龍の声

龍の声は、天の声

「音羽山観音寺について」

2022-03-06 08:29:50 | 日本

奈良県桜井市 観音寺」

眼病霊験、諸願成就の祈願寺。
NHKのEテレにて4年に渡り放映されていました「やまと尼寺精進日記」のお寺です。
 
寺伝によれば、藤原鎌足公を談山妙薬寺(現在の談山神社)に祀った際、鬼門除けの寺として丑寅の方角音羽の地に一宇を建て、鎌足公御作の梅の木の観音像を祀ったのが始めと伝えられています。奈良時代の観音信仰が篤かった頃は、霊場として賑わい、壮大な堂宇がこの山中に軒を連ね、そのありさまは音羽百坊と称されました。
 
『多武峰略記』には、天平勝寶元年(749年)に心融法師が当山を創建したとの記述があり、また京都清水寺の開祖延鎮僧都が霊感を得て堂宇を建立したのが始まりとの記録もあります。
清和天皇の貞観18年(867年)に「音羽流れ」と記録に残る豪雨と山津波で、堂宇がことごとく崩壊し、残った一寺といわれます。
眼病平癒の霊験は古くから遠方にも知られ、多くの人々に維持されて現在にいたります。
 
 
◎ご挨拶

音羽山観音寺の住職、後藤密榮です。
観音様にご縁を頂き、地域の方や信者様に支えられ、お陰様で30年が経ちました。
近年の異常気象、新型肺炎等、気がかりな事が多い日々ですが、楽しいことを一日一つずつ見つけて暮らしています。
毎日の草木の水やりや『扶養家族』の番犬のオサムたちの世話も楽しみのひとつで、とても癒されています。
 
皆様も観音様とのご縁を結びにお参り下さい。

◎ご本尊

ご本尊は7尺2寸の千手千眼十一面観世音菩薩で古来より眼病平癒に霊験が知られ「音羽の観音さん」と親しまれてきました。
実際に千の手と眼を持ち、妙なる智の力で多くの人々を仏縁で結びご利益をくださいます。
 
平成の大修復で解体した際に、台座から古銭「隆平永賽」が大量に出土しました。皇朝十三銭の五番目、延暦15年(796年)ころの鋳造と言われています。また頭部からは京都清水寺との関連を示す墨書きが発見されました。

◎精進料理と宿坊体験

NHKのEテレにて放映されていました「やまと尼寺精進日記」でも取り上げられました。
精進料理のお膳には観音霊水を使用し、住職が一品ずつ真心を込めて手作りした、旬の山の幸、里の恵みが並びます。
 

◎お葉つきイチョウ

境内には樹齢約600年の大銀杏がございます。いちょうの葉と一体になった珍しい実をつけるため「お葉つきイチョウ」と呼ばれ、奈良県の天然記念物に指定されています。胞子で増えるシダ植物から種を持つ裸子植物への進化を証す古代銀杏です。

◎展望台

住職が里の方、信者さん達と一緒に作った展望台です。
お寺への坂道や展望台へと続く木の階段も作りました。
天気の良い日には遠くの明石海峡大橋や大阪のあべのハルカスまで見ることができます。
奈良県の景観資産、桜井百選にも選ばれています。
 
 
◎天井絵

愛知県瀬戸市の食器デザイナー、加藤孝治さんが大和路へスケッチ旅行に来られた際に散華を描いて頂くご縁がございました。
加藤さんの描く美しい絵に惹かれた住職が、音羽山に咲く四季折々の草花を天井絵にして観音様に捧げたいと依頼し、令和2年4月に描きあがりました。
本堂内陣の天井絵、お参りの際はどうぞご覧ください。