保健福祉の現場から

感じるままに

入退院支援は市町村と保健所の連携・協働で推進すべき

2018年01月26日 | Weblog
キャリアブレイン「【中医協】退院支援加算は「入退院支援加算」に 在宅復帰に向けた取り組みの評価が目立つ」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20180124185352)。<以下一部引用>
<中央社会保険医療協議会(中医協)が24日に開いた総会で示された2018年度診療報酬改定案の「個別改定項目」では、地域包括ケアシステム構築に向けた取り組みについて、在宅復帰支援への評価が目立つ。■外来での入院前の支援を評価 現行の退院支援加算は「入退院支援加算」に名称を変更し、入院早期から退院後まで切れ目のない支援について評価する意味合いを強める。また、入院を予定する患者が安心できるよう、外来で入院中に行う治療の説明、入院生活のオリエンテーション、持参薬の確認、褥瘡・栄養スクリーニングなどを実施した場合の評価「入院時支援加算」を新設する。>

メディウォッチ「早期の在宅復帰を目指し、入院前からの【入退院支援】を診療報酬で評価―中医協総会 第386回(4)」(http://www.medwatch.jp/?p=18463)。<以下引用>
<お伝えしているとおり、1月24日の中央社会保険医療協議会・総会で2018年度診療報酬改定の「個別改定項目」(いわゆる短冊)が示されました。個別改定項目は多岐にわたり、この日は「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」が議論の対象となっています。メディ・ウォッチでは、「急性期入院医療の再編・統合」「後方病床の再編・統合」「DPC制度改革」について、既にご紹介しております。今回は、その他の「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」に関する項目を見てみましょう。退院支援を【入退院支援】に名称変更、小児では「加算」の新設も 入院医療全般について「在院日数の短縮」「在宅復帰の推進」が重視されています。早期退院は「医療費の適正化」という効果に加え、▼院内感染やADL低下のリスク軽減▼早期の日常生活(職場)復帰による患者QOLの向上―などのメリットもあり、急性期から慢性期に至る、すべての入院医療において推進することが望まれます。この一環として、2018年度改定では「入院前からの退院支援」の評価が行われ、現在の【退院支援加算】を【入退院支援加算】に名称変更します。その上で、【入退院支援加算】を算定するであろう予定入院患者に対し、外来で▼身体的・社会的・精神的背景を含めた患者情報の把握▼褥瘡に関する危険因子の評価▼栄養状態の評価▼持参薬の確認▼入院中に行われる治療・検査の説明▼入院生活の説明▼退院困難な要因の有無の評価—を含む支援を行い、入院中の看護や栄養管理などに係る療養支援計画を立て、患者・関係者と共有することを【入院時支援加算】として新たに評価します。この加算を届け出るためには、▼入退院支援加算の届け出▼入退院支援加算1-3の施設基準で求められる人員(入退院支援部門への専従看護師等配置など)▼入退院支援部門への「入院前支援を行う担当者」の病床規模に応じた必要数の配置▼地域連携体制―などが求められます。グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)では、かねてからこの点に着目し「入院サポートセンター」の創設を提唱しています。このほか【入退院支援加算】に関して、▼入退院支援加算1と2に【小児加算】(15歳未満の患者が対象)を新設する▼入退院支援加算2の届け出医療機関でも【地域連携診療計画加算】(いわゆる地域連携パスを用いた連携の評価)を算定可能とする—などの見直しが行われます。また在宅復帰を促進するために、7対1病棟や地域包括ケア病棟の施設基準には「在宅復帰率」が盛り込まれています。ただし「7対1病棟のほとんどが在宅復帰率8割以上をクリアしており形骸化している」との指摘があり、定義や基準値、さらに名称が下図のように見直されます。多機関での情報連携を推進するため、退院時共同指導などを見直し 早期の在宅復帰促進や適切な医療提供のためには「情報連携」が極めて重要です。2018年度改定でも「情報連携」をさらに進めるため、例えば次のような見直しが行われます。▼退院時共同指導において、現行の「医師・看護職員」以外にも▽薬剤師▽管理栄養士▽理学療法士等▽社会福祉士—が、退院後の在宅療養で必要な説明や指導を行うことなどを評価する▼退院時共同指導料2のうち「入院医療機関と在宅療養を担う3者以上の関係機関とが共同指導を行った場合の評価」について、入院医療機関側の看護職員が共同指導を行った場合も評価対象とする(現在、入院医療機関側の医師が共同指導を行う場合のみ評価)▼退院時共同指導料2のうち「入退院支援加算を算定する患者に係る退院後の診療等の療養に必要な情報の提供に対する評価」について、自宅以外の場所に退院する患者も算定可能とする▼入退院時の連携を評価する▽在宅患者緊急入院診療加算▽精神科救急搬送患者地域連携受入加算▽入退院支援加算1▽精神疾患診療体制加算▽退院時共同指導料1▽退院時共同指導料2▽在宅患者連携指導料▽在宅患者緊急時等カンファレンス料▽施設入所者共同指導料—について、「特別の関係」(開設者が同一など)の場合でも算定可能とする▼ケアマネジャーへの退院前2週間以内の診療情報の提供について、介護支援等連携指導料を算定していない患者に限り【診療情報提供料(Ⅰ)】を算定可能とする▼退院に向けた医療機関等と訪問看護ステーションの退院時共同指導の評価(訪問看護療養費の【退院時共同指導加算】)を充実し、両者が「特別の関係」にある場合でも算定可能とする▼患者の入院・入所にあたり、主治医が「訪問看護ステーションからの情報」を併せて入院・入所医療機関等に情報提供する場合、主治医については診療情報提供料(Ⅰ)の【療養情報提供加算】、訪問看護ステーションについては訪問看護療養費の【訪問看護情報提供療養費3】として新たに評価する 紹介状なし患者から特別負担を徴収する病院、400床以上の地域支援病院に拡大 外来医療については、大病院と中小病院・診療所の機能分化とともに、地域包括ケアシステムの構築に向けた「かかりつけ機能の強化」の推進を目指します。