龍の声

龍の声は、天の声

津波伴う地震、方丈記にも記載

2011-05-22 09:17:39 | 日本
日野原重明先生のブログには、

東日本大震災と同じ様な大被害が日本の歴史にはかってあったのか。あったのであればその記録はどのようなものだったのか?と言うことで、鴨長明の「方丈記」に載っている出来事を紹介されている。大変興味深いので紹介するよ。

1185年の文治京都地震、これは鴨長明の「方丈記」に地震の詳細が記述されている。


「それは今から900年前に時の知恵者、鴨長明が『方丈記』の中で述べています。
当時は地震や津波のことをどういう言葉で文献に残したかを紹介しようと思います。

鴨長明(1155~1216)は、方丈記の中で、「恐れの中に恐るべかりけるは、ただなゐ(地震)なりけり」と書いています。
この「なゐ(ない)」というのは、古語で地震のことですが、ただの地震でなく、津波を伴う大災害であったと記述したのです。

新潮日本古典集成『方丈記・発心集(三木紀人校注)』には、上記の文章の前に以下のような文が書かれています。

「また同じころかとよ。おびたたしく大地震ふること侍りき。そのさま、よのつねならず。山はくづれて、河を埋み、海は傾きて、陸地をひたせり。厳(いわお)割れて、谷にまろび入る。なぎさ漕ぐ船は波にただよひ、道行く馬は足のたちどをまどはす。都のほとりには、在在所所、堂舎塔廟(どうじゃとうのう)、一つとして全からず。或はくづれ、或いはたふれぬ。塵灰立ちのぼりて、盛りなる煙の如し。地の動き、家のやぶるる音、雷(いかづち)にことならず。家の内にをれば、たちまちにひしげなんとす。走り出づれば、地割れ裂く。羽なければ空をも飛ぶべからず。」

この文の後に、先に紹介した「恐れの中に恐るべかりかるは、....」という一文が続きます。

文献的には『日本書記』の武烈天皇の影姫歌謡にも「地震」が出てきますが、ここでも「地(なゐ)が振りまじ」と記載されています。

なお、短歌では、「なゐ」は地震の古語になり、季語のように使われています。


旧制三高時代に学んだこと思い出す
「方丈記」とか「徒然草」は日本の古典として私は18歳の旧制三高時代に学びました。今回の地震を経験して、「方丈記」に確か書かれていたことをふと思い出し、岩波文庫を買って読み直しました。今の若者も将来そのようなことを思い出してくれるでしょうか。日本の歴史をもっと知って欲しいと思います。




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