龍の声

龍の声は、天の声

「オノマトペの面白さ②」

2020-10-11 09:26:00 | 日本

オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現した言葉のこと。主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音を人の言語で表現した言葉である。犬の鳴き声の「わんわん」など。その他には、「ワクワク」のように、実際には音は聞こえないが感覚的な表現としてのオノマトペがある。日本語は特にオノマトペが多く用いられる言語といわれている。


◎オノマトペの語源

オノマトペの語源は、古代ギリシャ語のオノマトポイーア(onomatopoiia)に由来する。古代ギリシャ語のonoma(名前)とpoiein(作る)という言葉が融合しオノマトポイーア(言葉を作る)がという言葉が生まれた。古代ギリシャ語のオノマトポイーアを語源とし、英語ではオノマトピア(onomatopoeia)、フランス語ではオノマトペ(onomatopee)という言葉になっていった。

オノマトペは、ある状態を表現する際に便利な言葉である。例えば、雨が降っている状態を誰かに伝えようとした場合、オノマトペを使用することで細かいニュアンスまで伝えることが可能だ。弱い雨なら「シトシト」、激しい雨なら「ザーザー」などのオノマトペを使用すると、聞き手もどのような状態であるのかをイメージしやすい。しかもオノマトペを用いることで、長々と説明する必要がなく簡潔に伝えることができるというメリットもある。日本語では多種多様なオノマトペがあるが日常生活の中でごく当たり前に使用されているため、あまり注目されることは少ない。日本では「ブーブー」(自動車)など幼児語に使用されることが多いため、幼稚っぽいというイメーシもある。オノマトペを意識して使用するのではなく無意識うちに使用しているのも日本におけるオノマトペの特徴だと言える。


◎オノマトペの種類

オノマトペの種類には、擬音語と擬態語がある。擬音語は音を描写した「ニャーニャー」「ゴクゴク」などであり、擬態語は「キョロキョロ」「イライラ」「シーン」など実際に音はしていないが、言語によって状態や動作などを表現している。日本においては、2つの区別を意識することは少なく、オノマトペは擬音語と擬態語の両方を指すことがほとんどである。代表的なオノマトペとしては「ピカピカ」「モチモチ」「ニコニコ」「コケッコッコー」などが有名だ。特に幼児期には、感覚的かつ理解しやすいためオノマトペを使用する場合が多い。

救急車は「ピーポーピーポー」、うがいは「ガラガラぺッ」など、実際に聞こえる音と結びつけることで物の名称や動作を覚えやすくなる。その後、成長とともに正式な名称を覚えることによってオノマトペを使用した表現から通常の表現へと移行していく。


◎オノマトペと若者言葉

オノマトペは感覚に働きかけ相手に簡潔に伝わりやすい語のため、若者言葉の中にも多く取り入れられている。頭で考えるよりも心で感じることを重要視する傾向がある若者にとってオノマトペは最適なツールの1つである。オノマトペを使用してテンポよく会話を楽しむ若者が多い。例文としては「あの先輩、オラついてて怖い」などがある。

この例文でのオノマトペは「オラつく」である。これは「オラオラ」という強引や高圧的な状態を指すオノマトペが元になった若者言葉である。その他には、「ジワる」というオノマトペもある。後から「ジワジワ」と笑いが起こる状況を表現する若者言葉である。その時には面白くなかったのに、後から徐々に面白さが込み上げてくる状況を、「ジワる」というたったの3文字で表現している。このように若者も会話をリズミカルに進行するために無意識にオノマトペを活用している。


◎オノマトペ(仏: onomatopée)とは

オノマトペ(仏: onomatopée)とは、現実の音や声を人間の言語でそれらしく表した言葉や、現実には音の聞こえない状況をあたかもそのような音がしているかのように表したり、音の抱かせる感覚を利用して表現した言葉の総称である。「オノマトペー」とも発音、表記する。英語onomatopeia由来で「オノマトペア」「オノマトピア」「オノマトペイア」「オノマトピーア」ともいう。
用例:「オノマトペを使いこなす」「日本語はオノマトペが多い」「オノマトペの動詞化」
フランス語onomatopée、英語onomatopeiaは、いずれも古代ギリシャ語で造語することを意味するonomatopoiíaに由来する。onomatopoiíaは、名を意味するónomaと、作ることを意味するpoieînを組み合わせた語である。

オノマトペは、擬音語および擬態語の包括的な呼び名であると捉えられる。擬音語は「わんわん」「がさり」のように音や声を表したもの、擬態語は「にっこり」「てきぱき」のように実際には音の聞こえないものを感覚的に表したものであるが、両者の境界は曖昧である。擬音語は「擬声語」ともいう。音や声を表したもののうち、特に人や動物の声を表したものを「擬声語」、その他の音を表したものを「擬音語」と呼び分けることもある。また、擬態語のうち、「ぎくり」など感情を表すものを「擬情語」、「ひらひら」など情景を描写するものを「擬容語」と区別することもあるが、これらも明瞭に区分しがたい。

「オノマトペ」と同じく擬音語と擬態語を総称した言葉に「声喩」「象徴詞」「象徴辞」がある。「声喩」は、それを用いた修辞技法を指していうことも多い。「象徴詞」「象徴辞」はごく専門的な用語で、一般にはほとんど用いられない。また、便宜的に「擬音語」「擬声語」が「オノマトペ」と同義として用いられることもある。

日本語のオノマトペは一定の型を持っている。現代語では、ふつう語根が1拍ないし2拍で、語根を単独で用いたり、語根を繰り返したり、これらの語尾や語中に「っ」「ん」「ー」「り」をつけて表されるものが多い(例、「つ」「ばっ」「ぷい」「さっさ」「がたん」「がーがー」「かきーん」「するり」「どしんどしん」)。「うろちょろ」「がたぴし」のように、複数の語根を組み合わせるものもある。


◎擬声語

擬声語(ぎせいご)とは、声などを字句で模倣したものである。本稿では、一か所にまとめる都合上「擬声語」を擬音語(ぎおんご)と擬態語(ぎたいご)の総称として見出しに使っているが、擬声語という日本語の本来の意味は擬音語に同じ、または擬音語のうち人や動物の声を表したものをさす。

「オノマトペの不思議な世界」
そばやうどんを「ツルツル」と食べればおいしそうなのに、「ズルズル」としたとたんになんだかだらしなく感じる。日本語のオノマトペ(擬音語・擬態語)が持つ不思議な世界とは。



<了>












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