保健福祉の現場から

感じるままに

介護医療院への転換の行方

2017年09月18日 | Weblog
キャリアブレイン「一般病床の介護医療院転換「止める理由ない」 日慢協・武久会長」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170915112548)。<以下引用>
<日本慢性期医療協会(日慢協、武久洋三会長)は14日の定例記者会見で、一般病床と療養病床の医療区分の廃止を求めた。また、今後求められる療養病床の機能として「慢性期治療病棟」を挙げた。介護医療院は看取り機能を担うことが望ましいとし、一般病床からの転換も「止める理由がない」と述べた。一般病床と療養病床の区分は2005年から始まり、当時、療養病床の病室は、1人当たり6.4平方メートル、4人部屋が基準とされたが、基準を満たせない一般病床でも、特定除外制度により、療養病床での入院が適当な患者でも継続して入院させることができた。特定除外制度は14年に廃止されたが、武久会長は、現在も一般病床に多くの慢性期患者が入院しているのは周知の事実であり、報酬や施設基準の面でも、一般病床はまだ優遇されていると訴えた。武久会長は、病床を機能別に分けようとする傾向は強まっており、もはや一般病床と療養病床に分類しておく必要はなくなっていると強調。その上で、看護配置などによって病床を分類する案を示した。急性期は、広域から患者が集まる急性期病院を高度急性期とし、それ以外の急性期を「地域急性期」とすることを提案した。武久会長は、100床程度の「自称」急性期病院の場合、患者の9割は2つの中学校区くらいの範囲から集まっているのが現状とし、一方で県立中央病院などは、県内全体や隣の県からも患者が集まっており、広域から患者が集まることは、高度急性期の一つの基準になると述べた。慢性期については、25対1の医療療養病床が廃止されるのを踏まえ、医療区分1の“軽度”の人のための場所ではないというメッセージが示されており、医療療養病床に求められる機能は、しっかり治療を行う「慢性期治療病棟」ではないかと述べた。また、看取り機能については、介護医療院が主体になるべきと訴えた。質疑応答では、一般病床から介護医療院への転換の是非について質問が出た。武久会長は、一般病床の病床稼働率は77%程度で、4分の1が空いている一方で、特別養護老人ホームなどの整備は困難なため、介護医療院のアイデアが出てきたと述べた。その上で、「財務省的に言えば、一般病床で入院料が1日5万円だったのが、介護医療院に移り、1日1.3万円になれば、相当の医療費を効率化できる。しかも、一般病床から望んでいるのに、それを止める理由はない」と述べた。さらに、そこで効率化できた分の半分を高度医療の評価に回すことで、日本の医療の発展につなげるべきではないかと述べた。>

事務連絡「第7期介護保険事業(支援)計画における療養病床、介護医療院等の取扱いに関する基本的考え方について」、「第7次医療計画及び第7期介護保険事業(支援)計画の策定に係る医療療養病床を有する医療機関及び介護療養型医療施設からの転換意向の把握について」(https://www.zenhokan.or.jp/pdf/new/tuuti317.pdf)は医療計画と介護保険事業計画の関係者で共有しておきたい。ここ最近、「介護療養⇒医療療養」に転換したケースが少なくない。介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698)の「介護療養型医療施設及び介護医療院」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000174009.pdf)p7に示すように、「介護医療院」は、①「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナルケア」等の医療機能と、②「生活施設」としての機能とを兼ね備えた新たな介護保険施設であるが、医療療養から介護医療院への転換は、医療保険から介護保険への切りかえを意味し、介護保険事業計画における介護保険料の設定に直接的に影響する。さらに、一般病床から介護医療院への転換となれば影響が小さくないように感じる。「各都道府県の地域医療構想について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf)p31~「各構想区域における4機能ごとの病床の必要量」をみれば、「急性期の過剰」とされる区域が多い。急性期病床過剰と判断される地域は、市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)による人口減少だけでなく、「病床利用率が低い一般病床」の存在が大きいであろう。医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床及び前年度1日平均患者数が出ており、各医療機関の病床利用率がわかり、病床利用率が低い医療機関が少なくない状況にある(特に一般病床)。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000151974.pdf)p16「都道府県知事の権限」が行使される前に、ダウンサイジングする必要があるように感じる。
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予防接種率の都道府県格差

2017年09月18日 | Weblog
キャリアブレイン「麻疹・風疹の予防指針を改定へ 厚労省の小委員会設置案、部会が了承」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170914200201)。<以下一部引用>
<厚生労働省は14日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の部会に対し、風疹と麻疹(はしか)の予防指針の改定などを検討する小委員会の設置案を示し、了承された。10月から議論を始める予定で、2019年の改定を目指す。麻疹・風疹ワクチンの接種率の都道府県間の格差解消も視野に入れ、接種率の向上につなげたい考えだ。風疹と麻疹の予防指針には、5年ごとに見直す方針が明記されている。今回の小委員会の設置は、それを踏まえた措置。>

予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127714)の「麻しん風しんワクチン 接種状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000177252.pdf)では都道府県別の摂取状況が出ており、格差が小さくないことがわかる。麻しん・風しん対策推進会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=214233)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/shiryou1.pdf)p4「麻しん患者の週別報告数」をみれば、最近では海外からの輸入例で小規模流行しており、p6の啓発リーフレット「バリ島を含むアジアの国々から帰国された皆様」、p9「WHO西太平洋地域における麻しんの状況」は周知したい。マイナポータル(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000177264.pdf)の子育てワンストップサービスにも注目である。
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