保健福祉の現場から

感じるままに

保健所の名称表記

2008年03月12日 | Weblog
中国製餃子の対応を機に、保健所の危機管理体制の強化が話題になった。先月の報道でも「保健所24時間対応へ…政府が冷凍ギョーザで再発防止策」(http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080131-1068087/news/20080222-OYT1T00258.htm)と報じられたところである。<以下引用>
<政府は22日午前、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件に関する関係閣僚会合を首相官邸で開き、当面の再発防止策を決定した。<1>関係府省の局長級を新たに「食品危害情報総括官」に充て、食の安全に関する情報共有を徹底 <2>被害情報を迅速に把握するため、保健所が年中無休で24時間対応できる態勢を整備 <3>過去に問題となった海外の製造業者の冷凍加工食品は輸入の都度、残留農薬の検査を輸入業者に要求――などが柱だ。岸田消費者相(国民生活担当)は会合で「新たに薬物が検出される事例が次々と発覚している。国民の不安を解消することに早急に着手する必要がある」と述べた。食品危害情報総括官は政府内の円滑な連携を図るのが狙いで、内閣府、厚生労働、農林水産、文部科学の各府省に置かれる。保健所が常時対応できる態勢を徹底させ、現場の情報が厚労省に迅速・正確に伝わるようにする。食品衛生法の施行規則を改正し、都道府県から厚労省への報告が義務づけられている食中毒の範囲を拡大する。厚労省は、検疫所の食品衛生監視員を増員すると同時に、残留農薬の抜き取り検査について、生鮮食品に加えて、加工食品も対象とする。食品輸入業者が管理を強化するよう、新たにガイドラインも策定して指導する。さらに、加工食品の残留農薬などが検出できる試験法を開発するため、検討会を設置する。政府は、今回の中毒事件の原因解明後、追加的な措置を打ち出す方針だ。>

健康危機管理対策を担う保健所は24時間365日、住民からの苦情・相談、医療機関からの連絡等を受ける体制になければならないのはいうまでもない。病院のように当直でなくとも、必ず連絡が入るような体制が欠かせない。しかし、少々不思議に感じるのは、政府策に保健所の名称表記についての言及がなかったことかもしれない。全国の保健所の名称(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/02/dl/h0201-3a.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/01/dl/h0131-3a.pdf)をみると、保健所は全国各地で、保健福祉事務所、健康福祉事務所、保健福祉環境事務所、健康福祉センター、保健福祉センター、福祉保健センター、厚生センター、福祉保健所など、様々である。そもそもこれは、地方分権推進委員会第2次勧告(http://www8.cao.go.jp/bunken/bunken-iinkai/index-bu.html)で、「保健所については、福祉事務所等他の行政機関との統合が可能であり、その統合組織の一部を地域保健法の保健所とする条例の制定は地域保健法上は禁じられていないこと、地域保健法に基づく保健所の事務以外の事務をその統合組織に附加することが可能であり、その事務については統合組織の長が指揮・監督権限を有すること及びその統合組織の施設において保健・衛生部門を保健所としたときは保健・衛生部門に保健所の名称を表示することを通例とするが必ずしも義務付けるものではないことなど、地方公共団体における弾力的な設置形態が可能である趣旨を明確にする。」(http://www8.cao.go.jp/bunken/bunken-iinkai/2ji/3.html)とされたことによる。しかし、現場では住民や関係機関が保健所がどこか認識できなければ始まらないであろう。自治体でPRはされていると思うが、他県から苦情・相談がくることもある。転入・転出も多い。健康危機管理のためには、やはり「保健所」の名称表記は対外的に欠かせないように感じるところである。例えば、警察署や消防署が、地域によって、○○事務所や○○センターと名称が規制緩和される場合をイメージするとわかりやすいかもしれない。
コメント
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