Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

やさしいボルトルートについて考えた

2016-09-28 00:51:11 | フリークライミング

9月26日。未開拓の岩場でルート開拓作業をした。

今まで私が開拓したルートは、下から登りながら支点を構築し登るスタイル。つまりトラディッショナルなルート開拓を基本にしてきた。しかし今回はスポートクライミングのエリアであることや、ラインが難しそうであることに加えフェースなので、ラッペルボルトの開拓になりそう。ロープにぶら下がって、あらかじめドリルを使った支点構築をするのは初めて。

ただ私は「ラッペルボルト」を否定しているわけではない。そうやって開拓されたルートをだって頑張って登るし、上手になるためにはトラディッショナルなルートばかりではだめなのもわかっているから。それに加え、ボルトルートは、純粋に登ることに集中できて楽しい。

だから今回は、今までトレーニングとして利用させてもらってきたボルトルートを、自ら開拓してみようと思う。

目標のラインは、少しかぶった25mのラインで、トップロープで登った感じでは、グレードは5.11c位だと思う。この日は岩の裏から回り込んで下降しながら、ホールドがつながっているかどうか確認し、作業用のフィックスロープを張り、作業用に手打ちの中間視点を打った。そしてトップロープで試登。

試登でもパンプしてしまったので、このルートの作業はここまでにしましたが、初心者にうってつけのラインがあったので、ルートを作りました。

10mほどの小さい岩峰ですが、登れば岩の上に立てます。

上級者が登ればボルトなどいらないかもしれません。しかしボルトを3本打ちました。

なぜなら、上級者が感じる「落ちない自信」は初心者に対しては通用しないからです。

どうせボルトを打つなら、そのレベルの人の安全を考慮して設計したほうが良いと思ったのです。

 

私は、初心者を岩場に連れて行くことが多いのですが、初心者にリードさせられるルートが少ないのです。

簡単なルートも上級者が作るので、「落ちっこないからボルトはいらない。」という気持ちで作ってしまいます。

でもそのグレードの人は、そんなルートをリードできないし、見ているほうもひやひやです。

だから初心者が登るルートは、ボルトの設定も初心者用にしたほうがいいと思ったのです。

 

本来私は、「落ちてはいけない」というクライミングを追及しているのですが、

一方で、落ちながら練習することも大切だと思っています。

トラディッショナルなルートでは「絶対落ちてはいけない」という場面も出てきます。

でもそういうルートを克服するためには、落ちながら腕を磨くことをしなければ、克服するのは難しいでしょう。

 

ですから、初心者でも死なずに練習できるルートは必要です。

開拓者は、このルートを登るであろう人を思ってボルトの数や位置を決めることが必要です。

 

しつこいようですが、私はあらかじめ支点が構築されているルートよりも、

自分で支点を構築しながら登るほうが好きですし、それが目標です。

でも、トレーニングとして、またはスポーツとして登るルートは安全であることを考慮しなくてはなりません。

 

この初心者用のルート。5.7 10m 中間のボルト3本。

「いいんですか」

 

「ボルトが多すぎる」という人がいると思いますが、初めてリードを体験する人の気持ちを、またはそういう人を連れて行く気持ちを考えたら妥当だと思うのです。

私はフリーソロでも構いませんが。

 


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奥秩父東沢 東のナメ沢

2016-09-12 22:23:58 | 無雪期山岳クライミング」

9月12日。3年ぶりの沢登りに行ってきました。

 

月稜会の会山行で、東沢に日帰り4パーティー(鶏冠谷右俣3名・左俣3名・東のナメ沢3名・西のナメ沢2名)、1泊1パーティー(西俣3名)で行きました。

 

駐車場を全員で7時ちょっとすぎに出て東沢に向かいます。みんな前夜の宴会で夜中の2時過ぎまで飲んでいたのに元気だ。私は「6時起床」と言ってあったのに6時前に起こされて不機嫌。

西俣組は行程が長いのでどんどん先行していきます。残りのメンバーはのんびり歩き、鶏冠谷の出合で分かれます。

 

東沢のアプローチが思いのほか悪かったのと、多少水量が多くて、渡渉でいちいち裸足になっていたので時間がかかりました。

東のナメの取りつきに9時着。

 