まず外来機能分化を進めるために、「紹介状なしに外来受診した場合の特別負担徴収が義務づけられる病院」の対象が、これまでの▼特定機能病院▼許可病床数500床以上の地域医療支援病院—から、▼特定機能病院▼許可病床数400床以上の地域医療支援病院—に拡大されます(つまり許可病床数400-499床の地域医療支援病院が新たに対象となる)。ただし、公立病院などでは特別負担徴収のために条例改正が必要なケースもあるため、これらの病院では「6か月間の経過措置」が設けられます(これらの病院では徴収開始が2018年10月からとなる)。なお特別負担の金額は、これまでどおり▼初診5000円以上▼再診2500円以上―です。また、「紹介率・逆紹介率が低く、紹介状なし患者について初診料・外来診療料を減額する病院」の対象を、これまでの▼特定機能病院▼許可病床数500床以上の地域医療支援病院(これら2者は紹介率50%未満・逆紹介率50%未満)▼許可病床数500床以上の病院(前2者と一般病床200床未満は除く、この場合逆紹介率40%未満・逆紹介率30%未満)—から、▼特定機能病院▼許可病床数400床以上の地域医療支援病院▼許可病床数400床以上の病院(前2者と一般病床200床未満は除く)—に拡大されます。ほか、「病床数500床以上」が要件となっている規定(地域包括ケア病棟の新設を1病棟に限定する、など)についても「病床数400床以上」に拡大されます。つまり400-499床の病院では、2018年4月以降「地域包括ケア病棟の新設」は1病棟に限定されることになるので、留意が必要です。なお、機能分化に関連して、入院患者が「高度な放射線治療機器等を有する他医療機関」を受診する場合には、入院料の減額規定が緩和(通常は10%減額)されます。新たながん対策推進基本計画において「高度な放射線治療については、集約化を進める」方針が明確化されたことなどを受けたものです。地域包括診療料など「かかりつけ患者への訪問診療」実績を踏まえた段階的評価に かかりつけ機能の推進については、次のような見直しが行われます。▼【地域包括診療料】や【地域包括診療加算】などの「医師配置要件」(現在、常勤2名)について「常勤1名と非常勤医師の組み合わせ」でもよいと緩和する▼【地域包括診療料】や【地域包括診療加算】などについて、「自院の外来を経て訪問診療に移行した患者への訪問診療実績」「直近1か月の初診・再診・往診・訪問診療患者に対する往診・訪問診療患者の割合が一定未満」である医療機関の評価を充実する(診療料1・2、加算1・2と細分化する)▼【地域包括診療加算】(再診料の加算)において、加算1では上記の「訪問診療実績」に加えて24時間の往診体制を確保することとし、訪問診療実績がなく24時間の連絡体制を敷く場合を【加算2】とする▼【地域包括診療料】や【地域包括診療加算】などの要件である「患者の受診医療機関」「処方医薬品」の把握について、医師の指示を受けた看護師等でも実施可能であることを明確化する▼地域包括診療料などの算定患者が入院・入所した場合、当該クリニック等が「入院・入所先医療機関等と医薬品の適正使用に係る連携を行う」ことを、【薬剤適正使用連携加算】(地域包括診療料などの加算)として新たに評価する▼【小児かかりつけ診療料】について、「地域の在宅当番医制等に協力する医師を配置する医療機関」では、夜間・休日の相談等に係る要件について「地域の在宅当番医等を案内する」ことでもよしとする▼【小児科療養指導料】について、「15歳未満の患者」の対象疾患に「医療的ケア児に該当する状態の患者」を追加するほか、小児科医が作成した治療計画に基づいて「小児科医以外の医療従事者」が指導を行う場合も算定可能とする▼【生活習慣病管理料】について、療養計画書の記載項目の追加(血圧目標や保険者からの依頼に基づく情報提供など)、学会等の診療ガイドライン等の診療支援情報等に関する要件の追加などを行う▼かかりつけの医療機関(▽(認知症)地域包括診療加算▽(認知症)地域包括診療料▽小児かかりつけ診療料▽在宅時医学総合管理料(在宅療養支援診療所・同病院に限る)▽施設入居時等医学総合管理料(同)—を届け出たクリニックと200床未満の病院)では、初診時に、新たに【機能強化加算】を算定可能とする 複数医療機関・チームによる訪問診療を解禁、一方で往診などの適正化も また在宅医療については、患者が希望に応じて「入院医療と在宅医療を選択できる」体制を構築することが目指されており、これを診療報酬でも後押しするために、たとえば次のような見直しが行われます。▼在宅時医学総合管理料などの算定要件を満たす医療機関の依頼を受けて、他の医療機関が訪問診療を行った場合の【在宅患者訪問診療料】を新設する(これまでは算定不可)▼在宅療養支援診療所以外のクリニックが、かかりつけ患者に対し、他医療機関と連携して24時間の往診体制・連絡体制を構築することを、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料の新たな加算【継続診療加算】として評価する▼医療的ケアが必要な小児が学校へ通学する際に、訪問看護ステーションから訪問看護に係る情報を学校へ提供することを、新たに訪問看護療養費の【訪問看護情報提供療養費2】として評価する▼訪問看護ステーションが、喀痰吸引等を行う介護職員などの支援を行うことを、新たに【看護・介護職員連携強化加算】として評価する(診療報酬および訪問看護療養費)▼医療機関に勤務する看護職員の研修や人材交流の受入れ」「重症の在宅療養患者への訪問看護の提供」など、地域の訪問看護提供体制確保に重要な役割を担う訪問看護ステーションを、新たに【機能強化型訪問看護管理療養費3】として評価する▼訪問診療・訪問看護におけるターミナルケアにおいて、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等を踏まえた対応を要件として追加し、評価の充実などを行う▼機能強化型在宅療養支援診療所・病院、機能強化型訪問看護ステーションにおける「看取り等の実績」要件について、一定期間の訪問診療などを提供した後、あらかじめ患者・家族から聴取した意向に基づいて、一定期間内の入院中に死亡した場合を含める(予め「最期の最期は、家族に迷惑をかけないよう入院する」と患者が希望している場合なども、看取りと見做す)▼特別養護老人ホームが【看取り介護加算】(介護報酬)を算定する場合でも、訪問してターミナルケアや看取り医療などを提供する外部医療機関に在宅患者訪問診療料の【在宅ターミナルケア加算】の算定を認める(訪問看護ステーションでも同様) 一方、在宅医療については「不適切な提供がなされているケースもある」と指摘されます(例えば、医療機関が介護施設などと契約し、入所者に不必要な訪問診療を提供するなど)。