日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「肉筆浮世絵  シカゴウェストンコレクション」展に行ってきました(2015.12.15)@上野の森美術館

2015年12月18日 | 日本文化紹介
「肉筆浮世絵 美の競艶 シカゴウェストンコレクション」展に行ってきました/浮世絵についてイタリア語で話す(2015.12.15)@上野の森美術館


浮世絵は木版画が主ですが 今回行ったのは「肉筆浮世絵」 シカゴのウェストン氏という日本美術収集家の千点以上のコレクションから約130点を展示するというもの

2015年11月20日(金)~2016年1月17日(日)まで開催中です


さすがに肉筆だけあって 着物の柄 雪を描く白い絵の具の盛り上がり 掛け軸の布の目地などが立体的に目に入ってきて迫力がありました 
作家や流派による違いも楽しめて 版画は役者 肉筆浮世絵は美人画 というカテゴリーで 京都や上方と 江戸とで競っていた時代の肉筆浮世絵を楽しんできました

3時から 美術館の中で見どころトーク(無料、チケット必要)で説明を聞いてから 鑑賞しました


江戸では 菱川師宣(ひしかわもろのぶ/かの『見返り美人図』で有名な浮世絵師)が活躍し 浮世絵の祖として工房を持ち 初めて作品に署名をしたのも師宣なのだそうです

京都では 西川祐信(にしかわすけのぶ)が 品のよい肉質浮世絵で世に出て 春信に影響を与えました
また 魁月堂土繁(かいげつどうどはん)は 太いラインの画風なんだなと思いました  

錦絵では 江戸で北斎の師として活躍した勝川春章(かつかわしゅしょう)が カラフルな肉筆浮世絵を描き 絵の具が高価で値千金と言われたそうです 
晩年は版画は弟子にまかせてもっぱら肉筆浮世絵にかかっていたとのこと (版画よりも肉筆の方が価値がありますからね~)

また 歌川豊春(うたかわとよはる)は幕末で活躍した歌川派の浮世絵師で 34才でデビューと遅かったそうです この歌川派と北斎がライバル同士でした

初代歌川豊国(しょだいうたがわとよくに)の「時世粧百姿図」のシリーズがそれはたくさん展示されていて 24葉もありました 
これは楽しめましたね~ 唇の描き方がよく見る嘴が突き出たような特徴的な形です(^^)

そしていよいよ葛飾北斎(かつしかほくさい)の登場♪(『冨嶽三十六景』の版画が有名ですね) さらさらっと描かれた 地味ではあるがすばらしい円熟の作品で 彼は90才くらいまで生きていたので作品も弟子も多かったのですが 死後はすたれてしまったのだそうです 

そして上方の復活では 京都の祇園井特(ぎおんせいとく)の 理想化せずに描くくせのある作品とのことで 下唇が黒く塗られているのですね 

最終章の明治の作品では 最後の浮世絵師 小林清親(こばやしきよちか)の 光線画という技法が特に迫力があり 延暦寺を舞台にしたおどろおどろしい筆致に 今までの美人画とは対極の魅力を感じました 

たっくさん浮世絵美人画を見て いつもはイタリア絵画ばかり見てきたので新鮮だったこと(^^)/


肉筆浮世絵  シカゴウェストンコレクション展」は こちら



禅 The Art of ZEN 心をかたちに」が開催されます:

京都国立博物館 平成知新館(東山七条) 2016年4月12日(火)~5月22日(日)
東京国立博物館 平成館(上野公園) 2016年10月18日(火)~11月27日(日)


   *      *      *


Genere popolare tra la borghesia nell'epoca di Edo (1600-1868). I soggetti rappresentati appartenevano al cosiddetto ukiyo, o "mondo fluttuante", il mondo dei quartieri di piacere.
La maggior parte degli ukiyoe sono stampe, facilmente riproducibili; disegni e dipinti sono abbanstana rari.

江戸時代(1600~1868)に庶民の間で栄えた風俗画の一種。享楽的、好色的の意味の「浮世」が題材であったので、「浮世絵」と呼ばれた。
量産可能な木版画が主流で、肉筆画は少ない。

Ritratti di belle donne 美人画
Ritratti di attori    役者絵
Stampe paesaggistiche  風景画

      ("Il Giappone a colpo d'occhio"より)

    *      *      *

Le xilografie(浮世絵), chiamate ukiyo-e, o immagini del "mondo fluttuante", divennero la più popolare arte grafica del Giappone.

Queste stampe influenzarono profondamente artisti come Matisse e Van Gogh.

Furono il frutto di un lavoro di cooperatione tra l'editore, l'artista, l'incisore(版画家), e infine lo stampatore.
Le edizione si limitavano a 100-200 copie.
Il primo artista conosciuto fu Moronobu.

    (ガイドブック "Giappone"より)


* ガイドブックの説明をさらに削って削って簡略化したものはわかりやすいですね 

江戸時代の後期から明治維新にかけて浮世絵が大量にヨーロッパに渡り 芸術家やコレクターの目に留まりました

浮世絵が西洋美術に影響を与え 1867年のパリ万博に日本も出展し ゴッホ ドガ クリムトといった画家たちに影響を与え それはジャポニスム(Giapponismo)と呼ばれたのですね

というわけで浮世絵は ジャポニスムを取り入れた印象派の生みの親でもあるんですよね


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