私は特にバリエーションルートでは、ガイドブックはあまり読まないし、下調べもしないようにしています。

地形図を頼りに登りたいからです。

でもなぜか、この沢の大ナメはクライミングシューズがいいということは以前から知っていたので、クライミングシューズで取りつきました。

 

傾斜のないスラブの水流の右をぺたぺたと150mほど登り、平らなところで水流の左にわたります。そこから20mほど登ったところにビレー点があり、ここからビレーしてもらいます。

50m登りましたが、プロテクションはナッツで1か所取ったのみでした。

 

残地ハーケン2枚のビレー点から次のピッチに取りつきます。出だしでバンドを右にトラバースすると、そこにはもっとしっかりしたビレー点がありました。

さらにトラバースしようと思いましたが、ぬれていて滑るので、真上に見える垂壁を目指して直上。しかしロープの流れが悪くなり、20mほどで灌木を使って後続の二人を迎える。

 

さてここから垂壁基部に沿って目指す釜に向かうが、ほんの数mだけ非常にぬめっていてトラバースできない。

行きつ戻りつした後に、あきらめて垂壁を登ることにしました。

みじかい垂壁の上にはよくハーケンが効きそうなリスがあったので、そこにハーケンを2枚打って下降支点とし、、スラブに降りてテンショントラバース。

後続の2名も振り子トラバースに似た要領で到着。

あ~、怖かった。

 

最後の傾斜の強いフェースはホールドも残地支点も豊富で難なく登り、そのうえで左岸の樹林に入った。実質的にこれで大滝は終了。

その上には似たようなスラブの滝が2つあるが、巻いて登った。もう12時になってしまった。少々手こずってしまった。

今日のパートナーはぼくりんと山ちゃん。

大ナメの登攀を終えたところ。

 

そこからの遡行はごく初歩的な沢登りで、地図を読みながら、また地図ではわからないところはカンでルートを選び詰めていく。

滝も終わり、水も涸れ、詰めにかかる。シャクナゲが多くなってくる。

次第に踏み跡がはっきりしてきて稜線も近づいた感じがしたころ、上から別パーティーのコールが聞こえた。

わが会の鶏冠谷左俣パーティーでした。登っていくと鶏冠尾根の登山道に出て合流。

いいタイミングでした。

何時だったか忘れた。

 

鶏冠尾根の下山は、心配していたほど迷いやすくも悪くもなく、いつもの通りだが、全員鎖もトラロープにも触らず下山。

今日はもともと雨の予報だったが上々の天気だった。でも下山でとうとう降り出したが、よくもってくれた。

強力な晴れ女が参加していたからだろうか。

鶏冠谷出合を経由し、西沢渓谷の観光道路を歩いていると、前に西のナメ沢パーティーが歩いていた。

 

4時半に駐車場に着くと、鶏冠谷右俣パーティーは車で寝ていた。彼らは13時に戻って昼寝をしていたらしい。どんなルートか知らないが早すぎるだろう。

日帰り組は順調に山行を終えました。

 

私も会山行でなければ、沢に行く機会など滅多にありませんが、久しぶりに楽しみました。


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カサメリに新ルート開拓

2016-09-06 00:16:09 | フリークライミング

9月5日(月)。瑞牆カサメリ沢に行ってきました。目的は7月に掃除したラインを開拓すること。ラインはモツランドの「たぬき」と「ジャガバター」のあいだのライン。イワタケだらけでしたが、掃除をすればきわめて自然に登れるラインでした。7月に「たぬき」から回り込んでトップロープを掛けて掃除をし、そのまま登ってみました。その時は岩がぬれていたので5.11はあるように感じましたが、同時にNPでも登れる可能性も感じていました。

今日は九州に台風が上陸し、天気予報もよくなかったのですが、行ってみたら快晴。岩もバリバリに乾いていました。

 

 

小さめのカムを準備して、まずはNPでトライ。ムーブを楽しむならボルトを打ったほうがいいと思いましたが、もしNPで登れるならNPで登ったほうが自分らしいと思ったのです。「高グレードだけがクライミングじゃない」という自分にはそのほうがふさわしいと思ったから。でもトップロープでリハーサルしているから、登ること自体は問題ない。しかしフェースルートで満足なプロテクションをセットできるかは未知の要素です。

