保健福祉の現場から

感じるままに

妊婦健診

2008年03月05日 | Weblog
「妊婦健診14回無料に 本紙調査 4月から一挙拡大」(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-02-24/2008022401_02_0.html)の報道が目にとまった。<以下引用>
<東京二十三区のうち二十区で、四月から妊婦健診の公費負担が十四回に増えることが、本紙の調査で分かりました。十四回は、国が「望ましい」としている公費負担の回数です。台東、杉並の二区は二〇〇七年度からすでに実施していました。〇八年度からは、十四回実施が一挙に多数派となります。十四回分の公費負担は、多くの区が、母子手帳と一緒に十四枚の受診票を交付するという方式で行います。受診票を窓口で提出すれば、定められた検査については、都内の病院ならどこでも無料で健診を受けられます。里帰り出産などで都外で健診を受ける場合には、受診票は使えません。このため、多くの区で▽都外で健診を受けた領収書を提出すれば、後で払い戻す▽受診票は五枚交付し、ほかに現金で数万円を支給する(千代田、渋谷)―などの方式が検討されています。日本共産党の各区議団は、「受診票は超音波検査や、助産院での健診にも使えるようにすべきだ」(北区)など、より充実した制度となるよう要求しています。東京は全国のなかでも少子化が深刻です。国が昨年一月、公費負担は「十四回程度行われることが望ましい」とする通知を出したことに加え、世論と運動の高まりがあり、多くの区が拡充に動きました。ただ、都内でも財政力の弱い市町村部では、二―五回の公費負担にとどまる自治体が多く残されそうです。国や都が制度的な補助を行わない立場であることが、都内でも自治体間格差を広げています。>
また、「5回実施へ調査行う」(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-03-03/2008030304_01_0.html)の報道もある。<以下引用>
<笠井亮議員は、妊婦健診の公費負担の拡充と業者婦人の実態調査の実現を求めました。妊婦健診の公費負担は、昨年一月に国が全国の地方自治体に、「十四回程度行われることが望ましい」「(財政上困難な時は)五回程度実施が原則」との通知を出し、五回分は地方交付税で措置したとしています。しかし昨年八月の調査によると、全国平均で二・八回にとどまっています。笠井氏は、国の地方交付税抑制路線のもとで自治体が厳しい財政運営を強いられていることを指摘し、政府が責任をもって財政的裏づけを行うよう求めました。厚生労働省の村木厚子大臣官房審議官は、「新年度に再度調査を行い、五回はどこでも実施されるようにする。その後の施策についても検討したい」とのべました。内閣府の上川陽子男女共同参画・少子化担当相は「実態を把握し、積極的に取り組む必要がある」と答えました。業者婦人の仕事や暮らし、健康などの実態調査について笠井氏は、中小業者の苦境がすすみ、「売り上げが非常に減った」「病院に行く必要があっても行けない」などの声を紹介し、前回から六年が経過している調査の実施を求めました。中小企業庁の長尾尚人経営支援部長は、内容や時期を関係省庁と連携し検討していきたいと答弁。上川大臣も「実態をふまえ施策に反映させることが大事で、よく検討したい」と表明しました。>

妊婦健診については、これまで何度かブログった。記事の中の通知とは昨年1月の厚生労働省の通知(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191106-d00.pdf)のことである。報道のように実態調査が行われるとなれば、その自治体間格差が注目されるかもしれない。しかし、自治体では乳幼児医療費助成も拡充される傾向にある。これまで、3歳から義務教育就学前までの窓口負担の割合について3割だったものが、本年4月から2割に引き下げられる(http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0303-4a.pdf)ため、従来から単独で、この年齢を対象に医療費助成を行っている自治体にとっては、その分、負担が軽減されることになる。妊婦健診助成、乳幼児医療費助成、その他、様々な助成があるが、施策の優先度が問われるかもしれないと感じないでもないところである。
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圏域連携会議、医療機能調査

2008年03月05日 | Weblog
先日の会議資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/4fd4b70b86cbc5bf49257401002e5938/$FILE/20080304_1shiryou2_1.pdf)p43~の内容が目にとまった。「連携体制の構築には、県庁レベルでの「作業部会」だけではなく、各地域の関係者が情報・認識を共有したうえで相互の信頼を醸成するための「圏域連携会議」が重要である。地域連携クリティカルパスの導入など、圏域連携会議の活用による地域の取り組みを進めていただきたい。」とされている。日本医師会のHP(http://www.med.or.jp/doctor/iryohou/renkei.html)では、4疾病5事業ごとの医療体制について、「国の政策の一方的な押し付けに従うものではなく、地域の実情を充分に反映し、適切な医療連携を構築することができるものでなければならない」、と強調されている。地域連携クリティカルパスの導入にあたっては、様式自体は県レベルでのある程度の統一が望ましいが、それを用いた具体的な連携構築は地域レベルで進めなければならないと感じる。そういえば、昨年7月20日の通知(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191113-k00.pdf)(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191113-j00.pdf)では、「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。なお、状況に応じて、地域連携クリティカルパス導入に関する検討を行う。」とされているところである。先週の東京での研修会において、フロアーから「病院長が出てきてもわかるわけがない」と発言があったが、具体的な体制構築にはワーキング会議等において、実際に診療に携わる現場関係者同士が協議しなければならないであろう。その調整役が保健所の役割なのかもしれない。さて、資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/9ef0101a97d303b249257401002ecef6/$FILE/20080304_1shiryou9_1.pdf)p229では、各都道府県の医療計画に係るパブリックコメント実施状況が出ているが、自治体によって対応に違いがみられるようである。もう一つ、気になるのは、昨今の医師不足・看護師不足等により、医療機関の医療機能が大きく変動することである。折角、医療計画に医療機関名を記載しても、今後、それに対応していく必要があるのはいうまでもない。その際の基礎資料となるのが、医療機能情報提供制度(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_1.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_2.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_3.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_4.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_5.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_6.pdf)による医療機能調査であるが、これも自治体によって取り組みに格差がみられている(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7shiryou1~2.pdf)。医療機能情報提供制度は、医療法(http://www.ron.gr.jp/law/law/iryouhou.htm)第六条の二、六条の三に基づき、昨年4月から施行されているが、都道府県によって対応がバラついているのが気になるところかもしれない。医療機能調査は少なくとも毎年1回実施される。また、医療法(http://www.ron.gr.jp/law/law/iryouhou.htm)第六条の三 2では、報告した事項について変更が生じたときは、速やかに、当該病院等の所在地の都道府県知事に報告することになっている。すでに現場の医療機関から、「もっと報告を簡略化できないか」、「膨大な調査書の提出は無駄が大きいのではないか」、との声が上がっているところである。例えば、国資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/78b09aa4a5a103924925740100254fe1/$FILE/20080303_1shiryou6_2.pdf)p132~に示される「介護サービス情報公表制度」について、「事業所報告、調査結果報告のWEB化を導入する」とされているが、医療機能調査も報告のWEB化を早急に図られるべきかもしれない、と感じないでもないところである。
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