今日は午後にまとまった時間が出来たので、車を洗い、クライミングスクールのパンフレットを作り、銀行に行った。
洗車しながら思いだした言葉。若くして山で亡くなった仲間が良く言っていた言葉だ。「人生のテーマは『生き方をSimpleにしていくこと』です」。彼は良くこの言葉を口にしていた。
私はめったに車を洗わない。洗わなくても走るからだ。私は車を洗いながら「本当に今日しなければならないことは車を洗うことだろうか?」と考えた。では車を洗わずに何をするべきなんだろう。「きれいな靴を買いに行かなきゃ。」「いや、まだ今の靴で大丈夫。」とか、「そろそろ部屋を片付けたほうがいいんじゃないか。」「いや、そんなに散らかっていない。」とか、「そうだ!銀行口座の残金はどうなっているんだろう」「これは確認しなくちゃ。」とか、「クライミングスクールのパンフレットを新しくした方がいいんじゃないか。」「これは今日中にやろう。」とか。「でも本当はもっと他にしなけりゃならないことがあったんじゃないか。」とか。
そういう訳で、洗車は適当に切り上げ、優先順位をつけてパンフレット作りを済ませ、銀行に行ったのです。
「Simpleに生きる」ことをテーマにしていた友は、どんな生き方を考えていたのだろう。彼は山登りとクライミングを覚え、カナダに移住した。山岳ガイドの資格を取り、山やクライミングジムで仕事をし、結婚もした。しかし、日本にいた時より、生活は随分「Simple」になっていただろう。本当に身の回りにおきたいものだけをおいて、そうでない物は欲しがらない生き方をしていたのだろうと思う。
私はどうか?今のところ「Simple」とは対極にいるように思える。必要であるのかないのかわからない物を身の回りにおき、いろいろなことに顔を突っ込み手を出し、なくてもよいものを捨てられず、それでもまだいろいろなものを欲しがり、とりあえずこの現状を維持しようとしている。
「なくても良いものは捨て」「必要でない物は欲しがらない」。本当に自分にとって必要なものだけを残すようにしていったら、一体自分には何が残るのだろうか。そしてどんな自分になるのだろうか。そう考えてみると答えは出てくる。必要なものは、そう多くはないし、どうしても手に入れなければならないものもない。今の自分には有り余っている。
わかってはいるのだが、難しいテーマだ。