このため、次のような適正化や要件の厳格化が行われることにも留意しなければいけません。▼併設介護施設等への訪問診療について、在宅患者訪問診療料を適正化する▼月2回以上の訪問診療を行う場合の在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料について対象を重症患者(▽要介護が一定以上▽認知症高齢者の日常生活自立度が一定以上▽週一定以上の訪問看護を受ける▽訪問診療・看護時に処置(簡単なものを除く)を行っている▽特定施設入居者では、医師の指示を受けて、看護師がたんの吸引、胃ろう・腸ろうの管理などの処置を行っている—)に限定する(ただし点数は引き上げ、逆に月1回訪問の場合には点数を引き下げ)▼往診料は、「患者・家族等が医療機関に電話などで【直接】往診を求め」かつ、「医師が往診の必要性を認めた」場合で、さらに「可及的速やかに患家に赴く」場合でなければ算定できないことを明確化する▼在宅時医学総合管理料等の要件において、末期のがん患者について「患者のケアマネジャーに対して病状や予後などを情報提供する」旨を追加する>

中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「個別改定項目について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf)p9~13「入退院支援の推進」が注目である。介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698)の「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の改正等の主な内容について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000191431.pdf)p6「居宅介護支援 ① 医療と介護の連携の強化 ア 入院時における医療機関との連携促進;入院時における医療機関との連携を促進する観点から、居宅介護支援の提供の開始に当たり、利用者等に対して、入院時に担当ケアマネジャーの氏名等を入院先医療機関に提供するよう依頼することを義務づける。(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号。以下「居宅介護支援基準」という。)第4条及び指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第37号。以下「介護予防支援基準」という。)第4条関係) イ 平時からの医療機関との連携促進;ⅰ 利用者が医療系サービスの利用を希望している場合等は、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めることとされているが、この意見を求めた主治の医師等に対してケアプランを交付することを義務づける。(居宅介護支援基準第13条及び介護予防支援基準第30条関係)ⅱ 訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔に関する問題や服薬状況、モニタリング等の際にケアマネジャー自身が把握した利用者の状態等について、ケアマネジャーから主治の医師等に必要な情報伝達を行うことを義務づける。(居宅介護支援基準第13条及び介護予防支援基準第30条関係)」とセットで理解したい。厚労省「在宅医療・介護連携推進に係る全国担当者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=190816)で紹介されている都道府県医療介護連携調整実証事業では、退院調整ルールが策定されているが、今回の報酬改定や施設基準の見直しを踏まえて、入退院支援ルールとして改訂する必要がある。介護保険地域支援事業の在宅医療・介護連携推進事業(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102540.pdf)の(ウ)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進、(エ)医療・介護関係者の情報共有の支援、(カ)医療・介護関係者の研修、(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携、での取り組みが期待される。基本的に入院・退院は市町村完結ではないため、(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携が重要と感じる。一方で、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の在宅医療推進の取り組みも重要である。医療計画に関する厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000159901.pdf)p33「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際、保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とあり、圏域連携会議(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000066602.pdf)での保健所の役割を重視したい。改正「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146721.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000146722.pdf)p4「特に、在宅医療体制の整備、医療及び介護の連携に向けた取組等はこれまで市町村になじみが薄かったことから、都道府県がより広域的な立場から、保健所の活用等により、市町村の後方支援等を積極的に行うことが重要である。」も踏まえたい。入退院支援は市町村と保健所の連携・協働で推進すべきであろう。