 

登り始めてみるとプロテクションの効きはよくない。かなりリスキーなクライミングになります。やはり「ここでは落ちてはいけない」ということを感じながらのクライミングになります。

 

やはり「ここで1手出していいのか」ということを考えながら登ります。でも結果的には登りきることができました。今日はコンディションが良かったので5.10cだということもわかりました。

 

プロテクションは信用できないので、あっちこっちから取りヌンチャクで連結し、こんな感じになっちゃいます。プロテクションが取れるところを見逃してはいけません。

ごく自然なラインです。出だしはちょっとジムナスティックかもしれませんが、難しいわけではありません。

出だしは縦、横、斜めのカチの連続で、後半はポケットやスローパー。終了点はステミングでしっかり立って終われるルートです。

 

「海賊の娘」5.10c NP

今年の3月に初孫が生まれました。名前は「景(きょう)」。少し前に「本屋大賞」になった「村上海賊の娘」という小説の主人公である村上水軍(海賊)の娘の名前を取って「角屋 景」です。

同じカサメリには「医者の娘」「漁師の娘」というルートがあり、登らせていただきましたが、それに肖って「海賊の娘」にしました。

 

どうぞ登ってください。ただし先に書いたように、プロテクションは決して安心できるものではありませんので気を付けてください。

私らしいルートができたと思います。


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高グレードにしか目が向かないのではさみしいクライミング

2016-09-02 01:10:46 | 山とクライミングの話

スポーツとしてのクライミングは盛り上がっているようだ。確かにクライミングはスポーツとして楽しめるアクティビティーだ。そしてスポーツクライマーの登るレベルは飛躍的に向上していて、始めて1年で5.12を登ったり、ボルダリングの初段を登ったりすることも珍しくないらしい。

しかしその反面、それだけ登れるクライマーが、岩場でのアプローチでつまらない怪我をしてしまったり、プロテクションのプアなルートで敗退したり、ぬれた岩の5.9/30mをリードするのに2時間かかったりするのはいかがなものか。またロワーダウンの途中でロープがスタックしてしまって降りられなくなったとき、解決方法がわからなかったりする。

こういうことを書いて発信するのは、登れなくなったクライマーの僻みと思われるかもしれないが、あえて発言してみる。クライミングというのは単なるスポーツではなく、冒険だ。冒険とは目的を果たすためのチャレンジであり、目的が果たせなくとも必ず生きて帰ってくることに対してのチャレンジだ。だから「勇気」「冷静な判断力」「豊富な知識」「賢さ」などが必要だ。ただの体操だったら、クライミングというオリンピック種目はいらない。体操床演技の垂直種目でいい。

私も子供たちのスポーツクライミングを指導する立場だけれど、クライミングをただの体操として教えたくない。クライミングの「精神」や「文化」は学んでほしいと願っている。


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今日はジュニアクライミングスクールの合同練習会でした

2016-08-27 01:04:47 | 山とクライミングの話

8月26日。今日はジュニアクライミングスクールの合同練習会でした。「アラジン」「ポケット」「ビッグロック」のジュニアクライミングスクールが合同で、過去2回「アッコマンカップ」というコンペを開催しましたが、今回は合同の練習会でした。

夏休みが終わっている子も多くて、親子合わせて15人ほどの練習会でしたが、普段ボルダリングジムで練習している子もトップロープやリードクライミングをみんなで練習し、保護者の方にはビレーを練習してもらうなど、豊富な内容(やることが多すぎたという反省もありました)が、1日中(時間が長すぎたという反省もありました)頑張って練習しました。

それでも、初めて会う子供同士でも、次第に打ち解けて励ましあったり、応援しあったり、登れなかった時は一緒に悔しがったり、お互いに刺激を受け、共に頑張る友達がいることを知ってくれたと思います。スポーツクライミングが2020年のオリンピック種目になり、今は子供たちのモチベーションが高まっているように見えますが、伸び悩んだ時や疲れた時、やはり一緒に頑張る仲間がいることが大切だと思うのです。一人で頑張り続けることはとても難しいことです。でも仲間がいればそういった壁も乗り越えられるかもしれません。だから、いつも一緒に練習している仲間のほかにも、違う場所で、同じように頑張っている仲間がいることを知ってほしいと思っています。競技者を目指す子供たちだけではなく、これからの長い人生を充実させて過ごすためにも、仲間と一緒にクライミングを続けてほしいという願いがこもった企画です。

