GOOなMONOたち

ケータイ、音楽、PC、デジカメ。僕らの毎日を楽しく彩るGOOなMONOたちをご紹介!

琳派 京(みやこ)を彩る

2015年11月01日 14時41分27秒 | アート

今年は琳派誕生から400年という記念の年。京都では琳派にちなんだ展覧会が数多く
開催されています。10月10日より京都国立博物館では「琳派 京を彩る」と題して、
なんとあの国宝、「風神雷神図屏風(俵屋宗達)」を始め、尾形光琳と酒井抱一描
いた風神雷神図屏風の3作品が一堂に会する(!!)という歴史的かつ驚異の展示が
行われています。

俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一。それそれが互いに、一世紀の時を超えて繋がった
美の魂。リスペクトとサンプリングという現代的なアート思考で、時代のエッジを
歩んでいた芸術家たちが残した3つの屏風絵。二階展示室で三組同時に見比べて、
その表現思想が異なっているのに気づきます。

当たり前ですが、オリジナルである俵屋宗達の風神雷神図が最も完成度が高いの
ですが、次の時代に当たる尾形光琳は微妙に構図を変化させています。風神雷神共に
画面中央へと若干移動させ、絵の収まり感を安定させています。よく見れば、二神の
視線を変化させ、お互いを睨むように瞳の位置が変わっています。線も色調もより
鮮やかになりました。酒井抱一の場合は言わばフラットデザイン。繊細かつクリアな
配色で、アニメ的とも言える明快さに溢れています。ただ、やはり力強いのは
オリジナル。改めてその芸術性の高さにしばらく見入ってしまいました。

さて、あなたの場合は?

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>>>camtips -古都、京都の雪月花。-

エスパス ルイ・ヴィトン東京 INFINITE RENEW "Infinite Energy"

2014年01月08日 23時03分27秒 | アート

先日終了を迎えた、エスパス ルイ・ヴィトン東京 INFINITE RENEW。

森万里子氏の手がける作品のうち、最も巨大なスペースを専有しているのがこの"Infinite Energy"。

床面から天井面までつながる巨大な螺旋のオブジェは、それを眺めて近づく人の動きを感知しながら、自らの光の色をリニアに変化させるのです。

そしてこちらの作品も、グラスファイバー&3Dプリンターで作成した新世代のオブジェ。

しかし、いくら最新式の3Dプリンターでも、この高さのものは一気に作れないでしょう…、と説明委員の方に聞いてみると、もちろん数ブロックに分けてプリントアウトして、後から継いだのだと答えてくれました。

だろうなぁ…、と近づいてよく見てみましたが、かなり平滑にジョイントされているため、継ぎ目がほとんどなく、一体のオブジェにしか見えませんでした。

その工作精度の高さもまた、3Dプリンターならでは。

最新のテクノロジーは、モノ作りだけの世界だけでなく、アートの世界までも変えていくんだなぁ…、と改めて感心したのです。

TAPE TOKYO Vol.4

2013年12月17日 22時43分22秒 | アート

今月の始めに終了した非常にユニークなインスタレーション、TAPE TOKYO。

工業用テープをチューブ状に形作り、その中を自由に動き回れます。

中を“自由に”行き来できるのは間違いありませんが、実際にはあちこち自在に動けるわけではありません。

というのも、使われているテープは片面が粘着面なので、このチューブは接着面を貼り合わせて作られています。つまり内側もテープの表面側。

中へは靴を脱いで入るので、靴下では内側のテープ表面を滑るため、写真のような登りはなかなか前へと進めないのです。

ましてやカメラ片手に進もうものなら、バランスを崩して後方へと滑り落ちる場合も。

一見蜘蛛の巣のように見えますが、中も外も以外なほどツルッツル。

でもそれがより楽しさを倍増させてくれたのです。

エスパス ルイ・ヴィトン東京 INFINITE RENEW "Renew Ⅰ"

2013年12月12日 22時32分29秒 | アート

ルイ・ヴィトン表参道ビルの7階に設置されたアートスペース、「エスパス ルイ・ヴィトン東京」。

9月28日から来年の1月5日まで行われている作品展が、森万里子氏の“Infinite Renew (無限の再生)”。

写真は、その作品展のうちのひとつ、"Renew Ⅰ"。

メビウスの輪をより複雑に絡ませたかのような不思議なオブジェ。

一体何で作られているのだろうと、案内の方に尋ねると、グラスファイバーを素材とし、それを巨大な3Dプリンターで出力し作られているのだそうです。

軽さと強度を同時に兼ね備えながらも、成形後の後処理が大変なことと、表面に浮き出てしまうファイバーの繊維跡等の問題から、なかなか取り扱いが難しかったグラスファイバーですが、それを話題の3Dプリンターで成形するとは!

時代が新しく生まれ変わりつつあるのだと、改めて実感したのでした。

TAPE TOKYO Vol.3

2013年12月07日 21時46分05秒 | アート

どうです、面白そうでしょう?