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自立支援介護とエビデンス

2018年01月26日 | Weblog
ニッセイ基礎研究所「介護領域におけるデータベース構築の議論が開始」(http://www.nli-research.co.jp/files/topics/57683_ext_18_0.pdf?site=nli)は一読しておきたい。「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」(http://mobile.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=485753)の議論が進んでいる。介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698)の「平成30年度介護報酬改定に関する審議報告」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000188370.html)、介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126734)の「介護保険における保険者機能の強化」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000184165.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000184165.pdf)は自立支援介護、介護予防を重視しているが、エビデンスの積み重ねが重要と感じる。未来投資会議構造改革徹底推進会合(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/index.html)の資料「データ利活用基盤の構築」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/health/dai1/siryou1.pdf)にある「国民の健康確保に向けた健康・医療・介護のビッグデータ連結・活用」も注目である。
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病院併設訪問看護ステーション

2018年01月26日 | Weblog
メディウォッチ「地域包括ケア病棟、自宅等患者を多く受け入れる中小病院の評価を手厚く―中医協総会 第386回(2)」(http://www.medwatch.jp/?p=18420)。<以下引用>
<2018年度の次期診療報酬改定では、地域包括ケア病棟のうち、「自宅等から入棟した患者の割合」「自宅等から緊急入院した患者の受け入れ数」などが高い200床未満の病院に設置された病棟を高く評価する―。1月24日の中央社会保険医療協議会・総会に示された「短冊」には、こういった内容も盛り込まれています。同じ地域包括ケア病棟でも、病院の規模や自宅等患者割合で評価が異なることになり、今後の病床戦略にも影響が出てきそうです。自宅等入院患者割合の高い、中小病院に設置する地域包括ケア病棟の評価を充実 2018年度には、急性期から長期療養に至る入院基本料・特定入院料の再編・統合という歴史的な診療報酬改定が行われます。急性期(7対1・10対1)の再編・統合については既にメディ・ウォッチでお伝えしており、今回は後方病床(地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、13対1・15対1、療養病棟)の再編・統合案に焦点を合わせてみます。まず地域包括ケア病棟については、看護配置13対1を基本部分とし、診療実績として「自宅等から入棟した患者の割合」「自宅等から緊急入院した患者の受け入れ数」などを勘案した4種類の入院料に再編・統合される方針が示されました(病室単位の地域包括ケア入院医療管理料も同様の再編・統合が行われる)。基本部分の基準を見ると、▼看護配置13対1以上▼一般病棟用の重症度、医療・看護必要度IまたはIIを満たす患者割合が一定以上▼院内への在宅復帰支援者の配置▼病棟への常勤PT・OT・STの配置▼疾患別リハビリテーション料の届け出—などが盛り込まれます。ここに診療実績を組み合わせ、次の4種類の入院料が設定されます。【地域包括ケア病棟入院料1】:▼在宅退院患者割合が一定以上▼1人当たりの病室床面積が内法で6.4平米以上▼許可病床数200床未満▼入棟患者に占める「自宅等からの入棟患者」割合が一定以上▼自宅等からの緊急入院患者受入数が一定以上▼3か月間の「在宅患者訪問診療料」「在宅患者訪問看護・指導料等」「同一敷地内の訪問看護ステーションにおける訪問看護基本療養費等」「開放型病院共同指導料(Ⅰ)(Ⅱ)」などの算定回数が一定以上(選択要件)▼介護保険の訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーションなどの実施(選択要件)▼「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等(以下、ガイドライン等)を踏まえた看取り指針の策定 【地域包括ケア病棟入院料2】:▼在宅退院患者割合が一定以上▼1人当たりの病室床面積が内法で6.4平米以上 【地域包括ケア病棟入院料3】:▼許可病床数200床未満▼入棟患者に占める「自宅等からの入棟患者」割合が一定以上▼自宅等からの緊急入院患者受入数が一定以上▼3か月間の「在宅患者訪問診療料」「在宅患者訪問看護・指導料等」「同一敷地内の訪問看護ステーションにおける訪問看護基本療養費等」「開放型病院共同指導料(Ⅰ)(Ⅱ)」などの算定回数が一定以上(選択要件)▼介護保険の訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーションなどの実施(選択要件)▼「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等(以下、ガイドライン等)を踏まえた看取り指針の策定 【地域包括ケア病棟入院料4】:基本部分の要件(施設基準)を満たす 現在の【地域包括ケア病棟入院料1】及び【地域包括ケア病棟入院料2】のうち、診療実績(「自宅等からの入棟患者」割合が一定以上など)が高い200床未満のところを新たな【入院料1】【入院料3】として高い報酬を設定することになります。