また保護者の方には、子供たちが打ち込んでいるクライミングがどんなものか理解していただき、子供の練習のパートナーになってもらえるように考えていました。本気でクライミングをやりたいと思っている子供たちには、やはり親の理解と協力が必要です。親が子供を教えるむずかしさはあると思いますが、スクールで習ったことの反復練習や、子供の自主的なトレーニングのパートナーとして、ぜひ一緒に楽しんでもらいたいものです。

クライミングはそれだけ本気で打ち込む価値があるものだと信じています。これからも子供たちや、その保護者の方のサポートをしていきたいと思います。


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スポーツクライミングが五輪競技に

2016-08-06 01:07:35 | 山とクライミングの話

昨日、ビッグロックのジュニアスクールでした。数名の生徒が「クライミングがオリンピックの種目になったね」と話しかけてきました。「ああ。この子たちも関心を持ってるんだな」と、ちょっとうれしい気持ちになりました。みんなオリンピック選手を目指して頑張ってくれるとうれしい。でも4年後の東京オリンピックでは正式種目になるけど、そのあとのオリンピックで正式種目になるかどうかは決まっていないらしい。

年齢的に東京オリンピックには間に合わないかもしれないけれど、もし本当に目指したいなら私もそれなりに努力して答えてあげなければ。ほかの指導者の力も借りたり、私の手元から放すことも含めて。

スポーツクライミングは、日本人が海外の選手に対して大きなハンディがない種目です。むしろ日本人に有利な種目かも。(スピードクライミングはどうか?) メダル獲得が大いに期待できる種目だと思います。だから、今後日本のクライミング界が盛り上がる可能性も大いにあるでしょう。

ただ、そうなったとき、心配なのが、「クライミング」がただの競技になってしまうことです。スポーツクライミングの選手が、岩を登ったことがない、という時代になってしまわないか。本物の岩登りを知らないクライマーがオリンピックのメダルを争うようなことになってしまったら、これは悲しいことです。岩登りは「冒険」です。自分の命を守りながら、体だけでなく頭や心をフル稼働して行う行為です。だから、スポーツクライミングでも、本当のクライミングの精神はなくしてほしくない。

ほかの種目を見ても、切れない刀で戦う剣術や、殴られても蹴られてもいたくない防具を身に着けて行う武術があるが、それはそれなりに、精神的なことは受け継ぐ努力もしての上だと思う。剣術がただの人殺しではなく、武術も人を傷つけるためのものではない精神。「何とか道」といわれるものは、世界共通の心惹かれる精神性がある。クライミングもそういう精神性を受け継ぐ努力をしたうえでスポーツとして発展していけばいいなと思う。


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天然記念物に打たれたボルトの問題で、JFAに対する反応について感じたこと

2016-07-08 01:10:23 | フリークライミング

クライミングルートを開拓してきたクライマーは、この問題が潮時を迎えるのを待っていることでしょう。

私は、この問題に対する多くのクライマーの意見の中には違和感を持つものがあります。もちろん共感できるものもあります。新たにボルトを打ったクライマーの気持ちや事情まで理解しようとしているのか。その問題を解消しようと努力しているJFAの目的を理解しようとしているのか。この問題に関して、あまりにも思いやりに欠けたコメントが横行していることが気になります。これは単なるマナーの問題ではなく、クライミングの文化にかかわる問題だと思うのです。同じクライマーであるにも関わらず、自分は「犯人の仲間ではない」という人は、ただ人が作ってくれたルートをトレースしているだけで、開拓者の心を感じ取れない感性の持ち主であるような気がしてならないのです。私も共感できる開拓者とそうではない開拓者がいますが、ルートによっては、その感じ方も違います。

