花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

私の住まい史(7)

2008年02月18日 | 暮らしと住まい・耐久消費財

 上の子どもはすでに家を離れて本州の大学に行っていた。

 下の子どもが中学を卒業すると同時に、私の札幌への転勤が決まった。地元の高校への合格を果たしていた子どもは、札幌の高校に編入できたので、その子どもを連れての単身赴任だった。
 住む場所を探す時間がなかったので、取り敢えず職場の近くという条件を優先して借家を見つけて契約し、バタバタと引っ越しをした。

 入居後分かったのだが、その場所は、札幌に多い泥炭地の中でも特に地盤の悪い地域だった。
 その冬、何度か大雪が降った。その借家は建ててから25年位しか経っていなかったが、その都度、屋根に積もった雪の重みで家の一部が少しずつ土中に沈下して行くのだ。平均に沈下するなら問題は小さいが、弱い地盤の所が一番沈下するので家が歪み、玄関や居間のドアがきちんと閉まらなくなった。

 私は慌てて図書館から「札幌の地勢研究」の本を借りて勉強した。
 それによると札幌は、南部の丘陵地を除き、大半が泥炭地で、地表から10~25m下まで水分と腐葉土が大半を占める軟弱な泥炭でできている事を知った。
 (反面、地下水が豊富に得られるため、都市の中心部に建つ高層ビルが地下水を汲み上げ、その影響による地盤沈下が問題になったりもしていた)
 それで、当時の新築住居の大半は、地面から地中の硬い岩盤迄到達するように、予め長いコンクリートの杭を数十本打ってから、その上に基礎工事をする工法で建てられていた。
 5階建て位の新築マンションを見に行った時、基礎工事の設計図面を見せて貰ったら、25mの杭が百数十本入っていた。
 この杭打ちはもの凄く高価なのだが、それをしない家は数年後には傾き出し、バランスが崩れて外壁に亀裂が入るのだった。私の借家が建った頃は、まだこの工法は行われていなかったのだろう。

 入居した年の夏、震度3程度の地震が起きた。居間に下がっていたガラスのシャンデリアが大きく揺れて、もう少しで天井にぶつかり落下する所だった。私は肝を冷やした。その地域では、震度が6位あったように思った。
 ある晩、私は夢を見た。家が陥没し、モグラのように土中で自分が寝ている夢だった。目が醒めてからも恐ろしかった。


コメント
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