また【救急・在宅等支援病床初期加算】を、▼急性期一般病棟からの転院・転棟患者の受け入れを評価する【急性期患者支援病床初期加算】▼自宅や介護施設などからの入院患者に対する、患者や家族の「治療方針に関する意思決定」支援を評価する【在宅患者支援病床初期加算】—に細分化し、後者を手厚く評価する方針も明確にされました。これらから、「自宅などからの急性増悪患者・救急患者をより多く受け入れる」「200床未満の病院に設置される」地域包括ケア病棟では収益が増加(基本料のアップ+加算のアップ)することが予想されます。逆に、点数や基準値の設定如何によっては、「大規模病院に設置され、7対1の受け皿として機能している地域包括ケア病棟」では収益減少の可能性もあります。今後の病床戦略に大きな影響を与える見直し内容であり、詳細に注目する必要があります。回復期リハビリ病棟、リハビリ実績指数の高い病棟を手厚く評価 回復期リハビリ病棟では、看護配置15対1以上、PT2名・OT1名配置などの基本部分と、リハビリ実績指数(リハビリ提供によるADL改善度合いを指数化したもの)や重症患者割合、自宅等退院患者割合などの診療実績に応じた段階的評価を組み合わせた報酬体系への見直し(6種類の入院料を設定)が行われます。基本部分の基準を見ると、▼回復期リハビリの必要性が高い患者割合80%以上▼回復期リハビリが必要な患者への1日2単位以上のリハビリ提供▼病棟への専任・常勤医師1名以上配置▼看護配置15対1以上(回復期リハビリ病棟入院料1・2では13対1以上)▼看護職員に占める看護師割合4割以上(同、7割以上)▼看護補助配置30対1以上▼病棟への専従常勤PT2名以上、常勤OT1名以上配置(同、専従常勤PT3名以上、常勤OT2名以上、常勤ST1名以上配置)▼データ提出加算の届け出(回復期リハビリ病棟入院料5・6では200床以上の病院のみ)—などとなっています。ここに診療実績を組み合わせ、次の6種類の入院料が設定されます。【回復期リハビリ病棟入院料1】:▼病棟への専任・常勤の社会福祉士1名以上配置▼休日を含めた週7日間のリハビリ提供体制▼新規入院患者に占める重症患者割合が3割以上▼重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善▼自宅等退院患者割合が一定以上▼リハビリ実績指数が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料2】:▼病棟への専任・常勤の社会福祉士1名以上配置▼休日を含めた週7日間のリハビリ提供体制▼新規入院患者に占める重症患者割合が3割以上▼重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善(4点以上)▼自宅等退院患者割合が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料3】:▼新規入院患者に占める重症患者割合が2割以上▼重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善(3点以上)▼自宅等退院患者割合が一定以上▼リハビリ実績指数が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料4】:▼新規入院患者に占める重症患者割合が2割以上▼重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善(3点以上)▼自宅等退院患者割合が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料5】:▼リハビリ実績指数が一定以上 【回復期リハビリ病棟入院料6】:基本部分の要件(施設基準)を満たす 【入院料1と2】【入院料3と4】【入院料5と6】は、それぞれセットで、「重症患者の受け入れ割合」や「リハビリ体制の充実度合い」に応じて階段が設けられます。各セットの中で、リハビリ実績指数に応じた階段が設定される形です。より効果的なリハビリを提供し、ADL改善効果が高い回復期リハビリ病棟が経済的にも高く評価される形になります。こうした見直しに伴い、現在のリハビリテーション充実加算(1日6単位以上の濃厚リハビリ提供などを評価している)は廃止されます。このほか回復期リハビリ病棟については、▼リハビリ実績指数が一定以上などの要件を満たす場合には、専従のPT・OT・STであっても「回復期リハビリ病棟退院から3か月以内の患者」に対し外来リハビリの提供、在宅患者訪問リハビリの提供を可能とする(専従要件の緩和)▼【回復期リハビリテーション棟入院料1】の要件に、管理栄養士のリハビリ実施計画作成への参画、管理栄養士・医師・看護師らによる計画に基づく栄養状態の定期評価と計画見直しなどを盛り込む▼【回復期リハビリテーション棟入院料1】の要件に「病棟への専任・常勤管理栄養士配置が望ましい」旨を盛り込む▼【回復期リハビリテーション棟入院料1】において、入院栄養食事指導料を包括から除外する(出来高算定可能)—といった見直しも行われます。看護必要度を測定する13対1病棟を高く評価、将来、重症患者割合の設定も 13対1・15対1一般病棟入院基本料は、次の3種類の【地域一般入院料】に再編・統合されます。【地域一般入院料1】:▼看護配置13対1以上▼看護職員に占める看護師割合7割以上▼平均在院日数24日以内▼入院患者について、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Iの評価を行う 【地域一般入院料2】:▼看護配置13対1以上▼看護職員に占める看護師割合7割以上▼平均在院日数24日以内 【地域一般入院料3】:▼看護配置15対1以上▼看護職員に占める看護師割合4割以上▼平均在院日数60日以内 【地域一般入院料1】では、重症度、医療・看護必要度Iの測定が必要となり(現在の一般病棟看護必要度評価加算を入院料に組み込む形)、このデータに基づいて2020年度以降の診療報酬改定で「重症患者割合」が導入される可能性があります。