もちろん、天然記念物に指定された岩に、ボルトを打つという行為を許そうとしているわけではありません。しかし、その経緯を十分に理解し、許せることは許し、許せないことは罰するというような理解をしないと、「誤解が生んだ理不尽な結果」、または「人の善意が報われない結果」になりそうな気がします。ただそこには、当事者の「考慮の甘さ」があったことは否定できませんが。

さて、それに対してJFAも行動を起こしてくれています。その行動は、我々クライマーの活動を守るための行動です。そのためにはクライマーの文化を、一般社会に理解してもらわなくてはなりません。なぜ、天然記念物の岩にボルトがあったのか。そして、どうして新たにボルトが打ち直されたのか。その辺を理解してもらおうと努力してくださってるのだと思います。しかし、仲間であるはずのクライマーの中から、問題をJFAの責任と感じているコメントも見受けられます。果たしてそうなのでしょうか。

JFAに限らず、スポーツや文化組織というのは、大抵、そのスポーツや文化の正しい普及や振興を目的に存在しているわけで、そのスポーツや文化を楽しんでいる人たちを組織化することや、規制をすることが目的ではないはずです。フリークライミングを楽しむためにはJFAに登録をしないとできないわけではなく、誰でもフリークライミングをすることは出来るのです。
私は子供の頃、川や貯水池で水泳をしていると、「危ないからここで泳いじゃいけない」と、近所の大人にしかられましたが、水泳連盟が「川や貯水池で泳ぐのはやめましょう」
などと言いません。私を叱った大人だって、水泳連盟の責任だなんて思いもしないでしょう。今回のように、クライマーと社会の摩擦は、クライミング文化の妨げになるので、JFAはそれを取り除くために活動されたと思います。全く頭が下がる思いです。こうやってクライミングのできる環境を守ったり、一部のクライマーの起こした問題で、クライミングという文化が社会から否定されないよう活動してくれているのだと思っています。問題は我々クライマー一人一人にあるのに、JFAに責任があるような言い方をするのは、問題を、またはJFAという組織を理解していないのだと思います。

 
 さらにこの問題を理解するには、クライミングそのものの歴史、クライミングの方法やスタイルの変化、それに伴うプロテクションの変化と使い方、プロテクションに関わる倫理的な理解が必要になります。だけどクライミングを知らない記者が理解するのは大変だなあ、と思います。
色々な誤解を解いていくには時間がかかるでしょうね。

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ビッグロック日吉店「奥壁伝説」

2016-07-01 00:51:21 | フリークライミング

普段はビッグロック日吉店で登っています。ルートセットもするので、「お客様の登れた時の笑顔を見たい」という思いで、低いグレードではできるだけ登りやすいルートを作りがちですが、奥壁は「登りにくい」というのではないのですが、グレードは辛いです。「辛い」というより「自然の岩場基準」です。ほかの壁に比べたら、みんな「辛い」と思うでしょう。でも、「面白いルート」が多いのも事実です。今日登ってみて改めて思いました。

なぜそうなったのかは、オーナーの親分の一言。「この壁は手加減しなくていい」でした。そういわれると、思い切り「生岩チックに」セットできます。気分よく登れるかはあなた次第。でもこの壁で気分よく登れれば、岩でも通用すると思ってください。

普段あまり人気のない「奥壁」ですが、本当は「玄人好み」のルートがそろっている壁なんです。ちなみに「タワー」は初心者や講習会向けのやさしい設定です。(ゲストセッターのルートはそうとも限りませんが)


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新ルート登攀記1

2016-06-20 22:36:54 | 無雪期山岳クライミング」

2016年5月23日に初めて訪れた岩場。期待を越えたスケールで心が躍った。

この日は月稜会のいとしゅーをパートナーに、アプローチの確認、岩場全体の概念を把握、そして登れそうなところに手を付けてみた。

この岩場は上下に二つの岩峰に分かれていて、それぞれ100m近い高さを持っている。まず残地のリングボルトとハーケンがある、上部の岩場の右端を登ってみたが、残地があったのは取りつきだけで、完登はされていない様だった。あまりすっきりしない内容で40m+20mのやさしいクライミングだった。やさしいと言っても、グレード的にはやさしいが、岩のもろさと支点をとれるところの少なさで、緊張するクライミングではあった。

