朝日新聞「若年時の学校教育、認知症予防に効果か」(https://www.asahi.com/articles/ASL140GP3L13UBQU00V.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<認知症になる人の割合が以前より減っている――。これまでの想定と異なる報告が最近、欧米で相次いでいる。理由の一つとみられるのが、若いころに受ける「教育」だ。教育の充実で、認知症の約8%を防げるという。ただ、日本では増加傾向が続く。英国の研究チームによると、65歳以上に占める英国の認知症患者の割合は1991年時点で8・3%だったが、2011年には6・5%に。英国内では91年に66万4千人の患者がいたとされ、高齢化のペースを加味すると、11年には88万4千人になると予想されたが、改めて調べると67万人だった。人数自体は増えたが、予想より21万人以上少なかった。米国でも同様の結果が判明した。1万人規模の調査で、65歳以上に占める患者の割合は00年に11・6%なのが12年には8・6%に。「減少」の有力な要因の一つが学校教育だ。米国の調査では、対象者が教育を受けた平均期間は00年の「11・8年」から12年の「12・7年」に延びた。教育を16年間以上受けた人の認知症リスクは、12年未満の人の4分の1ほどだった。>
朝日新聞「認知症の減少、日本は? 専門家に聞く」(https://www.asahi.com/articles/ASL140GTNL13UBQU00W.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<欧米で、認知症の高齢者の割合が減少しているという報告が相次いでいる。その一方で日本での割合は増加を続けている。この現象をどのようにみたらいいのか。桜美林大の鈴木隆雄・老年学総合研究所長に聞いた。――認知症の「減少」というのはどういうことですか。 欧米のいくつかの国で、65歳以上に占める認知症患者の割合(有病率)や、一定期間内に認知症を発症する割合(罹患率(りかんりつ))が減った、あるいは少なくとも増えてはいないという報告が出ています。海外でも人口の高齢化に伴って患者の数自体は増えているので、その要素は統計学的に調整されています。認知症を起こす原因はまだわかっていない部分も多いですが、最近の専門家の報告によれば、原因の35%は防ぐことが可能だとされ、そのうち約8%を占めるのが教育だといわれています。米国では、教育歴が16年以上の人の認知症発症リスクは12年未満の人に比べて約4分の1だという報告があり、これとは別に「高校卒業以上の教育歴のある人でのみ、認知症罹患率の減少がみられた」とする調査結果も報告されています。――教育がなぜ、認知症の減少につながるのでしょうか。 一つは教育を通して、どんな生活習慣が健康によいのかを知る機会が増え、健康的な行動につながりやすいという点です。糖尿病や高血圧、肥満、喫煙といった生活習慣病は、認知症のリスクも高めることがわかっています。教育を通して健康意識も高まり、それが認知症の抑制につながっているというわけです。もう一つは、高齢になっても脳の機能を保てるような「認知予備能」(cognitive reserve)が、教育によって高まるという考えです。若いころからずっと知的な活動を続けて100歳ほどまで認知機能を保って亡くなった方の脳を解剖すると、脳の組織そのものはアルツハイマー病患者と同じような変化を起こしていたという報告があります。教育によって、脳組織の変化を補えるほどに認知機能を保てる可能性が指摘されているのです。>
以前、47news「英の認知症、20年で20%減」(http://www.47news.jp/feature/medical/2016/05/post-1503.html)が出ていた。平成28年国民生活基礎調査の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/05.pdf)の「表20 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因」では、要介護者の第一位「認知症」である。既に介護予防マニュアル(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)では「認知機能低下予防・支援マニュアル」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_08.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)が打ち出されているが、平成27年度からの「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)において、非専門職による認知症の介護予防がどれほど普遍化できるかがカギを握るように感じる。介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126734)の「介護保険における保険者機能の強化」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000184165.pdf)、「高齢者の自立支援、重度化防止等の取組を支援するための交付金に関する評価指標(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000184166.pdf)は「介護保険者インセンティブ」であり、認知症予防の観点からも期待したい。また、朝日新聞「糖尿病予防は認知症予防」(http://www.asahi.com/apital/healthguide/ninchi/)が出ていたように、生活習慣病予防は認知症予防につながる。厚労省「「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072246.html)の概要(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12304500-Roukenkyoku-Ninchishougyakutaiboushitaisakusuishinshitsu/01_1.pdf)p9にあるように、認知症患者数の推計には糖尿病有病率によって2種類あることは認識したい。日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクト(http://www.jages.net/)の認知症予防につながる研究結果を報告(https://www.jages.net/index.php?active_action=multidatabase_view_main_detail&content_id=113&multidatabase_id=1&block_id=65#_65)では、スポーツ活動、趣味の会、集いの場、前向き・ポジティブな感情などの効果が出ていた。わが国では認知症サポーター(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000089508.html)が学校にも広がっているが、欧米における取り組みも学びながら、学校における認知症教育は認知症予防の観点からも取り組みたいものである。