今から、「より重症な患者を受け入れる」ための取り組み(重症患者を紹介してくれるクリニックや介護施設などとの連携強化、必要に応じた救急患者受入、急性期を脱した患者の在宅復帰や介護施設への退院支援の充実など)を進めることが重要です。療養病棟は20対1に一本化、医療区分2・3患者割合に応じた点数を設定 療養病棟については、看護配置20対1に一本化し、ここに医療区分2・3患者割合に応じた実績評価部分が組み合わされます(療養病棟入院料1と2)。看護配置25対1などの療養病棟は「経過措置」として存続が可能ですが、「看護体制の強化、重症患者の受け入れ強化によって医療保険の療養病棟としての存続」を図るのか、「介護医療院などへの転換」を図るのか、などを早期に決断する必要があります。【療養病棟入院料1】:▼看護配置20対1以上▼看護職員に占める看護師割合2割以上▼看護補助20対1以上▼医療区分2・3の患者割合が一定以上 【療養病棟入院料2】:▼看護配置20対1以上▼看護職員に占める看護師割合2割以上▼看護補助20対1以上▼医療区分2・3の患者割合が一定以上 【経過措置1】(当面2年間、減額された入院料を算定可能):療養病棟入院料2の基準のうち、▼看護配置20対1以上(ただし看護配置25対1以上は満たすこと)▼医療区分2・3の患者割合が一定以上—のいずれかのみ満たさない場合(現行の看護配置25対1である療養病棟入院基本料2が相当する)【経過措置2】(2年間、さらに減額された入院料を算定可能):▼看護配置25対1—を満たさない場合(ただし看護配置30対1以上は満たすこと)(現行の療養病棟入院基本料2の経過措置が相当) 療養病棟入院料の1と2は、看護配置などは同じで、「医療区分2・3の患者割合」によって区分されます(例えば、入院料1では80%以上、入院料2では50%以上など)。このほか療養病棟に関しては、▼医療区分3のうち「医師・看護職員により、常時、監視・管理を実施している状態」については、他の医療区分3・2の項目に1つ以上該当する場合に限り医療区分3として取り扱う▼在宅復帰機能強化加算について、点数および「一般病棟等から入院し、在宅へ退院した患者」割合の基準値を見直す▼日常生活の支援が必要な患者(ADL区分3)を多く受け入れ、手厚い夜間看護配置(16対1以上)を行い、身体拘束を最小化する病棟を評価する【夜間看護加算】を新設する▼救急・在宅等支援病床初期加算について地域包括ケア病棟と同様の見直しを行う(上述)▼200床以上の病院でデータ提出を義務付ける―などの見直しが行われます。>

中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「個別改定項目について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf)p36~40「地域包括ケア病棟入院料の評価体系の見直し」で、「地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の施設基準について、地域包括ケアシステムの構築を推進する観点から、訪問看護サービスを併設している医療機関についても、要件の一つとする。」は注目である。「在宅医療にかかる地域別データ集」」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html)で、訪問看護が弱い地域では、今後、病院併設訪問看護ステーションが検討されても良いように感じる。
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外来医療の協議の場と必要資料

2018年01月26日 | Weblog
メディウォッチ「医師不足地域で勤務した医師を「社会貢献医」として認定、2020年度の施行目指す―社保審・医療部会 第59回(2)」(http://www.medwatch.jp/?p=18436)。<以下引用>
<医師不足地域で勤務した医師を、厚生労働大臣が「認定社会貢献医」(仮称)として認定する新制度について、2020年度の施行を目指す―。1月24日に開催された社会保障審議会・医療部会で厚生労働省は、このような内容の医療法・医師法改正案の概要を示しました。認定制度の創設には、医師不足地域での勤務を医師個人に促す狙いがあり、認定された医師を雇用する医療機関に「経済的インセンティブ」を与えることで、医師不足地域で勤務したい医師を医療機関も後押しする仕組みにします。厚労省は、今年(2018年)の通常国会への法案提出を目指しています。医療部会では、▼早急に実施する医師偏在対策▼地域医療構想の進め方▼救命救急センターの充実段階評価の見直し―などが議題となっています。本稿では、医師偏在対策の概要をお伝えします。「認定受けた医師」であることを管理者要件にするまでに一定の経過期間 今般の医師偏在対策の柱は、(1)医師少数地域での勤務を医師に促す環境整備(2)都道府県の体制強化(3)外来医療機能の偏在などへの対応―です。このうち(1)の環境整備は、▼医師不足地域にある医療機関での医師の勤務環境を良くする▼医師個人に、医師不足地域での勤務にメリットを感じさせる―の両面から進めます。現状、医師不足地域での勤務に対して医師が抱くイメージには、「自分の代わりに働く医師がいないため、休みがとりづらい」「自分の専門外の患者にも対応せざるを得ないが、別の医師からアドバイスをもらいづらい」のようにネガティブなものもあります。そこで厚労省は、次のような対策に取り組む方針です(どちらも法改正は不要)。▼都道府県が医師不足地域に医師を派遣するに当たり、複数人を交代で派遣することで、休みをとりやすくする ▼医師不足地域に派遣された医師が、専門外の患者に対応できるように、地域の中核病院の医師が助言などを行う 一方で、今般の医療法改正では、「医師不足地域で一定期間勤務した医師」を厚生労働大臣が「認定社会貢献医」に認定する制度を2020年4月に創設。一定の経過期間を置いた上で、この認定を受けた医師でなければ「厚生労働省令で定める病院」の開設者(院長)に就任できないと規定する見通しです。「厚生労働省令で定める病院」としては今のところ、地域医療支援病院のうち、医師派遣機能を有する病院が当たると想定されています。