青山 スパイラルガーデンで行われていた“TAPE TOKYO”は、残念ながら先週の水曜日に終了してしまいました。

僕も最終日の終了時刻間際、ギリギリに間に合うことができました。

この人工的な巨大繭、まるでSF映画のセットのよう。

リドリー・スコットの「エイリアン」か、アンドレイ・タルコフスキーの「ストーカー」か、どこかの場面で見たような見なかったような…。

そんな未知の生命体のような体内に入ってみることができるのですから、冒険心がくすぐられない訳がありません。

すぐ隣のスパイラルカフェから見ている人も、周りで写真を撮っている人も、、もちろん中で探検している人も、皆一様に楽しそう。

誰もがワクワクした笑顔になっていたのです。

TAPE TOKYO Vol.2

2013年12月05日 22時33分15秒 | アート

TAPE TOKYO、テープのチューブの中はこんな感じ。

ちょっと固めのラップといった感じの業務用透明テープを、幾重にも重ねてみると、まるでモグラかアリにでもなったかのような気分。

半透明の空中トンネルに足を踏み入れると、トンネル内部の起伏が思ったよりもあり、加えて想像以上にビニールテープの表面が滑るので、歩くたびにツルツルと足を取られ、低い方へ体を持って行かれます。

しかもチューブ全体が空中に吊られているため、周りの人達が歩くたびに振動が伝わってきて、これまた足を取られるのです。

ある時は四つん這いになりながら、またある時は尻餅をつきながら、覚束ない足取りで少しづつ前へと進んで行きます。

天然の鍾乳石のようでもあり、ザハ・ハディドによる未来的空間のようでもある、とても想像力を掻き立てられるインスタレーションでした。

TAPE TOKYO

2013年12月04日 23時21分21秒 | アート

青山スパイラルガーデンで開催された、体感できる巨大なアート“TAPE TOKYO”。

テープインスタレーションと呼ぶ新たな試みは、実験的でありながらもどこかハートウォーミングな感覚。

まるで子供の頃に庭先で見つけた地蜘蛛の巣のようにも見える繭状の袋は、“TAPE TOKYO”の名前から想像できる通り、すべてが透明ビニールテープでできています。

市販のテープを幾重にも巻きつけながら、独特の有機系のチューブ型フォルムを創り出し、円形ホールの中央に人工の大きな蜘蛛の巣を吊り下げているのです。

写真を見ても分かる通り、チューブの中に入ることができるので、外から見ても中から体感してもどちらからも楽しむことができるのです。

そう、つまりこれは巨大な遊具!
子供達が楽しく遊んでしまうのも頷けます。

外側から見てこれだけ楽しそうなのですから、中の様子は一体…?

セザール エッフェル塔─板状

2013年07月24日 22時52分46秒 | アート

兵庫県立美術館のファザードを進んでいくと、右手に見えてくる高さ3mの鉄のオブジェ。

現代美術家、セザール・バルダッチーニ制作。題名通り、エッフェル塔補修の際にでた鉄骨材の端材を組んで鋳造した作品です。

しばらく眺めているうちに、作品全体よりもそのディティールに作品の息吹が感じられ、ぐぐっと寄って撮ってみました。

裁断跡が生々しいH鋼の断面。規則的に打ち付けられたリベット。

近代文明を支えてきた鉄の記憶が、一切の躊躇もなく眼前に出現し、無機質で香りの無い冷ややかなオーラを放ち続けます。

リアルで生の物質が、世界を制覇していた時代がそのままの形でそこに展開されていたのです。

金沢21世紀美術館 ブルー・プラネット・スカイ

2012年06月04日 22時22分51秒 | アート

こちらも、金沢21世紀美術館で人気の常設インスタレーション、「タレルの部屋」。

光と空間を巧みに操り、人間の意識の奥に潜んでいた感覚を呼び覚ますことを可能にしたアーティスト、ジェームス・タレル。

タレルの部屋は、彼の作品“ブルー・プラネット・スカイ”を見ることができる、無料公開スペースです。

見上げる天井の中央には、外界へとつながる四角く切り取られた開口部があり、朝から夜まで、様々な時間帯にわたって変化する空の表情が、まるで美しい動画を見るように楽しむことができるのです。