そのあと、下の岩峰に移動し、岩の堅そうな、すっきりしたラインを選んだ。

岩はことごとく逆相で、花崗岩だがクラックは閉じてしまっている。どこにプロテクションが決まるのか判然としない。この日用意したプロテクションはキャメロットの0.5~3番まで2セット、エイリアンの赤から緑まで2セット、ナッツ1セット、カットアンカーのボルトキットだ。クラックは閉じてしまっているので、ナイフブレードが有効であるように見えるが、あいにく持参していなかった。

私がリードで取りつく。10mほど登りレッヂに立つが、全くカムやナッツを効かせるところがない。ここまでは5.7くらいだが、この先は少し難しくなりそうだ。少し考えて、バックロープでボルトキットを上げてボルトを設置。岩が固く、1本打つのに小川山や瑞牆の3倍くらいの時間がかかる。もちろんボルトなど打ちたくはないが、仕方ない。ボルトを打つなら、最低限グランドアップで手打ち。これだけは守りたい。「トラディッショナル」なクライミングというものはそういうものだと思うからだ。

ボルトを打った先は、カムを使える場所を見落とさないように、しかもホールドをつないでルートを見極める。少し直上した後に右にトラバース。また直上して左に戻るが、この辺りはフットホールドが高くカチや縦ホールドやアンダーホールドで乗り込むムーブが連続する。カムは小さいサイズをクラックとは呼べない岩の隙間にセットしていくので、思い切ったムーブを起こすには勇気が必要だ。

核心部をこなして直上するとテラスがありそうだった。しかしアンダーホールドに決めたカムは信用できず、この直上の1手が出ない。手の届くところの岩は明らかに浮いている。その上にガバカチがあるが、手を出す勇気がない。手前のかろうじて手を放せるところで再びバックロープを引き上げボルト2本目。ここは傾斜もきつく足場も大きくないので、打っている途中に墜落しそうで恐ろしかった。バランスを崩さないように静かにハンマーを振る。ハンマーを振る腕がパンプスる。手首が痛く、ハンマーをしっかり握れないが、もうこの場所からはどうしても登りきらないと無事には帰れないのだ。そう思うと手首くらい壊れても仕方ないという覚悟が生まれる。カットアンカーの先が数ミリ入ると、ホルダー自体がホールドになるので安心できる。あとは力の続く限りハンマーを振るだけだ。死に物狂いでボルトを打ち、カラビナにロープをクリップすると、死の淵から戻ってきたような気持ちになる。

「この上がテラスであってくれ!」と祈って突っ込む。手を出してみたら、実はそれほど難しいムーブではなかったが、これが「初登」というものだし、ボルトの魔術でもある。このボルトが残ることで、次から登る人は、私が感じたことと同じことを感じることは不可能になってしまうかもしれない。しかし良い感性の持ち主であれば想像はできるだろう。そこが妥協点だ。

ワイドクラックともいえる凹角を抜けると果たしてテラスだった。左下に太い松の木があるのだが、足場が悪く、ビレー点には使えない。今日は時間的にもここで終了となるので、ボルトのビレー点を作る。一安心でロワーダウン。しかしこの日のロープは50mだったので着地ができない。途中でバックロープをつないでの着地になった。

1ピッチ目のグレードは5.9 27m。 プロテクションはキャメロット3と0.5各1 エイリアン赤以下緑まで。ボルト2本。

*取りつきから15m直上。右にトラバース後、数m直上。左に戻り顕著な凹角を登りテラス。

 

 

6月20日。約1か月ぶりにこの岩場に戻ってきた。この日のパートナーは月稜会のみじかいさんとアンジェラ。女性2名だ。まずはもっと楽なアプローチはないだろうかと探ったが、結局時間がかかってしまった。しかし帰りにわかったのだが、本当は最短だっただろう。岩場の近くでうろうろしてしまっただけのようである。このアプローチは使える。

 

今日はプロテクションにナイフブレードを追加してみた。ナッツもペッカーもスカイフックも用意した。使わずじまいだったけど。

先月登った1ピッチ目をリードする。やはり2度目は落ち着いていける。しかし、プアなプロテクションには変わりないので緊張はする。フォローのみじかいさんは、核心のトラバースで落ちて振られ、ラインの左からフリーで登りなおした。つまり左からも登れるということだが、ボルトを打たない限り相当なランナウトになるライン。

