまりだ。お前たちは、長屋の連中やまる留の親方まで巻き込んで芝居を
  打ったという訳だ」、十四郎は、柳原の土手で川風に当たりながら、厳しい眼を
  お艶に向けた。
 
「第四話 名残の雪」
▢登場人物 
美濃屋治兵衛・お静、増吉、吉蔵、笹子屋房五郎、赤沢左内、小田切伝八・雪乃、
▢あらまし、
橘屋の主お登勢の代役で酒問屋の聞き酒に出掛けた十四郎、藤七が心配するほど、高価な酒をがぶ飲みし、ふらつきながらの帰途、咳込んで斬られようとしていた浪人を救ったが、その浪人の名は、亀山藩士小田切伝八、父親の仇、元藩士赤沢佐内を討つため藩を出て江戸に出てきた人物だった。十四郎のかつての許婚雪乃の夫であったことが分かった。
一方で、橘屋に、美濃屋の内儀お静が駆け込んできて、夫治兵衛を激しく非難、お登勢、十四郎が調査を開始するが、予想もつかなかった方向に展開していく。
伝八が、十四郎のかつての許婚雪乃の夫であったことが分かり、失望、落胆、怒り、嫉妬、やけ酒でダウン。感のいいお登勢には見透かされ、言葉を荒げてしまい・・・。
しかし、生活苦から身を落とし、労咳を装っている伝八、敵討ちを成就させ、息子小太郎のために、お家を再興させたい一心で身を売る雪乃を、放置すること等出来ない十四郎。伝八のためではなく、かっての許婚雪乃のために、助太刀をしようと心に決めるのだったが・・・・。
  「ヤーッ!」、
  居合い一閃、一本の太い竹を斬り下げた。十四郎の怒りの一刀、
  こらえにこらえた白刃が、今放たれて月光にきらりと光った。
  何かが終わった。終ったが、胸に空いた穴は埋めようもない。

(つづく)