訪れたこの日は雨。したがって変わりゆく青空の風景は見られませんでしたが、代わりにそこにあったのは、このように完全なモノトーンの世界。

色もなく、動きもない、一見静止したようにも見える空間の中、開口部の縁からは時折雨だれが滴り落ち、固定化した箱の中に、確かな時の流れを感じさせていました。

金沢21世紀美術館 スイミング・プール

2012年06月02日 16時46分10秒 | アート

2004年に開館して以来、日本でも屈指の人気を誇るアートミュージアム、金沢21世紀美術館。

常設インスタレーションの中で最も有名なのが、この“スイミング・プール”。

外から見て楽しめて、もちろん中から見ても楽しい、体験できるアート。

レアンドロ・エルリッヒの手がけたこの仕掛けに、子供も大人も皆同じ笑顔ではしゃいでしまいます。

仮想の水中から見上げる、光に揺らめく水面を見ていると、その仕組みは分かっていながらもやっぱりどうなっているのだろうかと水際に近づいてみたくなります。

梯子に手をかけたり、プールの底に腰掛けて和んだり、仲間同士で記念写真を撮り合ったり。

四角いブルーの空間で、様々な人達が思い思いの場所で楽しんでいる、その人と空間が混じり合ってひとつの作品となっている。そんな素敵なアートでした。

大琳派展 ~継承と変奏~ Vol.2

2008年11月12日 22時56分50秒 | アート
室町時代から続いた狩野派とは異なり、直接の師弟関係はないものの、その美意識の遺伝子を継承してきた琳派。
大胆で研ぎ澄まされたセンスの尾形光琳。情緒溢れる自然美の酒井抱一。繊細で自由、アイデア溢れる鈴木其一へと継がれる琳派の先駆者といえば、俵屋宗達。
生没年不詳で謎の多い人物ではありながら、宗達の残した作品は、どれもが力強く非常にクリア。
特に、養源院襖絵に描かれた唐獅子や白象、白鹿などの霊獣達に見られる独創の構図と、躍動感ある動きからは、パターン化された平面画であるにもかかわらず、臨場感のある生命力を感じる不思議なパワーが込められていました。
天才絵師の才能とは、正確に筆さばきを行うことではなく、絵の中に命を吹き込むことができる魔力のことなのです。

大琳派展 ~継承と変奏~

2008年11月11日 23時54分28秒 | アート
上野 東京国立博物館で開催中の「大琳派展 ~継承と変奏~」を見てきました。
琳派を支えたそうそうたる巨匠たちの作品を一堂に見られるということで、楽しみにしていましたが、その期待を十分に満足させてくれる素晴らしい展覧会でした。
大琳派展の目玉はやはり「風神雷神図屏風」です。
祖である俵屋宗達を始め、尾形光琳・酒井抱一・鈴木其一の描く風神雷神図が一同に会した間は見応え十分。
雑誌“BRUTUS”で解釈するところの「勝手にリスペクト」で結ばれた時代の異なる琳派四氏の、画風の違いやディティールの表現が、如実に分かる興味深い構成でした。
でもやはり、オリジナルは最も偉大であることが、はっきりと理解されました。
宗達の描く生命力溢れる線は、多くの時代を経た今もなお生き続けています。

原美術館 Vol.2

2008年10月06日 22時03分21秒 | アート
原美術館、現在の展示は「米田知子-終わりは始まり」。
彼女の作品はこれまで目にしたことはなかったのですが、初めてその写真を前にしてみると、作品をひとつみ終えるごとに、読書を終えた後のような、静かな充実感が湧いてきます。
例えば、いたって平和に見えるある風景写真のタイトルに目をやると、そこがかつて歴史の舞台となった戦場であったという事実が。
シャッターによって留められた何気ない景色の背後に、深い時間の厚みを加えています。
また、作家の眼鏡を通して見るテキストのシリーズは、まるで鑑賞者自身が作家となるような視点で撮られているため、フロイトやヘッセ、谷崎潤一郎などの思いが、心の内にスッと入り込んでくるかのようです。
写真の部屋は、一階展示室突き当りの円形ロビーですが、濃密な時間を感じさせる原美術館のクラシカル・モダンな内装は、彼女の作品の舞台にピタリと整合していました。
    ↓
SHUGOARTS: Tomoko YONEDA -between visible-

東京ミッドタウン Vol.4

2008年03月01日 19時17分40秒 | アート
東京ミッドタウンを象徴するアートのひとつ。
フロリアン・クラールの「フラグメントNo.5」です。
ミッドタウン・ガーデンの最も見やすい位置に設置されたこのアート作品は、「クラインの壷」や「ブラックホール」といった、物理学の不思議空間を思わせるような異質な物体を、自然に囲まれた天然芝の上に出現させたインパクトある存在です。
自然のグリーンと人工のシルバーが対角にぶつかり合っているにもかかわらず、何故か親近感を感じさせるのは、作者の意図通りなのでしょうか。
ただ、前に立ってじっと眺めていると、巨大な遊具のようにも見え、形は全く違うのですが、イサムノグチの「ブラック・スライド・マントラ」を連想してしまいました。
見ていると、やっぱり中に入ってみたくなりますよね。
    ↓
ブラック・スライド・マントラ

東京ミレナリオ Vol.2

2007年09月21日 06時50分05秒 | アート
一昨年までは、東京の年末年始の夜を彩る恒例のイベントでしたが、残念なことに2006年以降休止となってしまいました。
そのラストを飾った2005-06の東京ミレナリオ作品、「天空の門」"La Porta del Cielo"です。
テーマは「都市のファンタジア」。"日本から見たヨーロッパがコンセプトです。
ヨーロッパの庭園における人々の出会いの場を、この都市空間に創出させることを意図した今回のテーマ。
ミレナリオのファイナルに相応しく、丸の内仲通りはとても多くの人達で埋め尽くされていました。