<認知症になる人の割合が以前より減っている――。これまでの想定と異なる報告が最近、欧米で相次いでいる。理由の一つとみられるのが、若いころに受ける「教育」だ。教育の充実で、認知症の約8%を防げるという。ただ、日本では増加傾向が続く。英国の研究チームによると、65歳以上に占める英国の認知症患者の割合は1991年時点で8・3%だったが、2011年には6・5%に。英国内では91年に66万4千人の患者がいたとされ、高齢化のペースを加味すると、11年には88万4千人になると予想されたが、改めて調べると67万人だった。人数自体は増えたが、予想より21万人以上少なかった。米国でも同様の結果が判明した。1万人規模の調査で、65歳以上に占める患者の割合は00年に11・6%なのが12年には8・6%に。「減少」の有力な要因の一つが学校教育だ。米国の調査では、対象者が教育を受けた平均期間は00年の「11・8年」から12年の「12・7年」に延びた。教育を16年間以上受けた人の認知症リスクは、12年未満の人の4分の1ほどだった。>
朝日新聞「認知症の減少、日本は? 専門家に聞く」(https://www.asahi.com/articles/ASL140GTNL13UBQU00W.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<欧米で、認知症の高齢者の割合が減少しているという報告が相次いでいる。その一方で日本での割合は増加を続けている。この現象をどのようにみたらいいのか。桜美林大の鈴木隆雄・老年学総合研究所長に聞いた。――認知症の「減少」というのはどういうことですか。 欧米のいくつかの国で、65歳以上に占める認知症患者の割合(有病率)や、一定期間内に認知症を発症する割合(罹患率(りかんりつ))が減った、あるいは少なくとも増えてはいないという報告が出ています。海外でも人口の高齢化に伴って患者の数自体は増えているので、その要素は統計学的に調整されています。認知症を起こす原因はまだわかっていない部分も多いですが、最近の専門家の報告によれば、原因の35%は防ぐことが可能だとされ、そのうち約8%を占めるのが教育だといわれています。米国では、教育歴が16年以上の人の認知症発症リスクは12年未満の人に比べて約4分の1だという報告があり、これとは別に「高校卒業以上の教育歴のある人でのみ、認知症罹患率の減少がみられた」とする調査結果も報告されています。――教育がなぜ、認知症の減少につながるのでしょうか。 一つは教育を通して、どんな生活習慣が健康によいのかを知る機会が増え、健康的な行動につながりやすいという点です。糖尿病や高血圧、肥満、喫煙といった生活習慣病は、認知症のリスクも高めることがわかっています。教育を通して健康意識も高まり、それが認知症の抑制につながっているというわけです。もう一つは、高齢になっても脳の機能を保てるような「認知予備能」(cognitive reserve)が、教育によって高まるという考えです。若いころからずっと知的な活動を続けて100歳ほどまで認知機能を保って亡くなった方の脳を解剖すると、脳の組織そのものはアルツハイマー病患者と同じような変化を起こしていたという報告があります。教育によって、脳組織の変化を補えるほどに認知機能を保てる可能性が指摘されているのです。>
以前、47news「英の認知症、20年で20%減」(http://www.47news.jp/feature/medical/2016/05/post-1503.html)が出ていた。平成28年国民生活基礎調査の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/05.pdf)の「表20 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因」では、要介護者の第一位「認知症」である。既に介護予防マニュアル(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)では「認知機能低下予防・支援マニュアル」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_08.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)が打ち出されているが、平成27年度からの「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)において、非専門職による認知症の介護予防がどれほど普遍化できるかがカギを握るように感じる。介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126734)の「介護保険における保険者機能の強化」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000184165.pdf)、「高齢者の自立支援、重度化防止等の取組を支援するための交付金に関する評価指標(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000184166.pdf)は「介護保険者インセンティブ」であり、認知症予防の観点からも期待したい。また、朝日新聞「糖尿病予防は認知症予防」(http://www.asahi.com/apital/healthguide/ninchi/)が出ていたように、生活習慣病予防は認知症予防につながる。厚労省「「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072246.html)の概要(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12304500-Roukenkyoku-Ninchishougyakutaiboushitaisakusuishinshitsu/01_1.pdf)p9にあるように、認知症患者数の推計には糖尿病有病率によって2種類あることは認識したい。日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクト(http://www.jages.net/)の認知症予防につながる研究結果を報告(https://www.jages.net/index.php?active_action=multidatabase_view_main_detail&content_id=113&multidatabase_id=1&block_id=65#_65)では、スポーツ活動、趣味の会、集いの場、前向き・ポジティブな感情などの効果が出ていた。わが国では認知症サポーター(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000089508.html)が学校にも広がっているが、欧米における取り組みも学びながら、学校における認知症教育は認知症予防の観点からも取り組みたいものである。