保健福祉の現場から

感じるままに

結核

2008年01月16日 | Weblog
今晩のNHKためしてガッテン(http://www3.nhk.or.jp/gatten/schedule/index.html)で結核が特集される。<以下引用>
<あちこちからせきが聞こえる、この季節。ただのかぜと思っていたら大間違い! すっかり昔の病気と思い込んでいた「結核」の可能性も。結核菌の感染者は全国でなんと2800万人。4人に1人が結核菌に侵されているのだ。さらに、薬が効かない「耐性菌」の出現で、治療薬がなかった時代に逆戻りしてしまう危険性も! 戦中戦後の大流行期から半世紀以上の時を経てなぜ結核がよみがえるのか、最新情報をガッテンが総力を挙げてお伝えする。「まさか結核に?」の落とし穴 肺の中の「時限爆弾」脅威のメカニズム  「薬がなかった時代へ逆戻り」の恐怖!>

番組の表題は「なぜ今!?目覚める結核 感染者2800万人の真実」であるが、少々複雑な感じがしないでもない。結核統計(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou03/index.html)をみるまでもなく、結核は従来からわが国最大の伝染性感染症である。平成11年7月26日には、当時の宮下厚生大臣から「結核緊急事態宣言」(http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1107/h0726-2_11.html)が出されている。何もいま急に目覚めたわけではない。最近、マスコミが結核に関してあまり報道してこなかったことと、全国の保健所の日常的な対応により、感染拡大を防いできたからである。先月発表の大阪市内の事例(http://www.m-ikkou.co.jp/news/detail/1219p03.html)のようなことが頻繁に発生していれば、そのような表題はなかったかもしれない。<以下引用>
<大阪市は19日、同市都島区の衣類製造会社の従業員ら計18人が結核に集団感染したと発表した。うち元従業員2人と従業員3人が発病した。同市では2005年から3年連続で結核の集団感染が発生しており、今年3件目。市によると、発病した5人は20~40代の男性1人と女性4人。2月から7月までに4人が発病したが、勤務先を確認し切れず、集団感染と判明するのが遅れた。2月に発病した元パートの女性(40代)が、9月上旬になって通院治療を受けていた主治医に「務めていた会社に、ほかにも発病者がいるようだ」と話し、医師が市に報告して発覚した。>

今回の番組では保健所の活動がどの程度でてくるのか、注目したいところである。
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特定健診の詳細な健診項目

2008年01月16日 | Weblog
特定健診においては、基本的な健診項目以外に、詳細な健診項目として、貧血検査、心電図検査、眼底検査の3つがある。手引き(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03d-1.pdf)p12に示すように、貧血検査実施の判断基準は「貧血の既往歴を有する者又は視診等で貧血が疑われる者」で、心電図検査及び眼底検査は「前年度の特定健康診査の結果等において、血糖、脂質、血圧及び肥満の全てについて、次の基準に該当した者;①空腹時血糖値が100mg/dl 以上、またはHbA1c が5.2%以上、②中性脂肪150mg/dl 以上、またはHDLコレステロール40mg/dl 未満、③血圧収縮期130mmHg 以上、または拡張期85mmHg 以上、④腹囲が85cm 以上(男性)・90cm 以上(女性)の者またはBMIが25 以上の者」で、「基準に該当した者全員に実施することは適当ではない。受診者の性別・年齢等を踏まえ、医師が個別に判断する必要がある。」とされている。 なお、心電図検査及び眼底検査の判断に係る「前年度の特定健康診査の結果等」の「等」については、「特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03e_1.pdf)②29では、 「4項目の結果がある過去に受けた他の健診を指すもの。(例えば平成19年度の住民健診や人間ドックの結果を平成20年度の特定健診において利用する等)」とされ、「当該年度の結果で詳細な健診を実施した場合は基準外での独自実施となるため、補助金の対象外となる。前年度の特定健診の結果等が示せないときは、実施する要件を満たしているか否かを判断することができないため、必ずしも当該年度において詳細な健診を実施する必要はない。」とされている。こうみてくると、やはり現場では、少々懸念されるところかもしれない。まず、「平成19年度の住民健診や人間ドックの結果を平成20年度の特定健診において利用」となれば、平成19年度の「空腹時血糖又はHbA1c、中性脂肪又はHDL、血圧、腹囲又はBMI」の結果が健診機関に伝えられる必要があり、この調整が必要となる。健康手帳への健診結果の記入がされているかどうかも問われるかもしれない。また、健診機関には4項目の判断基準以外での詳細な健診はないことを理解していただく必要がある。例えば、先日の管内医師会員に対する説明会では、「健診の診察で不整脈がみられた場合でも心電図は実施できないのか」という質問があったが、それは健診ではなく医療としての対応になる。そして、眼底検査のみ別の機関(眼科等)で実施される場合の調整も必要となるかもしれない。しかし、最大の懸念は、65歳以上の生活機能調査との調整かもしれない。留意事項(http://ww2.ctt.ne.jp/~hopo/tokutei.html)で示すように、生活機能評価の基本チェックリストで特定高齢者候補者には、貧血検査、心電図検査、反復唾液嚥下テスト、血清アルブミン検査が実施されるが、その場合、生活機能評価による貧血検査や心電図検査が特定健診に優先する。特に生活機能評価と特定健診が別々に実施される場合には、十分調整される必要がある。その他いろいろ懸念が尽きないかもしれないが、始まってみないとわからないように感じる。ところで、昨日も管内の病院から特定健診・保健指導の契約に関する問い合わせがあった。病院内では特定健診・保健指導に関してようやく真剣に検討されているようである。病院には、これまで受託してきた事業主健診には4月から特定健診項目が含まれるだけではなく、健診後には医療保険者主体で特定保健指導が行われること、また、従業員に対する事業主健診だけではなく、病院の通院患者(各種の医療保険加入者)が特定健診受診券や特定保健指導利用券を持参してくる可能性があることを理解してほしい旨を伝えたところである。しかし、病院職員の特定保健指導がどうなるか、まだはっきりしないとのことであった。
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