花好き・旅好き80代の北国女性の日記(ブログ開設16年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だったが、新型コロナ禍と膝の不調が重なり、家の回りの生活が主になった。

秋の韓国旅行(5)

2012年10月17日 | 海外旅行「韓国」

《世界遺産「安東河回村(アンドンハフェマウル)」 》

「安東河回村」は小さな村だが、2010年7月にユネスコの世界遺産に認定され、韓国で10番目の世界遺産になった。
貰ったパンフレットによると、世界遺産として登録されたのは朝鮮王朝時代の貴族階級である両班(リャンバン)文化が継承されていて、朝鮮時代の儒教的な建築物が残され、風水を利用した自然地形が活用されている。それで保存が必要だが、急速な都市化、現代化によって存続が危ぶまれる事例だというものだった。

先ず、小さな古い韓国風食堂で昼食に「安東さば定食」を食べた。店の入り口に立つ木彫りの看板が風情があった。
塩さば半身が1人前だったが、油の乗ったさばは塩味が薄くて美味しかった。

  

その後、村を散策した。数度目になる今回の韓国旅行で、私がまだ来ていなかったのはここなのだ。
この村は豊山柳氏が代々600年暮らして来た韓国の同姓村で、どの家も姓は『柳』であり、朝鮮時代の儒学者『柳雲竜』と現代の首相に当たるかっての領議政『柳成竜』の出身地だそうだ。
また、村を囲むようにS字型に流れている洛東江によって「河回村」と呼ばれている。看板に全景が画かれていた。
現在は125世帯、232人が農業などで生活をしていた。丁度稲穂が実った田んぼが黄金色に輝いていて、鳥除けのかかしが立っていた。
家々の柿の木には、色づいた柿が沢山なっていた。

  

  

  

儒教の「男尊女卑の思想」が具現化された家があった。
写真の右側が主人など男性の室と玄関が設けられ、塀で仕切った左側に女性の生活の場と出入り口があるのだ。
現地ガイドの女性は、しきりと「男尊女卑の風習は早くなくなって欲しい。」と話していたが、韓国は日本以上に儒教の影響が現代でも実生活に強く尾を引いているようだ。
長い間、韓国には《同本同姓の男女の結婚禁止規定》が民法にあったが、3年前に改定された。
つまり、姓が同じで先祖の出身地が同じなら、遺伝上子どもに問題が起きるので結婚できないというものだった。
韓国では、実際大半の人が金、李、朴等という限られた幾つかの姓であるため、結婚が著しく阻害されていて問題となっていたのだ。
法律が改定されたことをガイドは知らなかったので、私が教えたら早速調べたらしく「分かった。」と言っていた。

        

村で一番高い広場に行くと、樹齢600年という大きな欅(ケヤキ)の木があり、人々が願い事を書いた紙が沢山結わえてあった。
川岸を歩いたが、向こう岸に断崖絶壁があった。ここはよく映画の撮影に使われるらしい。民族服を着た郵便配達と出会った。
散策中出会ったのは修学旅行生と数人の観光客だけで、他の世界遺産には見られない全く静かな雰囲気の村だった。私はこの村に韓国の精神的な風土の元点を見たように思った。

  

     

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2 コメント

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Unknown (モコモコ)
2012-10-17 19:05:34
ソナタさん今晩は
秋の韓国旅行楽しませてもらってます!
両班と聞くと私的にはもちろん韓国時代劇ドラマですね。
どの国もいろんな形の階級制度の歴史を経て現在に至っており、当地でも存続が危ぶまれる程近代化が進んでいるのですね。
同本同姓の結婚禁止令はわずか3年前の改正ですか、ただこれもドラマから思うことですが、韓国は儒教の影響が大きいということで、家族を敬う心に日本とまた違った形にとても感心させられます。
韓国ドラマに終始してすみません、ソナタさんのリアル韓国、味わっていますよ。



Unknown (ソナタ)
2012-10-18 10:50:26
モコモコさん、お早うございます♪
薔薇の剪定を2時間して家に入ったところです。
こちらはすっかり寒くなりましたよ。最低気温は1桁で最高も16~7度です。昨日は薄い羽毛布団を買いました。タオルケットだけでは寒くて寝ていられなくなりました。
ところで韓ドラ、今は「不屈の嫁」「広開土太王」「キム・マンドク」を見ています。
その他、世界遺産のドキュメンタリーも幾つかです。皆VTRに取って見るので、夕食後から遅くまでTVの前にどっかり座り続けています。
韓国の儒教信仰ですが、親子兄弟の絆の強さは良いとして、社会の近代化の壁になっている部分も大きいようですね。
日本よりも男尊女卑、長幼の別が強いのは問題ですね。

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