Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

岳友の墓の前で

2014-08-24 01:22:12 | 山とクライミングの話

先日、岳友(先輩)のお墓を訪ねた。

ほとんど毎年と言っていいほど、山の仲間が山で命を無くしていく。しかし、自分の登山パーティーで亡くなったのは、この先輩だけだ。私は長年、毎週のように山やクライミングに出かけているが、「自分と一緒に行った仲間には、絶対事故に遭わせたくない」。そう思ってきた。しかし数年前のヨーロッパアルプスで、とうとう事故が起きてしまった。痛恨の1日だった。

私はこのことを忘れない。これからも登り続けて行く限り、私はこのことを忘れてはいけないのだと思う。もう自分の目の前で仲間が死んでいくのは見たくない。経験の無い方には分からないかもしれないが、ついさっきまで元気に楽しく一緒に山を登っていた仲間が、一瞬のうちに会話もできない、呼びかけにも答えない、そして動いてもくれない。もう永遠に、だ。こういう現実が自分の目の前にある。私は「この人の代わりに死にたい」とまで思った。だから「痛恨の1日」なのだ。出来ればその前の時間に戻りたい。戻ってやり直したい。でもそんな後悔は「先に立たず」だ。

しかし、それからの数年間、私はそういう思いを活かしてきただろうか。全く十分ではない。やはり途中でその強い思いが薄れてきたしまう時があるのだ。そういう時にいい加減なことをやってしまう。でも毎年、この日にはあの強い思いに立ち返るために、先輩の墓を訪ねるのだ。私のようにクリスチャンには、墓をお参りするという考え方は無い。でも、ここに来るたび思いを新たに出来る。自分や山仲間の命を大切にしていくためにも、毎年ここを訪ねようと思う。

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2 コメント

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彼との約束! (岳人)
2014-08-26 09:56:47
速いもので彼が亡くなって6年が過ぎました。私も毎年訪ねて彼の前で「何時か或る日」を歌って来ます。私の目の前から、大きな口を開けて滑って行った彼の顔を時々思い出します。しかし、その日は私にとって掛け替えのない仲間8人と憧れの山に登れた最高の日でも在りました。人間は常に完全ではないと思ってます。その未熟な力を補って繰れるのが「結び合ったロープ」と、古い考えの私はもう少しクライミング?を続けたいと思ってます。
Unknown (Chimney)
2014-08-28 01:57:08
なぜあの時、あそこであんなことが起きてしまったのか。それを考えるとき、私は孤独です。

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