ただし、全国に543施設(2016年10月時点)ある地域医療支援病院の多くが、医師派遣機能を有していないのが実情で、「厚生労働省令で定める病院」の範囲は、今後も重要な論点になりそうです。なお、厚労省医政局総務課の榎本健太郎課長は、認定された医師を雇用する病院などを「予算面や税制面でも併せて評価する」ことにより、認定を目指して医師不足地域で働く医師を増やしたい考えを強調しています。この点、病院に与えられるインセンティブの例には「診療報酬上の評価」も挙がっています。2020年度以降の診療報酬改定で、何らかの加算が創設される可能性もあり、地域医療支援病院以外の病院にとっても注目すべき制度となります。都道府県の体制強化は3段階で実施 (2)の「都道府県の体制強化」について今般の法改正では、「A県出身の医師が、A県内の大学医学部に入り、卒後2年間の臨床研修をA県内の病院で行うと、臨床研修修了後もA県内で勤務する割合が高い」という厚生労働省調査結果を踏まえた対策を、都道府県が講じるための体制整備が、▼第1段階(改正法の公布日に施行)▼第2段階(2019年4月施行)▼第3段階(2020年4月施行)の―3段階で進められる見通しです。まず第1段階(改正法の公布日に施行)では、都道府県の医師確保関係の会議体が、「医師派遣については地域医療支援センター運営委員会」「専門医養成については都道府県協議会」のように乱立している状況を改め、「地域医療対策協議会」で一括して協議する体制に再編します。地域医療対策協議会には、大学医学部やその付属病院、主要な医療機関の関係者を参加させることで、後述する「地元出身者枠」の設置のような医師確保対策を、大学などと連携して実現させやすくします。次に第2段階(2019年4月施行)では、都道府県知事が大学医学部に対して「地元出身者枠」や「地域枠」を設けるよう要請できる権限を付与します。また都道府県に、医療計画の中で「医師確保計画」を規定するよう義務付けます。医師確保計画は、「地域の医療需要に見合う医師確保の目標値」などで構成され、その達成に向けた協議は地域医療対策協議会で行うことになります。「医療需要」を計算する際には、▼今後の総人口や人口構成の変化▼患者の流出入▼交通アクセス―などを加味します。なお、施行日から一定の猶予期間が設けられ、例えば、第7次医療計画の中間見直し時期(2021年4月)までに、医療計画に追記することが求められる見通しです。さらに第3段階(2020年4月施行)で、都道府県知事に▼臨床研修病院の指定権限▼臨床研修病院ごとの研修医定員の設定権限―を付与し、都道府県自ら「地元出身者らに魅力的な研修医プログラム」を用意できる体制を整えます。ただし、都道府県の裁量をあまりに大きくすれば、臨床研修の質を確保することが難しいため、研修の質を担保するために、大本となる「臨床研修病院の指定基準」や、「都道府県ごとでの研修医定員」は引き続き国が定めます。これら都道府県知事の権限強化によって、医師不足地域にある医療機関では、必要な医師数を確保しやすくなると期待されます。医療計画に、外来医療の提供体制確保策も記載 (3)の「外来医療機能の偏在対策」は、地域医療対策協議会ではなく、医療関係者が地域ごとに集まって検討していくことになります。具体的には、今般の法改正で、外来医療の提供体制に関する「協議の場」(医療提供者や保険者、住民代表などで構成)を、二次医療圏単位で都道府県知事が設置する規定が設けられる見通しです(2019年4月施行)。いわば「外来版の地域医療構想調整会議」に当たり、地域医療構想調整会議を充てることも認められます。この「協議の場」では、現存する外来医療機関の数や診療科などを踏まえて、「救急の外来患者にどの医療機関が対応するか」や「医療設備・機器などの共同利用をどう進めるか」などを話し合います。さらに、都道府県が医療計画に、外来医療に関する提供体制を確保するための施策などを記載することも求められるようになります(2019年4月施行)。ほか、今般の法改正では、来年度(2018年度)から全面スタートする新専門医制度が、医師の地域偏在を悪化させる事態を招かないように、厚生労働大臣に、専門医の認定や養成を行う日本専門医機構に対して「必要な措置の実施」を要請する権限が与えられる見通しです(改正法の公布日に施行)。この点、厚労省医政局医事課の武井貞治課長は、厚生労働大臣が、日本専門医機構のほか「専門医養成に携わる学会」に対しても、必要な要請を行える体制にしたいとの考えを示しましたが、釜萢敏委員(日本医師会常任理事)は、「行政が学会に対して権限を持つことは、学会の本来の有り様と相容れない」と慎重な姿勢を表明しました。その一方で、神野正博参考人(全日本病院協会副会長、猪口雄二・全日本病院協会会長の代理出席)は「学会に対する権限も確保した方が、偏在対策には有効だ」と主張しており、学会への関与の在り方が論点となりそうです。>

朝日新聞「紹介状なしの受診、定額負担求める病院が増加 4月から」(https://www.asahi.com/articles/ASL1S4D7XL1SUTFK00D.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<紹介状なしで受診した場合、初診時に5千円以上、再診時に2500円以上の定額負担を求められる病院が4月から増えることになった。厚生労働省が定額負担を義務づける病院を今の500床以上から400床以上に拡大する方針を決めたためで、対象は約260カ所から約410カ所へと1・6倍ほどになる。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で24日、了承された。大病院は患者が集まりすぎ、待ち時間が長いなどの問題が指摘されてきた。大病院が重症患者の治療に専念できるように診療所との役割分担を図ろうと、2016年度から診療所などが作成する紹介状なしで大病院を受診した場合、患者は1~3割の窓口負担に加えて定額を負担することになった。>

キャリアブレイン「【中医協】地域包括診療料、医師配置の要件緩和へ」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20180125155639)。<以下一部引用>