1ピッチ目フォローのみじかいさん。5.11aくらいは登るのだが・・・。

 

続いてアンジェラもテラスに到着し、いよいよ未知の2ピッチ目。出だしはやさしいが、やはり1ピッチ目と同じく、プロテクションはプアである。岩の隙間を見つけてエイリアンの小さいサイズを決めていかなくてはならない。10m弱登ったところでブッシュに入り、ブッシュを抜けると右上にある上向きの大きなフレークに立つ。ここで先のラインを見極める。右に行くのは簡単そうだが、岩のもろい地帯に突っ込んでしまうラインなのであきらめる。残るは目の前のスラブを2mほど登り、左のオープンブックからカンテにのっこすラインだ。しかしスラブを上がるまでのプロテクションが取れない。またボルトの出番だ。

スラブにカチホールドを拾い、水平クラックを左にトラバース。オープンブックの向こうのカンテを目指すが、右手がアンダー、左手がカンテで左足の小さなフットホールドが不意にかけてしまった。手前のカムが浅効きだったので、思わず大声を出してしまった。落ちるかと思った。何とかカンテに立ちこんだ。ここがテラスであることを願っていたが、自分一人がやっと立てるだけだった。しかもその上には15m以上はテラスがなさそう。もう頻繁に使う小さめのカムが足りない。しかし幸いなことに、そのレッヂはエイリアンの赤がバチ効きだったので、セルフビレーを取り、ボルト1本を設置して、今日はここまでで終了とした。このボルトは、登るためには必要ないので、次回は撤去する予定。ナイフブレードもバックアップで打ってあるが、これも撤去予定。

2ピッチ目(途中)のグレード。5.9 20m。 プロテクションキャメロット2 エイリアン赤から緑1.5セット。

*ビレー点から直上。左上のブッシュを通過し、右上の大きなフレークに立つ。数手のスラブを登り、水平クラックを左へトラバース。オープンブックからカンテを乗越して1人用のレッヂ。

 

2ピッチ目出だしの私。

 

2ピッチ目をトップロープで登るみじかいさん。

 

実にアルパイン的な岩場である。

たかが5.9と思われるだろうが、クライミング技術だけでは登れない。

クラックシステムとは言えないスラブ・フェースクライミングなので、当然プロテクションはクラックより難しい。

「トラディッショナル クライミング」という言葉が一番ふさわしいかもしれない。

何年も前にSさんとともに登った「一粒の麦」のように、全く残置物を残さないで登れたら理想的だったが、

どうやら今回の岩場は別物のようだ。

でも、それは「また違ったプレゼント」をもらったようで、すごくうれしい。

 

「ボルト」という妥協の産物を残さなければ登れないことは残念だ。(フリーソロができるのなら良いのだが)

ただ登りながら最小限のボルトを打つことは、「トラディッショナルクライミング」の範疇であろう。

これは非常にスリリングなことだ。

次に登る人はボルトがあることによって、このスリルは味わえないが、

こういうルートは感性豊かなクライマーにこそ登ってほしい。

初登者の気持ちを想像しながら登れるクライマーにこそ登ってほしい。

まだ完登してないけど・・・。

 

 

 


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KBT岩フリークライミング

2016-06-08 01:04:35 | フリークライミング

6月6日。KBT岩に行ってきました。月稜会の集会日で、午後2時までしか登れません。この日は月稜会のメンバー6人にゲスト1名の7人でした。私はひじの痛みが治っていないので、やさしいのを登ることにしました。

 

やさしいのはクラックなので5.8から5.9の4本を登り、後は5.10a

のフェースと5.11bのフェースを登りました。

「林」5.9はワイドムーブのある楽しいクラック。カムがキャメロットの3番までしかなかったので、ボルトを使ってしまいました。

「風」5.9は、とても面白かった。レイバックからハンドジャム、高いフットジャム。

「小春」5.9は出だしが厳しかった。グレードは辛い。

「十月」5.8は快適なNPフェース。

「はじめの一歩」5.10aも快適なフェース。

「祝退職」5.11bも面白かった。終了点直下の返しはジムっぽい。


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