<中央社会保険医療協議会(中医協)が24日に開いた総会で提示された2018年度診療報酬改定案の個別改定項目では、地域包括診療料の要件を緩和することなどが示された。「かかりつけ医」の機能をさらに推進するのが目的で、現行では常勤医2人以上とする医師配置の要件を、常勤医1人と非常勤の医師といった組み合わせでも認めるように見直す。地域包括診療料と地域包括診療加算の医師配置に関する要件は、現行では2人以上の常勤医の配置となっているが、改定案では常勤換算で2人以上の医師を配置し、このうち1人以上が常勤医であることとした。同加算1については、在宅患者への対応として、現行の「24時間の対応を実施している旨を院内掲示していること」から、「24時間の往診等の体制を確保していること」へと明確化される。また、外来医療が中心の医療機関でも、外来診療から訪問診療に移行した患者に在宅医療を提供した場合、その実績への評価を充実させるとした。>

医療部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126719)の「医療法及び医師法の改正法案について(検討中の内容)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/04_2.pdf)p3「4.地域の外来医療機能の偏在・不足等への対応(いずれも医療法に規定)①医療計画に、新たに外来医療に係る医療提供体制の確保に関する事項を記載することとする。②都道府県知事は、二次医療圏ごとに外来医療の提供体制に関する事項(地域の外来医療機能の状況や、救急医療体制構築、グループ診療の推進、医療設備・機器等の共同利用等の方針)について協議する場を設け、協議を行い、その結果を取りまとめて公表するものとする。」が注目される。中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「個別改定項目について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf)p150~164「外来医療の機能分化、重症化予防の取組の推進」のほか、平成30年度からの第3期医療費適正化計画(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000187200.pdf)や第2期データヘルス計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061273.html)とも関連しているであろう。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では、すでに糖尿病も柱の一つであるが、まさに外来医療の機能分化・連携である。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)は入院医療の機能分化・連携であり、外来医療の協議の場の規定は期待されるかもしれない。医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)、診療報酬施設基準届出(http://caremap.jp/)、薬局機能情報(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/index.html)などの資料が役立つであろうが、外来医療は施設数も多く、データベースによる分析が必要であろう。ところで、「経済・財政再生計画改革工程表2017改定版」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/1221/shiryo_02-2.pdf)p5「国において、NDB等を活用した入院・外来医療費の地域差等の分析、「見える化」を引き続き推進し、指標を追加するとともに、国民に分かりやすい形で定期的に公表する」とある。「経済・財政再生計画における「見える化」「先進・優良事例の展開」について」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/1221/shiryo_03.pdf)p2にも「レセプト出現比(SCR)を活用した見える化」があり、経済・財政と暮らしの指標「見える化」ポータルサイト(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/mieruka/index.html)では、二次医療圏別、市区町村別のSCRが公表されている。しかし、「NDBオープンデータ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html)は「都道府県どまり」である。「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=129210)の資料「第3回NDBオープンデータについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000174513.pdf)p2「2次医療圏毎での集計;作業負荷が高く第3回オープンデータでは対応困難。課題として引き続き対応を検討。」は本当におかしい。「NDBオープンデータ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html)は、精神保健福祉資料(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/data/)と同様に、最低限、二次医療圏単位で出すべきであろう。外来医療の協議の場の設置にあたっては、医療計画に関する厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000159901.pdf)p33「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際、保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とあり、圏域連携会議(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000066602.pdf)での保健所の役割を重視したい。
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